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40代が家購入で頭金を出す3つのメリット!FPが考慮すべきことも解説

公開日:2023/03/30 最終更新日:2023/04/20

40代に入り家の購入を考える人は少なくありません。一方で次のような疑問や悩みを持っている人も少なくないでしょう。

  1. ☑40代が家購入を検討する割合は?
  2. ☑40代が家を購入するメリットは何?
  3. ☑頭金はいくら入れるべきなの?

こちらの記事では、不動産の専門知識を持つFP(ファイナンシャルプランナー)が、40代が家購入を検討する際のメリットや、頭金の必要性、目安などを具体的に解説します。

頭金別に、住宅ローンのシミュレーションも紹介しますので、現在家購入を検討している人はぜひ参考にしてみてください。

40代で家購入する人が多い?その割合は?

カップル

一戸建てやマンションなど、家購入者の年代で最も多く見られるのが「30代・40代」です。

実際に、次の表は国土交通省「令和3年度住宅市場動向調査報告書」で公開している情報を参照し作成したデータなので見てみましょう。

建物種別平均年齢
注文住宅40歳
分譲戸建住宅37.2歳
分譲マンション39.5歳
中古戸建住宅43.2歳
中古マンション43.6歳
国土交通省「令和3年度住宅市場動向調査報告書」を参考に著者作成

表に記載している新築住宅や中古住宅といった物件種類の平均年齢は「一時取得者」の年齢です。

一次取得者とは、新築マンション・中古マンションに関係なくはじめて住宅を購入する人です。

見てもらうとわかりますが、住宅購入時の年齢層のメインは、一生のうち30代後半~40歳特に40代前半で45歳までに購入しているのがわかります。

なお、二次取得者については40代後半から50代が多く見られました。

40代で家を購入する4つのメリット

ここでは、実際に40代で家を購入するメリットを4つお伝えします。

「頭金を貯めやすい」「老後生活を視野に入れた計画を立てやすい」といった利点が挙げられます。

(1)将来のライフイベントなど変化の想定がしやすい

40代で家を購入するメリットは、将来のライフイベントといった変化を想定しやすい点です。例えば20代の場合、子供の数など世帯構成が定まっていない可能性があります。

一方40代であれば、例え転勤があったとしても子供がある程度大きければ単身赴任も考えられます。

40代は、年収や家族構成が安定しやすいため、将来的に理想の住まいを計画しやすい点でメリットです。

(2)収入が上がり頭金が貯めやすくなっている

40代であれば、20代や30代と比較し収入が上がっている可能性があるため、ある程度の貯蓄が期待できます。

年収が上がり貯蓄が増えれば、住宅ローンを組みやすくなる点でメリットです。

(3)老後生活を視野に入れながら計画を立てやすい

40代の家購入には、老後の生活を視野に入れた計画を立てやすいという特徴もあります。

40代になると、子供の独立やこれからの働き方など、30代と比較しより現実的に計画できるようになりますし、考え方もかたまります。

老後に向けた、例えば手すりなどのバリアフリーを意識した設備の導入、駅からのアクセス、周辺環境など、例えば60歳や80歳など、年を取っても安心して暮らせる住まいが希望できます。

(4)自己資金があることから定年までの完済がしやすい

住宅ローン残高の完済時の時期が「定年を過ぎたくない」感じる人は少なくありません。

一方で収入やボーナスなどが増え、ある程度自己資金がある40代なら、繰り上げ返済などで定年までに住宅ローンの完済が望めるのもメリットです。

ただし、教育費や老後資金の準備を考えると無理な返済は危険です。また住宅ローンを組むときは、返済負担率を極力抑えましょう。

返済負担率とは、年収に対する年間の住宅ローンの返済金額の割合です。目安は手取り年収の「20%~25%」と考えてください。

あまりにも返済負担率が高いようだと、いくら貯金があっても、住宅購入後毎月の出費により生活が圧迫されるリスクが高くなるため、注意点として覚えておきましょう。

家を購入するときの頭金はいくら必要?

家購入

住宅購入に必要な頭金の目安について解説します。頭金とは、住宅購入価格から住宅ローンの借入額を差し引いた、つまり自己資金に当たるお金です。

(1)頭金の平均目安はいくら?

頭金の平均額を、国土交通省「令和3年度住宅市場動向調査報告書」のデータを参考に表にしました。

建物種別購入資金自己資金自己資金比率
注文住宅3,459万円972万円28.1%
分譲戸建て4,250万円886万円20.9%
中古戸建2,959万円1,301万円44.0%
分譲マンション4,929万円1,929万円39.1%
中古マンション2,990万円1,234万円41.3%
国土交通省「令和3年度住宅市場動向調査報告書」を参考に著者作成

記載された複数の建物物の平均データによると、頭金(自己資金比率)は2割~4割程度です。

絶対にこれが正解ということではありませんが、マイホーム購入の1つの目安にしてみてください。

(2)40代が家購入時の頭金の相場は?

通常頭金の相場は、40代に限らず物件価格の「大体1割~2割」といわれています。

1割~2割の理由については、かつて金融機関の多くが物件価格の8割を融資額の上限としていた背景があるからです。

余裕があれば、相場より多めに頭金を用意することも可能ですが、貯めるまでに時間がかかる他、預貯金に余裕がなくなる恐れもあるため見極めが重要です。

また、家購入時に頭金を用意せずフルローンを利用する手段もありますが、おすすめしません。

といのも審査で不利になったり、フラット35のように借入金利が高くなったりする恐れがあるからです。

40代が家購入に頭金を入れる3つのメリット

この項目では、40代が家購入に頭金を入れるさまざまなメリットを見ていきましょう。

(1)借入額が抑えられ、毎月の返済額が軽減する

40代に限った話ではありませんが、住宅購入で頭金を入れるメリットは「毎月の返済額を抑えられるから」です。

自己資金として頭金を用意できるのであれば、その分住宅ローンの借入額が減り毎月の返済負担が軽減します。

例えば、頭金なしで4,000万円を変動金利0.475%・35年ローンで借りた場合、毎月の返済額は103,392円です。

しかし、2割(800万円)の頭金を入れると毎月の返済額は82,714円に減ります。(算出に使用したサイト:三井住友銀行「新規借り入れシミュレーション」

後ほど、頭金の金額別に返済額のシミュレーションを行っているのでチェックしてみてください。

(2)借入期間の短縮と金利の負担軽減効果

頭金が用意できると、無理なく返済期間を短縮でき、金利の負担を抑えられるのもメリットです。

例えば4,000万円の物件を購入する際、返済期間35年、金利が1.5%の条件だと毎月の返済額は約12万円になります。

それを返済期間25年に短縮した場合、月々の返済額は約16万円になります。

一方で、2割(800万円)の頭金を用意すると、3,200万円でローンを組めるわけです。

この場合、返済期間25年(金利1.5%)の条件であっても、毎月の返済額は約13万円に抑えられます。

つまり頭金を入れることで、返済期間を無理なく短縮でき、なおかつ当初計画していた35年よりも利息の支払いを抑えられます。

(3)住宅ローン審査に通りやすくなる

頭金があると「住宅ローンの審査に通りやすくなる」点でもメリットです。頭金を用意できるのであれば、金融機関から見た信用力が高く評価され、審査で有利になります。

とはいえ、生活が厳しくなっては意味がないので、負担のかからない範囲で用意しましょう。

40代が家購入で頭金について考慮すべき3つのこと

男性

ここまで、物件購入における頭金の重要性をお伝えしてきましたが、やみくもに自己資金を充てればよいというものではありません。

ここでは、40代が頭金を準備する上で考慮すべき3つのことをお伝えします。

(1)子供の教育費は足りているのか

家購入で頭金を入れる際は「子どもの教育費は足りているか」を考えるのが大切です。家を購入しても、子供の教育資金に影響が出るようでは問題だからです。

一般的に子供1人あたり、幼稚園~大学卒業まで国公立の場合は約1,000万円かかるといわれています。また私立では2,000万円以上です。

当然子供が2名以上いればそれ以上の費用がかかりますし、塾や留学などを考えるならより多くの資金が必要です。

そのため、これら教育費も考えた上で、頭金をいくら出せるか判断しましょう。

子どもの教育資金について詳しく知りたい方は、下記記事を参照してみてください。

(2)老後資金が不安ではないのか

頭金を考えるときは将来の老後資金も視野に入れましょう。

生命保険文化センター「リスクに備えるための生活設計」によると、老後の最低日常生活費は月額で平均23.2万円です。

この他、趣味や旅行などを考えゆとりのある暮らしを望むなら、平均的に月額37.9万円が必要になります。

近年老後2,000万円問題が話題となりましたが、年金だけでの生活はリスクです。

老後のために、できるだけ資金を残したいと考えるなら、頭金をいくら入れるかの見極めが重要です。

老後資金について詳しく知りたい方は、下記記事を参照にしてみてください。

(3)定年後も返済ができるのか

定年後まで住宅ローンの返済が続くような場合、住宅購入資金に頭金(自己資金)を入れても影響はないかも考えましょう。

予想以上に年金や退職金が少なく、そこに毎月の住宅ローンの返済が加わり、その結果生活を圧迫するようだと老後破産につながる恐れがあるためデメリットです。

高齢になれば病気やケガのリスクも高くなり、突発的にお金が必要となるケースも考えられるでしょう。その点も踏まえた上で頭金の予算を検討すべきです。

頭金別住宅ローンの返済シミュレーション

夫婦

ここでは、5,000万円の中古マンションを購入したと仮定し、頭金の金額別に家購入時の住宅ローン返済額をシミュレーションしてみましょう。

なお前提として次の条件を設定しました。

  1. ☑借入金額:5,000万円
  2. ☑金利:0.475%(変動金利)
  3. ☑返済方法:元利均等返済
  4. ☑借入期間:35年
頭金ローン借入額毎月返済額総支払額 (頭金を含む金額)
なし5,000万円12.9万円5,428万円
10% (500万円)4,500万円11.6万円4,885万円
20% (1,000万円)4,000万円11.3万円4,342万円
30% (1,500万円)3,500万円9万円3,799万円
算出に使用したサイト:三井住友銀行「新規借り入れシミュレーション」

表では頭金なしから30%までの、毎月の返済額および総支払額を算出しています。頭金を入れることで、ローン借入額が下がり、その結果毎月の返済額が下がるのがわかります。

また注目してほしいのが総支払額です。頭金なしの場合、総支払額は5,428万円になるのに対し、頭金30%だと借入額が3,500万円となり総支払額は3,799万円です。

つまり1,629万円も抑えることができます。

生活や将来のライフプランに影響が出るようでは問題ですが、自己資金を充てられるようであれば、頭金を用意した方が後々メリットが大きいのです。

40代が家購入で最適な頭金を知る3つのポイント

カップル

家を購入する上で、最適な頭金の金額を知るコツを紹介します。借入可能額のシミュレーションや、家計の収支を精査するといった点に注目してください。

(1)借入可能額をシミュレーションする

頭金を考える際は、そもそも借入可能額の目安はどの程度なのかを把握しておきましょう。

借入可能額を考える際は、返済負担率(手取りの20%~25%)を目安に算出するとよいでしょう。

例えば次の条件のもと、年収別の借入金額の目安を算出したので見てください。

  1. ☑返済負担率:手取り金額の20%
  2. ☑金利:0.475%(変動金利)
  3. ☑借入期間:35年
年収毎月返済額借入金額目安
300万円4万円1,540万円
500万円6万円2,320万円
700万円9万円3,480万円
800万円10万円3,860万円
算出に使用したサイト:三井住友銀行「新規借り入れシミュレーション」

例えば年収300万円の手取りを240万円とします。その場合返済負担率20%で計算すると、年間返済額は48万円で毎月4万円の返済だとわかります。

そこからシミュレーターを使用し借入金額を算出すると、年収300万円では1,540万円という結果でした。

上のシミュレーションでは頭金を考慮していませんが、1つの目安としてください。

なお下の関連記事では、年収別に住宅ローンの借入額をシミュレーションしています。

注意点も解説しているので、ローンの組み方に興味がある場合は参考にしてみてください。

(2)手元に残すべき金額を検討する

住宅を購入する際は、最低でも手取り月収の6ヶ月分を余裕資金として確実に残しておきましょう。その上で、頭金をいくらにするか計画すべきです。

というのも、万が一の事態が起きて収入が途絶えたとしても、6ヶ月分の貯えがあれば気持ちに余裕が持てます。その間に再就職をするなど次の手も考えられます。

ただし、収入に波がある自営業者の場合は、10ヶ月~1年間収入が途絶えても持ち直せるだけの生活費を残しておきましょう。その方がいざというときに対応できるでしょう。

(3)家計の収支を精査する

頭金を検討する際は、家計の収支を見直すのも大事です。というのも家計がマイナスになっては、想定していただけの頭金を準備できません。

毎月の収入と支出の内訳を書き出し、何にいくら費やしているかを整理しましょう。その際、家計簿アプリを利用すると収支状況を把握しやすいためおすすめです。

弊社の管理アプリ「マネソル」(特許あり)なら、家計簿管理から資産管理までの機能があります

弊社FP(ファイナンシャルプランナー)への無料相談も可能なので、ぜひご利用ください。

家購入の頭金で困ったときはFPに相談してみる

専門家

ここまで、家購入で必要な頭金の目安についてお伝えしましたが、自分ではどの程度の自己資金を用意すればよいかわからない、解決できない、と心配に感じている人もいるかもしれません。

そのようなときは、お金のプロであり不動産の知識を持つ弊社FP(ファイナンシャルプランナー)相談してみてください。

アドバイザーとして、無理のない頭金や資金計画など、あなたに適した提案ができます。ぜひ活用してみてください。

まとめ

頭金

今回は40代で家を購入する割合や、メリット、その他頭金の相場などを全体を通して解説しました。

結論、将来のライフイベントが想定しやすい40代は、家を購入するのにベストなタイミングです。自己資金があれば、定年時までに住宅ローンの完済も望めます。

頭金の目安や住宅ローンの借入額などでわからないときは、事前に専門家である弊社FP(ファイナンシャルプランナー)相談してみてください。

あなたの理想に適った、住宅価格や住宅ローンの目安などをアドバイスできるだけでなく、将来的な資産運用まで客観的にご提案いたします。

家購入で理想の生活をスタートさせたいという人は、ぜひお気軽にご相談ください。

著者

代表取締役 田中佑輝
代表取締役 田中佑輝株式会社アルファ・ファイナンシャルプランナーズ
AFP、宅地建物取引士、DCプランナー、証券外務員一種、二種、内部管理責任者、不動産賃貸経営管理士、住宅ローンアドバイザー、日商簿記2級
☆「幻冬舎ゴールドオンライン」にて記事連載中☆
☆「NewsPicks」にて記事連載中☆

アジア金融の中心地であるシンガポールに10年間滞在。その後、外資系銀行にてプライベートバンカー、セールスマネジャー、行員向け経済学講師を経て独立系ファイナンシャルプランナー事務所を設立。著書に『58歳で貯金がないと思った人のためのお金の教科書』、『50代から考えておきたい“お金の基本”』。Bond University大学院でマーケティングと組織マネジメントを研究。経営学修士。
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