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老後の資産運用で知っておきたい7つのポイント|オススメ商品もご紹介

公開日:2023/02/04 最終更新日:2023/05/25
老夫婦

老後2,000万円問題が話題となり、老後資金に不安がある人も多いでしょう。

例えばこのような疑問はありませんか?

  1. ☑「本当に2,000万円も必要なの?」
  2. ☑「退職金は運用した方が良いの?」

人生100年時代と言われています。

疑問や悩みは人それぞれですが、将来に不安を抱いているだけでは何も解決しません。

本記事では老後に必要な金額や、老後資金を増やす方法について徹底解説しています。

また、具体的におすすめの投資商品を紹介し、さらに退職金の運用方法や注意点についても解説していますので、ぜひ最後までお読みください。

本記事から老後資金の解決策を見つけ出し、豊かで充実した老後を手に入れましょう。

老後資金にはいくら必要?

お金

まずは老後資金に必要な金額についてデータを元に解説します。

1老後生活に必要な金額はいくら?

総務省統計局が公表している「2021年(令和3年度)家計調査年報(家計収支編)」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の1ヶ月の消費支出は平均224,436円、消費支出は30,664円合計すると255,100円です。

また、生命保険文化センターが公表している「令和元年の生活保障に関する調査」によると、ゆとりある老後を送るためには1ヶ月に夫婦で36万円が必要と言われています。

老齢夫婦無職世帯の生活費約26万円(1ヶ月)
夫婦2人のゆとりある老後生活費約36万円(1ヶ月)
出典:家計調査年報生活保障に関する調査を加工して作成

実際に必要な金額は人によって異なりますが、表の金額はひとつの目安になるでしょう。

2不足金額の計算方法

日本年金機構によると、令和4年度の国民年金は月額64,816円厚生年金は月額219,593円です。

分かりやすく、老後の生活費1ヶ月の平均255,100円から厚生年金の月額219,593円を引いた35,507円を1ヶ月の不足分として計算します。

厚生労働省の「2021年(令和3年)簡易生命表」によると、2021年の日本人の平均寿命は男性が81.47歳、女性が87.57歳です。

ここで、60歳の時点で余命が20年、30年と仮定して、老後資金がどれくらい不足するか見ていきましょう。

  1. ☑余命20年の場合:35,000円×12ヶ月×20年=840万円不足
  2. ☑余命30年の場合:35,000円×12ヶ月×30年=1,260万円不足

上記のシミュレーションはあくまで平均ですので、人によってはさらに必要かもしれません。

いずれにせよ、年金だけでは老後資金が不足してしまう可能性が高いでしょう。

(3)老後生活に抱えている不安

60代以降の老後生活にはさまざまな不安が生じますが、その中でも最近注目されている年金受給年齢2,000万円問題について取り上げます。

年金受給年齢の引き上げ

2000年の法律改正で、老齢厚生年金の支給開始年齢が、60歳から65歳に引き上げられました。

男性は、2013年度から2025年度にかけて引き上げが行われ、女性は、男性から5年遅れて2018年度から2030年度で行われます。

支給開始年齢の引き上げに伴い、老齢厚生年金の繰上げ受給もしくは繰下げ受給の請求が可能です。

繰上げを行った場合は受給開始を1月早めるにつき年金額が0.4%〜0.5%減額され、繰下げを行った場合は受給開始を1月遅らせるにつき年金額が0.7%増加しますので、慎重に検討する必要があるでしょう。

なお、詳細は厚生労働省のHPを確認してください。

2,000万円問題

老後資金2,000万円問題とは、2019年6月に金融庁の金融審議会市場ワーキング・グループの報告書「高齢社会における資産形成・管理」が公表され、それを元に老後は2,000万円必要だと騒動になった問題です。

報告書内では、高齢夫婦無職世帯の実収入209,198円から実支出263,718円を引いた54,520円を毎月の赤字として計算していました。

これを前項のように20年間または30年間で計算すると、それぞれ約1,308万円、1,963万円不足します。

よって、「老後には2,000万円不足する」となりますが、この数字を鵜呑みにするのではなく、自分に必要な金額を冷静に試算しましょう。

老後資金を増やすには?

前項では、必要な老後資金について不足額が生じる可能性を解説してきました。

豊かな老後を送るために、老後資金を増やす方法について考えていきましょう。

(1)お金を増やす計画を立てる

老後資金を確保するためには、お金を増やす計画を立てましょう。

計画とは「いつまでにいくら」貯めるのか、具体的な年齢と金額を設定することです。

前項で老後資金に必要な金額を解説してきましたが、必要な金額は人によって異なります。

まずは自分自身が豊かに過ごすために必要な金額を設定しましょう。

その際に「1ヶ月の生活費」を計算することは必要ですが、それ以外にも目標があると良いでしょう。

例えば「1年に1度は旅行する」や「趣味のガーデニングを本格的に楽しむ」など、人生を充実するための目的を持つことをおすすめします。

目標が決まったら、実現できるために必要な金額を生活資金にプラスしましょう。

(2)現状分析して無駄な出費を見直す

老後資金を増やすことは大切ですが、支出を抑えることも同じくらい大切です。

そのためには現状を把握する必要があり、家計簿を付けることを提案します。

最低3ヶ月は家計簿を継続し、何にいくら使っているのかチェックしましょう。

現状分析ができたら、無駄な出費がないか見直してください。

ほぼ着ていない洋服などはもちろんですが、「通っていないジム」「なんとなく購入したサプリ」などたいして必要のない出費があるかもしれません。

老後資金を増やすためには家計をスリム化する必要があり、無駄な買い物やサービス料にお金を使うことはやめましょう。

無駄な出費は見える化しないとなかなかわからないものです。その時にオススメしたいのは家計簿アプリです。弊社開発のお金管理アプリ「マネソル」(特許あり)がありますので、ぜひ試してみてください。

また「マネソル」(特許あり)に登録頂くと弊社FPとの相談も受けられます。家計簿の見直しでプロのアドバイスが欲しい方はぜひご活用ください。

(3)貯金口座など強制的にお金が貯まる仕組みを作る

節約しているはずなのに思うようにお金が貯まらない人は、収入から生活費を使い、余ったお金を貯金しているのではないでしょうか。

計画的にお金を貯めるためには、貯金口座と生活口座を分けて強制的にお金が貯まる仕組みを作りましょう。

その際、貯金口座は「先取り貯蓄」をすることをおすすめします。

給料が入ったら自動的に引き落としされる積立定期預金や確定拠出年金も有効です。

貯金口座には手を付けず、生活口座のみで生活すれば自動的に貯金が増えていきます。

貯金口座の考え方、金融機関の選び方などについて詳しく知りたい方、下記記事を合わせて読んでみてください。

(4)計画が決まったら少しでも早く実行する

上記の(1)~(3)の流れで計画を立てたら、少しでも早く実行しましょう。

まだ20代など現役世代であれば時間も体力もあり、収入を得る方法が沢山あります。

しかし、年齢を重ねるに連れて、定期的な収入を得るための時間がどんどん少なくなっていきます。

また40代以降になると、病気になるリスクが増えます。

病気になると収入が減る可能性や、医療費の支出が大幅に増える可能性もあるでしょう。

つまり、さまざまなリスクを想定して、1日でも早くお金を貯める準備をすることが重要です。

(5)副業などして収入を増やす

老後資金を増やすためには、支出を抑える他に収入を増やす方法があります。

収入を増やすためには、できるだけ長く働く必要がありますが、給与を得る以外に副業をするのはいかがでしょうか。

さまざまな副業がありますが、おすすめは初期費用がかからない仕事です。

本当にやりたい仕事があり、そのためのスキルが充分にあるという場合は別ですが、まずは初期費用がかからない副業を見つけてリスクを低減しましょう。

今はスマホ1台あれば、在宅でできる仕事が数多くあります。

自分に合った仕事を探してみましょう。

(6)資産運用も視野に入れる

老後資金を増やすためには、預貯金だけではなく、資産運用・資産形成も視野に入れていきましょう。

2023年現在、銀行に預けても普通預金の利回りは低く、利息はほとんど付きませんが、投資を行うことで老後資金が貯まるスピードをアップできる可能性が高まります。

投資が全く初めての場合は不安があるかもしれませんが、余剰資金で少額投資からスタートすればリスクを軽減できます。

次の項目でオススメの投資商品を解説していますので、参考にしてください。

(7)FPなどの専門家にアドバイスをもらう

老後資金を確実に増やすためには、FP(ファイナンシャルプランナー)などお金のプロ相談しましょう。

FPに相談するメリットは以下の通りです。

  1. ☑あなたに必要な老後資金をプロの視点で算出してくれる
  2. ☑あなたに最適な投資方法やポートフォリオを提案してくれる
  3. ☑老後資金だけではなく、家計収支や節約、保険や月々の保険料、iDeCoの加入方法や始め方、教育資金、ライフプラン・マネープランなどお金についての不安を解決してくれる

弊社の場合は通常15,000円/回の有料相談は初回無料にて受けることができます。ぜひ活用してみましょう。

なお、FPに何が相談できるか事前にもっと詳しく把握しておきたい方は、下記記事を合わせてお読みください。

また実際に弊社にあった老後資金の相談事例も紹介しています。具体的にどんな相談をしているかを知りたい方は、ぜひお読みください。

初心者でもできる老後資金を増やすための投資商品7選

老夫婦

前述した通り、この項ではおすすめの投資商品を7つ紹介します。

投資経験がなくても、基礎知識を身に付けることで投資が身近なものになります。

自分に合ったものを見つけて、効率的に老後資金を増やしていきましょう。

(1)投資信託

投資信託とは、投資家から集めたお金を資金として運用のプロであるファンドマネージャーが株式や債券などに投資・運用し、運用成果を投資家に分配する仕組みの金融商品です。

メリット

運用のプロに任せられるので、大きな損失や失敗するリスクが比較的少ない投資方法です。

また、1万円程度の少額からスタートできます。

デメリット

誤解されることも多いですが、元本保証ではありません。

多くの場合、利益が確定するまでには10年・20年など長期的に運用する必要があります。

③オススメな方

投資初心者におすすめです。

また、利益が出るまで時間が必要ですので、長期投資を視野に入れている方、数年以内にまとまったお金を使う予定がない方に向いているでしょう。

投資信託について詳しく知りたい方は、下記記事を合わせてお読みください。

(2)不動産投資

不動産投資とは、マンションやアパート、土地などを購入し、家賃収入や売買益で利益を得る投資方法です。

メリット

入居者から家賃収入が得られるので、安定した収入が期待できます。

②デメリット

入居者がいない場合は当然収入がなく、その間も不動産ローンや固定資産税などが発生します。

また、不動産投資には専門家な知識が必要で、良い物件を見つけるのは簡単なことではありません。

オススメな方

一般的に、不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンと言われています。

中・長期的に安定した運用をして、老後に備えたい方に向いているでしょう。

不動産投資のリスク、そして回避策について詳しく知りたい方は、下記記事を合わせてお読みください。

(3)外貨預金

外貨預金とは、日本通貨の円を海外通貨の米ドルなどに換金し預金することです。

メリット

金利と為替のダブルで利益が得られます。

また、基本的に預金ですので初心者の人も始めやすいでしょう。

デメリット

為替リスクによって、結果的に預けたときより元本が少なくなることがあり、日本円の預金のような絶対的な安心・安全はありません。

オススメな方

円の価値が下がったときに経済的な損失を軽減できる可能性がありますので、資産を分散することでリスクを抑えたい方におすすめです。

(4)不動産クラウドファンディング

不動産クラウドファンディングとは、インターネットなどで投資家から資金を募り、集めた資金を元に事業者がマンションなどの不動産を購入し、購入した不動産の家賃収入や売却益を分配する仕組みの投資商品です。

メリット

インターネットで気軽に申し込みができ、1万円程度の少額から不動産投資ができます。

デメリット

不動産相場が急激に下がることもあり、運用後の金額が投資金額より下回ると、元本割れの可能性があります。

オススメな方

不動産クラウドファンディングには3ヶ月〜6ヶ月程度の短いファンドもありますので、短期間で利益を得たい方におすすめです。

(5)金(ゴールド)投資

金投資とは、言葉通り金に投資することで、ゴールドバーなど現物を購入する方法から投資信託で積み立てする方法まで、さまざまな投資方法があります。

メリット

「有事の金」とも言われているようにインフレのときに値上がりする傾向にあります。

デメリット

金を現物で購入した場合は紛失や盗難のリスクがあり、投資信託の場合は運用中のランニングコスト(手数料等)がかかります。

オススメな方

普遍的に価値がある投資商品を持ちたい方、万が一のときに資産を守りたい方におすすめです。

金(ゴールド)投資について詳しく知りたい方は、下記記事を合わせてお読みください。

(6)つみたてNISA

つみたてNISAとは、「少額投資非課税制度」の愛称であり、少額からの長期・積立・分散投資を支援するための投資方法で、毎年40万円の非課税投資枠があります。

メリット

投資から得られる分配金や運用益を、最長20年間非課税で受け取ることができます。

デメリット

投資できる商品は金融庁が選定した投資信託・ETFに限定されます。

また、株式投資など他の投資をする際は、別の口座を開く必要があります。

オススメな方

つみたてNISAは比較的手数料の安いインデックスファンドが中心になっていて、初心者の方に特におすすめです。

基本的に長期保有を前提として利益が確定する投資商品ですので、長期的な運用が可能な人向きでしょう。

税法改正によりつみたてNISAの節税額が更に増えることになりました。より詳しく知りたい方は、下記記事を合わせてお読みください。

また、私が講師を務める「新NISA制度丸わかりセミナー」の動画をLINE友達限定にて公開しています。

  • つみたてNISAの落とし穴
  • 新NISAの注意点
  • 実際に私が実践している投資商品
  • 成功するための鉄則

などリアルな情報がたくさんです。つみたてNISAで損をしている方、これからNISAを検討している方は、ぜひご覧ください。

セミナー

(7)iDeCo(イデコ)

iDeCoとは、「個人型確定拠出年金」の愛称で、自身が拠出した掛金を自身が選定した投資方法で運用する私的年金制度です。

メリット

iDeCoは節税効果が高く、掛金は全額所得控除の対象となります。

また、配当金などが非課税で再投資されます。

デメリット

私的年金制度ですので、60歳になるまでは一切お金を引き出すことができません。

オススメな方

iDeCoの掛金の受け取り方法は一時金(退職所得控除)もしくは年金(公的年金控除)で選択できるので、60歳以降の生活に合わせて利用できます。

フリーランスや個人事業主の方にもおすすめです。

iDeCo(イデコ)について詳しく知りたい方は、下記記事を合わせてお読みください。

なお、資産運用について詳しく知りたい方は、下記記事を合わせてお読みください。

退職金で資産運用を検討している場合は

厚生労働省の「2018(平成30年)就労条件総合調査」によると、2018年の退職金の平均額(大学・大学院卒/退職年金制度のみ)は1,828万円でした。

なぜ、退職金を運用する必要があるのでしょうか。

理由のひとつめは、日本人の平均寿命は年々延びており、退職金を受け取ってから長い期間お金が必要になるからです。

理由のふたつめは、退職金の額は年々減っており、今後も減少傾向にあると予想されるため、退職金を運用して増やす必要があるからです。

退職金で資産運用を検討している場合は以下の点に注意しましょう。

(1)長期的に運用する

基本的に、退職金とは定年後の老後生活を豊かに過ごすためのお金です。

今まで述べてきた通り、20年、30年と老後生活は長く続きますので、退職金も長期間運用することを前提として計画を立てましょう。

具体的には、インデックスに連動した投資信託など長期間の保有を前提とした商品がおすすめです。

また、今後成長が期待できる企業や応援したい企業の株式の購入も良いでしょう。

株式には配当金や株主優待もありますので、生活に楽しみを与えてくれます。

いずれにせよ、価格変動や株価の値動きに一喜一憂するのではなく、長期間な視点で運用しましょう。

(2)リスクの高い投資をしない

定年退職後は収入源がなかったり、年金生活になったりする場合がほとんどです。

そのため、退職金の運用はリスク許容度が低く、リスクの高い投資はおすすめできません。

例えば、不動産投資に挑戦する人もいますが、余程高い知識を持った人以外は慎重に行いましょう。

また、全額を注ぎ込んだり、金融機関や証券会社・保険会社の担当者の提案通りに購入したりするのもやめましょう。

投資を行う以上は自己責任ですので、きちんと勉強し、自分に合った商品を無理のない範囲で選択してください。

退職金の資産運用について詳しく知りたい方は、下記記事を合わせてお読みください。

まとめ

老後資金

本記事を読んで、少しでも老後生活の不安が解消されたことではないでしょうか。

老後生活の不安はお金だけではありませんが、お金があれば選択肢が広がり、お金はあなたの生活を必ず助けてくれます。

また、お金があれば趣味を充実させたり、旅行をしたり、家をリフォームしたりすることができますので、心豊かな毎日が手に入ります。

老後資金と聞くと、介護費用や医療費などが浮かびますが、老後生活はそれだけではありません。

イザというときのためだけではなく、あなたのセカンドライフを豊かにするために、今から老後資金を貯める方法を実践していきましょう。

当社には経験豊富なFPが多数在籍しています。相談だけでも大丈夫ですので、まずはお気軽にご連絡ください。

著者

代表取締役 田中佑輝
代表取締役 田中佑輝株式会社アルファ・ファイナンシャルプランナーズ
AFP、宅地建物取引士、DCプランナー、証券外務員一種、二種、内部管理責任者、不動産賃貸経営管理士、住宅ローンアドバイザー、日商簿記2級
☆「幻冬舎ゴールドオンライン」にて記事連載中☆
☆「NewsPicks」にて記事連載中☆

アジア金融の中心地であるシンガポールに10年間滞在。その後、外資系銀行にてプライベートバンカー、セールスマネジャー、行員向け経済学講師を経て独立系ファイナンシャルプランナー事務所を設立。著書に『58歳で貯金がないと思った人のためのお金の教科書』、『50代から考えておきたい“お金の基本”』。Bond University大学院でマーケティングと組織マネジメントを研究。経営学修士。

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