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年収800万円の人の適正な住宅ローンはいくら?返済計画の立て方も解説

公開日:2022/12/07
年収

マイホーム購入を検討する中で、「年収800万円なら、住宅ローンでいくらまで借りられるのだろう?」 と疑問に思われる方も多いでしょう。

 無理なく返済できる借入金額は、一般的には4,000万円〜5,000万円前後です。

しかし、実際には借りる人の家族構成やライフステージによって、借りられる金額は異なります。

この記事では、年収800万円の人の適正な住宅ローンと返済計画の立て方について徹底解説します。

これから住宅ローンの利用を検討されている方、住宅ローンの適正金額について不安のある方は、ぜひ最後までお付き合いください。

年収800万円は住宅ローンいくら借りられる?

夫婦

年収800万円の人は住宅ローンをいくら借りられるのでしょうか。まずは借り入れ上限額と平均的な借入額 について説明します。

(1)年収800万円の借り入れ上限額

年収800万円で組める住宅ローンの借り入れ上限額は、7,500万円程度です。

金融機関の審査基準によっても異なりますが、一般的に年収400万円以上の場合、年収に対する年間返済額の割合(返済負担率)は35%が上限とされています。

返済負担率の計算方法は「1年間の返済額 ÷ 年収」です。

年収800万円の場合、返済上限額は280万円(800万円×35%)となり、借入年数35年・固定金利1.5%と仮定すると7,620万6,790円まで借り入れが可能です。

しかし、年収800万円の手取り収入は約600万円であるため、年間280万円を返済すると、手取りの半分近くを返済金額に充てることになります。

借入限度額の上限まで借りることは、余裕を持って返済できなくなる恐れもあり、おすすめできません。

(2)年収800万円の平均借入額

では年収800万円の人は、一般的にどれくらいの金額を借り入れているのでしょうか。

住宅金融支援機構が発表したデータによると、物件種別ごとの年収倍率は次のとおりです。

年収倍率は「借入総額÷年収」という計算式で算出できて、住宅ローンの平均額を把握する上で参考になります。

種別年収倍率年収800万円の場合の
借入額
注文住宅6.85,440万円
土地付き注文住宅7.56,000万円
建売住宅7.05,600万円
マンション7.25,760万円
中古戸建て5.74,560万円
中古マンション5.84,640万円
出典:2021年度 フラット35利用者調査 

年収倍率は6倍から7倍となっており、年収800万円の人は4,800万円~5,600万円の物件を購入することが多いと推察されます。

一般的に購入金額の10%~20%を頭金として用意することが多く、借入金は4,000万円~5,000万円程度と言えるでしょう。

返済負担率で考えると約20%~25%となります。

年収800万円の月々の返済額は?

返済

次に年収800万円の場合の、月々の返済額について説明します。

(1)返済負担率は20%〜25%で抑える

年収に関わらず、住宅ローンの返済負担率は、年収の20%~25%で抑えることが理想とされています。
ただし、あくまで目安であるため、家計の状況が変化しても返済を続けられる金額設定を行いましょう。

不動産を購入すると、ローンの返済だけでなく、固定資産税という税金の支払いも必要です。
またマンション購入者は、管理費や修繕積立費、駐車場代などが、毎月固定費としてかかります。
中古物件の場合は、古い設備の修繕費や、間取り変更のリノベーション費も発生します。

家計収支のバランスを考えると、手取り金額の20%~25%程度に収めるのが現実的でしょう。

(2)返済期間別!月々の返済額目安

では実際の月々の返済額を、返済期間ごとに見てみましょう。計算結果は小数第1位を四捨五入しています。

試算条件は下記のとおりです。

  1. ☑借入金額:4,500万円
  2. ☑適用金利:全期間固定金利1.5%
  3. ☑返済方法:元利均等(返済期間中の返済額(元金+利息)が一定の返済方法を指します。)

返済期間25年

4,500万円を25年で返済する場合、月々の返済額は約18万円、年間返済額は約216万円となります。
返済負担率は27%と高く、毎月の返済が負担になる可能性が高いでしょう。

月々の返済額年間返済額返済負担率
17万9,971円215万9,656円27%
著者作成

返済期間30年

次に返済期間30年とした場合を見てみましょう。月々の返済額は約16万円、年間返済額は約186万円返済負担率は23%です。

返済期間25年と比べると期間が長い分、月々の返済額が2万円ほど減っています。

月々の返済額年間返済額返済負担率
15万5,304円186万3,649円23%
著者作成

返済期間35年

返済期間35年の場合、月々の返済額は約14万円、年間返済額は約165万円です。

返済負担率も21%となっており、返済期間25年や30年と比べて、余裕を持って返済できることが分かります。

月々の返済額年間返済額返済負担率
13万7,783円165万3,396円21%
著者作成

(3)金利タイプ別!月々の返済額目安

金利タイプごとの、月々の返済額も見てみましょう。試算条件は下記のとおりです。

  1. ☑借入期間:35年
  2. ☑借入金額:4,500万円
  3. ☑返済方法:元利均等

住宅ローンの金利には変動金利固定金利という2つの種類がありますが、まず変動金利の場合で試算します。

変動金利の場合 0.4%

変動金利は通常半年に1度金利が見直されますが、ここでは返済期間中は金利の変動がない前提とします。

金利月々の返済額年間返済額返済負担率
0.4%11万4,846円137万8,028円17%
著者作成

現在は低金利が続いていることもあり、変動金利は固定金利と比べて利率が低い傾向にあります。
今後の経済状況の影響により金利が上昇する可能性もありますが、現時点では最も割安な借入方法でしょう。

固定金利の場合

次に固定金利で契約した場合も比較してみましょう。

固定金利には、最初から一定期間は固定金利を適用する「固定金利選択型」と、全返済期間の金利が確定している「全期間固定金利型」があります。

ここでは10年固定金利選択型で平均金利を0.9%として計算します。

  1. ☑10年固定金利選択型
金利月々の返済額年間返済額返済負担率
0.9%12万4,942円149万9,306円19%
著者作成
  1. ☑全期間固定金利型
金利月々の返済額年間返済額返済負担率
1.5%13万7,783円165万3,396円21%
著者作成

固定金利選択型では、10年間を過ぎると変動金利が適用されるため、低金利の局面においては割安です。

一方で全期間固定金利型は割高になりますが、金利上昇のリスクがなく、返済計画を立てやすいメリットがあります。

有利な住宅ローンを借りるには?

カップル

「マイホームは人生で最も高い買い物」とも言われ、高額な出費になるため、住宅ローンはできる限りよい条件で契約したいものです。

有利な住宅ローンを借りるためのコツを紹介します。

(1)住宅ローンの審査基準を理解する

審査基準は金融機関ごとに異なりますが、一般的にチェックされるポイントは次のとおりです。

項目審査のポイント
返済負担率年収400万円未満の場合30%以下、年収400万円以上の場合は35%以下が目安です。
年収借入金額は年収の8倍程度までとしている金融機関が多いです。
勤続年数勤続年数が3年以上あるかが、目安になります。
完済時の年齢定年までに完済できることが、一つの目安になっています。
雇用形態基本的に正社員である必要があります。
パートやアルバイト、専業主婦の人は審査に通りにくいでしょう。
職業大企業に勤める人や公務員、医師など安定した収入がある人は審査に通りやすいです。
反対に、歩合制の職業や個人事業主などは、審査に通過しにくいでしょう。
職種建設作業員やトラック運転手など、危険度の高い職種は審査に通りにくいです。
健康状態団体信用生命保険に加入できる健康状態が求められます。
信用情報過去の支払い滞納歴がないか等についても確認されます。
著者作成

住宅ローンの審査基準を理解することで、自分が融資を受けられるか、あらかじめ見当がつきやすくなります。

例えば、年収800万円の人は年収倍率8倍の目安から、6,400万円ほどの価格帯なら審査に通りやすいと予想できるでしょう。

(2)夫婦の共同名義にする

夫婦の共同名義でローンを組む、ペアローンという契約方法もあります。

同じ物件に対して夫婦それぞれがローン契約を組み、さらにお互いの連帯保証人になります。
借入金額や金利タイプはローン契約ごとに設定が可能です。

単独でローンを組むよりも多い金額を借りられるため、物件の選択肢が広がる点がメリットです。

また2人ともローンの債務者として住宅ローン控除を受けられるため、所得税・住民税の節税効果も期待できます。

デメリットとしては、2本の住宅ローンを契約することと同じになるため、事務手数料や諸費用が2名分かかることが挙げられます。

また、パートナーに万が一のことがあったら、もう片方が連帯保証人として返済義務を負うことになる点は注意が必要です。

(3)頭金を入れる

借入時に頭金を多めに入れることで、住宅ローンの借入金額が減るので、利息の支払いを減らすことができます。

月々の返済予算額を変えなければ、返済期間を短くすることが可能です。

借入金額が減ることで住宅ローン審査に通りやすくなることもあるでしょう。

金融機関によっては、頭金の割合によって金利が優遇される場合もあります。

反対に頭金なしで全額を借り入れるフルローンは割高であり、生活状況の変化によって返済が困難になる可能性もあるため、おすすめできません。

(4)複数の金融機関に仮審査をする

複数の金融機関に仮審査を申し込む方法もあります。

住宅ローン契約前には2回の審査がありますが、仮審査は1回目に行う簡易的な審査です。

審査基準は金融機関によって異なるため、複数申し込むことによって、審査通過の可能性が高くなります。

借入期間・金利などローンの契約条件も金融機関次第であるため、十分検討して、より有利な条件で契約することが可能です。

(5)借入金額をおさえ必要以上の借入れはしない

必要以上に借入れしないことも大切です。

借り入れた分だけ利息がかかるため、自己資金で返済するよりも、支払総額が増えてしまいます。

想定外の事態に対応して出費が増えたり、病気で仕事できなくなったりして、返済を続けられなくなるリスクもあるでしょう。

特に高収入のサラリーマンや公務員などは、銀行にとって条件が良いため、多めに貸してもらえるケースもあります。

借入可能額と返済可能な金額は異なることを意識して、オーバーローンにならないよう注意しましょう。

無理な住宅ローンにならないようするには?

男性

住宅ローンの返済が大変になって、持ち家を売却するような事態は避けたいところです。

無理な住宅ローンにならないためのポイント4つを説明します。

(1)月々の返済上限額を明確にする

無理なく返済を続けるために、月々の返済額上限を明確にすることが大切です。

返済額上限は、収入から食費・光熱費・娯楽費など全ての支出額を差し引いて逆算します。

この時、現金で手元に置いておく緊急予備資金として、半年程度の生活費も含めて計算することが重要です。

あらかじめ上限金額を把握しておけば、無理な住宅ローンを契約して、後から後悔することもないでしょう。

(2)10年、15年など長いスパンで試算する

余裕をもって返済できる金額は、年齢や家族構成、ライフステージなどによって異なります。

住宅ローンの返済期間は長期にわたるため、10年、15年など長いスパンで試算することが重要です。

返済プランを試算する上で、「ライフイベント表」「キャッシュフロー表」が役立ちます。
ライフイベント表は、将来的なライフイベントと費用を一覧にしたものです。

キャッシュフロー表は、ライフイベント表の内容に加えて毎年の収入・支出も記載し、長期的なお金の流れや貯蓄残高が把握できます。

(3)余裕のある返済プランを立てる

安定的に返済するためには、余裕のある返済プランを立てることも大事です。

できる限り、返済負担率は20%~25%の範囲に収めましょう。年収800万円の場合、毎月13万円~16万円程度の返済になります。

ただし、ご自身の家族構成やライフステージによって、理想的な返済額は異なります。

例えば子育て世帯は、教育費やこれから準備する学費が必要になるため、返済負担率10%(月額返済額10万円)程度まで下げるのも一つの手段です。

前述のとおり、長期的な収支のバランスも考慮のうえ、慎重に検討しましょう。

(4)配偶者の収入を当てにしない

共働き世帯で世帯年収が800万円という場合は、配偶者の収入が変化する可能性も考慮して、返済プランを立てましょう。

「夫婦2人の収入が維持できなければ返済ができない」といった借り入れは危険です。

配偶者の妊娠や出産・育児などの事情で、一時的に収入が減ることもあり得るでしょう。
また万が一病気になったら、働けなくなるリスクも想定されます。

そのため、どちらか1人の収入だけでも返済できる金額に抑えておくことをおすすめします。

年収800万円の住宅ローン返済シミュレーション

シミュレーション

では年収800万円の場合の、具体的な返済シミュレーションを確認してみましょう。(計算結果は小数第1位を四捨五入しています。)

試算条件は下記のとおりです。

  1. ☑返済負担率:20%、23%、25%
  2. ☑適用金利:全期間固定金利1.5%
  3. ☑返済方法:元利均等

①返済期間35年

返済負担率月額返済額年間返済額借入総額
20%13万3,333円160万円4,354万6,732円
23%15万3,333円184万円5,007万8,748円
25%16万6,667円200万円5,443万3,422円
著者作成

②返済期間30年

返済負担率月額返済額年間返済額借入総額
20%13万3,333円160万円3,863万3,882円
23%15万3,333円184万円4,442万8,964円
25%16万6,667円200万円4,829万2,352円
著者作成

返済負担率や返済額が同じでも、返済期間が長いほど多くの金額を借りられることが分かります。

弊社開発のお金の管理アプリ「マネソル」(特許あり)では、何回でも簡単にシミュレーションをすることができますので、ご興味がある方は、ぜひ試してみてください。

初めての方はFPなどの専門家に相談する

専門家

住宅ローンの借入金額や物件購入のタイミングを検討する上で、自分の年齢や家族構成、ライフステージも考慮することが重要であるとお伝えしました。

しかし基礎知識がなく、住宅ローンの選び方や、商品の違いが分からない方も多いと思います。

特に初めてマイホームを購入する人は、大きな支払い額に不安に感じることもあるでしょう。

住宅ローンも含めた長期的な資金計画については、我々FP(ファイナンシャルプランナー)などの専門家相談するのがおすすめです。

住宅購入のベストタイミングや、適切なローンの組み方をアドバイスしてもらえるため、疑問や不安を解消できるでしょう。

まとめ

夫婦

年収800万円の人は最高7,620万まで借りられますが、4,000万円~5,000万円程度の金額に抑える方が安心です。

ただし、借りる人の家族構成やライフステージによって、借り入れの適正額は異なります。

本記事でご紹介したポイントや注意点を参考にして、無理のない返済計画を立てましょう。

お金のやりくりに不安がある方は、FPのような専門家相談するのもおすすめです。

金融のプロとして、お金について総合的なアドバイスをさせて頂きます。

著者

代表取締役 田中佑輝
代表取締役 田中佑輝株式会社アルファ・ファイナンシャルプランナーズ
アジア金融の中心地であるシンガポールに10年間滞在。その後、外資系銀行にてプライベートバンカー、セールスマネジャー、行員向け経済学講師を経て独立系ファイナンシャルプランナー事務所を設立。著書に『58歳で貯金がないと思った人のためのお金の教科書』、『50代から考えておきたい“お金の基本”』。Bond University大学院でマーケティングと組織マネジメントを研究。経営学修士。

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