年収700万円で住宅ローンいくら借りられる?返済計画の立て方も解説
- ☑年収700万円は住宅ローンいくら借りることができるの?
この記事を読まれている方の中で、700万円の年収に対していくらの住宅ローンを借りることができるかについて知りたい方はほとんどではないでしょうか。
住宅ローンは年収に対して借りられる金額の目安はありますが、しかし、ご自身の状況によってはその金額を借りてしまうと、返済ができなくなってしまうようなリスクも潜んでいます。
そこで本記事では、年収700万円の方が住宅ローンの借入限度額や無理なく返済していくコツなどを徹底解説していきます。
年収700万円でこれから住宅ローンの利用を検討されている方は、ぜひ最後までお読みください。
年収700万円で住宅ローンいくら借りられる?
国税局が行った民間給与実態統計調査(令和2年)によれば、現在、給与所得者の年収の全国平均は461万円とされていますので、年収700万円となれば平均よりも高い水準の年収を得ていると言えるでしょう。
そこで、年収700万円の方が住宅ローンを借りる場合の上限額や平均的な借入額を解説します。
(1)年収700万円の借り入れ上限額
年収700万円の方が組める住宅ローンの上限額は、6,500万円程度です。各金融機関によって条件などが異なりますので、詳細な金額を提示することはできませんが、上記の金額が上限額と言われています。
住宅ローンの借入額を知りたい場合、「返済負担率(返済比率)」が参考になるでしょう。返済負担率とは、年収に占める年間のローン返済額の割合のことです。
返済負担率の上限については、金融機関ごとに変わりますがフラット35が設定されている場合には、35%が上限となります。
もちろん、さまざまな審査基準が用意されていると考えられますが、年収700万円の方が住宅ローンを利用しようと考えた場合、返済負担率が35%以下であれば融資を受けることが可能だと言えるでしょう。
この条件を当てはめてみると、年収700万の方の年間返済額は245万円、月々の返済額が20万円以下ということであれば、借入れが可能となります。
固定金利が1.5%とすると、35年ローンを組むと約6,500万円の融資が受けられるということになるのです。
ここで、一点だけ注意していただきたいのが、この返済負担率は、住宅ローンの返済だけを指すわけではありません。
例えば、家族のために買った車のマイカーローン、お子様の教育費として借りている教育ローン、カードローンなども含まれます。
ここでは、住宅ローンの返済額に焦点を当てていますが、本来は、それらの全てを含めて返済負担率と考えることだと認識しておいてください。
(2)年収700万円の平均借入額
先ほどは年収700万円の方の借り入れ上限額をご紹介しました。それでは、実際に借り入れをしている方は一体どれくらいの額でローンを組んでいるのでしょうか。
平均借入額を知りたい場合に参考になるのが年収倍率です。年収倍率は、住宅を購入する際にかかる金額を世帯年収で割った数値のことです。
例えば年収500万円の方が2,500万円の住宅を購入すると、「2,500万円÷500万円=5倍」と計算されます。一般的には、適正な年収倍率は5倍から6倍と言われています。
住宅金融支援機構が公表している「2021年度 フラット35利用調査」によれば、住宅を購入した方の年収倍率は以下の通りとなっています。
物件の種類 | 年収倍率 |
土地付注文住宅 | 7.5倍 |
マンション | 7.2倍 |
建売住宅 | 7.0倍 |
注文住宅 | 6.8倍 |
中古マンション | 5.8倍 |
中古戸建 | 5.7倍 |
上記の利用者調査から平均年収倍率は、約6.7倍となっており、年収700万円の方の平均的な借入額は、4,690万円前後と言えるでしょう。
しかし、実際に住宅ローンを利用してマイホーム購入を考える場合、頭金を入れる方が多いのではないでしょうか。
このような場合には、もう少しローン借入額が押えられますので、およそ3,500万円から4,000万円前半が平均的な金額と考えることもできます。
実際には、この金額も大都市圏では高くなりますし、地方都市などでは低くなってきます。あくまでも目安として考えておきましょう。
また、フルローンで借入れると、生活費が足りなくなるなどの問題が出てきます。
適正な返済額等は、この後解説させていただきますが、実際に住宅ローンを組む際は頭金を用意しておくと良いでしょう。
相場としては、住宅の購入金額の10%から20%を用意しておくことをおすすめします。
例えば、4,000万円の住宅を購入しようとする場合は400万円から800万円を頭金として用意すると良いとされています。
年収700万円の月々の返済額は?
ここでは実際に住宅ローンを組んだ場合、年収700万円の方の適正な返済額を解説していきましょう。
月々の返済金額が大きいと、生活費など家庭の経済的負担が大きくなるため、住宅ローンを組む際には、無理のない返済額を知っておくことが必要です。
(1)返済負担率は20%〜25%で押える
上述した通り、年収700万円の方が住宅ローンを組む場合の借入額上限は6,500万円程度となります。
これは住宅保証機構において、年収700万円の方の返済負担率の目安を35%以下と定められているからです。
しかし、上限額いっぱいまで借り入れを行うと後々、生活費を圧迫する可能性があるので、おすすめはできません。
一般的に、無理なく返済を続けていくための返済負担率は20%から25%程度だと言われています。
この範囲内に収めることができれば、生活費を圧迫するなどの経済的な負担を回避することが可能です。
一例として、年収700万円の方が6,000万円の住宅を購入した場合を考えてみましょう。
5,500万円を住宅ローンを組んだ場合(変動金利0.375%、返済期間35年、ボーナス払いなし)、月々の返済金額は13万9,754円となります。
返済負担率は23.8%(年間返済額167万円÷年収700万円×100)となります。
月々の返済額が13万円から14万円であれば、無理なく返済を続けていくことが可能です。
ただし、これは総支給額での年収を考えた場合です。実際の家計に即した形で考えるならば、手取り金額で算出した方が良いでしょう。
年収700万円を手取り額に直した場合、月々の手取り収入は約47万円となり、年収は約564万円です。
このケースで上記の返済を行うとすると、返済負担額は28.7%となり25%を超えてしまいます。
その他にもローンがある場合には、返済負担額は30%を超える可能性があり、家計の負担は大きなものになるかもしれません。
そこで、頭金を用意しておくなどの準備を行い、月々の返済額を12万円程度にできれば、返済負担額は25%に押えることができます。
その他にも、マイホーム購入時に気をつけておきたいのは物件購入の際の金額です。
物件の金額は住宅の本体価格だけではなく、登記にかかる費用や住宅ローンの事務手数料などの諸費用がかかります。
その諸費用をローンに組み込むことは可能ですが、借入額が増えてしまいますので、事前に準備しておくと安心です。
ちなみに、5000万円の物件を購入しようと考えた場合、諸費用は約140万円かかるとされています。
マイホームを購入する時の諸経費について詳しくは、下記記事を参照にしてみてください。
(2)返済期間別!月々の返済額目安
以上のように、住宅ローンを組んでマイホームを購入する場合、無理のない返済金額は返済負担率を押えることが良いことがお分かりいただけたと思います。
ここからは、返済期間別に月々の返済額の目安を紹介していきましょう。前提条件は以下の通りです。
【条件】
- ☑借入金額:5,000万円
- ☑金利:0.375%(変動金利、ただし借入期間中は同率であると仮定)
- ☑ボーナス返済:なし
①返済期間25年
返済期間25年の場合、月々の返済額は17万4,627円となります。
月々の返済額から計算すると、年間返済額は約210万円となります。返済負担率はやや高く約30%です。総返済額5,240万円となります。
経済負担率をみると家計を逼迫する可能性もあるので、ご自身のライフプランを考えながら、しっかりとした返済計画を立てることが必要となるかもしれません。
返済期間 | 月々の返済額 | 経済負担率 | 総返済額 |
25年 | 17万4,627円 | 約30% | 5,240万円 |
②返済期間30年
返済期間30年の場合、月々の返済額は14万6,869円となります。月々の返済額から年間返済額を計算すると約176万円となります。
返済負担率を算出すると約25%となり、返済負担率は目安となる20%から25%内に収まり、無理のない返済が続けられると言えるでしょう。
ただし、総返済額は返済期間25年の場合と比べて50万円近く高い5,288万円となっています。
返済期間 | 月々の返済額 | 経済負担率 | 総返済額 |
30年 | 14万6,869円 | 約25% | 5,288万円 |
③返済期間35年
返済期間35年の場合、月々の返済額は12万7,049円となります。月々の返済額から計算すると、年間返済額は約153万円となります。
返済負担率を算出すると約22%となり、無理なく返済が可能な適正金額と言えるでしょう。
総返済額は、5,337万円となり返済期間が25年の場合より約100万円高くなっています。
返済期間 | 月々の返済額 | 経済負担率 | 総返済額 |
35年 | 12万7,049円 | 約22% | 5,337万円 |
以上、3つの期間を比べてみると、次のようなことが分かります。
- ①期間が短いほど返済負担率が高くなり、長いほど返済負担率は低くなる。
- ②返済期間が長くなるほど総返済額が多くなり、短いほど総返済額は少なくなる。
どちらを選択するかは、ご自身のライフスタイルやライフプランを確認して決定することをおすすめします。
(3)金利タイプ別!月々の返済額目安
次は、金利タイプ別で月々の返済額の目安を見ていくことにしましょう。
金利には「全期間固定金利型」、「固定金利選択型」、「変動金利」の3種類があます。
前提条件を以下のように設定します。
【条件】
- ☑借入金額:5,000万円
- ☑返済期間:35年
①変動金利の場合
変動金利とは、住宅ローンの借入期間中に適用される金利が変動するものを言います。
一般的に借入後、半年に一度、適用金利が見直されます。
変動金利を利用している場合、毎月の返済額は12万7,049円となり、総返済額は5,337万円となります。
金利 | 月々の返済額 | 総返済額 |
0.375% | 12万7,049円 | 5,337万円 |
②固定金利の場合
固定金利は、住宅ローン借入時の金利が返済開始から返済が完了するまで固定される「全期間固定金利型」と、借入開始時から一定期間金利が固定される「固定金利選択型」があります。
固定金利選択型は、契約時に3年、5年、10年、20年などの固定金利期間を選択し、その期間が終了した後に次の金利タイプを選択する仕組みの金利です。
それでは、まず契約時に10年の固定金利を選択した場合を見てみましょう。
10年間金利を固定した場合、月々の返済額は13万7,216円、総返済額は5,766万円となります。
金利 | 月々の返済額 | 総返済額 |
0.830% | 13万7,216円 | 5,337万円 |
次に全期間固定金利型の場合です。全期間固定金利型の場合、月々の返済額は14万8,601円となり、総返済額は6,246万円です。
金利 | 月々の返済額 | 総返済額 |
1.315% | 14万8,601円 | 6,246万円 |
変動金利と固定金利を比較した場合、金利は固定金利を選択すると変動金利よりもかなり大きくなることが分かります。
そのため、総返済額も変動金利と全期間固定金利の場合では総返済額に1,000万円近い差があります。
ただし、固定金利は金利上昇局面において、返済額が変わらないというメリットがあります。
変動金利は将来的に金利が上昇するリスクをはらんでおり、金利が上昇すれば返済額も上昇するため、返済が苦しくなってしまうでしょう。
また、固定金利は月々の返済額が変わらないので、返済計画を立てやすい点もメリットです。
有利な住宅ローンを借りるには?
ライフイベントの中でも、大きな支出となるマイホームの購入ですので、少しでも有利な条件で住宅ローンを借りたいと考えるのは当然のことでしょう。
ここでは、有利な条件で住宅ローンを借りるためのコツを紹介します。
(1)住宅ローンの審査基準を理解する
有利な住宅ローンを借りようと考えた場合、まずは基礎知識として住宅ローンの審査基準を理解しておくことが必要です。
住宅ローン審査には、「仮審査」と「本審査」があります。
それぞれに特徴やポイントがありますので、押さえておくようにしましょう。
仮審査の段階で審査するのは、「返済能力」と「物件の担保価値」と言われています。
また、民間の金融機関が特に重視しているとされているのは、以下の通りです。
- ①完済時の年齢
- ②健康状態
- ③担保評価
- ④借入時の年齢
- ⑤年収
- ⑥勤続年数
- ⑦連帯保証
もちろん、これだけで決まるわけではありませんが、この条件は認識しておきましょう。
完済時の年齢については、多くの金融機関が80歳前後と定めているようです。
完済時に80歳を超えてしまう場合は、返済期間を短くする必要があるでしょう。
健康状態も審査で見られる基準です。
民間の金融機関の住宅ローンの場合、団体信用生命保険(団信)に加入することを必須条件としていることがあります。
団体信用生命保険に加入できる健康状態ではないと判断されると、融資が受けられない可能性もあるのです。
担保評価は、購入する物件の資産価値を指します。
購入する物件の資産価値が非常に低い場合は、万が一返済不能になった際、売却することが難しいため審査で評価が下がることもあります。
ほとんどの場合、仮審査を通れば本審査は通る可能性が高いですが、購入物件を変更してしまったという場合には本審査で弾かれてしまうこともありますので、気をつけましょう。
また、仮審査に通った場合でも、自己資金を増やしておくと本審査で弾かれるなどの可能性が低くなりますし、将来の不安を払拭しておくのにも最適です。
また、住宅ローン商品は各銀行によって、金利や手数料がそれぞれ違います。
例えば、保証料や手数料が無料という商品を用意している銀行もあります。
ネット銀行などさまざまな銀行が用意している住宅ローンの内容を検討して、ご自身に合ったものを選ぶことが大切です。
(2)夫婦の共同名義にする
購入する物件を購入する際に、夫婦共同名義にすると住宅ローンの借入額を増やせることをご存知でしょうか。
夫婦共働きの場合、それぞれが給料を受け取っており、それぞれ年収があることになります。
このような場合には、住宅ローンの借入額が増やせるため、当初予定していた住まいよりも高額なものが購入できる可能性があります。
具体的には、夫婦共働きで年収450万円ずつある場合、夫婦のどちらかの名義のみにすると年収450万円に応じた借入額しかローンが組めません。
しかし、購入する物件の名義を夫婦共同にした場合、2人の年収を合算した900万円に応じた金額のローンを組むことが可能になります。
また、ローン審査も年収900万円が基準となりますので、かなり有利な条件となり審査が通りやすくなるのです。
(3)頭金を入れる
住宅を購入する場合、フルローンで購入するというケースが増えているようです。
確かに、以前より審査基準が緩和されたことによって、住宅の購入資金をフルローンでと考える人も多いでしょう。
しかし、住宅をフルローンで購入することはあまりおすすめできません。
フルローンで購入する場合、月々の返済額が大きくなり支払いができなくなる可能性がありますし、頭金の有無によって金利が変わってくるケースもありますので注意が必要です。
住宅ローンの頭金は、一般的に購入する物件の10%から20%と言われています。
もし、4,000万円の住宅を購入する予定であれば、400万円から800万円を頭金として入れることをおすすめします。
ただし、手持ちのお金を全て頭金に使ってしまうのはやめましょう。
病気やケガなど急な出費に対応できなくなりますので、頭金とは別に預金をしておくことがおすすめです。
(4)複数の金融機関に仮審査をする
住宅ローンの仮審査は複数の金融機関に申し込むことをおすすめします。
そもそも、住宅ローンの仮審査を複数の金融機関に申し込んでも大丈夫なのでしょうか。
結論から言えば、住宅ローンの仮審査を複数の金融機関に申し込むことは可能です。
また、複数の金融機関のローン審査を通過したとしてもペナルティが課されることもありませんし、それが原因として融資が不利になることもありません。
複数の金融機関に仮審査を申し込むのは、チェックする項目が金融機関ごとに違うため、一方の金融機関では通らなかった場合でも、他方では審査に通ることもあるからです。
自分の条件に合うプランを選択することができる可能性もあるのです。
住宅ローンを申し込もうと考えている方は、ぜひ、複数の金融機関に仮審査を申し込んでみてください。
(5)借入金額を押え必要以上の借入れはしない
借入額は適正な価格に押えることが重要です。
必要以上に借入れた場合、月々の返済額が大きくなり、無理なく返済ができない可能性もあります。
また、限度額いっぱいで住宅ローンを組もうとすると、希望金額を借りられないこともあります。
また、仮審査を通ったとしても、本審査で返済期間を短縮されてしまったり、金利を高めに設定されてしまったりすることもありますので注意してください。
住宅ローンを組む時は、借入金額を押えることで審査が通りやすくなるとも言われているので、ご自身の収入や生活面で支障が出ない程度に借入額を圧縮することは重要です。
余裕を持って支払え、わずかでも良いので貯蓄ができるくらいの支払い金額に押えられるようにすることをおすすめします。
無理な住宅ローンにならないようにするには?
無理な住宅ローンを組んでしまっては、せっかくのマイホームを購入しても「気が休まらない」ということになってしましかねません。
ここでは、そのような事態に陥らないように住宅ローンが無理な支払いにならないようにするコツをお伝えします。
(1)月々の返済上限額を明確にする
自分自身の収支を把握し、住宅ローンを組んだ際にどれくらいまでなら返済ができるかを明確にすることで、無理な住宅ローンになることを回避することが可能です。
上述したように、一般的に言われている無理なく返済できる返済負担率は20%から25%とされています。
年収700万円の方が、無理な住宅ローンにならないための返済上限額はいくらくらいになるのでしょうか?月々の返済額を計算するには、「年収÷12ヶ月×返済負担率」で求められます。
年収700万円の方の月々の返済上限額は、「700万円÷12ヶ月×25%=約14万6,000円」です。
14万6,000円以下であれば、無理な支払額の住宅ローンにならず返済を続けていくことができるでしょう。
(2)10年、15年など長いスパンで試算する
住宅ローンは、最長で35年間という長い期間で支払いを続けていくことになります。そのため、10年、15年という長期的な視野でライフプランを立てて試算することが重要です。
ライフプランは、簡単に言えば「将来の設計図」です。
家づくりや住宅を購入するということは、すでに家庭を持っている方がほとんどでしょう。
これから先、子供は何人授かる予定なのかや子どもの教育をどうするのか、家族用に車を買い替えるのかなど、細かくライフプランを書き出してみることおすすめします。
そうすることで、住宅資金はもちろん、子供の教育資金、車の購入代金、老後資金などの資金計画を立て、現実的で適切な支払い金額を試算することができるでしょう。
例えば、30代で結婚して、家族構成は子供を含めて3人だから2LDKくらいの家を40代で購入して、50代からは老後の資金を貯めてと理想の人生設計を書き出すことで、資金を作るための逆算ができ、何歳でいくらくらいの貯金をしておくべきかが明確になります。
これらのライフプランを書き出して、実際に費用がいくら発生するかを算出しておけば、将来の家計が見えてきます。
ライフプランは各家庭によって異なりますので、各家庭でしっかりとライフプランを立てることで、無理のない住宅ローンが組めるようにしましょう。
ライフプランの立て方について、詳しくは下記記事を参照にしてみてください。
(3)余裕のある返済プランを立てる
例えば頭金がない状態で、フルローンで住宅を購入した場合、金利が高くなったり、返済期間を短くされたりして月々の返済額が大きくなり、家計を圧迫する可能性があります。
また、住宅資金を用意できたとしても全額を頭金に入れることはおすすめできません。
その理由は、病気やケガなどの予期しなかった出来事に対応できなくなるからです。
病気やケガで入院してしまった場合、生命保険等に入っていたとしても保険金が出るまでには時間がかかりますし、収入が減るということも考えられます。
住宅ローンを組む場合には、このようなことも考えながら、ゆとりを持って返済プランを立てるようにしましょう。
もし、返済をしていく上で計画よりも余裕が出てきた場合には。「繰り上げ返済」も考えてみてはいかがでしょうか。
繰り上げ返済は、本来の返済とは別に、まとまった金額を前倒しして返済することを言います。
この方法で支払らった金額は、全額が元金の返済にあてられるため、利息分を大きく減らすことが可能です。
実際に余裕のある返済プランを立てず、収入減などの原因で住宅ローンの返済ができず、自己破綻までしてしまった方も少なくありません。
より詳しく知っておきたい方は、ぜひ下記記事も合せてお読みください。
(4)配偶者の収入を当てにしない
上記の通り、万が一病気やケガで長期に渡って入院するようなことがあれば、収入が減ってしまうことがあります。
最悪の場合には、収入がなくなってしまう可能性もあるでしょう。
そのような状況になった場合、配偶者の収入だけで生活していると住宅ローン返済に窮することもあり得ます。
住宅ローンの返済ができなくなれば、最悪の場合、せっかく購入したマイホームを手放さなくてはならなくなるでしょう。
そこで、配偶者の収入だけでなく、ご自身も収入を得られるようにしたり、その他にも収入を得られるような体制を整えてみたりすることをおすすめします。
例えば、副業やパートなどを始めてみたり、もし余裕があるのであれば、投資を始めてみたりすると良いでしょう。
万が一の場合を考えて動いておくことで、無理な住宅ローンを組まずに済むことになります。
(5)万が一なときに備えて売却しやすい物件を選ぶ
何が起きるか分からないのが人生。どんなに頑張って先の人生を予想しても、想定外のことが起きる可能性があります。
つまり、住宅ローンの返済ができなくなるということが起きるかもしれないということに備えて、売却しやすい、資産価値が高い物件を選ぶことが重要です。
資産価値が高く、売却しやすい物件であれば、万が一なときにすぐに売却することができれば、自己破産まで追い込まれることはないでしょう。
年収700万円の住宅ローン返済シミュレーション
それでは、ここからは実際に年収700万円の方が住宅ローンを組んだ際の返済シミュレーションをしていくことで具体的にイメージしてもらいましょう。
無理なく返済が可能であるとされている、返済負担率が20%から25%の場合を見ていくことにします。
シミュレーションの条件は以下の通りです。
※条件が元金均等返済や、金利が変動金利などで変化してきますので、ご注意ください。
あくまでも、下記の条件を利用しております。
違う条件で調べてみたい方は、さまざまなシミュレーターがネット上に用意されていおりますので、ご利用いただくことをおすすめします。
【条件】
- ☑返済方法:元利均等返済
- ☑金利:固定金利1.315%
- ☑ボーナス払い:なし
(1)返済負担率20%の場合
借入期間 | 年間返済額 | 月々の返済額 | 借入可能金額 |
15年 20年 25年 30年 35年 | 約140万円 | 約11万7,000円 | 約1,910万円 約2,460万円 約2,990万円 約3,470万円 約3,930万円 |
(2)返済負担率25%の場合
借入期間 | 年間返済額 | 月々の返済額 | 借入可能金額 |
15年 20年 25年 30年 35年 | 約180万円 | 約14万6,000円 | 約2,380万円 約3,070万円 約3,730万円 約4,340万円 約4,910万円 |
条件が同じ場合においても、借入期間が短い場合は借入可能金額は低くなる傾向にあるのがお分かりいただけたでしょう。
しかし、その分金利が押えられるので、返済期間長期化リスクを提言することが可能です。
安定した返済計画を考えている方は、借入期間を短くしてみると良いかもしれません。
ただし、その場合には手元の自己資金もある程度は貯めておく必要があります。
初めての方はFPなどの専門家に相談する
マイホームの購入は、人生で一番大きなライフイベントと言えるでしょう。
そのような大事な出来事について、一人で決めてしまうのは不安になってしまうのではないでしょうか。
- ☑住宅ローンはどうやって組むのが一番良いのか
- ☑住宅ローンの返済計画はこれで良いのか
さまざまな悩みや疑問が浮かんでくるかと思います。
例えば、戸建てを購入するとすれば、新築一戸建てなのか、中古一戸建てなのか、マンション購入なら新築マンションなのか、中古マンションなのかと選択肢は幅広いでしょう。
その中でも、どのエリアのどの物件ならば、自分自身に暮らしに最適な毎月返済額にすることができるのかなど、心配事はさまざまでしょう。
そのような時には、専門家である我々ファイナンシャルプランナー(FP)に相談してみましょう。FPはお金に関するプロフェッショナルです。
家計に関することから不動産の取引などについても知識を持ち合わせています。
理想的な住宅ローンを組むための考え方はもちろんですが、家計の見直しなどによる節約方法、資産運用による住宅購入資金の貯め方まで、さまざまなアドバイスがもらえるでしょう。
また、ライフプランを作成することもFPの仕事ですので、ライフプランを考えて住宅ローンを組むことで、無理のない住宅ローンの返済を行うことのサポートをさせて頂きます。
更に、一定の条件を満たした上で住宅ローンを利用して住宅を購入、またリフォームやリノベーションをした場合、住宅ローン控除という制度を受けられます。
この制度を利用すると、年末のローン残高の0.7%を所得税や住民税から控除されることになります。
控除期間は最大で13年間となっており、大きな節税効果を受けられます。
FPは、このような税金全般に対するアドバイスや提案をすることもできますので、住宅購入に関するさまざまな相談に対応が可能です。
実際に弊社にあったマイホーム購入する際の適正予算の相談事例を紹介していますので、ぜひお読みください。
まとめ
年収700万円の方は、平均年収を上回っている分、住宅ローンも組みやすいでしょう。
また、住宅ローンの上限額も大きく住宅購入を考えた際には、選択肢も広がります。
しかし、住宅ローンの満額に近い金額を借入れようとしたり、満額を借入れようとしたりすると金利を高く設定されてしまったり、月々の返済額が大きなって家計を圧迫してしまったりして苦しい状況になってしますこともありえるでしょう。
住宅ローンは背伸びせずに、無理なく返済できる金額を設定することが重要です。
もし、住宅ローンについて不安なことや悩み、相談したいことがあれば我々FPを頼ってみてください。
現在の収支など家計の状況や資産状況を把握した上で、ライフプランをしっかりと組むことで無理のない返済計画を立てるサポートやアドバイスをさせて頂きます。
著者
- AFP、宅地建物取引士、DCプランナー、証券外務員一種、二種、内部管理責任者、不動産賃貸経営管理士、住宅ローンアドバイザー、日商簿記2級
☆「幻冬舎ゴールドオンライン」にて記事連載中☆
☆「NewsPicks」にて記事連載中☆
アジア金融の中心地であるシンガポールに10年間滞在。その後、外資系銀行にてプライベートバンカー、セールスマネジャー、行員向け経済学講師を経て独立系ファイナンシャルプランナー事務所を設立。著書に『58歳で貯金がないと思った人のためのお金の教科書』、『50代から考えておきたい“お金の基本”』。Bond University大学院でマーケティングと組織マネジメントを研究。経営学修士。
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