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新築マンションを買うな?中古と比較したメリット・デメリットを解説

公開日:2023/04/25
悩む

新築マンションの購入を検討しているものの「新築マンションは買うな」と人からいわれ迷っている人もいるでしょう。

そこで今回の記事では、新築マンションに関する次のポイントを解説します。

  1. ✅新築マンションのメリット・デメリット
  2. ✅中古マンションのメリット・デメリット
  3. ✅2023年新築マンションは買い時なのか?

新築マンションにはメリットもありますが、デメリットも存在するためその点見極めが重要です。買い時を含め具体的に解説しているので、ぜひ家選びの参考にしてください。

新築マンションは買うな?デメリットを解説

カップル

ここでは「新築マンションを買うな」といわれる理由である、新築マンションのデメリットを解説します。

マンション価格の高騰や新築プレミアムなどが挙げられるので、その点確認してみてください。

(1)マンション価格が高騰している

住まいとして新築マンションを買うなといわれる理由の1つに、マンション価格の高騰が挙げられます。

次の表は、株式会社不動産経済研究所の「首都圏 新築分譲マンション市場動向 2022 年のまとめ」のデータです。

首都圏を対象とした新築マンション一戸あたりの平均価格を表していますが、年々価格が上がっているのがわかるでしょう。価格高騰は最近に限った話ではありません。

 首都圏平均価格
2018年5,871万円
2019年5,980万円
2020年6,083万円
2021年6,260万円
2022年6,288万円
出典:株式会社不動産経済研究所「首都圏 新築分譲マンション市場動向 2022 年のまとめ」

新築マンション価格が高騰している理由の1つに、住宅ローンの低金利による住宅需要の高まりが挙げられます。

需要が高まる中、人材不足による人件費の高騰、それに加えて円安による輸入原料の高騰も理由です。原料価格が上がることで、建築費が高騰します。

これらの原因があるため、近年新築マンションの価格高騰が起きている状況です。

(2)部屋が狭くグレードも低い可能性がある

現在の新築マンションは、部屋が狭くグレードも低いことが考えられます。というのも、継続的に続いているマンション価格の高騰が影響しているからです。

マンション価格が高騰するなか、少しでも価格を抑えて購入しやすくするため、一部の物件を除き以前と比較し部屋が狭い傾向にあります。

また、例えばキッチンなどのグレードが下がるケースも考えられるでしょう。その他、本来あった設備を無くすケースも考えられます。

(3)新築プレミアムがある

新築プレミアムがあるのも新築マンションのデメリットです。新築プレミアムとは、新築物件にのみ適用される価値のことです。

日本人はまっさらな新品に価値を見出す傾向があるため、誰も暮らしたことがない新築のマンションを好む人が多く見られます。

一度人が暮らしたことがある新築マンションは、売ろうと思ったときに、購入時と比較し価格が大きく下落する可能性があります。

なお、マンション価格は築年数の経過によっても下がるものです。例えば築10年だと、平均して20%~30%の下落すると言われています。

(4)中古マンションより立地の選択肢が狭い

マイホームとしての新築マンションは、中古マンションと比較して立地の選択肢が狭いのもデメリットです。

例えば、周辺環境に駅やスーパーマーケットなどがある、利便性が良いマンションを希望するとしましょう。

しかし土地が狭い日本では、都合よくこだわりの条件に合った物件選びができない可能性があります。

また見つかったとしても、価格が高いなど予算に見合わず購入できない恐れもあります。

(5)モデルルームとの落差を感じる場合がある

新築マンションでは、モデルルームとの実際の落差に後悔するケースがあります。

例えばモデルルームとして公開されている部屋が、分譲される中でも特に広い部屋だった場合、購入後「意外と狭いな」と感じることがあります。

また、豪華な内装に惹かれて購入したものの、それらはモデルルームのオプションとして備え付けられていたもので、入居時に味気なく感じたということもあるかもしれません。

実物を見ずに見極めて購入するのは、新築マンションの難しいところです。

(6)住み始めるまで住民の質が分からない

実際に住んでみるまで、住民の質がわからないのも新築マンションのデメリットです。例えば、後々騒音問題や外国人住民とのトラブルが発生しないともいい切れません。

本来どのような住民が住んでいるのか、事前に購入者から体験談や意見などを聞いておきたいところですが、新築マンションでは困難です。

そのため、いざというとき売却して住み替えができるよう、立地が良いなど資産性が高い家探しをしておくのも1つのコツです。

(7)管理組合の状況が見えにくい

新築マンションでは、管理組合の状況が見えにくいのもデメリットだといえます。

中古住宅であれば、これまでの維持管理状況や管理体制について調べることもできますが、新築マンションでは困難です。

当然よい管理体制に当たれば管理状態は良いでしょう。一方で、そうでなければ安心した生活がおくれない可能性もあります。

管理の良し悪しは、将来的なマンションの資産価値にも影響するため、懸念点です。

新築マンションならではのメリット

ここでは新築マンションならではのメリットを解説します。「最新の設備」や「仲介手数料がかからない」など、中古マンションにはない利点を確認してみてください。

(1)最新の設備のため住心地がいい

新築マンションのメリットは「人気の最新設備」が期待できる点です。

例えばハンズフリーキーが利用できれば、ポケットにカギを入れたままでもセンサーが反応しドアを開けられます。

他にも、マンション内の全戸にスマートスピーカーが導入されているケースもあります。スマートスピーカーがあれば、室内のIoT化が可能です。

スマートフォンを使用してドアを開けたり、エアコンのオンオフや、外出先からお風呂にお湯を張ったりといったこともできます。

中古マンションと違い、最新の設備で住み心地の良さを求めるなら、新築マンションがおすすめです。

(2)修繕積立金が抑えられる

新築マンションなら、修繕積立金が抑えられるのもメリットです。

修繕積立金とは、建物の診断や将来の修繕工事(修繕費)に利用されるお金です。一般的に築年数が経過するにつれ修繕積立金は高くなります。

修繕積立金の金額が上がれば、月々の返済が生活の負担となるケースも考えられるでしょう。

その点新築マンションであれば、当初の修繕積立金が低く設定されているため支払い負担が軽減されます。

低く設定されている理由は、デベロッパーがマンションを売りやすくするためともいわれていますが、いずれにしても最初の支払い負担を抑えられるのは魅力的です。

(3)住宅ローンの金利や保険料の優遇が期待できる

新築マンションでは、住宅ローン金利や保険料が、中古マンションと比較しより有利になる可能性があります。

中古物件でも住宅ローンを組めますが、融資期間が短くなったり、担保評価が低いと借入額が低くなったりといったことも考えられます。

その点、新築マンションなら金融機関や保険会社からの評価が高くなるため、より有利な金利でローンが組めたり、保険料についても優遇されたりといったチャンスがあります。

(4)仲介手数料がかからない

新築マンションの住宅購入では、中古マンションと異なり、仲介業者が入らず仲介手数料がかからないのがメリットです。

通常個人が売主となる中古マンションは、不動産会社が仲介して取引を行います。そのため中古マンションでは仲介手数料が発生します。(買取再販を除く)

例えば不動産売買の仲介手数料は「仲介手数料=物件価格×3%+6万円+消費税」を上限として算出可能です。

3,000万円の中古マンションを購入するのであれば「3,000万円×3%+6万円+消費税」の計算により1,056,000円が仲介手数料の上限です。

新築マンションでは、直接デベロッパーが売主となることが多いため、仲介手数料が発生しません。

新築マンションと比較した中古マンションは?

ここでは、中古マンションのメリットとデメリットもそれぞれ解説するので見ていきましょう。

(1)中古マンションのメリット

まずは中古マンションの3つのメリットを紹介します。

価格が比較的に安い

新築マンションと比較して、物件価格が安いのが中古マンションのメリットです。下の「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2021年)」を見てください。

中古マンションの築年数帯別平均価格

出典:REINS TOPIC

新築時のマンションの価格帯が6,500万円とした場合、その後築11年あたりで4,500万円まで落ちているのがわかります。

また、築26年を過ぎたあたりからは横ばいに推移しているのがわかるでしょう。

そのため、中古マンションをできるだけ安く購入したいなら、築26年あたりを目安に狙ってみてもよいでしょう。

ただし築年数が古いマンションは、修繕積立金が高額となる場合があるため、大切な注意点として覚えておいてください。

なお、東京の中古マンション相場について詳しく知りたい方は、下記記事もあわせて参考にしてください。

②実物を見て購入できる

中古マンションのメリットは、実物を目で見て購入できる点です。

新築マンションでも、竣工後販売の物件であれば実物をチェックできますが、完成前に募集をかけている場合だと、内見できずイメージが湧きにくいことがあります。

その点物件数が多く、すでに存在している中古マンションであれば、外観から間取りや眺望、日当たりなども事前に確認できます。

つまり物件の選び方を比較すると、より柔軟なのが中古マンションの強みです。またどのような住民が暮らしているかについても、調査しやすいです。

③自由にリフォームすることができる

自由にリフォームできるのも中古マンションのメリットです。新築マンションを購入せず、その分浮いた費用でリフォームを検討するのも1つの方法です。

自身や家族のライフスタイルにマッチした住空間が構築できるでしょう。ただし、専有部分と共用部分など、それぞれリフォームできない箇所があるので確認が必要です。

また、リフォーム前に管理組合の許可が必要なので、工事申請や理事長への挨拶なども忘れず行うようにしてください。

なお、リフォームがいいのか、リノベーションがいいのかと悩まれている方もいらっしゃるでしょう。その違いなどについて詳しく知りたい方は、下記記事をご参照ください。

(2)中古マンションのデメリット

次に中古マンションのデメリットも見ていきましょう。

①設備や間取りに不満を感じる可能性がある

中古マンションのデメリットとして挙げられるのが、設備や間取りに対する悩みや不満です。

築年数が進んだ中古マンションだと、設備が老朽化し故障も多くなることが考えられます。

例えば、古くなったガス給湯器をそのまま引き継いだ場合、入居後に交換が発生するかもしれません。

またリノベーションを検討していても、柱や梁の問題などで間取りを変更できないケースも考えられるでしょう。

その場合、例え物件価格が安くても失敗したと感じる可能性があります。

②老朽化の影響で防音性や断熱性能に不安がある

中古マンションの場合、老朽化の影響などで防音性や断熱性能が十分に発揮されない可能性があります。その点もデメリットとして押さえておきたいところです。

仮に隣からの音が気になるようなら、壁伝いに吸音材を設置するとよいでしょう。またリフォームを行い、壁の中に吸音材を仕込むのも1つの手段です。

断熱性については、床下に断熱材を敷く、内窓を設置するといった対策が取れます。

いずれにしても中古マンションを購入する際は、自身や子供、家族の快適な生活を考え、リフォームなどの対策を講じる必要もある、という点を覚えておいてください。

③耐震性が劣る可能性がある

中古マンションは、耐震性が劣る可能性がある点でもデメリットです。中古マンションの中には「旧耐震基準」に対応した物件があります。

旧耐震基準とは、1981年5月31日以前に設けられていた耐震基準です。

旧耐震基準は、震度5強程度の揺れが起きても倒壊せず、破損しても修復が可能であるとした耐震基準でした。つまり震度5強を超える被害については想定していません。

それに対し、1981年6月1日より新たに定められたのが「新耐震規準」です。新耐震規準では、震度6強~7程度の揺れが起きても倒壊しないことを想定しています。

つまり、旧耐震規準の中古マンションを購入する際は、補強工事をしていればよいですが、そうでなければ耐震性の面でデメリットがある点を理解しておいてください。

2023年は新築マンションの買い時か?

依然低金利の状態が続く日本の不動産市況を考えると、2023年はマンションを購入するタイミングとして悪くない判断だといえます。

しかしながら2023年3月、首都圏新築マンションの平均販売価格が、1973年以来初めて1億円を超える上昇を見せ、不動産業界を騒がしています。

出典:不動産経済研究所「首都圏新築分譲マンション市場動向2023年3 月」

都内の平均販売価格を押し上げた理由の1つは、都心で増えている高級マンションの存在だといわれています。

また、人件費や円安による原料価格の高騰も影響しているでしょう。

なお、デベロッパーがターゲットとする東京23区における新築マンションの世帯年収は、1,500万円~2,000万円が相場だという話もあります。

出典:NHK首都圏ナビ「首都圏新築マンション初の1億円超え 晴海フラッグではすでに転売か」

いずれにしても、少しでもマイホーム購入のため、新築マンションの購入価格を抑えたいなら、東京を外した神奈川や埼玉、千葉などのエリアに目を向けてみてもよいでしょう。

また、今後新築マンションの販売価格が落ちるとは考えにくいため、自身の想像しうるライフプランを優先し、購入のタイミングを見極めるのもよい判断だといえます。

マンションの購入で悩んだときは専門家に相談する

カップル

新築マンションを購入するタイミングがわからないという人や、自分にあったマンションの購入価格や資金計画がわからない人もいるかもしれません。

そのようなときは、不動産の専門知識を持つプロである弊社FP(ファイナンシャルプランナー)相談してみてください。

弊社FP(ファイナンシャルプランナー)は、これまで2万件を超える住宅に関する相談実績があります。

あなたのライフプランや予算から、無理なく理想のマンション購入プランをご提案します。

なお、弊社のノウハウを凝縮したマイホームを購入する時の知識まとめのPDFを公開しています。これからマイホーム購入を検討されている方は、ぜひ読んでみてください。

まとめ

カップル

今回は、新築マンションを買うなといわれる理由や、新築マンションのメリット・デメリット、その他中古マンションの特徴まで解説しました。

中古マンションと異なり新築マンションには、新築プレミアムをはじめとしたマイナス要素があるのは事実です。

しかしながら最新の設備をはじめ、仲介手数料がかからないなど、さまざまなプラスの要素もあります。なにより、最初に住めるメリットは大きいでしょう。

自分の予算やライフプランから適切なマンション購入価格を知りたいという場合は、弊社FP(ファイナンシャルプランナー)相談してみてください。適切な住宅ローンの借入額や、将来の資産運用まで広くアドバイスさせていただきます。

著者

代表取締役 田中佑輝
代表取締役 田中佑輝株式会社アルファ・ファイナンシャルプランナーズ
AFP、宅地建物取引士、DCプランナー、証券外務員一種、二種、内部管理責任者、不動産賃貸経営管理士、住宅ローンアドバイザー、日商簿記2級
☆「幻冬舎ゴールドオンライン」にて記事連載中☆
☆「NewsPicks」にて記事連載中☆

アジア金融の中心地であるシンガポールに10年間滞在。その後、外資系銀行にてプライベートバンカー、セールスマネジャー、行員向け経済学講師を経て独立系ファイナンシャルプランナー事務所を設立。著書に『58歳で貯金がないと思った人のためのお金の教科書』、『50代から考えておきたい“お金の基本”』。Bond University大学院でマーケティングと組織マネジメントを研究。経営学修士。

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