iDeCo(イデコ)とは?特徴やメリット・デメリットをゼロから解説!

目次
老後2,000万円問題が話題になり、老後の資産形成に役に立つ制度としてiDeCo(イデコ)が人気を集めています。
しかし、
- ☑「iDeCoって名前しか分からないけど、私がやってもメリットあるの?」
- ☑「iDeCoをやっている人が周りにいないから始めるのが不安」
というように「iDeCoについては気になるけど始められない」という人も多いです。
結論として、iDeCoは老後の公的年金に上乗せできる資産形成として、うまく活用すれば老後のお金の悩みを減らせる可能性があります。
とはいえ、具体的にどんなメリット・デメリットがあるか分からなければ、気軽に始められないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、iDeCoについて全く分からないという方でも理解できるように、iDeCoの特徴や、メリット・デメリットはもちろん、iDeCoが向いている人の特徴についてお伝えしていきます。
是非、iDeCoを検討するためのきっかけとして、最後まで読んでいってください。
iDeCo(イデコ)とは?

iDeCo(イデコ)は個人型確定拠出年金の略語になり、老後の資産形成に活用できる制度になります。
iDeCoは任意で加入でき、自分で掛金を決めて資産運用をしていきます。
長期的に積立しながら資産運用をすることで、老後の退職金や年金を増やしていくことができます。
iDeCo(イデコ)の特徴

iDeCoの概要を踏まえて、より詳しく特徴を解説していきます。
(1)個人で掛金を運用して老後資産をつくる制度
iDeCoは毎月の掛金を自分で設定して、老後に向けて資産運用をしていきます。
iDeCoの月々の掛金は上限と下限が定められています。
毎月の掛金をどの金融商品に投資をしていくか、自分で組み合わせを決めていく必要があり、この運用成績に応じて、老後に受け取れる金額が変わってきます。
どのくらいリスクとリターンをとれるかは、人によって異なりますので、どの金融商品を選ぶかが非常に重要といえます。
(2)20歳以上60歳未満で公的年金に加入している人が利用可能
iDeCoには加入条件があります。
条件としては、
- ☑日本に在住している
- ☑20歳以上60歳未満
- ☑公的年金に加入している
上記3つになります。
一定の条件を満たしていれば、学生やアルバイト、主婦(夫)でも加入ができます。
会社員の場合、勤めている会社で企業型の確定拠出年金に加入しているのであれば、iDeCoに同時加入が認められていれば利用できます。
会社員でiDeCoを利用したい場合は、勤め先に事前に確認しておくのが大切です。
(3)iDeCo(イデコ)は月々5,000円から始められる
iDeCoは少額から老後に向けて始められる資産運用としても注目されています。
iDeCoの毎月の掛金の下限は5,000円となっており、1,000円単位で変更が可能です。
今の資産状況や、毎月の収支に合わせて無理のない範囲から始めることができます。
注意点として、掛金額はいつでも変更できるわけではないので注意しましょう。
iDeCo(イデコ)の4つのメリット

iDeCoの特徴を踏まえて、iDeCoを利用することで得られる4つのメリットを確認していきましょう。
(1)掛金の全額が所得控除できる
iDeCoに拠出する掛金は「全額が所得控除の対象」になります。
つまり、その年の所得税や、翌年の住民税が安くなります。
通常、稼いだお金には所得税と住民税がかかりますから、将来のために積立ができるiDeCoを利用するのは節税効果と合わせて大きなメリットが期待できます。
所得税率は年収が高い人ほど大きくなりますので、年収が高い人ほど、iDeCoを利用することで節税効果はより大きくなります。
(2)運用益が非課税
iDeCoによって得た投資の利益には税金がかかりません。
通常、投資で利益を得た場合には20.315%の税金が課税されます。
iDeCoでは課税部分がそのまま利益として運用していけるので、より利益を出しやすくなるといえます。
非課税で長期間資産運用をすることで、「複利効果」もさらに高まりますから、若い人であっても老後に向けてiDeCoを活用するのも良い選択肢の1つだといえます。
(3)受け取る時に控除が利用できる
iDeCoで運用したお金は、原則60歳以降に一括、もしくは分割で受け取ることができます。
一括で受け取る場合は「退職所得控除」、分割で受け取る場合は「公的年金等控除」を利用することで大きな控除を得ることができます。
つまり、増やしたお金を税負担を小さくして受け取ることができるのです。
(4)転職・離職しても持ち運び可能
iDeCoは転職や離職をしても資産を持ち運びができます。
退職時に一括で受け取る方も多いので、会社員の方の中には、転職や離職によって失われてしまうのではないかと気になっているケースも多いです。
働き方が多様化してきたことで、転職や離職する人の割合も増えていますが、iDeCoは持ち運びが可能なので安心して積立していくことができます。
もちろん、勤務先や年収が変わることで、iDeCoの条件や節税メリットも変わりますので注意が必要です。
iDeCo(イデコ)の3つのデメリット

老後の資産形成としてiDeCoには多くのメリットがありますが、反面、iDeCoには注意しておくべきデメリットもあります。
節税効果が高い分、利用するには制限もありますのでiDeCoの3つのデメリットについて解説していきます。
(1)60歳まで引き出しができない
iDeCoで積み立てた掛金は、原則60歳になるまで引き出しができません。
老後のためにといって、無理してiDeCoの掛金を増やしてしまうと、今の生活費や教育資金を圧迫してしまう可能性があります。
毎月の掛金も年に1回しか変更ができないですから、掛金は無理のない範囲で余裕を持って決める必要があります。
どうしても経済的にiDeCoの継続が困難となった場合には、積み立てを停止したり、解約したりすることはできますが、健康に生活している限り条件を全て満たすのは難しいです。
iDeCoに税制面でのメリットは多いですが、今の生活を犠牲にしてまで利用するのはおすすめできませんので、ある程度の貯金を確保した上で利用を検討するのが良いでしょう。
(2)口座開設や維持に手数料がかかる
iDeCoを開始するには専用口座を開設する必要があります。
iDeCoを取り扱う金融機関での口座開設になりますので開設手数料がかかります。
また、口座の維持手数料や管理手数料を支払う必要がありますので、無料で掛金を運用していけるわけではありません。
こういった手数料も1つ1つは少額でも、合算すると長い目でみて大きな支出になりますのでiDeCoを始める前にきちんと確認しておきましょう。
(3)受け取り時に課税されるケースがある
iDeCoは運用期間は非課税になりますが、将来受け取る際には税金を支払うケースもあります。
もちろん、メリットでお伝えしたように受け取り時には各種控除を利用できます。
そのため、控除の範囲内であれば非課税で受け取ることができますが、控除の範囲を超えた部分については課税対象になりますので、理解した上でiDeCoを始めていきましょう。
iDeCo(イデコ)が向いている人の特徴

iDeCoのメリット・デメリットを踏まえて、どんな人に向いているのかを確認していきましょう。
(1)毎月安定した収入がある人
iDeCoは毎月の掛金を決めて、老後に向けて資産形成をしていく制度になります。
iDeCoの掛金はいつでも変更できるわけではないですから、収入の増減が大きい人よりは、毎月の収入が安定している人のほうが負担なく取り組むことができます。
せっかく、老後に向けてiDeCoを利用し始めたのに、毎月の掛金が負担になって今の生活が苦しくなったり、借入をしなくてはならなくなったりしては損になってしまいます。
毎月の安定収入がある人はiDeCoを使うのに向いているといえるでしょう。
(2)老後のために資産形成をしたい人
iDeCoを利用することで、税制優遇を受けながら老後の資産形成ができます。
iDeCoを始めることで、「毎月の貯金を継続するのが苦手・・」「つい、まとまったお金が入ると使ってしまう・・」という人であっても、自分で決めた掛金を積み立てていく必要がありますから、良い意味で積立投資の強制力を利用できます。
老後に向けて資産形成を始めたいと考えている人にとってはiDeCoは便利な制度といえるでしょう。
(3)生活費の6ヶ月から1年分の貯金がある人
iDeCoは加入すると、原則60歳まで解約することができません。
そのため、急に大きな出費が必要になったとしてもiDeCoのお金を使うことができないのです。
全く貯金がない人がiDeCoを始めてしまうと、iDeCoの掛金を支払うために生活が苦しくなったり、大きな出費があった時に借入をしなくてはいけないかもしれません。
iDeCoを始める前には、ある程度のトラブルが起きても対処できるように、生活費の6ヶ月分から1年分くらいの貯金を用意してからがよいでしょう。
もちろん、どのくらいの貯金が良いかは個人の家族構成やライフスタイルによって大きく変わりますので、iDeCoを始める前にはどのくらいの割合で貯金をしたら良いか考えておく必要があります。
iDeCoに加入したいがいくらにすべきかで悩まれている方は、ぜひ弊社のファイナンシャルプランナー(FP)に相談してみてください。
また、弊社には16,000件の相談データを元に開発された、簡単に資産管理ができる「マネソル」(特許あり)というアプリがあります。銀行などの金融機関とのデータ連携ができることから、家計簿の機能から詳細の資産管理まで一元管理することができます。毎月いくらiDeCoに回せるお金があるのかなど何度でもシミュレーションすることができますので、お金をちゃんと管理したいという方はぜひ活用してみてください。
iDeCo(イデコ)のまとめ

今回は、iDeCoの特徴とメリット・デメリット、iDeCoが向いている人の特徴についてお伝えしてきました。
iDeCoにはいくつかの制限はあるものの、掛金が所得控除の対象になり、運用益が非課税、また受け取り時にも各種控除が利用できるといったように、税制面での優遇が大きい制度になります。
「安定した老後の暮らしに向けて準備をしておきたい!」「少額からでも将来につながる備えを始めたい!」このように考える人にとってiDeCoはメリットの大きな選択肢といえます。
是非、ご自身のライフスタイルを見直すとともに、将来に向けた選択肢の1つとしてiDeCoを活用してみてください。
著者

- 株式会社アルファ・ファイナンシャルプランナーズ
- アジア金融の中心地であるシンガポールに10年間滞在。その後、外資系銀行にてプライベートバンカー、セールスマネジャー、行員向け経済学講師を経て独立系ファイナンシャルプランナー事務所を設立。著書に『58歳で貯金がないと思った人のためのお金の教科書』、『50代から考えておきたい“お金の基本”』。Bond University大学院でマーケティングと組織マネジメントを研究。経営学修士。
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