円安時こそ資産運用を始めるべき?おすすめの投資商品4選と注意点!

目次
2022年に入り急激な円安が進む中
- ☑「今は投資に適しているの?」
- ☑「円安のときはどのような投資商品を選ぶべきなの?」
などの疑問を持たれている人も多いのではないでしょうか。
本記事では、円安とはそもそもどういう状態なのか、円安のメリット・デメリット、そして円安の時にオススメの資産運用方法を紹介します。
円安時に投資する注意点も合せて紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
そもそも円安・円高とは?

「円安」とは、ドルなどの海外通貨に対して円の価値が低くなることです。例えば「100円=1ドル」という状況が「200円=1ドル」となった場合は円安です。
これまで100円を出せば1ドルの商品が買えていたのに対して、円安になると200円支払わなくてはいけなくなります。
一方「円高」とは「100円=1ドル」といった状況が、例えば「80円=1ドル」となるようなケースです。
これまで、100円を出せば1ドルの商品が購入できていたのに対し、80円を出せば購入できるといった状況です。
円高より円安の方がデメリットだと感じる方が多いかもしれませんが、実はすべてがマイナスということではないです。
円安になった原因

2022年の11月に、一時1ドル=150円台まで値下がりし「1990年以来の約32年ぶりの円安水準」といったニュースが話題となりました。
円安が進む背景には日米の金利差があります。記録的なインフレを抑え込みたいアメリカは、金融引き締めによる急速な利上げを実行しています。
一方日本は継続的な金融緩和、つまり金利の引き下げを行っている状況です。投資家にとって、より金利が付く通貨の方が魅力的なのは当然です。
そのためドルを買う動きが世界中で広がり、一方金利が低いままの日本円は売られ、結果として円安が続いています。
円安時のメリット・デメリット

ネガティブな印象を受ける円安ですが、一方でポジティブな側面がないわけではありません。ここではそれぞれ、円安時のメリット・デメリットを具体的に解説します。
(1)円安のメリットは?
円安だと、海外で日本製品が売れやすくなります。つまり、輸出企業が海外で稼いだ外貨を、より多くの日本円に交換できるようになるため、その点でメリットです
また、円安により輸出製品の価格が低く設定できるようになれば、国際競争力を高めることにもつながり、需要が増え貿易収支の好転にもつながります。
この他、例えば米国株などの海外資産に投資している人なら、円換算後のドル資産が上昇する、といった面でもプラスです。
(2)円安のデメリットは?
円安だと、海外の製品が高くなってしまうのがデメリットです。
日本は、食料品をはじめエネルギー資源や機械など、さまざまなモノを輸入に頼っているため、それらの値上げリスクがあります。
円安時の物価高騰により、家計を圧迫し生活が苦しいと感じる人も増えるでしょう。また、円安だと輸入産業の利益が減少する傾向にあるため、その点でもマイナスです。
円安時にオススメの4つの資産運用

ここでは円安対策になりうる、円安時にオススメの資産運用を4つお伝えします。
(1)外貨建て投資
円安時の資産運用としてオススメなのが「外貨建て投資」です。外貨建て投資とは、日本円をドルやユーロといった外貨に換金して売買することです。
証券会社の公式ページを見たことがある人なら気づいたかもしれませんが、外貨建て投資には、例えば外貨預金や外国債券、FX、外国株式などの取引があります。
外貨で投資することにより、日本円の価値が下がったときのリスクヘッジとなるため、経済的損失を軽減できるのがメリットです。
また、円建ての株式投資だけでなく外貨建ての商品にも投資することで、分散投資の効果により損失が抑えられる点でも有利です。
(2)輸出関連企業への投資
円安時は、輸入企業ではなく「国内の輸出関連企業」に投資するのがオススメです。というのも、円安が進むことで輸出企業の業績が上がる傾向にあるからです。
海外からすると、円安により良質な日本製品が安く購入できるため、つまりよく売れるようになります。そうなれば、価格競争力が高まり収益が増え業績アップにつながります。
(3)割安な国内株投資
「割安な日本株投資」も、円安時の資産運用としてオススメです。世界的なインフレに伴う株価の下落が懸念される中、現在バリュー株への関心が高まっています。
バリュー株とは、財務や業績が好調である一方、本来の価値に対して株価が低い銘柄です。日本円が安い現在、日本のバリュー株に対する世界の期間投資家の注目は高まっています。
そこで、バリュー株が割安なときに投資しておけば、後々値上がり益(キャピタルゲイン)や、配当金(インカムゲイン)を狙える可能性があります。
(4)外貨預金
円安時にオススメの資産運用には「外貨預金」も挙げられます。
外貨預金とは、日本円ではなく外国の通貨で預金することです。円建てで口座に預金するよりも、高い金利が期待できます。
例えば外貨預金なら、4%や5%といった高金利も珍しくありません。超低金利の円預金と比較し、より大きな利益が見込めます。
ぜひ外貨預金の口座開設を検討してみてください。
円安時の資産運用で注意すべき4つのこと

ここでは、円安時の資産運用で注意すべきことを解説します。例えば、資産をすべて米ドルに換えるのは避けるべきです。お伝えする、4つの注意すべきポイントを見ていきましょう。
(1)すべての資産をドルに換えるのは避ける
円安時の資産運用で注意すべき点は、すべての資産を米ドルに換えないということです。
円安時に、円だけでなく米ドルを保有したいという考えはわかりますが、ドル高・円安の状況が今後いつまで続くかは判断できません。
つまり、今後円高・ドル安となってしまった場合、極端に米ドルだけで保有していると資産が減ってしまうリスクがあります。
そのため、例えば円と米ドルを半分ずつ持つなど、バランスを考えるべきです。
(2)長期積立投資を途中でやめない
現在、例えば積み立てNISAを利用して、米国株式に長期積立投資している人もいるでしょう。そんな中、下落局面にある今、投資するのに対し不安に感じている人も少なくありません。
ですが、長期投資を途中で止めるのは避けましょう。というのも、積み立て投資では購入するタイミングを分散できるのがメリットだからです。
毎月コツコツと一定額購入していくことで、ドルコスト平均法の効果が得られます。
ドルコスト平均法とは、価格が安いときに多く購入し、反対に高いときは少なく購入するというもので、平均購入単価を平均化できるのがメリットです。
つまり、円安・円高といった為替局面に関係なく、S&P500など長期的に右肩上がりしている投資は、継続して積み立てていくべきです。
(3)国内外の地域分散など外貨投資のリスクヘッジをする
円安のリスクに対抗するには、国内だけでなく国外への国際分散投資といった、外貨投資のリスクヘッジも考えましょう。
特に「分散投資」は円安による打撃を抑えるために重要な考え方です。
分散投資とは、投資先やタイミングを1つに絞るのではなく、いくつかに分けて投資することです。
例えば、外貨預金・国内株式・米国株式・不動産や金など、資産を分散することでリスクを回避します。
また、さまざまな国や地域の株式や通貨に投資するのもリスクヘッジとして大切です。
他にも、例えば1日で投資するのではなく時間を分散して投資するのも、ドルコスト平均法によるメリットが得られます。
「長期投資・分散投資・積立投資」というのは、投資初心者に関係なく投資における基本的な考え方として必要なことです。ぜひ覚えておいてください。
(4)円安の期間で投資手法を変える
「円安の期間によって投資手法を変える」というのも、円安時の資産運用で覚えておきたいポイントです。
つまり、円安トレンドが長く続きそうか、またそうでないかで投資手法を変化させるということです。
もし円安が今後も長く続くと考えるなら、中期・長期運用を前提とした商品をオススメします。
例えば、長期的に右肩上がりで成長している、米国のS&P500指数に連動したインデックスファンドは人気です。
SBI証券や楽天証券、松井証券といったネット証券で購入できるので、興味がある場合はチェックしてみてください。
なお、もうじき円高になりそうだと考えるなら、早いうちに外貨預金を引き出したり、短期運用など最短で利益を狙える取引が選択肢に入ります。
円安時の資産運用でよくあるFAQ

ここでは、円安時の資産運用に関するよくある質問について回答します。例えば、円安時にドルを買うのはありか、など解説しているので確認してみてください。
(1)円安になると投資信託はどのように影響する?
為替レートが円安に進むと、外貨建て投資信託の資産価値が高まります。
例えばS&P500といった、指数に連動した米国株式インデックス・ファンドを、1ドル100円のときに1万ドル分(100万円分)購入したとしましょう。
その後為替レートが円安に進み、1ドル120円になったとします。
この時点で売却した場合、1万ドルが120万円の金額となるため、20万円の為替差益が得られます。(取引手数料などは考慮していません)
例え、銘柄自体のパフォーマンスが優れなかったとしても、円安が進行することで外貨建て商品の価値が増加するわけです。
ただし、銘柄自体の日々のパフォーマンスも影響するので、円安だからといって確実に利益が出るということではありません。
(2)円安時にドルを買うのはアリ?
今後円安トレンドが続くのか、一方円高に転換するのかは予想できません。そのため、円安時にドルを購入しても確実に利益を出せるとはいえません。
例えば円安時に外貨預金にお金を預け、その後円高が進んでしまうと、円で引き出した際に為替差損が発生してしまいます。
金融商品は絶対に儲かるというものではありません。常に為替変動リスクは付きものだ、という認識を持つようにしてください。
ただし、今後さらに円安が進むと輸入品が高騰する懸念もあるため、ある程度ドルを持っておくのはよい試みと言えます。
(3)個人にとってマイナスなのは円安・円高どっち?
個人にとってマイナスなのは円安です。円安になると輸入品が高騰するため、生活必需品などの物価が上がってしまいます。
また海外旅行に行くにしても、現地の物価が通常よりも高く感じてしまうため、ショッピングや飲食にしても円高時と比較して高くついてしまいます。
(4)投資信託の為替ヘッジありと為替ヘッジなしはどちらがおすすめ?
外貨建ての投資信託で目にする為替ヘッジですが、円安時にメリットがあるのは、結論からいって円安による値上がりを享受できる「為替ヘッジなし」です。
為替相場の変動に影響を受けない為替ヘッジありだと、円高による損失を避けられる点ではメリットですが、一方で円安による利益を受けられません。
また、為替ヘッジありのヘッジの費用は無料ではありませんので、円安時のメリットを優先するなら為替ヘッジなしをオススメします。
円安時の資産運用で不安な方は専門家に相談する

ここまで、円安時にオススメの資産運用や注意点などをお伝えしてきましたが、まだ不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。
そのような場合は専門家に相談してみましょう。弊社には、お金に関する専門知識を有するFP(ファイナンシャルプランナー)が多数在籍しています。
年間2,000件の相談実績を持つ我々FP(ファイナンシャルプランナー)なら、あなたに最適な円安時代の資産運用をご提案させていただきます。
ぜひ気軽に相談してみてください。
まとめ

今回は円安の特徴や原因、そして円安のメリット・デメリットの他、オススメの資産運用について解説しました。
個人にとってはデメリットとなる円安ですが、紹介した資産運用や注意点を参考に、チャンスに変えていきましょう。 少しでも不安を感じている方は、お金の専門家である弊社FP(ファイナンシャルプランナー)に相談してみてください。あなたの目的に適った資産運用をご提案します。
著者

- 株式会社アルファ・ファイナンシャルプランナーズ
- アジア金融の中心地であるシンガポールに10年間滞在。その後、外資系銀行にてプライベートバンカー、セールスマネジャー、行員向け経済学講師を経て独立系ファイナンシャルプランナー事務所を設立。著書に『58歳で貯金がないと思った人のためのお金の教科書』、『50代から考えておきたい“お金の基本”』。Bond University大学院でマーケティングと組織マネジメントを研究。経営学修士。
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