貯金500万円を達成するには?FPが教える正しい5つのステップ

資産形成を検討するうえで、「まず貯金500万円を貯めたい」と考える人も多いのではないでしょうか。
500万円はハードルが高いと感じるかもしれませんが、正しいやり方をすれば、達成できる可能性は十分にあります。
この記事ではお金のプロである私が、貯金500万円達成に向けての正しい5つのステップについて解説します。
500万円を貯めたい方、効率よくお金を貯めたい方にとって非常に役に立つ内容になっていますので、ぜひ最後までお付き合いください。
世代別の貯金額

はじめに自分と同世代の人がどれくらい貯金しているのか見てみましょう。
金融広報中央委員会が公表している「令和3年家計の金融行動に関する世論調査」によると、年代・世帯別の金融資産保有額は以下の通りです。
「※表は金融資産保有額の中央値(金融資産を保有していない世帯も含む)」
世帯主の年齢 | 単身世帯 | 二人以上世帯 |
20代 | 20万円 | 63万円 |
30代 | 56万円 | 238万円 |
40代 | 92万円 | 300万円 |
50代 | 130万円 | 400万円 |
出典:金融広報中央委員会「令和3年家計の金融行動に関する世論調査」を参照に著者作成
自分の年齢・世帯の中央値と比較して、資産保有額が多かった人は資産運用を検討するとよいでしょう。
中央値より少なかった人は、現状を整理した上で、できることから始めてみましょう。
貯金500万円を達成するための5つのステップ

貯金500万円の目的は人によってさまざまですが、達成するためには共通のステップがあります。
- いつまでに500万円の貯金という目標を達成するか期日を決める
- 目の前の現状を整理する
- 貯金以外に資産を増やす方法を知る
- FPなどの専門家に相談して適切なプランニングを立てる
- 無理せず自分にあった方法を見つけ実行する
次の項目でひとつずつ解説していきます。
ステップ①:いつまでに達成するという期日を決める
お金を貯める上で、最初にいつまでに貯めるのかという期日を決めることが大切です。
「いつか500万円貯めたい」という姿勢では、ついムダ遣いしてしまい、いつまで経っても達成できない可能性もあります。
期日を決めることで、やるべきことが明確になり、モチベーションアップにもつながるでしょう。
ステップ②:目の前の現状を整理する
次に現状を整理するため、現時点の資産と毎月の収支を把握しましょう。
(1)現時点での資産を把握する
資産の把握には、弊社開発のお金管理アプリ「マネソル」(特許あり)の利用がおすすめです。
金融機関などとデータ連携をしていますので、金融機関ごとの預金額、株や投資信託など金融資産の評価額、生命保険の解約返戻金額などすべての資産情報をアプリにて管理できます。
可視化することで、自分の資産の金額と状況を整理することができます。
(2)毎月の収支を把握する
日々のお金の流れを把握することも大切です。
まずは、毎月何にどのくらいお金を使っているのか、項目ごとに分けて確認しましょう。
支出については、「固定費」と「流動費」があり、それぞれ以下のような項目が含まれます。
固定費 | ・水道光熱費 ・居住費 ・通信費 ・保険料 ・教育費 ・車のローン |
変動費 | ・食費 ・日用品代 ・娯楽費、交際費 ・医療費 ・被服費 |
著者作成
家計簿をつけて収支を把握する方法もありますが、記入や計算が面倒と感じる人には家計簿アプリがおすすめです。
「マネソル」(特許あり)には家計簿機能もついていますので、入力するだけで簡単に記録できるので、途中で挫折してしまう心配もありません。
毎月の収入から支出を差し引いた額が、貯金に回せる金額ということになります。
貯金に回せるお金が少ないと感じる場合は、支出を減らすことから始めてみましょう。

出典:マネソル
ステップ③:貯金以外に資産を増やす方法を知る
貯金も資産を増やす方法のひとつですが、より効率的に資産を増やすには、お金の運用や収入を上げる努力なども必要です。
ここでは貯金以外に資産を増やす5つの方法を紹介します。
(1)つみたてNISAをする
つみたてNISAは、年間40万円まで非課税で積立投資ができる制度です。
1,000円程度の少額から投資でき、非課税期間が最長20年あるので、長期の資産運用に向いています。
金融庁が認めた投資に適した金融商品のみが対象なので、資産運用が初めて人にも安心です。
つみたてNISAを始めるには、証券会社や銀行で口座を開設する必要があります。
金融機関ごとに購入できる商品ライナップが異なるので、事前に確認しておきましょう。
つみたてNISAについて詳しく知りたい方は、ぜひ下記記事を参照してみてください。
(2)投資信託などの金融商品に投資
投資信託はたくさんの投資家から集めたお金を、専門家が代わりに運用してくれる商品です。
運用のプロが株式や債券を選んで投資し、その利益が分配されます。
自分で投資先を検討しなくてもよいので、初心者でも失敗するリスクが少なくて済みます。
一般的な株式投資では数十万円~数百万の資金が必要なのに対して、投資信託は1,000円程度の少額から投資できる点もメリットです。
投資信託を購入する場合も、証券会社や銀行で口座開設する必要があります。
投資信託の仕組み、メリット・デメリットなどについて詳しく知りたい方は、下記記事も合わせてお読みください。
(3)不動産投資を検討する
資金に余裕のある人は、不動産投資を検討してもよいでしょう。
投資用物件を購入して人に貸すことで、毎月家賃収入が得られます。
マイナス金利により、融資のハードルも非常に低くなっています。昔は物件価格の15%~30%程度の自己資金がないとローンを組めなかったのですが、今ではフルローン(全額)を組むことも可能です。
不動産投資は魅力的な資産運用方法ですが、入居者が入らなければ大きな赤字となってしまいます。万が一空室になっても運用していけるかどうかのシミュレーションが非常に大切になります。
私個人でも数多くの不動産を所有し、不動産投資のセミナー講師も長年務めています。不動産投資について興味があるけど、不安がある方はぜひ気軽に相談してみてください。
(4)スキルアップの転職をする
収入を増やすため、スキルアップを目的として転職するのもひとつの方法です。
今の職場ではあまりにも収入が低かったり、仕事を通してスキルが身につかないと感じるのであれば、転職を検討してもよいでしょう。
一般的に30代・40代よりも、20代の方が今後の成長に期待して採用してもらえる傾向にあります。
将来を見据えてスキルを身につけることで、収入も増えていくでしょう。
(5)副業で副収入を得る
今の会社に勤めながら、副業で収入を増やすこという方法もあります。
簡単に始められる仕事としては、アンケートモニター、データ入力などがあります。
月の収入は数千円~1万円程度が目安になります。
もう少し稼ぎたい人には、WEBライターをおすすめします。
WEBライターは企業のサイトやブログなどの文章を書く仕事です。
初めての人は文字単価が低い案件から始めて、少しずつ単価の高い案件も応募してみるとよいでしょう。月の収入は1~3万円程度が目安になります。
サラリーマンの人は就業規則で副業が禁止されていないか事前に確認が必要です。
また、年間20万円以上の収益が出たら確定申告が必要になるので注意しましょう。
ステップ④:FPなどの専門家に相談して適切なプランニングを立てる
自分だけで資産形成できるか不安という人は、弊社のFPに相談してみるのはいかがでしょうか。
お金の専門家であるため、より適切なアドバイスをすることができるので、より効率的に資産運用ができるでしょう。
あなたの将来設計や年収、資産状況にあった資産運用方法を提案します。
ステップ⑤:無理せず自分にあった方法を見つけ実行する
資産を増やす方法はさまざまですが、自分にあった方法を見つけて実行しましょう。
無理してお金を貯めても、途中でやめてしまっては意味がありません。
何からすればいいか分からない人は、まずは支出を減らすことから始めてみてはいかがでしょうか。
(1)水道ガス電気の料金を見直す
以前まで電力やガスは事業者が限られていましたが、電力自由化により電気会社・ガス会社が自由に選べるようになりました。
現在の契約プランを見直したり、契約先を変えることで、光熱費の節約につながるでしょう。
(2)格安SIMに乗り換える
スマートフォンの契約を大手キャリアから格安SIMへ乗り換えることで、通信費を下げることができます。
格安SIMは大手キャリアが作った通信設備を借りてサービス提供しているので、利用料金が割安です。
なお切り替えの際はMNP(ナンバーポータビリティ)を利用して、乗り換え前と同じ電話番号を引き継げるので、スムーズに移行できます。
(3)保険の内容を見直す
生命保険や損害保険の内容の見直しによって、保険料の削減が期待できます。
民間保険は公的な保障で足りない部分を補うものですが、必要以上の補償をつけて、余分な保険料を払っているかもしれません。
しっかりとした補償内容にしている場合は、本当に必要のか検討してみましょう。
(4)食費・娯楽費を見直す
食費や娯楽費といった変動費を見直すことも、家計の改善に効果的です。
外食すると食費が高くなってしまうので、できるだけ自炊を心がけましょう。
また無計画な買い物をすると、既に冷蔵庫にあるものを買ってしまうこともあるので、冷蔵庫の中身を把握して、事前に買うものを決めておくとよいでしょう。
娯楽費は生活に必須ではありませんが、すべてを削ると日々の楽しみがなくなってしまいます。
1か月あたりの予算を決めて、その範囲内は自由に使えるなどルールを決めておくのがおすすめです。
(5)居住費を見直す
生活費の中で大きな割合を占める居住費を見直すことで、大幅な節約になる可能性があります。
賃貸の人は、周辺環境なども考慮しながら家賃が安い先へ引越しを検討しましょう。
すぐに引越すことが難しい人は、大家さんに家賃交渉をするという選択肢もあります。
「近くの大型商業施設が撤退してしまった」「隣にビルが建って日当たりが悪くなった」など明確な理由があれば、値下げに応じてもらえるかもしれません。
ローンを組んで住宅を購入している人は、ローンの借り換えで金利が下がり、返済金額を下げられる可能性があります。
ただし、借り換えには手数料や保証料などが新たに必要となります。
諸費用が発生することも考慮した上で検討しましょう。
下記記事ではより具体的に節約の方法を紹介しています。なかなか節約ができない方は、ぜひ参考にしてみてください。
お金を増やすには投資が一番効率がいい

近年、銀行の預金金利は低く、貯金だけで資産を増やすことは難しくなっています。
効率的に資産を増やすには「投資」がおすすめです。
投資は元本割れリスクもありますが、長期の積立投資で、リスクを低くすることができます。
投資初心者の人には、つみたてNISAや投資信託からはじめてみましょう。
いずれも1,000円程度の少額から投資でき、長期的な積立に最適です。
また毎週・毎月などタイミングを分けて投資することで、購入価格の変動を抑える効果も期待できます。
ご自身でなかなかプランニングを立てることができない方は、ぜひ弊社のFPに相談してみてください。あなたに合った投資プランをご提案します。
まとめ

この記事では、貯金500万円を達成するための正しい5つのステップについて解説しました。
人によって状況は違いますが、今の自分にできることから、コツコツと継続することが大切です。
「絶対にやり遂げる」という気持ちで、貯金500万円を達成しましょう。
著者

- 株式会社アルファ・ファイナンシャルプランナーズ
- アジア金融の中心地であるシンガポールに10年間滞在。その後、外資系銀行にてプライベートバンカー、セールスマネジャー、行員向け経済学講師を経て独立系ファイナンシャルプランナー事務所を設立。著書に『58歳で貯金がないと思った人のためのお金の教科書』、『50代から考えておきたい“お金の基本”』。Bond University大学院でマーケティングと組織マネジメントを研究。経営学修士。
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