ファイナンシャルプランナー(FP)とは?仕事内容、年収、将来性を解説
みなさんは、FPという資格をご存じでしょうか。
本記事では、FPの業務内容や資格、年収などを紹介します。
FPの仕事に興味のある人やこれからFPの資格を取得しようと思っている人はぜひ、記事をチェックしてみてください。
ファイナンシャルプランナー(FP)とは
まずはFPとは何か、簡単に解説していきます。
(1) FPは一言でいうと「お金の専門家」である
FPは、ファイナンシャル・プランナーの略で、「お金の専門家」や「家計のホームドクター」ともいわれることが多いです。
名前のとおり、お金のプロとして、お金が関係する問題や困りごとにアドバイスしたり、解決策を提案したりして、解決に導きます。
例えば「家計簿をつけるのが苦手」「住宅資金や老後資金の準備方法は?」「万が一に備えて資産運用でお金を増やしたい」「貯金が全くないけどこのままで大丈夫かな?」など、お金に関するさまざまな悩みを相談できます。
(2)FPに相談できることは?
先ほども少し触れましたが、FPに相談可能なのは主に以下のような項目です。
- ✅貯金の増やし方や節約方法
- ✅資産の運用方法、金融商品の一般的な説明
- ✅住宅ローン
- ✅相続について
- ✅教育資金の計算
- ✅保険商品の一般的な説明、保険の見直し
- ✅老後などの将来設計 など
他にもお金に関することであれば、基本的にどんな相談内容でも対応できるものの、「資産形成をメインにアドバイスしている」「不動産に関する知識の豊富さが強み」など、FPによって一人ひとり得意なジャンルや専門分野は異なります。
そのため、FPに相談する際は複数のFPを比較し、自分の質問や疑問を解決してくれそうなFPを選ぶのがよいでしょう。
ファイナンシャルプランナー(FP)に求められる5つの分野知識
先ほども説明したように、FPは顧客の「お金」に関する不安や困りごとを問題解決に導く手伝いをする職業です。
お金に関する問題を、さまざまな視点でアドバイスできるように、お金に関する基礎知識はもちろん、専門知識も身に付けなければなりません。
FPの相談業務に必要な知識は主に5つです。それぞれの分野についてくわしくみていきましょう。
(1)生活をしていく中の「ライフプラン」「資金計画」
ライフスタイルや家族構成は人によってさまざまです。
結婚して子どもがいる人もいれば、子どもを持たずに夫婦で暮らしていく人もいるし、結婚せずに自分の夢にまっすぐ生きる人もいます。
FPは相談者の現在のライフスタイルと将来の理想的なライフスタイルから、必要な資金を予測し、予測をもとにアドバイスするため、人生の三大資金といわれる「教育資金」「住宅資金」「老後資金」の知識は必須です。
中でも特に重要なのが、老後資金である「年金」に関する知識といえます。
年金の受給は基本的に65歳からでき、繰り上げや繰り下げを行うことも可能です。
ただし、繰り上げや繰り下げを行う場合はもらえる年金額が変わってくるため、何歳から年金をもらうのか、退職してから年金をもらうまではどうするのかを考えておかなければなりません。
また、そもそも受給期間の繰り上げ・繰り下げはどうすればいいのか、どの方法が自分に合っているのかが分からない人は多いです。
どの受給方法が合っているのかを具体的に説明し、相談者がスムーズに年金を受け取れるようにするには、しっかりと知識を身に付けておく必要があります。
(2)株、投資信託などの「金融資産運用」
貯金や貯蓄に関する悩みを持っている人は非常に多いです。
家計の見直しをするのか、貯金の仕方を変えるのか、それとも資産運用で資産を増やすのかなど、FPは顧客の資産状況や家計管理の仕方に応じて、適切なライフプランニングを提案しなければなりません。
また、最近は資産運用を考える人も多くなり、「債券」「株式」「投資信託」などの金融商品に関する知識や違い、メリット・デメリットをきちんと把握しておく必要があります。
加えて、外国の株式や、外国株を扱う投資信託を利用する場合は、日本だけでなく世界各国の経済状況や金融政策について知っておくのも大切です。
(3)税金についての「タックスプランニング」
税金には、消費税、住民税、所得税、法人税、固定資産税、相続税、贈与税など、さまざまな種類があります。
FPは相談者の税負担が最小限になるように税金対策をアドバイスする(タックスプランニング)ため、税金の仕組みや計算方法など税についての知識も必要です。
独立開業したり、フリーランスになったりした人の中には、自分自身で税金を管理しなければならず、困っている人もいます。
また、最近は副業をする人も増えているため、税金に関する知識を十分に身に付けておくのがよいでしょう。
(4)正しい予算の立て方など「不動産」に関する知識
不動産に関する知識も大切です。
特に、人生の中で最も大きな買い物とも言われる「住宅購入」は、失敗したくない人が多く、住宅ローンや予算の設定方法などについて説明できるよう、選び方や注意点をきちんと確認しておく必要があります。
また、最近注目されているREITなどの不動産投資信託はもちろん、不動産に関する法令も把握しておくとよいでしょう。
(5)親の「相続・事業承継」に関する知識
FPは、相続や事業承継の知識も必要です。
特に、相続はあまり身近な問題ではなく馴染みがない上に、仕組みが複雑なので難しいと感じている人がたくさんいます。
もちろん、弁護士や税理士も相続に精通していますが、「相続以外に資産運用についても聞きたい」「事業承継とタックスプランニングをセットで知りたい」などのニーズにも柔軟に対応できるため、相続対策や相続・事業承継の手続きについての知識を身に付けることは大切です。
実際に弊社にあった相談事例を公開していますので、みなさんどんな相談をしているのか、ご興味がある方はぜひチェックしてみてください。
ファイナンシャルプランナー(FP)の仕事について
FPの専門分野が分かったところで、つぎはFPの仕事についてさらにくわしくみていきましょう。
(1)FPの仕事内容
FPの主な仕事は、以下の2つです。
- ✅相談者の目標を達成するために資金計画を立てる
- ✅将来のライフイベントに備えてのプランニングをする
ジャンルはさまざまですが、どちらも「お金」に関すること、そして「現状を把握して将来のために備えてリスク管理をする」という点が共通しています。
FPの仕事内容について詳しく知りたい方は、下記記事を参照にしてみてください。
(2)FPのやりがい
お金に関して悩みを抱えている人は多いものの、職場の人や友だちに気軽に相談できるものではありません。
だからこそ、しっかりとした知識を身に付け、適切なアドバイスができれば相談者から感謝されるケースが多いです。
また、お金の相談に乗ることは、相談者の人生設計や生活設計をサポートするということでもあります。
FPは責任のある仕事ですが、その分、相談者の役に立てたときは達成感や喜びを感じられるのが魅力です。
(3)FPの年収
FPの年収を職業別にまとめました。
企業に勤める企業型FPの年収は下記のとおりです。
職業 | 年収 |
銀行 | 647万円 |
保険会社 | 894万円 |
不動産会社 | 633万円 |
FPの年収についてもっと詳しく知りたい方は、下記記事を参照にしてみてください。
(4)FPで必要な資格
FPには国家資格のFP技能士と、民間資格のAFP・CFPがあります。
それぞれの資格についてみていきましょう。
①FP技能士2級以上がスタートライン?
FP技能士(ファイナンシャル・プランニング技能士)は、プランニング技能検定試験を合格するともらえる資格です。
技能検定の特徴を以下にまとめました。
- ✅NPO法人日本FP協会と一般社団法人金財事情研究会(きんざい)の2団体が試験を行っている
- ✅資格は1級~3級まである
- ✅級が高くなるほど専門的な知識と応用力が必要なので合格率は低くなる
- ✅学科試験と実技試験の両方に受からなければならない
- ✅一度合格すると資格更新は不要
- ✅就職や転職に有利なのはFP技能士2級以上
②AFP・CFPとは?
AFP(アフィリエイテッド・ファイナンシャルプランナー)とCFP(サーティファイド・ファイナンシャルプランナー)はどちらもFPの国際ライセンスです。
それぞれの特徴を下記にまとめました。
AFP | CFP | |
難易度 | FP技能士2級と同程度 | FP技能士1級と同程度 |
資格の有効期限 | 2年 | |
資格の取得方法 | FP技能士2級の資格取得後、AFP認定研修を修了 | 認定を受けている大学院で所定のカリキュラムを修了後、資格審査試験に合格 |
どちらも国際資格のひとつで、中でもCFPはAFPの上級資格とされています。
資格は2年ごとに更新しなければならないため、常に新しい知識を知っておく必要があり、FP技能士よりも高いスキルが求められるのが特徴です。
ファイナンシャルプランナー(FP)に適している人は
FPに向いている人の条件は主に3つです。
(1)コミュニケーション能力が高い
FPは相談者のお金に関する悩みを受けてアドバイスします。
お金に関する話はしづらい人が多いため、相談者との信頼性が非常に大切です。
コミュニケーション能力が高いと相談者との信頼度が高くなり、悩みを明確にヒアリングしやすくなります。
(2)新しい知識に貪欲
法律や税制、日本国内外の情勢、金融商品などお金にまつわる情報は常にアップデートされているので、日頃からお金にまつわる最新の情報を知っておかなければいけません。
そのため、新しい知識を得るのが好きで、自分から学んだり調べたり出きる人がFPに向いているといえます。
(3)数字やデータに強い
キャッシュフロー表や税率の計算、家計の見直しなど、FPの業務ではデータを用いることが多いです。
そのため、数字やデータに強い人やデータ分析が得意な人はFPの仕事が向いている可能性があります。
ファイナンシャルプランナー(FP)の将来性は明るい?
人が日常生活を送る上で、お金は切り離せません。
金融業界はもちろん、保険会社や住宅メーカーなどFPを求めている企業は多く、就職や転職で効果的なアピールになりやすいです。
そのため、今後もFPの需要は高まると考えられます。
ファイナンシャルプランナー(FP)にオススメな職種
FPはお金にまつわる専門家なので、FP以外にも向いている職業は多岐にわたります。
得意分野によってさまざまな働き方がありますが、ここでは主に3つの職種をみていきましょう。
(1)ファイナンシャルプランナー事務所
まずひとつめは、事務所に所属してFPとして働く働き方です。
特定の金融商品を勧めるのではなく、中立的な立場で一般的な商品の説明や、資産設計の相談に客観的に答えるため、お金に関する知識を総合的に生かしたい人におすすめの働き方といえます。
また、企業内で働くわけではないため、ノルマがなくて安心なのに加え、相談実績や評価がそのまま利益に直結するのも魅力のひとつです。
業務内容は相談業務だけでなく、お金に関するセミナーに講師として登壇したり、監修者として金融知識に関する記事を執筆したりとさまざまな仕事があります。
(2)不動産投資会社
FPに必要な分野の中でも、特に不動産の取引や住宅ローンなどの知識が豊富な人は、不動産業界がおすすめです。
住宅を販売する際は将来設計を含めてトータル的にアドバイスできるほか、REITに関する知識が豊富なら、資産運用目的で不動産を購入しようとしている人へもアドバイスできます。
(3)投資信託会社
さまざまな金融商品についての知識が豊富なら、証券会社などの投資信託会社で働くのも選択肢のひとつです。
自社の投資商品だけでなく商品全般の知識があるので、商品のリスクや注意点などをきちんと伝えることができます。
弊社にて積極的にFPの採用をしている
弊社ではFPの採用を積極的に行っております。
完全独立系ファイナンシャルプランナー事務所であることもあり、ご自身の努力次第で20代で年収1,000万円も夢ではありません。法人のお客様、個人のお客様とも多く抱えており、様々な経験を身につけることができます。
また、入社後の研修制度も充実しており、すべての分野において学べる機会を設けています。弊社は60名のFPが所属しておりますので、わからないこと、困っていることがありましたら、いつでも聞ける体制を取っております。
具体的な応募内容については、採用ページよりご確認ください。話を聞いてみたい、少しでもご興味がある方は、ぜひ気軽いにご連絡ください。
まとめ
この記事では、FPの業務内容や必要な知識などを解説してきました。
FPはさまざまな働き方があるだけでなく、他の資格と一緒にダブルライセンスを取得するとキャリアアップにもつながります。
ただ、FPとして働くためには、FPの資格を取得する必要があります。
お金に関する知識を身に付けたい、お金にまつわる仕事がしたいと考えている人はFPの資格取得に挑戦してみてはいかがでしょうか。
著者
- AFP、宅地建物取引士、DCプランナー、証券外務員一種、二種、内部管理責任者、不動産賃貸経営管理士、住宅ローンアドバイザー、日商簿記2級
☆「幻冬舎ゴールドオンライン」にて記事連載中☆
☆「NewsPicks」にて記事連載中☆
アジア金融の中心地であるシンガポールに10年間滞在。その後、外資系銀行にてプライベートバンカー、セールスマネジャー、行員向け経済学講師を経て独立系ファイナンシャルプランナー事務所を設立。著書に『58歳で貯金がないと思った人のためのお金の教科書』、『50代から考えておきたい“お金の基本”』。Bond University大学院でマーケティングと組織マネジメントを研究。経営学修士。
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