【法改正情報あり】つみたてNISAとは?初心者でも分かる仕組みを解説

目次
「話題のつみたてNISAに興味はあるけど、そもそもどんな制度かよく分からない・・」
つみたてNISA(積立NISA)は少子高齢化の時代において「老後の備え」として注目が高まっている制度です。
しかし、つみたてNISAという言葉は知っていても、具体的にどんなメリット・デメリットがあるかよく分からないから、なかなか投資するには至っていないという方も多いのではないでしょうか。
仕組みが分からないまま投資をして損をしてしまっては後悔してしまいますが、何もしないで貯金しているだけなのも不安になってしまうかもしれません。
実際に、つみたてNISAには投資初心者にとって多くのメリットがあります。
今回は投資初心者でも分かる、つみたてNISAについて、メリット・デメリットはもちろん、よくある質問にもお答えしていきます。是非、つみたてNISAについて理解を深め、資産形成のきっかけにしていってくださいね。
つみたてNISAって何?

つみたてNISAとは、2018年1月から始まった新しい資産運用の制度です。
専用の口座を開設して投資をすることで、最長20年間、利益が非課税になる制度です。
投資をして利益を得れば、一般的には税金が課税されます。
しかし、つみたてNISAを利用することで非課税になるので、投資で資産を増やしていきたい人にとっては活用したい制度といえます。
つみたてNISAと一般NISAの3つの違い

つみたてNISAが始まる前から、一般NISAと呼ばれる制度もありました。
つみたてNISAと一般NISAを混合してしまわないように、大きな違いを3つに分けて表にしてまとめています。
つみたてNISA | 一般NISA | |
非課税期間 | 最長20年間 | 最長5年間 |
非課税枠 | 年間40万円まで | 年間120万円まで |
投資可能商品 | 認可された投資信託 | 株式・投資信託 |
著者作成
詳しい違いはそれぞれ解説していきます。
(1)非課税期間
つみたてNISAは最長20年間、一般NISAは最長5年間となります。
そのため、つみたてNISAの方がより長い期間積立投資を続けることができます。
(2)年間の非課税枠
つみたてNISAは年間40万円、一般NISAは年間120万円になります。上限いっぱいまで活用するために毎月一定額を投資していくと、つみたてNISAは月間33,333円、一般NISAは月間10万円です。
投資初心者がいきなり月に10万円の投資を継続するのはハードルが高いですが、つみたてNISAであれば上限まで投資をしようとしても約33,000円となり始めやすくなります。
短期間では、一般NISAの方がより多く投資できますが、つみたてNISAは20年間で合計800万円まで非課税枠を活用できるので、長期投資をしたい人にとってメリットが大きいといえます。
(3)投資対象の商品
つみたてNISAでは金融庁が長期投資に適していると判断した投資信託のみ購入が可能です。そのため、一般NISAでは購入できる株式などの投資商品は購入ができません。
しかし、金融庁がお墨付きをしてくれている商品から選ぶことができるので、どの投資商品にしたらいいか判断が難しいという投資初心者であっても始めやすくなります。
もちろん、つみたてNISAの商品だからといって、投資タイミングや期間によっては損する可能性もあるので注意が必要です。
つみたてNISAの4つのメリット

つみたてNISAを利用する4つのメリットについて解説していきます。
(1)20年間は売却益・分配金が非課税
つみたてNISAは最長で20年間、売却益や分配金に対する税金が非課税になります。
通常、投資をして得られた利益は配当所得となり、20.315%の税金が課税されます。
つみたてNISAは非課税になるので、税金分も利益として受け取ることが可能です。
(2)ドル・コスト平均法を活用できる
つみたてNISAはドル・コスト平均法を活用するのに適した制度です。
ドル・コスト平均法とは、価格の上下がある金融商品を一度に購入せず、一定期間において決まった金額を投資し続けることで、高値で買ってしまうリスクを抑える方法です。
具体的には、一定の金額を投資し続けることで、価格が高いときは少なく購入、価格が安いときは多く購入できるので、結果として、購入単価を抑えることができるのです。
つみたてNISAは毎月約33,000円を上限に、毎月購入していくことができますので、自然とドル・コスト平均法を活用していけるというのは初心者にとってメリットです。
(3)少額からでも始められる
つみたてNISAは、毎月1,000円、10,000円といった少額からでも始められます。
金融機関によって最小投資額は異なりますが、10,000円以内などの少額からであれば、多くの方が始めやすい金額といえるでしょう。
もちろん、つみたてNISAを少額で始めて、慣れてきたら投資金額を上げていくこともできます。
(4)長期・積立・分散の3原則を活用できる
投資の世界では、長期・積立・分散の3原則を抑えることが大切といわれています。
つみたてNISAは、
- ☑長期:最長20年間
- ☑積立:毎月の積立投資
- ☑分散:金融庁が認可した投資信託
という3原則を守って投資をしていくことができます。
ベストな投資のタイミングや期間を判断するのは投資の専門家でも簡単ではありません。
そのため、つみたてNISAであれば難しい判断をすることなく、投資を継続していくことができます。
つみたてNISAの2つのデメリット

つみたてNISAには多くのメリットがありますが、気を付けるべきデメリットもあります。
つみたてNISAを利用する際の2つのデメリットについて解説していきます。
(1)投資できる金融商品が限定的
つみたてNISAでは、金融庁の厳しい審査をクリアーした投資商品しか購入することができません。
つみたてNISAで購入できない投資商品を買いたい場合には、一般NISAを選んで投資をする必要があります。
(2)損をしたら税制優遇を受けられない
つみたてNISAは利益を得た時に税制優遇を活用できます。
つまり、損失がでたときには税制優遇は受けられないということです。
つみたてNISAであっても、投資である以上、必ず利益がでる訳ではないので注意しておきましょう。
つみたてNISAが向いている人の特徴

つみたてNISAのメリット・デメリットを踏まえて、つみたてNISAに向いている人の特徴をまとめていきます。
(1)投資初心者
つみたてNISAは、投資経験がない、もしくは投資をほとんどやったことがないという初心者にとっておすすめといえます。
つみたてNISAであれば、投資初心者にとってハードルが高いといわれる、投資先の選択や、投資タイミングを判断する負担が少ないです。
なぜなら、投資商品は金融庁が厳選した商品に限られますし、最長20年間、毎月の積立投資になるので購入のタイミングを気にする必要もありません。
とは言え、投資である以上、自分の資産を明確に把握しておく必要があります。弊社には16,000件の相談データを元に開発された、簡単に資産管理ができる「マネソル」(特許あり)というアプリがあります。銀行などの金融機関とのデータ連携ができることから、家計簿の機能から詳細の資産管理まで一元管理することができます。つみたてNISAで資産がどれくらい増えたかなど、お金をちゃんと管理したいという方はぜひ活用してみてください。
(2)仕事や家事で忙しい人
つみたてNISAは仕事や家事が忙しくて、投資にはあまり時間をかけたくないという人にもおすすめです。
つみたてNISAは投資商品と毎月の積立額を決めてしまえば、後は自動的に毎月投資をしていくことができます。
月に1回くらい、問題なく購入できているか、投資金額の変更は必要かといったチェックをするくらいで投資を継続できます。
(3)少額から投資を始めたい人
つみたてNISAは年間40万円が上限ですので、毎月約33,000円が限度額になります。
そのため、他の金融商品と比べても、少額から始めていきやすい制度になります。
まとまった資金がないから投資はできないと考えている人にこそ、つみたてNISAはおすすめな投資方法といえます。
つみたてNISAのQ&A

最後に、つみたてNISAについて、よくある質問について答えていきます。
(1)つみたてNISAは誰でもできる?
つみたてNISAは日本国内に居住している人のみ口座開設ができます。
また、年齢制限もあり、つみたてNISAを始める年の1月1日時点で20歳以上である必要があります。
(2)つみたてNISAは解約できるの?
つみたてNISAは、途中で金融商品を売却をして出金できます。
注意点として、売却した分、その年に追加で購入しても非課税枠には入りません。
具体的には、積立NISAで30万円投資をして、30万円売却したとしても、残りの非課税枠は10万円のままです。
売却したからその年の非課税枠が40万円に戻ることはありません。
(3)つみたてNISAの始め方は?
つみたてNISAを始めるには、つみたてNISAの取り扱いができる銀行や証券会社で口座開設をする必要があります。
店舗や窓口に行かなくても、大手ネット証券などで口座開設をすればつみたてNISAを始められます。
手数料無料など、まずは大手証券会社であるSBI証券、楽天証券、大和証券などを検討してみるといいでしょう。
2024年以後のつみたてNISAはどう変わる?

令和5年度の税制改正により、2024年以後はつみたてNISAの内容が大きく変わります。今までは一般NISAとの併用ができなかったですが、今回の改正により併用ができるようになります。そのため、非課税枠が一気に大きくなり、更にメリットが大きくと感じられるでしょう。
具体的な変更点については下記一覧表よりご確認ください。

出典:国税庁「新しいNISA」
また、私が講師を務める「新NISA制度丸わかりセミナー」の動画をLINE友達限定にて公開しています。
- つみたてNISAの落とし穴
- 新NISAの注意点
- 実際に私が実践している投資商品
- 成功するための鉄則
などリアルな情報がたくさんです。つみたてNISAで損をしている方、これからNISAを検討している方は、ぜひご覧ください。

つみたてNISAのまとめ

つみたてNISAのメリット・デメリット、向いている人の特徴について解説してきました。
投資と聞くと、ハードルが高くて自分には関係ないと考えている人は少なくありません。
ですが、つみたてNISAであれば、少額から長期積立を始めることができるので、投資に慣れていない初心者にこそおすすめな制度になります。
是非、つみたてNISAについて理解を深めて、無理のない範囲から投資を始めていきましょう。
著者

- 株式会社アルファ・ファイナンシャルプランナーズ
-
AFP、宅地建物取引士、DCプランナー、証券外務員一種、二種、内部管理責任者、不動産賃貸経営管理士、住宅ローンアドバイザー、日商簿記2級
アジア金融の中心地であるシンガポールに10年間滞在。その後、外資系銀行にてプライベートバンカー、セールスマネジャー、行員向け経済学講師を経て独立系ファイナンシャルプランナー事務所を設立。著書に『58歳で貯金がないと思った人のためのお金の教科書』、『50代から考えておきたい“お金の基本”』。Bond University大学院でマーケティングと組織マネジメントを研究。経営学修士。
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