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こどものための貯金はいくら用意すべき?必要な金額と貯蓄方法を紹介

2022年8月25日

これから子育てを始めるにあたり、こどものための貯金はいくら用意すべきなのか、気にしている人も多いのではないでしょうか。

子育ては莫大なお金がかかるというイメージはあるものの、実際いくら用意すればいいのか分からず、不安に感じている人も少なくないでしょう。

この記事では「こどものための貯金はいくら用意すべきか」という疑問に対して、必要な金額と貯蓄方法を解説します。子どものための貯金で悩まれている方は、ぜひ最後までお読みください。

子育て世代の平均貯蓄額

貯金

子育て世代はいくら貯蓄しているのでしょうか。

金融広報中央委員会が公表している「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和3年調査結果」から、子育て世代の平均貯蓄額を見てみましょう。

なかなか聞く機会がない他人の貯蓄額を確認して、貯金する際の参考にしてみてください。

世帯主の年齢金融資産保有世帯金融資産を保有していない世帯を含む
20代201万円63万円
30代400万円238万円
40代531万円300万円
50代800万円400万円

出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和3年調査結果」を参照に著者作成

子育てに必要なお金

貯金

次に子育てに必要なお金を、幼稚園から高校まで大学に分けて見てみましょう。

(1)幼稚園から高校までにかかる費用

幼稚園から高校までにかかる費用は以下の通りです。

費用の内訳としては、学校教育費、学校給食費、学校外活動費があります。

学校教育費は授業料・教科書代など、学校外活動費は学習塾や習い事などの費用を指します。

すべて公立に通った場合と、すべて私立の場合の合計費用の差は約3倍です。

小学校は公立か私立かによって費用の差が大きくなる特徴があります。

 幼稚園  小学校中学校高等学校合計
公立223,647円321,281円488,397円457,380円1,490,705円
私立527,916円1,598,691円1,406,433円969,911円4,502,951円

出典:文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」を参照に著者作成

(2)大学にかかる費用

大学入学初年度にかかる費用は以下の通りです。

同じ私立大学という区分でも進路選択によっても費用が大きく異なることが分かります。

 授業料入学料施設設備費合計
国公立535,800円282,000円 –817,800円
私立文系815,069円225,651円148,272円1,188,991円
私立理系1,136,074円251,029円179,159円1,566,262円
私立医薬系学部2,882,894円1,076,278円931,367円4,890,539円

出典:文部科学省「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」「私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果」を参照に著者作成

(3)必要となる金額の目安

では必要となる金額の目安として、すべて公立に通う場合と、すべて私立に通う場合の合計額を見てみましょう。

公立でも約400万円、私立では約850万円とかなりの金額がかかります。

①すべて公立の場合

幼稚園から高校1,490,705円
大学(入学初年度)817,800円
大学(入学初年度以外の3年間)1,607,400円
(授業料535,800円×3年)
合計3,915,905円

著者作成

②すべて私立の場合(大学は私立文系)

幼稚園から高校4,502,951円
大学(入学初年度)1,188,991円
大学(入学初年度以外の3年間)2,890,023円 (授業料815,069円×3年+施設設備費148,272円×3年)
合計8,581,965円

著者作成

こどものための貯金を効率よく増やすには?

貯金

こどものための貯金を効率よく増やすには、早い段階で教育方針を明確にして、必要なお金を見える化することです。

公立の学校に行かすのか、私立の学校に行かすのかによって、目指す貯金額は大きく変わってきます。

早めに教育方針を決めると、貯金がいくら必要になるか明確になり、その後の戦略も立てやすくなるでしょう。

こどものための貯金を増やす方法

女性

では、こどものための貯金を増やすには、どうしたらよいのでしょうか。

貯金を増やすための4つのステップを説明します。

(1)毎月の収支を把握する

貯金を増やすには、まず毎月の収支を把握することが大切です。

自分が何にお金を使っているのか、項目別に書き出してみましょう。

毎月かかる代表的な費用は以下の通りです。

固定費・水道光熱費 ・居住費 ・通信費 ・保険料 ・教育費 ・車のローン
変動費・食費 ・日用品代 ・娯楽費、交際費 ・医療費 ・被服費

著者作成

家計簿をつけるのが面倒という人は、ぜひ弊社開発のお金管理アプリ「マネソル」(特許あり)を活用してみてください。

「マネソル」(特許あり)は弊社の16,000件の相談データを元に開発された、簡単に資産管理ができるアプリです。銀行などの金融機関とのデータ連携ができることから、家計簿の機能から詳細の資産管理まで一元管理することができます。アプリを利用することによって、無料にて弊社FPと相談することもできます。FPより資産運用のアドバイスもさせて頂きますので、ぜひ利用してみてください。

(2)固定費を見直す

毎月の費用を把握できたら、次に固定費の中で減らせる項目がないか探してみましょう。

固定費は毎月かかる費用なので、一度見直すとその後も半永久的にコストダウンが可能であり、節約効果が高いです。

例えば、以下のような方法があります。

  1. ☑スマホを格安SIMに乗り換える
  2. ☑不要なサブスクリプションを解約する
  3. ☑保険の補償内容を見直す
  4. ☑居住費を見直す

無理のない範囲で、減らせるところから始めてみましょう。

(3)計画的に貯金プランを立てる

早い段階でこどもの教育方針を決めて、計画的な貯金プランを立てましょう。

小学校卒業までは月3~5万円、中学校以降は月1~2万円など、毎月いくら貯めるか決めて計画的に貯金するのがおすすめです。

一般的にこどもが大きくなるにつれてお金がかかるため、こどもが小さいうちは多めに貯めることを意識しましょう。

計画を立てずになんとなく貯金すると、必要な時期にお金が足りないことにもなりかねません。

最終的な貯金の目標金額から逆算して、貯金プランを計画しましょう。

(4)こども名義の口座で管理する

貯金するときは、こども名義の口座に分けることをおすすめします。

家計の他のお金と一緒に管理すると、こどもの貯金との区別がつきにくくなり、お金を使ってしまう可能性があります。

現時点での貯金額が一目でわかるので、貯金をするモチベーションの維持にもつながるでしょう。

ただし、こども名義の口座で管理することで以下のデメリットもあります。

  1. ☑こどもに通帳を渡すタイミングで贈与税がかかる可能性がある
  2. ☑こどもが成人すると、委任状がないとお金を引き出せない

贈与税については、口座のお金を教育費に使うことで1,500万円まで非課税にすることができます。

また、暦年贈与制度を利用して年間110万円までの贈与を非課税とする方法もあります。

お金の貯め方についてより詳しく知りたい方は、ぜひ下記記事を参照にしてみてください。

貯金以外で教育資金を用意する方法

投資

近年の金利は低く、銀行に貯金しているだけではお金は増えません。

投資で効率的にお金を増やすか、教育ローンの利用なども検討しましょう。

(1)投資信託などの投資でお金を増やす

すぐに使わないお金は、投資信託などの金融商品で運用することも検討しましょう。

投資信託は多くの投資家から集めたお金を、専門家が運用してくれる制度です。

専門家が株や債券を選んで投資し、その運用利益が投資家に分配されます。

自分で投資先を判断しなくてよいため、初心者でも失敗するリスクが少ないでしょう。

一般的な株式投資では数十万円~数百万円の資金が必要ですが、投資信託は数千円程度から投資できるため、少額から始められる点もメリットです。

投資信託の仕組みなどについて詳しく知りたい方は、下記記事を参照してみてください。

(2)教育ローンを利用する

貯金だけでは費用が足りない場合は教育ローンの利用がおすすめです。

教育ローンは金融機関が運営しており、こどもの教育費を用意するための借入れです。

よく似た制度に国の奨学金制度がありますが、世帯年収が一定以下である条件があり、返済義務はこどもにあります。

教育ローンは奨学金のように利用条件に制限がなく、返済義務は保護者にあるので、こどもにローン返済の負担をかけずに済みます。

ただし、教育ローンは一定以上の収入がないと審査が通りません。

また奨学金と比べると金利が高いため、違いを理解した上で検討しましょう。

教育ローンについては、詳しくは日本政策金融公庫「教育一般貸付」および日本学生支援機構「貸与奨学金」より確認してみてください。

利用できる国の制度

教育費

利用できる世帯は限られていますが、子育て世代向けに国が用意する支援策もあります。

ご自身が対象となるか確認してみましょう。

(1)幼児教育・保育の無償化

幼稚園、保育園、認定こども園などを利用する3歳から5歳までのこどもの利用料が無償化されています。

保護者の収入に関する条件などは特段ありません。

幼稚園については月額上限2.57万円であり、超えた部分は自己負担となります。

一方、0歳から2歳のこどもは、住民税非課税世帯のみ利用料が無償化されています。

(2)高校無償化

高校無償化には「高等学校等就学支援金」「高等学校等奨学給付金」の2つの制度があります。いずれの支援金も返済は不要です。

高等学校等就学支援金は授業料支援を目的としており、年収約910万円未満の世帯が対象です。

国公立の場合は約12万円、私立の場合は約40万円の支援金が受け取れます。

高等学校等奨学給付金は、教科書代など授業料以外の教育費支援を目的としており、生活保護世帯年収約270万円未満の世帯が対象です。約3~15万円が給付されます。

(3)大学無償化

大学無償化制度は正式には「高等教育の修学支援新制度」と言います。

制度の内容としては「授業料等減免」「給付型奨学金」の2つです。

授業料等減免では、収入状況によって授業料や入学金が免除・減額されます。

収入条件以外にも、高校2年までの学業成績や大学入学以降の成績が一定以上であるなど、要件があります。

昼間制で住民税非課税世帯の学生が受けられる支援金上限額は以下の通りです。

入学金
(国公立)
授業料
(国公立)
入学金
(私立)
授業料
(私立)
大学約28万円約54万円約26万円約70万円
短期大学約17万円約39万円約25万円約62万円
高等専門学校約8万円約23万円約13万円約70万円
専門学校約7万円約17万円約16万円約59万円

出典:文部科学省「学びたい気持ちを応援します 高等教育の修学支援新制度」を参照に著者作成

給付型奨学金では、学生生活を送るための生活費が毎月支給されます。

住民税非課税世帯の学生の支給額は以下の通りです。

自宅生
(国公立)
自宅外
(国公立)
自宅生
(私立)
自宅外
(私立)
大学 短期大学 専門学校29,200円
(33,300円)
66,700円38,300円
(42,500円)
75,800円
高等専門学校17,500円
(25,800円)
34,200円26,700円
(35,000円)
43,300円

出典:文部科学省「学びたい気持ちを応援します 高等教育の修学支援新制度」を参照に著者作成

※生活保護世帯で自宅から通学する人および自動養護施設等から通学する人は、カッコ内の金額が支給されます。

いずれの制度も、非課税世帯に準ずる世帯の支給額は上限額の2/3または1/3となります。

どのくらいの支援が受けられるかは、日本学生支援機構が提供する進学資金シミュレーターで確認することができます。

まとめ

家族

こどものための貯金は、家計の状況によって必要な金額が変わってきます。

必要な教育費の目安は以下の通りです。

  1. ☑幼稚園から大学まで公立に通った場合:約400万円
  2. ☑幼稚園から高校まで私立、大学は私立文系の場合:約850万円

教育資金を用意する方法は貯金だけでなく、投資や教育ローン国の支援策などもあります。

金銭的な理由でこどもの進路を狭めてしまわないよう、早めに計画を立てて、貯金を始めるようにしましょう。

著者

代表取締役 田中佑輝
代表取締役 田中佑輝株式会社アルファ・ファインシャルプランナーズ
アジア金融の中心地であるシンガポールに10年間滞在。その後、外資系銀行にてプライベートバンカー、セールスマネジャー、行員向け経済学講師を経て独立系ファイナンシャルプランナー事務所を設立。著書に『58歳で貯金がないと思った人のためのお金の教科書』、『50代から考えておきたい“お金の基本”』。Bond University大学院でマーケティングと組織マネジメントを研究。経営学修士。

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