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つみたてNISAの利益いくら儲かる?シミュレーションと儲かるコツを徹底解説

公開日:2023/10/21
株価

つみたてNISAという言葉は聞いたことはあるものの、いくら儲かるのかについて気になる方も多いでしょう。

金融庁のホームページで公開されている「つみたてNISA早わかりガイドブック」によると、運用益は年利回り2%~6%が最も多く、次いで1%~3%というデータが出ています。

今回の記事では、実際のつみたてNISAをやる場合のシミュレーション、利益をもっと多く稼げるコツなどを解説していきます。つみたてNISAに興味がある方、より具体的に運用方法について知りたい方は、ぜひ最後までお付き合いください。

つみたてNISAとは?特徴について

nisa

(1)つみたてNISAとは

つみたてNISA(ニーサ)は2018年1月から開始された少額投資非課税制度です。

元々年間120万円まで非課税となる一般NISAがありましたが、一般NISAは5年と短く、投資というと怖いイメージがありますが、つみたてNISAは運用期間を長くした長期投資を目的としており、投資初心者や未経験者をサポートする想定でつくられました。

つみたてNISAの対象となるのは、日本国内に居住する20歳以上の人で、学生でも始める事ができます。

また、その手軽さもあって20代、30代、40代までの男性女性問わず非常に人気があり注目されています。

普通預金に預けるよりも平均利回りが良いため、将来の準備資金や老後資金として考えている方も多いです。

始め方は簡単で、金融機関でつみたてNISAの証券口座を開設し、運用資金を入金すれば準備完了です。

銀行や総合証券では窓口で申し込むこともできますが、ネット証券会社を利用する場合、Webを使ったオンライン申し込みができますので、来店や書類の郵送などの手間が省けます。

対面で相談しながら申し込みたいという方でなければ、手数料の安いネット証券をおすすめします。

ネット証券で有名なのはSBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券、auカブコム証券などで運用商品ラインナップが充実しています。

また、楽天証券など金融機関によっては独自のポイント制度(楽天ポイント等)を設けているところもあり、口座開設後、積立期間(投資期間)によってポイント還元があるので、利息や金利のようにポイントを受け取ることができます。

特に、クレカ払いにしておけば様々なポイントが付与されるのでおすすめです。

楽天証券で口座開設する際は、楽天カード(クレジットカード)も申し込むとお得に長期運用が可能です。

(2)つみたてNISAの特徴

つみたてNISAの強みは何といっても最長20年間非課税の長期運用が可能な事です。
上限額(限度額)が年間40万円までと決まっており、その枠の中であれば非課税で商品を買付けすることができます。

取扱商品数も多く、投資対象は日本株など国内株式だけでなく、米国株式などの外国株式へ投資をする商品や株価指数に連動するインデックスファンドもあり、ラインアップが豊富です。

また、自動買い付けなので定期的に購入され、自動的にドルコスト平均法に基づいた積立投資が可能です。

最低積立金額は口座を開設した金融機関により異なりますが、安ければ100円未満~1,000円、高くとも一万円ほどから積み立て投資を行うことができます。

そのため、毎日評価額の推移をチェックする必要がなく、会社員でもほったらかしの運用が可能で、投資金が少ない人でも始めることができます。

デメリットとしては短期間では運用利率が安定せず、最短でFIREを達成しようとしている方には向きません。

また、よく比較されるiDeCoは所得控除ができますが、つみたてNISAでは出来ないため、利益が出た時の非課税という節税効果はあるものの、所得控除も元本保証もありません。

iDeCoについて詳しく知りたい方は、下記記事を参照にしてみてください。

なお、動画でも解説していますので、ぜひ合わせてチェックしてみてください。

つみたてNISAはいくら儲かる?シミュレーションしてみる

金融庁のホームページで公開されている「つみたてNISA早わかりガイドブック」によると、運用益は年利回り2%~6%が最も多く、次いで1%~3%が多くなっており、ここではこの資料をもとに2%~6%の運用益が出た場合のシュミレーションした結果をシミュレーションしてみましょう。

※2023年10月現在

  1. (1)毎月5,000円を5年間した場合
利回り2%4%6%
運用結果31.5万円(+1.5万円)33.1万円(+3.1万円)34.9万円(+4.9万円)
著者作成
  1. (2)毎月5,000円を20年間した場合
利回り2%4%6%
運用結果147.4万円(+27.4万円)183.4万円(+63.4万円)231.0万円(+111万円)
著者作成
  1. (3)毎月10,000円を5年間した場合
利回り2%4%6%
運用結果63.0万円(+3万円)66.3万円(+6.3万円)69.8万円(+9.8万円)
著者作成
  1. (4)毎月10,000円を10年間した場合
利回り2%4%6%
運用結果132.7万円(+12.7万円)147.2万円(+27.2万円)163.9万円(+43.9万円)
著者作成

(5)毎月33,000円(年間40万)を5年間した場合

利回り2%4%6%
運用結果208.1万円(+10.1万円)218.8万円(+20.8万円)230.2万円(+32.2万円)
著者作成
  1. (6)毎月33,000円(年間40万)を10年間した場合
利回り2%4%6%
運用結果438.0万円(+42.0万円)485.9万円(+89.9万円)540.8万円(+144.8万円)
著者作成

シミュレーションの結果通りになるとは限りませんが、通常は上記のように長期で運用すればするほど利回りの数字が安定し、運用収益(リターン)も上がります。

また、非課税枠の上限は年間40万円になりますので、月の積立額は33000円を超えないようにしましょう。

つみたてNISAの利確について

株価

つみたてNISAは長期積立が前提の制度ですが、任意のタイミングで利益確定(売却)することができます。

ただし、利確するタイミングによってはマイナスになるだけでなく、折角の非課税枠が無駄になってしまう可能性があるので利確する際は注意が必要です。

また、投資信託は売却を選択後、即約定ではなく、受渡日(約定日)が数日後に設定されるためタイムラグがある事を理解しておきましょう。

約定までに要する期間は商品によって異なります。

(1)利確するタイミング

利確のタイミングは、20年後の非課税期間終了時点や目標金額に達した時、ライフイベントがあった時など人それぞれです。

一般的には20年の非課税期間をフルに使い、満期もしくは満期の少し手前での利確が最も恩恵を受けることが出来ますが、利益が出ている状態であればいつでも利確のタイミングになります。

ただし、投資信託を売却する場合、現金化まで数営業日かかる為、売却を決断した価格より値下がりした状態で約定する事がありますので、利確する際は十分に利益が出ていることを確認し、余裕を持って利確するようにしましょう。

(2)つみたてNISAの利益は確定申告の必要はない

つみたてNISAは非課税の為、基本的に確定申告は不要です。

ただし、注意点があり、ETF(上場投信)の分配金を株式数比例配分方式以外で受け取る場合はつみたてNISAでも課税対象となります。

心配な方はETF以外の投資信託を購入するか、配当金等の受取方法を株式数比例配分方式に設定しておきましょう。

(3)つみたてNISAを売却するときの流れ

つみたてNISAの売却方法には3種類あります。

①全額売却

保有する全ての商品もしくは一つの商品を売却します。

もっともシンプルな売却方法です。

②一部売却

金額もしくは口数を指定して売却を行います。

一時的に資金が必要な時に使われます。

③定期売却

定期売却は定額か定率のどちらかを選択し、毎月売却する方法です。

毎月決まった額を生活費などの足しにしたいときに設定しておくと便利です。

(4)非課税枠の復活はできない

つみたてNISAは上限が年間40万円までと決まっています。

購入の度に非課税枠は減っていきますが、売却したとしても非課税枠は元に戻りません。

例えば、すでに40万円分の非課税枠を使い切っており、5万円分のつみたてNISAを売却したとしても5万円分の非課税枠は戻ってきません。

翌年には非課税枠が復活しますが、売却は慎重に行いましょう。

つみたてNISAで効率よくお金を増やすには?

(1)分散投資をする

投資の格言に卵は一つのカゴに盛るなというものがあります。

卵を一つのカゴにまとめてしまうと落とした時にすべて割れてしまう可能性があるので、複数のカゴに分けてリスクを軽減しましょうという意味ですが、投資では一つの銘柄に資金を集中させてしまうと暴落した時、もろに被害を被ってしまいます。

そこで、複数の商品に少しずつ分散投資することでリスクを分散させ、安定した利益を目指す事が大事です。

もし、特定の投資商品が暴落などの急変動があっても分散投資しておけば安心です。

(2)信託報酬の低い商品を選ぶ

つみたてNISAで選べる商品はすべて取引手数料・販売手数料が0円ですが、運用コストとして信託報酬が発生します。

信託報酬は一律ではない為、なるべく低コストで運用するためには信託報酬の低い商品を選ぶ必要があります。

信託報酬は購入前に確認できますので、購入前に信託報酬を必ず確認しましょう。

また、信託報酬が高いから良い商品という訳ではありませんので、しっかりと運用方針が自分に合っているものを選ぶことが重要です。

(4)長期にわたり継続すること

金融庁の発表によると、つみたてNISAを20年運用した場合、4~6%の運用成果が見込まれる可能性が高いとする一方、5年以下の短期間の運用では元本割れの可能性があるとされています。

保有期間が長いほど収益が安定し、複利効果も高まりますので、1年ではなく最低でも10年間は運用する気持ちでいましょう。

また、20年後の非課税期間が終わると、解約して売却益を得るか特定口座か一般口座などの課税口座に移管するか選ぶことが出来ます。

残念ながら、一般NISAと違い、ロールオーバーはできませんので注意しましょう。

つみたてNISAについて詳しく知りたい方は、下記記事を参照にしてみてください。

なお、つみたてNISAは落とし穴もありますので、損をしたくない方はぜひ下記動画も合わせてチェックしてみてください。

また、私が講師を務める「新NISA制度丸わかりセミナー」の動画をLINE友達限定にて公開しています。

  1. ✅つみたてNISAの落とし穴
  2. ✅新NISAの注意点
  3. ✅実際に私が実践している投資商品
  4. ✅成功するための鉄則

などリアルな情報がたくさんです。つみたてNISAで損をしている方、これからNISAを検討している方は、ぜひご覧ください。

不安な方はFPに相談

相談

(1)FPに何が相談できる

FP(ファイナンシャルプランナー)は簡単に言うとお金のプロです。

ファイナンシャルプランニング技能士はFP技能検定という国家資格に合格した人だけが名乗ることができます。

FPには貯蓄や資産運用の商品選び、税金に関することなどお金に関するあらゆることを相談することができます。

つみたてNISAの事を相談する場合、運用方針や毎月の積立可能額を伝え、おすすめの商品や購入時期を相談しましょう。

投資判断がつかない、売却時期が分からないといった悩みや疑問点も相談できます。

なお、FP試験には1級・2級・3級とあり、3級がもっとも簡単で1級が最も難しい資格となっています。

また、さらに上位のCFP、AFP資格というものもありますので、相談前にどの資格を持っているのか確認しておきましょう。

(2)FPに相談するメリット

前述した通り、FPはお金に関する専門家です。

さまざまな情報や知識を持っており、診断の結果から一般論ではなくその人に合った資産運用を分析し、提案してもらえます。

また、プロ目線で商品を選択してくれますので、選び方が分からなくても投資の初心者向けの期待値が高い金融商品を選択する事ができます。

ただし、FPの業務は年金、保険、投資、税制、生活設計の提案など多岐にわたっており、得意分野がそれぞれ異なります。

そのため、相談する際は投資に強いFP相談するようにしましょう。

FPの中には私のように現役の投資家もいますので、投資経験を聞いてみるのもいいでしょう。

まとめ

貯蓄

つみたてNISAは少額つみたて+長期運用を前提としており、金融庁の発表では20年間運用した場合、6~8%の運用益が見込まれます。

運用年数が長いほどトータルリターンが多い傾向にありますので、なるべく長期間運用しましょう。

販売手数料は無料ですが、運用コストは発生します。

また、年間40万円まで非課税となっており、途中売却も可能です。

ただし、売却したとしてもその分の非課税枠は元に戻らず、非課税枠復活のためには翌年まで待たなくてはいけません。

つみたてNISAには興味があるけれど、どんな商品を選択すれば良いのかわからないという方はお金のプロであるファイナンシャルプランナー相談しましょう。

投資に強いファイナンシャルプランナーに相談すれば自身に合った商品が見つかるはずです。

注意事項としてつみたてNISAには節税効果はなく、個別株への株式投資ではなく対象商品は投資信託となるため、株主優待などの特典もありません。

著者

代表取締役 田中佑輝
代表取締役 田中佑輝株式会社アルファ・ファイナンシャルプランナーズ
AFP、宅地建物取引士、DCプランナー、証券外務員一種、二種、内部管理責任者、不動産賃貸経営管理士、住宅ローンアドバイザー、日商簿記2級
☆「幻冬舎ゴールドオンライン」にて記事連載中☆
☆「NewsPicks」にて記事連載中☆

アジア金融の中心地であるシンガポールに10年間滞在。その後、外資系銀行にてプライベートバンカー、セールスマネジャー、行員向け経済学講師を経て独立系ファイナンシャルプランナー事務所を設立。著書に『58歳で貯金がないと思った人のためのお金の教科書』、『50代から考えておきたい“お金の基本”』。Bond University大学院でマーケティングと組織マネジメントを研究。経営学修士。

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