不動産投資の成功率は?成功する人の特徴と成功率を上げるコツを解説
「不動産投資で自己資産を増やせるって話を聞くけど、実際に成功できる人ってどれくらいいるんだろう?」
将来の資産形成に向けて、自己資産を増やしていきたいという方が、不動産投資に興味を持ち始めています。
しかし、不動産投資の初心者でも不動産投資で成功することはできるのでしょうか?
今回は、不動産投資の成功率はもちろん、不動産投資で成功する人の特徴や成功率を高めるコツについて解説していきます。
これから不動産投資を検討されている方、不動産投資で成功したい方は、ぜひ最後までお読みください。
不動産投資の成功率とは
不動産投資を始めるにあたって、成功率がどのくらいか気になる人は少なくありません。
不動産投資における成功率について詳しく確認していきましょう。
(1)不動産投資には明確な成功率はない?
結論としては、不動産投資の成功率を具体的に示す統計やデータはありません。
不動産投資だけでなく、株式や債券などの金融商品でも成功率を具体的に何%であるかと示すのは非常に難しいです。
(2)投資目標によって成功の定義が違う
前提として、不動産投資を始める投資目標によって成功の定義が異なります。
資格試験のように合格、不合格がはっきりするケースだと、合格率は何%と明確に算出できます。しかし、不動産投資であれば月5万円の利益を生活の足しで得られたら満足という方もいれば、月50万円の利益を出して不労所得で遊んで暮らしたいという方もいます。また、物件を短期間で売却して1,000万円の利益を得たいという方もいるでしょう。
投資のやり方はもちろん、目的が投資家によって違うことから、何を持って成功と定義するかが難しく数値化するのが困難となってしまいます。
(3)不動産投資の種類によって難易度が違う
不動産投資の種類によって難易度も異なります。例えば、区分マンションか一棟マンションか、新築か中古かによって利回りが違います。利回りの高さによって難易度が変わってきます。一律に成功率を定めたところで再現性は低く参考にはならないでしょう。
不動産投資の成功率を上げるには?
不動産投資における客観的な成功率はないとしても、自分自身の成功率を少しでも高めたいと考える人は多いはずです。
ここからは不動産投資の成功率を上げるための5つのポイントについてまとめていきます。
(1)投資目標を明確にする
何より最初は、不動産投資で得たい目的やゴールを明確にすることが大切です。
月数万円の利益を得て副収入にするのか、短期的に売買を繰り返してまとまった現金を得たいのかという投資目標を決めます。
目指す目標によっては、どういった手法で不動産投資を始めるかが異なります。
(2)無理せず自分に合った投資プランからスタートする
焦って高額な不動産を購入したり、早く利益を得るためにギリギリまでリスクを取って投資を始めるのは注意が必要です。
不動産投資は少額であっても何百万円から何千万円といった金額が必要になります。
一度スタートしたら、簡単に辞めて撤退することも難しいので、きちんと準備をした上で、自分に合った無理のないプランから始めていきましょう。
(3)投資規模を徐々に拡大していく
最初は不動産の選定方法も分からないかもしれませんが、様々な物件を見ていくことで良い物件を見抜くスキルも磨かれていきます。
いきなり限界ギリギリのリスクを取って不動産を購入するのではなく、少しずつ不動産投資に慣れていきながら、買い増しをして投資規模を拡大していくのが良いでしょう。
(4)不動産投資について勉強する
不動産投資について少しずつ独学からでも良いので勉強していきましょう。
特に会社員をしながら、副業として始めたいという方であっても、不動産を保有して不動産事業を運営していくオーナーになるわけですから、経験値を増やしていく必要があります。
例えば、過去の不動産投資の失敗事例を多く学ぶことで、同様の失敗を避けることができる可能性が高まります。
少なくとも、不動産投資における専門用語や抑えるべきポイントを理解しておくことで、安心して銀行や不動産会社と商談を進めることで、成功率を高めることもできるでしょう。
下記動画では不動産業界の落とし穴などについて解説していますので、ぜひ合わせて御覧ください。
(5)信頼できる専門家のアドバイスをもらう
不動産投資で成功するためには、不動産投資に詳しい専門家からアドバイスをもらえる環境づくりが非常に大切です。
例えば、物件を紹介してくれる不動産投資会社や、お金全般の相談ができるFP、不動産投資から得られた収益の税金に詳しい税理士など、成果を出し続けるには各分野での専門家がいることで、成功率は高まっていくことでしょう。
実際に借入をおこして売買契約を結ぶ前に、投資判断が間違っていないか、不動産投資物件として優良物件であるかどうかなど、時間を取って相談してみるのがよいでしょう。
不動産投資の相談先の選び方について詳しく知りたい方は、下記記事を参照してみてください。
不動産投資で成功するために知っておくべきリスクとその対策
災害のリスク
不動産投資には、災害のリスクがつきものです。火災、地震・水害などの自然災害によって物件が被害を受けることがあります。
万が一の場合に備えて火災保険や地震保険といった損害保険に加入しておくことです。いざというときに補償を受けられ、リスクを最小限に抑えることができます。
また、地域のハザードマップを利用して、津波や土砂災害のリスクを考えて物件を選択することも大切です。
空室のリスク
借り手が常にいて家賃収入が継続的に見込めるというわけではありません。次の借り手が見つからず空室になってしまうリスクも当然あります。
そのリスクに対しては、適正な賃貸管理会社を選ぶ、直接仲介会社に募集を依頼する、周辺の相場を考慮しながら募集の条件を見直す、まとまった費用はかかりますがリフォームやリノベーションすることで物件の印象をよくするなどがあります。
家賃下落のリスク
物件の築年数が増すごとに家賃下落のリスクがあります。
また、入居者がなかなか決まらず、空室を避けるために家賃を下げることで空室を埋めるということもあります。
経年劣化に対しては、賃貸ニーズに応えるような内容での修繕、リフォームなどを行い物件の価値を高めることが効果的です。
入居者を確保するためには、物件を購入するときに地域人口の増減、利便性などをしっかりとリサーチすることでリスクを抑えることができます。
家賃滞納のリスク
入居者がいれば当然家賃は入ってくると思ってしまいますが、そうではない場合もあります。
入居者の中には、月々の家賃をきちんと納めず何ヶ月も滞納してしまう人もいます。当てにしていた収入がないわけですから、その分赤字になってしまいます。
それだけではなく、時にはその入居者を退去させるための裁判費用や原状回復のための費用がかかることさえあります。このような状況をさけるためにも、滞納保証というものもあります。
入居審査をしっかりと行うことで保証会社が保証をしてくれます。
ただし、物件によっては、審査が通らない人しか集まらない物件もありますので、保証会社を入れられない物件を選ぶ際には注意が必要です。
金利上昇のリスク
日本はここ20年ほど低金利を維持しています。
しかし、不動産投資は長期で考えるため将来は金利が上昇する可能性があります。
そうなると支払う利息が増えるので、月々の返済額も増加するということになります。また、不動産売買に対して金利が上がると購入を控える人も出てきて物件が売れない状況にも陥ります。
この対策としては、金利が上がりそうなタイミングを見計らって、変動金利から固定金利に切り替えるのも1つの方法です。資金に余裕があるときは繰り上げ返済を視野に入れるのもいいでしょう。
ただし、金利が上がる時には賃料を上げることも視野には入ります。交渉できる管理会社を選定しておくことも視野に入れておきましょう。
不動産投資で成功する人の特徴
不動産投資で成功する人の特徴を7つ解説していきます。
不動産経営者として実績を積んでいくためにも、目先の利益ばかり期待せずに、成功の要因をしっかりと理解して学び続けていきましょう。
(1)不動産投資の知識がある
不動産投資は普段は聞き慣れない専門用語や、不動産業界の慣習など、ある程度の知識があることで、成功する確率も高まっていきます。
誰もが最初は初心者ですから、書籍やインターネットを活用して不動産投資についての基本的な知識を得ていくことが大切です。
特に税金が絡んでくる出口戦略についてや、ローン返済が滞らないためのリスクヘッジ戦略など、本業が不動産投資家のプロであっても難しい内容は少なくありません。
気軽に始めて成功者になれるほどローリスクな投資ではありませんが、その分、きちんとした始め方を学び、資金を確保した上で、投資目的を明確にしていくことで成功確率を高めることができるでしょう。
不動産投資の勉強方法について、詳しく下記記事を参照してみてください。
(2)常に情報収集をしている
不動産投資について常に勉強を続け、最新の情報収集をしている人は成功する確率が高くなります。
区分投資から始めて、アパート経営、マンション経営と規模を拡大していくためにも、最新の情報を集めていくことが大切です。
定期的に最新の物件や、不動産投資市況について情報を集めていくことで、より高い入居率を維持できたり、追加投資する良いタイミングを見極めることにも繋がっていくでしょう。
(3)担当に任せっきりにしない
不動産投資は不動産会社や管理会社などのパートナー選びが重要になりますが、全てを担当に任せっきりにせず、自ら考えて提案や行動ができる人は成功するケースが多いです。
任せっきりにしてしまうと、状況が変わってリスク対策が必要なデメリットの発生に気付けなかったり、担当者も複数の顧客に対応していることで対処が後回しになってしまうかもしれません。
きちんと、こちらからコミュニケーションを取ることで、放置されるリスクを軽減できますし、不動産業者からの適切な意見をもらえる関係になれるでしょう。
(4)リスクの回避策を立てている
不動産投資には様々なリスクがあります。
家賃下落リスクや空室リスク、災害リスクなど多くのリスクがある中で、中長期的に成功していくためにはリスクが起きないことを祈るのではなく、リスクが発生した際に負担を減らす回避策を事前に準備しておくことが大切です。
キャッシュフローを少しでも高めたいと、高利回りの物件に対して限界ギリギリまでローンを組んで、少しの変化で赤字になってしまうようだと失敗率が高くなってしまいます。
適切なリスク対策をすることで、継続して成果を出していくことができるでしょう。
(5)長期での投資計画を立てている
不動産を短期で売買するのは、物件の価格が急激に値上がりするということがほとんどないことや、売買にかかる税金が高くなることからおすすめではありません。
最低でも5年、できれば10年、20年、30年と長い期間の展望や計画を、始める前にもっておく必要があります。
家賃収入、管理費、修繕費、ローンの金利、税金、売却設定価格などによって投資の利益が変動するため、長期に渡った綿密な計画を練った上で始めましょう。
たとえ計画のようにならない場合でも軌道修正することでリスクを下げることができます。
(6)管理会社選びを重視している
投資物件を紹介してくれた会社にそのまま管理を依頼している人は少なくありません。
しかし、管理会社は何となく妥協して決めるのではなく、どういった費用で、どこまでのサービスをしてくれるのかを比較検討することが必要です。
同じサービスで部屋の管理費が1%下げられるだけでも、長期的に運用して見れば大きなコストカットに繋がります。
最初に任せた管理会社に任せっきりにしないで、より良い資産運用をしていける条件の会社がないか、常にアンテナを立てておくことが大切です。
(7)失敗例を把握している
不動産投資においては、過去の成功事例をそのまま活用するのは難しいですが、同じような失敗を避けることには再現性があります。
例えば、物件選びの際に過度なリスクを取りすぎて返済が回らなくなってしまったとか、事業計算ができておらず満室なのに修繕費や融資の返済で赤字になってしまったなどです。
つまり、失敗する理由を数多く理解することで、成功していくための土台にすることができます。
自らの経験だけでは限界がありますので、優良なセミナーに参加をしたり、投資スタイルごとの失敗原因や、失敗談をまとめた資料を請求したりするなど、良質な情報収集を心がけましょう。
不動産投資の失敗例は下記記事にて詳しく書いていますので、ぜひ参考にしてみてください。
不動産投資で失敗を最小限に抑えるには?
不動産投資で失敗を最小限に抑えるためのコツを4つ解説していきます。
(1)生活しやすい、治安がいいエリアを選ぶ
不動産投資で中長期的に成果を出すには、安定した家賃収入が必要不可欠です。
つまり、賃貸需要が高く、入居者を募集しやすい都心エリアの立地で周辺環境が良い必要があります。
生活環境や治安がよいエリアは大切なので、理想としては、実際に足を運ぶなどリサーチしていけると良いでしょう。
特に、将来の年金代わりに家賃収入を期待するのであれば、継続して賃貸需要の高いエリアかを見極めるのは大切なスキルになります。
足を運んで調査することで、駐車場が何台分必要なのか、周辺に嫌悪施設はないかというリアルな情報を得ることができ、結果として、後悔しない物件選びにつながるでしょう。
(2)表面利回りだけで物件を選ばない
不動産投資において、家賃収入がそのまま利益にはなりません。
アパート一棟を購入することで、高い利回りが数字上は計算できたとしても、実質利回りとして、固定資産税やアパートの管理費、将来的に必要なリフォーム費用や不動産取得時の経費など、数多くの支出もあります。
適切に支出を把握することで、家賃収入だけで判断せずに、計画性を持って物件選定ができるでしょう。
(3)管理体制がきちんとしている物件を選ぶ
特にマンション投資や区分投資の場合、マンション全体の管理が委託されている管理会社がきちんとしているかは重要です。
せっかく収益性が高い物件を所有しても、マンション全体の大規模修繕が滞ったり、修繕積立金の管理が悪く、資金ショートしてリフォームできないボロボロの建物状態だったり、マンションのイメージが悪くなれば、結果的に保有物件の資産価値が下がってしまいます。
管理会社がきちんと修繕費用を積み立てているか、さまざまなリスクを想定して中古物件になっても魅力的な物件を維持できるかも確認ポイントとして重要になります。
(4)信頼して相談できる専門家をみつける
不動産投資において、信頼できる専門家のパートナーがいるかどうかは本当に大切です。
税金のトラブルやお金のトラブルが発生した際に、税理士や不動産投資に詳しいFPなど、専門家にすぐに相談できサポートを受けられれば、リスクを最小限に抑えることができるでしょう。
注意点としては、実績のある専門家に相談するのは費用がかかるときもあります。
慎重になりすぎて専門家に相談ばかりして、そのために損失が拡大してしまっては意味がありません。
不動産投資の成功率を上げたい人はFPに相談
不動産投資を始める前はもちろん、始めた後であっても、定期的な収支の見直しとして、お金の専門家であるFPに相談していくのが良いでしょう。
今後、長期間に渡って利益を上げていくには、不動産についてはもちろん、最終的にはお金に関する多くの問題と向き合う必要があります。
金利やローンなど、不動産の基礎的なお金の知識だけでなく、貯蓄や金融商品などのお金に関するあらゆるジャンルについてバランスよく知識があるFPに相談することで、より良い資産形成のヒントが見えてくるでしょう。
勉強不足が原因で損をしてしまわないように、親身になってくれるFPを見つけ、不動産に偏らず、バランスよくさまざまなお金の知識を吸収していきましょう。
まとめ
結論として、万人に適応できる不動産投資の成功を定義するのが難しく成功率何%と表すことは難しいですが、投資初心者の成功率を高め、失敗のリスクを下げるためにできることはたくさんあります。
やはり、不動産投資における専門家やパートナー選びは大切ですが、保証を人任せにせず、自分自身で学び、最悪な状況からでも最適なリスク対策をして対処方法を学んでいくことで成果に繋がります。
是非、自分自身の不動産投資における成功率を高めるためにも、小さな一歩からでも行動を始めてみましょう。
著者
- AFP、宅地建物取引士、DCプランナー、証券外務員一種、二種、内部管理責任者、不動産賃貸経営管理士、住宅ローンアドバイザー、日商簿記2級
☆「幻冬舎ゴールドオンライン」にて記事連載中☆
☆「NewsPicks」にて記事連載中☆
アジア金融の中心地であるシンガポールに10年間滞在。その後、外資系銀行にてプライベートバンカー、セールスマネジャー、行員向け経済学講師を経て独立系ファイナンシャルプランナー事務所を設立。著書に『58歳で貯金がないと思った人のためのお金の教科書』、『50代から考えておきたい“お金の基本”』。Bond University大学院でマーケティングと組織マネジメントを研究。経営学修士。
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