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マンション購入の年収目安は?ローン返済で失敗しないための知識まとめ

2022年7月20日

はじめてマンションを購入する際に「自分の年収でも買えるのかな?」といった疑問もあるはずです。そこで今回は「マンション購入の年収目安」「平均年齢」などについて分かりやすくお伝えします。

その他、マンション購入で失敗しないための注意点も解説しているので、購入前の参考に役立ててください。

マンション購入が可能な年収目安を解説

女性

マンション購入の年収目安は「各都道府県」だけでなく「新築マンション」「中古マンション」によっても異なります。

かつての住宅ローン金利が3%越えだったときは「年収の5~7倍」が購入目安でしたが、現在の1%を切るような低金利では「年収の7~10倍」が新築マンションの購入目安です。

ここでは具体的に「年収の何倍か」を示す「年収倍率」を基準に、新築マンションおよび中古マンションの購入時の年収目安を解説します。

(1)新築マンションの場合

不動産データサービスの東京カンテイによると、2020年の新築マンションの年収倍率は全国平均で「8.41倍」でした。この数値は4年連続で拡大中です。

最も倍率が高いエリアは東京の「13.40倍」です。その他地方でも、長野県をはじめ宮城県や沖縄でも「10倍」を超える倍率となっています。ここで、2019年と2020年の年収倍率の比較を表にしたので見てみましょう。

エリア平均年収倍率(2020年)平均年収倍率(2019年)
首都圏10.79倍10.59倍
中部圏8.35倍8.43倍
近畿圏9.14倍8.85倍
全国8.41倍8.19倍

著者作成

首都圏の平均年収倍率は、2019年と比較し0.20アップの「10.79倍」となっています。

これは新築価格の上昇率が平均年収の増加率を上回ったことが要因です。また、近畿圏でも首都圏と同じ理由で、2019年の8.85倍から2020年には「9.14倍」にアップしました。

一方中部圏では、首都圏とは反対に平均年収の増加率が新築価格の上昇率を上回っており、それが要因となって2019年と比べ0.08縮小の「8.35倍」となっています。

新築マンションを購入する年収目安については、お住まいのエリアの年収倍率を参考にするのも1つの手段です。

(2)中古マンションの場合

中古マンション購入の年収倍率は、全国平均で「5.92倍」という結果でした。なお、こちらも新築マンションと同様に東京カンテイの2020年のデータを参考にしています。

中古マンションでは2019年の年収倍率が全国平均で5.52倍だったため、こちらも新築マンションと同様に拡大しています。実際に、2020年と2019年の平均年収倍率を表にしたので見てみましょう。

エリア平均年収倍率(2020年)平均年収倍率(2019年)
首都圏7.91倍7.63倍
中部圏5.30倍4.80倍
近畿圏6.74倍5.97倍
全国5.92倍5.52倍

著者作成

中古マンションで最も年収倍率が高かったエリアは東京の「11.50倍」でした。他にも、沖縄県(9.58倍)や京都府(9.47倍)も全国平均を上回る結果となっています。

マンションを購入する際の希望条件は人によって様々なので、ここでお伝えした年収倍率が絶対ではありません。ですが、事前の購入目安としておさえておいてください。

(3)マンション購入者の平均年齢と平均年収を紹介

次に分譲マンション購入者の「平均年齢」と「平均年収」も見ていきましょう。国土交通省の「令和3年度住宅市場動向調査報告書」によると、世帯主の平均年齢は「44.3歳」という結果です。

出典:令和3年度住宅市場動向調査報告書

また、購入者の平均年齢は44.3歳ですが、その内訳を見ると大半が30代ということがわかります。30代や40代で住宅ローンを組むと、70歳前後での完済となるため、定年を見越しての購入ということが考えられます。

次に分譲マンション購入者の平均年収ですが、こちらも国土交通省のデータを参考にすると「平均912万円」という結果でした。

令和3年度住宅市場動向調査報告書

出典:令和3年度住宅市場動向調査報告書

なお、こちらの平均912万円というのは「平均世帯年収」です。つまり、夫だけの年収ということも考えられますが、夫婦共働きで約912万円というケースもあるでしょう。

また年収別で見てみると、最も多いのが「平均600~800万円」の購入者というのがわかります。なお、どの年収でも一定の購入者がいることもわかります。

つまり、年収が912万円に届かないからといって「マンションを購入できない」というわけではありません。

マンション購入で年収以外に考えておくべきこと

カップル

年収倍率はマンション購入の1つの目安となりますが、実はその他にも考えておかなければいけないことがあります。

ここでは「頭金」「返済方法」そして特に重要な「返済負担率」といったポイントを解説していきます。マンション購入を検討する際は、必ず知っておいてください。

(1)頭金の相場はマンション購入額の10~20%

マンション購入で用意する頭金は、購入価格の「10~20%」を目安としてください。つまり、購入価格が5,000万円の場合は1,000万円ほどの金額を用意します。

そもそもマンション購入時の頭金とは、住宅ローンを利用せず現金で支払う分の金額です。マンションは高額なので、通常購入する際は住宅ローンを利用します。住宅ローンというのは、借入が多いほど毎月の返済額や利息が高くなるものです。

そこで頭金を多く用意しておけば、住宅ローンの借入額が少なくなるため結果的に利息・返済額が抑えられます。

とはいえ、貯蓄のほとんどを頭金に充ててしまうと、後々「生活が苦しい…」という状況にもなりかねません。そのためあくまでも無理のない範囲で用意することです。

その他頭金の他にも諸経費と呼ばれている費用があります。詳しくは下記記事をお読みください。

(2)返済負担率は手取りの20~25%までを意識する

住宅ローンの返済負担率は、手取り年収の「20~25%まで」を意識してください。25%を超えると、返済できなくなるリスクが高まります。

そもそも返済負担率とは、年収に対する年間返済額の占める割合のことです。ここで注意すべきことは「額面年収」ではなく「手取り金額」で考えることです。

税金や保険料などが含まれる額面年収だと、予算を多く見積もってしまう可能性があるためおすすめしません。下の表に、手取りの「20%」に当たる返済負担率を設定した際の「年間返済額」を参考にまとめました。

額面年収手取り金額年間返済額
400万円320万円64万円
600万円480万円96万円
700万円560万円112万円
800万円640万円128万円
900万円720万円144万円

著者作成

手取りの金額は一般的に額面年収の8割なので、400万円なら手取りが320万円となり年間返済額は64万円という考えです。

金融機関によっては30~35%を上限とした返済負担率が設けられていますが、その設定で借りるのはリスクです。住宅ローンを組む際は、必ず返せる金額であることが重要です。

(3)返済方法の違いを理解する

住宅ローンの返済方法には「元利均等返済」「元金均等返済」がそれぞれあります。中でも「毎月の返済額が変わらない」「将来の家計を計算しやすい」という点で「元利均等返済」がおすすめです。

ただし、それぞれにメリット・デメリットがあるので、住宅ローンを組む際は違いを知っておいてください。

①元利均等返済のメリット・デメリット

元利均等返済は元金と利息を合わせて均等に返済する方法で「毎月の返済額が変わらない」というメリットがあります。

一方で住宅ローンの総返済額については、この後お伝えする元金均等返済と比べて「多くなる」という点がデメリットです。

②元金均等返済のメリット・デメリット

元金均等返済は、毎月返済する元金の額が一定の返済方法です。利息は元金の残高に対応した分が上乗せされていきます。なお残高が減っていくことで、支払う利息分も減っていきます。

総支払額は元利均等返済と比較し「少ない」のがメリットです。一方で最初に支払う「返済負担額が大きい」という点はデメリットです。

(4)金利タイプの違いを理解する

住宅ローンの金利タイプには「固定金利」「変動金利」がそれぞれあります。中でも金利がより低く設定される傾向にある変動金利は魅力的です。ただし、金利上昇を考えた場合リスクとなる可能性もあります。

固定金利は変動金利と比べて金利が高い傾向にありますが、一方で返済期間中の金利が一定のため毎月の返済額が変わりません。その点長期的なプランを立てやすい点でメリットです。

経済動向や自身のライフプランを考えて、最適な金利タイプを選ぶようにしてください。

マンション購入のメリットを年代別に解説

年代

ここではマンション購入のメリットを年代別にお伝えします。マンション購入者の平均年齢が44.3歳とお伝えしましたが、だからといって「その他の年代だとマンションが買えない」ということではありません。

20代から60代までのマンション購入のメリットを見てください。

(1)20代・30代の人がマンション購入するメリット

20代や30代の人がマンションを購入するメリットは、早い段階で住宅ローンを完済できるということです。例えば65歳の定年までに住宅ローンを終わらせたいなら、30歳までに購入するのがよいでしょう。

(2)40代・50代の人がマンション購入するメリット

40代や50代の人がマンションを購入するメリットは、年収金額にもよりますが住宅ローンの審査に通りやすいことです。

勤続年数が長いと、昇給によって年収が上がっていることが考えられます。またある程度自己資金も用意しやすいため、より有利な住宅ローンの商品を選ぶことができます。

(3)60代以上の人がマンション購入するメリット

60代の人だと、自己資金にもよりますが現金でのマンション購入が可能な点がメリットです。マンション購入を現金で支払うと、住宅ローンの融資手数料や利息を抑えられます。また、住宅ローンの申し込み手続きに時間を割かなくてもよいです。

一方で60歳以上の人が住宅ローンを利用したいとなっても、年収や健康状態などから審査通過が厳しくなる恐れがあるため、その点は注意してください。

マンション購入で事前に知っておきたい注意点

注意点

最後はマンション購入で気を付けたい注意点もお伝えします。マンションを購入した後に後悔しないためにも、ぜひ覚えておいてください。

(1)将来手放す場合は売却の価値も意識して購入する

マンションを購入する際は売却時の価値が下がりにくい物件を選びましょう。通常マンションは長期的に住むことを考えて購入しますが、将来的に引越しやライフスタイルの変化によって手放す可能性もゼロではありません。

売却時の価値が下がりにくいマンションの特徴としては「立地条件の良さ」「日当たり」そして「眺めの良さ」などが挙げられます。

なお住宅ローンを利用してマンションを購入する際は、売却時の価値が低い物件だと、売ったとしても残債が支払えなくなる可能性があるため注意してください。

なにはともあれ将来起きる想定外のことも考え、マンションを選ぶ際は売却時の価値も意識して購入するのが大切です。

(2)共益費などのランニングコストも含めて返済可能額を計算する

マンションを購入する際は、共益費などのランニングコストも考えた上で返済可能額を計算するのが大切です。

というのもマンション購入で毎月発生するのは住宅ローンの返済だけではありません。管理費駐車場代修繕積立金などもかかってきます。

特に毎月の修繕積立金(建物の修繕工事に充てられる金額)は、1万円程度かかるため負担は大きいです。これらの費用負担も事前に考えた上で、返済可能額を把握しておく必要があります。

(3)将来の家族設計や生活スタイルを考えて購入する

マンションを購入する際の選ぶポイントとして、立地や利便性は重要です。一方で、将来設計も考えた上で選ぶようにしてください。というのも、例えば「子どもが生まれてから部屋が足りなくなった」となっては困ってしまうからです。

他にも、例えば軽自動車しか駐車できないようなスペースの駐車場を選んでしまうと、将来家族が増えたときに「もっと大きな車が欲しい」となった場合でも、置けない可能性が出て来ます。

そうならないためにも、現状の暮らしだけを考えず、将来も見据えて選ぶのが正しい選択です。

(4)年収によっては金利に対応できないリスクがあることを理解しておく

マンションを購入する際は金利のリスクを理解しておくべきです。固定金利なら一定のため問題ありませんが、変動金利だと「最初は金利が低くてお得だ」と思っていたとしても、経済情勢によっては上昇するリスクがあるからです。

マンションの購入時点では年収に対して問題なく支払えると考えていても、結果的に金利が上がったことで「生活が厳しくなった」といったケースは考えられます。住宅ローンの変動金利を選ぶ際はその点に注意してください。

事前にFPに相談する

相談

ここまで、マンションを購入する際の年収目安や頭金などについて解説してきましたが「難しくてよくわからない」「誰かに相談したい」ということもあるかもしれません。

弊社は不動産購入時の予算などについて多くのご相談を頂いています。不動産は長期に渡り所有していくものです。目の前の年収だけではなく、これから5年、10年、20年先のことも想定しながれ、予算などを組むべきものです。途中で返済ができなくなり自己破産に追い込まれるようなことにならないように、事前に把握しておくことが重要です。

少しでも不安に感じている方は、ぜひ弊社の経験豊富なファイナンシャルプランナー(FP)相談してみてください。

また、弊社には16,000件の相談データを元に開発された、簡単に資産管理ができる「マネソル」(特許あり)というアプリがあります。銀行などの金融機関とのデータ連携ができることから、家計簿の機能から詳細の資産管理まで一元管理することができます。

様々なライフスタイルの変更を想定して、自由にシミュレーションをすることができます。ぜひ「マネソル」(特許あり)も合わせてご活用ください。

まとめ

男性

今回はマンションを購入する上での年収や年齢の根拠、そして返済負担率や頭金などの重要性をお伝えしてきました。なお、マンションを購入する際は将来の家族設計や売却時の価値も考えて選ぶべきです。

マンション購入の平均年収や平均年齢に該当しないからといって「マンション購入を諦めなければいけない」のではなく、自分に合った金利タイプや返済方法を選び、無理のない範囲で住宅ローンを活用しましょう。

著者

代表取締役 田中佑輝
代表取締役 田中佑輝株式会社アルファ・ファインシャルプランナーズ
アジア金融の中心地であるシンガポールに10年間滞在。その後、外資系銀行にてプライベートバンカー、セールスマネジャー、行員向け経済学講師を経て独立系ファイナンシャルプランナー事務所を設立。著書に『58歳で貯金がないと思った人のためのお金の教科書』、『50代から考えておきたい“お金の基本”』。Bond University大学院でマーケティングと組織マネジメントを研究。経営学修士。

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