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家計管理がうまくいくコツは?FPが教える効率よく行う5つのステップ

公開日:2022/10/11 最終更新日:2023/03/15
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なんとなく家計管理は必要なことだと分かっていながら、ついつい先延ばししたり手を付けなかったりしている方は少なくないでしょう。

今はお金で困らない家計状況でも、人生には予期しないトラブルが起こりお金で悩みを抱える可能性もあります。

将来への備えを考えるなら家計管理はデメリットは皆無でメリットしかなく、安心した生活を送るには避けられないものとすら言えるでしょう。

この記事では家計管理を効率よく進めるコツについてFP(ファイナンシャルプランナー)が徹底解説します。

なぜ家計管理が必要?その4つの理由

家計

家計管理をできていない方は、家計管理が必要なことは漠然と分かっていても、本当に必要な理由までは理解できていないケースが多く見られます。

毎日の暮らしでは、大まかな使い方をしたりコンビニやネットショッピングを利用し過ぎたりしても、すぐに困窮することはないので無理もないことかもしれません。

しかし月々の生活費を計画的かつ効率的に予算設定し、項目ごとの節約術を駆使することで、長期的にはするかしないかで大きな差が出てしまいます。

まずは家計管理がなぜ必要なのか、4つの理由について考えてみましょう。

(1)現在の収支状況がわかる

会社勤めなどをしていると給与など収入については把握しやすいのですが、家計管理をしていないと「給料日前でお金がない」という事態に陥りがちです。

収入は分かっていても支出を管理できていないから起こることで、収支の状況をしっかり分かっていれば防ぐことができます。

これは現在の年金制度化における老後生活でも同じことが言え、急な医療費負担など万が一に対応するためにはやりくりしながら特別費を確保しておくことが必要です。

収支状況をしっていないと、人生どころか数か月先も見通せないので、その把握はとても重要なことです。

(2)無駄な支出などが見える化にできる

家計管理をすることで何に支出しているのか見えてくるので、無駄な支出などが明確になります。

無駄な支出の多くは、外食や買い物などの変動費といわれるなかに見られ、ライフスタイルと関連がある部分です。

家計管理ができるようになれば分かることですが、普通預金の口座残高があるから消費して良いわけではありません。

無駄な支出が分かることでお金の使い道に意識が向くようになり、結果として無駄な支出の削減につながるでしょう。

(3)貯金など資産状況がわかる

資産管理に慣れてくると目先の現金だけではなく、貯金などの資産状況も把握できるようになります。

多くの人が「もしもの時」を考えて貯金の必要性は認識していても、家計管理せずお金を貯めていくのは難しいことです。

家計管理ができれば、今の世の中で金融機関の銀行口座に貯金額があっても資産形成にならないことが分かります。

現状の資産状況を把握できれば、さらに効率よく資産をふやす投資なども考えることができるでしょう。

(4)ライフプランを立てる基本情報になる

長い人生を考えたときに誰もがお金で苦労したくないと思うものですが、そのためには綿密ではなくてもライフプランを考えておく必要があります。

ライフプランを簡単にいえば「人生における資金計画」ともいえ、家計管理はその基礎となるものです。

人生のライフイベントは思っているより多く、生活スタイルも変わっていき、お金と時間の自由がなくなっていくのが当り前になります。

宝くじが当たるようなことでもなければ、ある程度決まった収入のなかでやり繰りしなければならないので、家計管理の重要さが分かるでしょう。

家計管理がうまくできていない家族の特徴

共働き夫婦で世帯収入が多いはずなのに、なぜかお金が貯まらない家族の話を聞いたことがないでしょうか。

このような事例を見ていくと「家計管理ができていない家族」に共通する特徴が見られます。

ここでは家計管理ができず、お金を貯められない家族に見られがちな特徴を考えてみることにします。

(1)夫婦間の情報共有をしていない

共働きにもかかわらずお金が貯められない夫婦を見ていくと、非常に多いのがお互いの収支を知らないなど、夫婦間の情報共有がされていなケースです。

よくタワーマンションを購入しているパワーカップルと言われる夫婦では、「干渉されたくない」とか「お小遣い制は嫌」などの理由で、お金について話し合うこと避けているような話を耳にします。

これでは家族の家計管理をすることが不可能なうえ、極端な例ではパートナーに借金があったなど、急に生活困難に陥るようなこともあるようです。

問題の先送りは事態を悪化させるばかりなので、家族で一つの家計管理をするように話し合いをするべきでしょう。

(2)あるお金を使ってしまう

これは家族に限った話ではありませんが、お金を持っているとあるだけ使ってしまうのは、家計管理ができていない人の典型的な特徴です。

よく「お金に色は付いていない」と言うものの、家計管理ができていたらいくら使って良いのか分かるようになります。

買物で頻繁に財布が空になり、そのたびにATMでお金を引き出しているような人や、利用金額も把握しないままクレジットカード払いしている人は要注意です。

あるお金を使ってしまう人は、結果的に無駄な出費が多い傾向があり、いざというときにお金がなくて困る典型的なパターンです。

(3)貯蓄を意識していない

貯蓄ができる仕組みは、至ってシンプルで分かりやすく「収入>支出」ということは言うまでもなく誰でも知っていることです。

ところが世の中には貯蓄ができない人が多く、金融広報中央委員会が実施している「家計の金融行動に関する世論調査(令和3年)」では、2人以上世帯の5分の1は貯蓄がないという結果がでています。

貯蓄ができない理由は、家計管理ができていないうえに貯蓄をしようという意識が低いためです。

(4)家賃などの固定費が高い

家計管理ができていない家庭などに見られる特徴の一つが、家賃などの固定費が高くてお金に余裕がないことです。

固定費は、家賃以外にもスマホ代やインターネット料金など、毎月必ず発生する一定金額の費用で、これが高いと食費や交際費などを圧迫します。

このような状態だと病気やケガなど不意の出費を賄えず、家計が破綻しやすいといえるでしょう。

身の丈に合っていない住居費や不要な保険料があるなど、家計管理ができていないことから生まれている状況だと考えられます。

家計管理のコツは?5つのステップ

カップル

家計管理をできていない人の多くは、具体的なビジョンを描かず漠然と取り組んでいるため上手くいかない傾向があります。

もう一つ言えることは、家計管理というものを難しく考えすぎていることで、実行に移せないケースも多いようです。

家計管理はここで紹介する5つのステップを踏むことで、確実に結果が出るものなので、そのコツについて説明します。

(1)家計簿を活用して毎月の収支状況を明確にする

家計管理の第一歩は今の収支状況を把握することで、そのためには家計簿をつけることが効果的です。

一部の方を除いては、収入が飛躍的に上がっていくことを望めないので、家計簿の役割の多くは支出内容と金額を知ることになります。

あまり凝った家計簿にすると作業が苦痛になり長続きしないので、毎月の収支状況を把握するために自分に合った家計簿のつけ方やコツを見つけましょう。

(2)無駄遣い、固定費などの見直しをする

家計簿をつけていくことで支出の内容が分かってきますが、そこまでいくと無駄使いや余計な固定費などが見えてくるはずです。

お金を貯められない人がやりがちな「自分へのご褒美」という言い訳を伴う出費や、度を超えた遊興費など可視化されると意識するようになります。

また固定費のなかでも、スマホの料金プランや使えていないサブスクサービスなど、意外と無駄が多いことに気がつくでしょう。

これらを見直すことで、それまでできなかった貯蓄ができるようになるはずです。

固定費の見直しコツについて詳しく知りたい方は、下記記事を参照にしてみてください。

(3)出産、子どもの教育資金などの目標を立てる

世代によって違いはあるでしょうが、どのような人生を送りたいのかをご夫婦・ご家族で話し合い、ライフプランを立てることは重要なことです。

人生の中で出産や生まれた子供の教育資金など、お金のかかるイベントが多く発生します。

それらをライフプランに落とし込むことで、どのイベントでいくら必要になるのか目標を明確にしておくと、貯蓄にも意味を見いだせるようになるでしょう。

具体的に子どもの教育資金がいくらかかるのか、積立方法などについて詳しく知りたい方は、下記記事を参照にしてみてください。

(4)いつまでにいくらの貯蓄額を明確に決める

家計管理はライフプランを充実させるための手段といえますが、それでできるようになった貯蓄は具体的な目標額と達成時期を決めておきましょう。

漠然と銀行預金に預け入れしているだけでは、いざ大きな支出が必要になったときに不足するかもしれません。

ところがいつまでにいくら貯蓄するか目標を明確にすることで、資産運用の仕方も見えてくるはずです。

具体的な例を出せば、人生のゴールに近づいたときに必要になる老後資金などは、65歳までに2,000万円貯めるなど明確にしておく必要があります。

ライフプランの立て方などについて詳しく知りたい方は、下記記事を参照にしてみてください。

https://alphardic.com/column/life-plan/what-is-life-plan/

(5)定期的に家計簿の見直しをする

家計簿をつけることが習慣化し、家計の収支も改善したら一定の成果があったといえますが、最初に考えたライフプランどおりに進むことは稀です。

例えば20代のうちに結婚から子育てまで考えてライフプランを立てたとしても、もし結婚の望みが薄くなったら家計簿の見直しも必要になるでしょう。

また逆に思っていたよりも多くの子宝を授かった場合なども同様です。

人生と同じで家計管理も状況に合わせた柔軟さが求められます。

無料で使えるオススメ家計簿アプリ4選

家計簿をつけて毎月の収支を管理したくても、手書きの家計簿は面倒で抵抗を感じる人も多いのではないでしょうか。

もちろんパソコンがあればエクセルなどを駆使した家計管理も可能ですが、一番手軽なのはスマートフォンで使える家計簿アプリを利用することです。

ここでは無料で使えるオススメ家計簿アプリ4選をご紹介します。

(1)マネソル

新マネソル

「マネソル」(特許あり)は、弊社16,000の顧客データを基に開発したお金の管理アプリです。家計簿による収支管理にとどまらず不動産を含めた資産など、個人のお金の管理をトータルで管理できる本格的なスマホアプリです。

最初の1ヶ月は無料となっており、資産管理以外にも住宅、教育、老後といった大きな出来事のシミュレーション機能などで、お金に関する不安を解消してくれるでしょう。

AIによる課題の発見や解決提案、FPに相談できる支援機能など他では得られない充実度を感じて頂けます。

(2)お金のコンパス

お金のコンパス

「お金のコンパス」は、口座を連携して自動で収支を記録できる、完全無料の家計簿アプリです。

現金よりもクレジットカード決済が中心の人なら、家計簿をつける手間を大きく省けるのでオススメといえます。

FPや資産管理のサポートへのリンクが掲載されているので、FPへの相談や、ライフプランのシミュレートが可能です。

(3)Moneytree(マネーツリー)

マネーツリー

「Moneytree(マネーツリー)」の特徴は、ポイントやマイルの有効期限を知らせてくれる通知機能があることで、ポイント還元率に注意しながらポイ活をしている人には嬉しい機能です。

スマホ版以外にPC版もあり、無料プラン(有料版は月額360円)でも煩わしい広告が表示されず、シンプルな画面で使えます。

現金の振替機能はないので、支払いはほぼキャッシュレス決済という方なら手軽に便利に使いこなせるでしょう。

(4)Zaim.

zaim

「Zaim」は、無料版でも連携登録数およびデータの保存期間が無制限で、カテゴライズも簡単なので、どのような出費をしているかがひと目でわかります。

有料プランは月額480円ですが、連携情報の手動更新やレシート読み取り機能もあるので、自動連携と手動入力を併用して細かく管理したい人におすすめです。

家計簿アプリの中では、かなり高機能なので本格的な家計管理に向いたアプリといえます。

家計管理がうまく行かない方はFPに相談

相談

家計管理をすることで浪費を止め効果的に貯蓄を増やすことができ、将来へ備えることができるようになります。

しかし慣れない家計管理にストレスを感じ、目的や目標金額、そして財形貯蓄やNISAなど数ある運用先の判断に迷うようなら、FPにアドバイスを求めるのもひとつの選択肢です。

メリハリの効いた管理方法の選び方や、住宅ローン・所得税など全体をバランスよく比較しながら、最適の提案を受けられるでしょう。

FPの視点から考えたプランを継続することで、その効果を実感できれば家計管理の成功は約束されたようなものです。

まとめ

家族

その重要性を分かっていながら先延ばしになりがちな家計管理ですが、その原因を検討して対処方法を解説しました。

本来家計管理は難しいものではなく、本記事の内容を参考にしてSTEPを踏んでいけば、無理なく始めることができるでしょう。

物価上昇や老後不安など、今後も大変な課題に直面しますが、大切な家族を守るためにすぐにでも家計管理に取り組むことをおすすめします。

著者

代表取締役 田中佑輝
代表取締役 田中佑輝株式会社アルファ・ファイナンシャルプランナーズ
AFP、宅地建物取引士、DCプランナー、証券外務員一種、二種、内部管理責任者、不動産賃貸経営管理士、住宅ローンアドバイザー、日商簿記2級
☆「幻冬舎ゴールドオンライン」にて記事連載中☆
☆「NewsPicks」にて記事連載中☆

アジア金融の中心地であるシンガポールに10年間滞在。その後、外資系銀行にてプライベートバンカー、セールスマネジャー、行員向け経済学講師を経て独立系ファイナンシャルプランナー事務所を設立。著書に『58歳で貯金がないと思った人のためのお金の教科書』、『50代から考えておきたい“お金の基本”』。Bond University大学院でマーケティングと組織マネジメントを研究。経営学修士。

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