マンション購入で後悔するトップ3の理由は?失敗例と対策も合せて解説
- ☑「マンション購入後の後悔にはどんな失敗がある?」
- ☑「マンション購入で後悔しないためにはどうすればいい?」
- ☑「購入後に後悔したときはどうすればいい?」
現在マンション購入を検討中の人の中には、このような疑問や不安を感じている人も多いでしょう。
不動産購入は安い商品ではなく、一生の中でも最も大きな買い物となるため当然慎重になります。
そのため、失敗はしたくありません。
そこで今回は、そのような方のために不動産の専門知識を持つFPが具体的な失敗例や対策を解説していきます。
最も多い後悔する理由、事前にできる回避策などについて把握しておきたい方は、ぜひ最後までお読みください。
マンション購入で後悔する人の傾向は事前確認の不足?
新築マンションや中古マンションを購入し、入居後後悔する人の特徴として「事前確認が不足している」ケースが目立ちます。
中でも、不動産サイトHOME’Sのデータによると、分譲マンション購入者が後悔する原因として、以下のTOP5のランキングを挙げています。
- 【1位】もっと他の部屋も検討するべきだった:10.7%
- 【2位】事前に住まいのイメージをもっと入念に確認すればよかった:8.2%
- 【3位】もっとよく入居前の引き渡し内覧時に建具や建物の状態を確認すればよかった:7.5%
- 【4位】物件ができあがってから契約すればよかった:5.7%
- 【4位】事前に上下階や隣人について確認すればよかった:5.7%
1位~4位までの理由を見るとわかりますが、新築・中古物件問わず、どれも購入前に詳しい条件をチェックしていれば避けることができた問題です。
最寄りの駅が近い、周辺環境がよい、最新の建物が自分好みなどの理由で購入を決めるのも1つですが、それだけでなく、立地や金銭面など多角的に検討した上で購入を決める必要があります。
マンション購入者が最も多く後悔している3つのこと
マンション購入者が後悔しているチェックポイントをまとめると、下記の3つに分類できます。
- ☑購入したマンションに不満がある
- ☑立地に関する不満がある
- ☑金銭面での不満がある
どの理由も事前に調べておくべき内容ですが、残念ながらそれでも失敗する人が多いのはなぜでしょうか。
次の章では各理由について、基礎知識とともに徹底解説していきます。
購入したマンションに対する失敗例
ここでは、購入したマンションに対する失敗談を見ていきます。「部屋の階数」や「駐車場の使い勝手」など、失敗した理由はさまざまです。
(1)オール電化にデメリットを感じる
マンション購入時およびマンション選びの後悔として「オール電化」に対する不満の声があります。
ガスを使わないため、基本使用料が電気代に一本化されコストが抑えられる、火を使わないため家事をしていても安心、掃除が簡単で便利そうだ、などオール電化にはメリットがあります。
一方で、停電時に機能しない点はオール電化のデメリットでしょう。
夏場に万が一停電が起きると、復旧するまで部屋が暑くて無理といったケースが考えられます。また冬の場合は、暖を取れないといったこともあり得るでしょう。
この他、火力が弱いわけではありませんが、IHクッキングヒーターは自火が必要な中華をつくる際にうまく調理できない場合があります。
これらのデメリットに対してマイナスのイメージを持つ人は、オール電化を選択肢から外しておきましょう。
(2)スキップフロアにしたけど老後が心配
ドアや壁でしきられた居室と異なり、空間が広く使えるスキップフロアの部屋を選ぶ人もいますが、後から「老後の生活が心配」と後悔する人も珍しくありません。
スキップフロアとは、1つの階層に異なる高さのフロアが設けられている間取りのことです。
空間を有効活用でき、また秘密基地のような雰囲気があるため子供に人気があります。
しかし、スキップフロアのある部屋は、階段がいくつか多くなるため、若いうちはよいですが、老後は余計な体力を使うためマイナスに感じるかもしれません。
そのため、老後の生活環境やライフスタイルを考慮した上でマンションを購入するなら、スキップフロアの部屋は避けた方がよいでしょう。
(3)築年数が古いため老朽化が不安
「築年数が古いため老朽化が不安だ…」というのも、マンション購入者が後で後悔する失敗例の1つです。
例えば新耐震基準に対応した築20年のマンションを購入し、特別不満なく暮らしていても、10年、20年と経過し建物が変化していくうちに不安に感じる人も出てきます。
例えば老朽化した設備は大丈夫なのかなど、旧耐震基準でないものの、地震が起きたとき崩壊しないかなど気にする人もいるでしょう。
また、築年数に応じて上がる修繕積立金に対して、高いと不満に感じる人もいます。
(4)部屋の向きが失敗だった
マンション購入後「部屋の向き」に対する選び方に後悔している人も珍しくありません。
内覧当初、日当たりの良さを気に入り購入したものの、いざ暮らしてみると「日中の日当たりが良すぎて暑い」というケースもあります。
日当たりが良すぎる状況の部屋は「室内が明るい」「冬場でも暖かい」といったメリットがありますが、一方で夏場は暑すぎてしまう可能性もあります。
暑くて耐えられない場合は、遮熱のカーテンを取り付けたり、断熱フィルムを窓ガラスに貼ったりといった対策が有効です。
(5)部屋の階数に不満がある
マンション購入後「部屋の階数」に対して不満や後悔を感じる人もいます。
現在物件選びをしている人の中には、高層階にあこがれを持っている人も珍しくないでしょう。
高層階といえば「眺望の良さ」や「日々外からの視線が気にならない」といったメリットがあります。
一方で「日差しが強くて暑い」「地震が起きると大きく揺れる」といったデメリットもあります。
反対に、1階の部屋は外出しやすい点でメリットですが、防犯上のリスクを考えると、高層階と比較しデメリットに感じます。
結局、どの階だから完璧・満足といったことはなく、各階にメリットとデメリットが存在するので、その点は納得した上で選びましょう。
(6)部屋の広さや間取り選びに失敗した
お子さんが生まれた後に後悔しやすいのが「部屋の広さや間取り」です。
「もう少し子ども部屋は狭くてもよかった」や、反対に「子どもの部屋数が足りない」といった後悔が考えられます。
部屋の広さや間取りで失敗しないためには、マンション購入前に家族構成、子どもの出生や成長を想定しておく必要があります。
(7)目の前に高層マンションが建った
目の前に高層マンションが建ち「景色が台無しになった」と後悔するケースも考えられます。
事前に説明を聞いていても、眺望の良さや価格に惹かれて購入し、その後高層マンションが目の前に建ち不満に感じる人がいます。
眺望だけでなく日当たりも悪くなってしまうと、大きなストレスです。リスクを避けるためには、契約時など事前に、不動産会社に周囲の建設予定をよく確認しておきましょう。
(8)機械式駐車場の順番待ちがストレス
「機械式駐車場付き」のマンションを購入し後悔するケースもあります。機械式駐車場とは、パレットが上下に動き、立体的な流れで車を格納できる駐車場です。
立体構造のため、車上荒らしのリスクを減らせる、比較的駐車場代が安いといった点でメリットですが、入出庫に時間がかかり、順番待ちのため毎回面倒に感じるという人も少なくありません。
その他、維持費としてかかる駐車場の毎月の修繕費用に対し「これだけ高いの?」と不満に感じる人もいます。
機械式駐車場付きのマンションを考えている場合は、その点よく検討しましょう。
(9)ペット可マンションで近隣トラブルに発展した
ペットが飼えるからと「ペット可マンション」を選んだが、その後ペットを手放してしまい、他の住民が飼うペットの臭いや鳴き声に我慢ができなくなったという人もいます。
なお、ペットを飼いたい人向けのマンションの中には、建物の一部だけがペット可というケースもあります。
その場合、ペットがダメな人にとっては、些細なことでも神経質になり不快に感じてしまいます。自分自身ペットを望んでいない人は、その点気を付けてください。
とはいえ、ペット好きを対象としたマンションだと、堂々と飼える生活スタイルが魅力ですし、他の入居者とペットを通した交流も期待できます。
その点も踏まえた上で購入を検討してください。
(10)定期借地権付きマンションは老後が不安
「定期借地権付きマンション」を購入し、後々後悔する人もいます。定期借地権とは、期限付きで土地を借りて使用できる権利です。
定期借地権付きマンションには、所有権付きマンションと比べて割安で購入できる、比較的立地の良い物件が多いといったメリットがあります。
一方で、借地契約の終了時は取り壊して更地にしなくてはいけません。借地権の設定期間は最低でも50年以上です。
つまり老後の段階で手放すことになると、その時点で再度新しい住まいの買い替えが必要です。
そのためスムーズに物事を進めるなら、老後を考えた場合早い段階で売却し所有権付きのマンションを購入するなど、対策を考えておきましょう。
立地に関する失敗例
この章では立地に関する失敗事例を紹介します。「駅から遠い」「電車の音がうるさい」といった後悔のケースが考えられます。
(1)駅からマンションまでの距離が長い
金額に惹かれてマンションを購入したが、いざ住んでみると、駅からマンションまでが遠く通勤・通学が不便だということもあります。
価格が高いマンションではなく、安いマンションを一番に優先し購入したい気持ちはわかります。
しかしながら、駅から遠いことがストレスに感じるようであれば、安くても快適な暮らしは望めません。
若い時なら体力的に大丈夫かもしれませんが、老後不便に感じる可能性があります。
駅からマンションまでの距離は、基本的に徒歩15分以内が許容範囲とされるため、その基準を目安に物件を選んでみてください。
(2)川沿いのマンションは臭いが気になる
目の前で花火大会が楽しめるのをプラスと考え「川沿い(リバーサイド)のマンション」を購入する人もいますが、後々後悔するケースは珍しくありません。
眺望の良さや自然を身近に感じられるなど、川沿いのマンションにはメリットがありますが、一方で川が臭い、蚊や小さな虫が多いといったデメリットもあります。
また台風があると洪水の恐れもあります。川沿いのマンションを購入する際は、事前にハザードマップで周辺の災害リスクを確認しておきましょう。
(3)幹線道路沿いのマンションなので音がうるさい
「幹線道路沿い」のマンションを購入し、後々後悔する人もいます。
交通の利便性が良い、他にも日当たりが良いなど、幹線道路沿いのマンションにはメリットがありますが、一方で「騒音が気になる」という人も少なくありません。
普段から徐々に慣れてくれば騒音は気にならない、という人でも、例えば特定の緊急車両がサイレンを鳴らして近づいてくると、人にとっては気に障るかもしれません。
そのような人は、消防署や警察署がある通りの近くのマンションはお勧めしません。
なお、幹線道路沿いのマンションを選ぶときは、内見時に窓を開け閉めして音の大きさを確かめたり、振動の大きさを確認したりしましょう。
(4)踏切や電車の音がうるさい
「踏切や電車の音がうるさい」というのも、マンション購入で多い後悔の1つです。線路沿いのマンションには、相場より物件価格が安い、駅近などのメリットがあります。
一方で電車の騒音や振動はデメリットです。他にも、線路沿いのマンションには家の中が見えてしまうリスクもあります。
そのため、線路沿いのマンションの購入を検討しているなら、ベランダが面している方向や、騒音、振動を事前に確認しておきましょう。
金銭面に関する失敗例
3つ目の項目では、マンション購入後の金銭面に関する後悔を紹介します。
「住宅ローンの返済が苦しい」「修繕積立金が高い」といった、失敗例をお伝えするので見ていきましょう。
(1)住宅ローンの返済が苦しい
マンション購入後、住宅ローンの返済で苦しむ人がいます。予算や適正な価格を考えず、身の丈に合わない融資を受け、毎月の返済が厳しくなるパターンです。
住宅ローンの理想的な返済負担率として「手取り収入の20%~25%」を意識しましょう。返済負担率とは、年収に占める年間返済額の割合のことです。
例えば、年収300万円の人なら手取り年収は240万円ほどです。この場合、返済負担率を計算すると「48万円~60万円」が目安だと考えられます。
いずれの年収にしても、返済負担率が25%を超える場合は、将来的に毎月の返済で家計が圧迫されるリスクが高まるため注意が必要です。
下記にてそれぞれの年収に対して住宅ローンをいくら借りられるのか、また審査で重視されるポイントなど、具体的にシミュレーションおよび解説しています。
自分の年収に近い記事をぜひ合せて読んでみてください。
(2)管理費を支払っているのに費用対効果が低い
毎月管理費等きちんと支払っているのに、例えばマンション内のエレベーターのメンテナンスがされていない、他にも清掃が不十分と感じるケースもあるかもしれません。
このような場合も、マンション購入後に後悔するポイントです。
特に総戸数が多いマンションは、一戸当たりの管理が足りていない場合も考えられるので、購入申し込み前によく確認しておきましょう。
(3)修繕積立金が高い
金銭面に関する失敗例の最後は「修繕積立金が高くて不満」という後悔です。修繕積立金とは、マンション共用部分の修繕工事に充てられる大切なお金です。
通常修繕積立金は5年ごとに見直され、そのタイミングで値上がりを実施するケースが見られます。修繕積立金は、マンションを所有している限り継続して支払う費用です。
修繕積立金が高い物件では不満の声も上がりますが、一方で安いままでも適切な工事やメンテナンスが行われていない可能性があります。
どうしても支払いが厳しいと感じるときは、管理会社や管理組合の担当者に、分割払いや支払期日の延期を相談してみてもよいでしょう。
理解が得られれば、ある程度猶予を持ってもらえる可能性があります。
マンション購入後に後悔した場合の対応策
この章ではマンション購入後に後悔した際の対策を2つ紹介します。いざというときに役立つ情報なので参考にしてください。
(1)売却を考える
マンション購入で後悔した場合は「不動産売却」を検討してみてください。せっかく購入したマンションを手放すのは残念に感じるかもしれません。
しかしながら、不満を感じて住み続けると毎日がストレスです。マンションを売却し住環境を変えることで、これまでの長期的な悩みから解放される可能性があります。
また、マンション売却のメリットは、売ったお金を住宅ローンで借入れた金額の返済や新居の費用に充てられることです。
マンションであれば、戸建てと異なり流動性が高いため、比較的買い手を見つけやすいと言えます。
とはいえ、築年数が進むとマンションの資産価値が落ち売却価格が下がる傾向にあるため、高く売りたいなら早めの売却を検討しましょう。
(2)マンションを賃貸に出す
せっかく購入したマンションを手放したくない、という場合は「賃貸」を検討してみるのもよいでしょう。
賃貸に出すのであれば、契約期間の満了後に再びマンションに戻ることもできます。
また、賃貸なら定期的に家賃収入を得られますし、そのお金で住宅ローンの返済も行えます。
とはいえ、借りる人がいなければ賃貸として家賃収入を得るのは厳しいため、賃貸需要の高い、東京23区などの都心エリアに限った話です。その点は見極めが必要です。
後悔したくない方は事前にFPに相談する
ここまで、マンション購入後の失敗例の詳細をお伝えしてきましたが、初めてのことで経験もなくご自身で判断するのは難しいと感じる人もいらっしゃるでしょう。
そのようなときは、不動産の専門知識を持つ弊社FP(ファイナンシャルプランナー)に相談してみてください。
弊社は、これまで完全独立系FP事務所として、通算2万件以上の住宅購入に関する相談実績があります。
中立の立場から、資金計画や適切な住宅ローンの借入れ、返済計画など、お客様に寄り添ったアドバイスやサポートを行います。
具体的にFPに住宅購入でどんなことを相談ができるか、について詳しく知りたい方は、下記記事を参照にしてみてください。
また、実際に弊社にあった相談事例も紹介していますので、ご興味がある方はぜひ合せてお読みください。
まとめ
今回の記事では、マンション購入で後悔してしまう失敗例を、物件・立地・金銭面に分けて解説しましたが、参考になりましたでしょうか。
マンション購入後の後悔は「事前の確認不足によるところが大きい」という点を覚えておきましょう。
今回お伝えした失敗例や対応策を把握し、万全の準備・確認をした上でマンション購入を検討しましょう。
ご自身で不安を感じている方は、不動産の専門知識を持つ弊社FP(ファイナンシャルプランナー)に相談してみてください。
あなたの理想とする住まい選びの助けとなるだけでなく、将来の資産運用に関するアドバイスもさせて頂きますので、ぜひ活用してみてください。
著者
- AFP、宅地建物取引士、DCプランナー、証券外務員一種、二種、内部管理責任者、不動産賃貸経営管理士、住宅ローンアドバイザー、日商簿記2級
☆「幻冬舎ゴールドオンライン」にて記事連載中☆
☆「NewsPicks」にて記事連載中☆
アジア金融の中心地であるシンガポールに10年間滞在。その後、外資系銀行にてプライベートバンカー、セールスマネジャー、行員向け経済学講師を経て独立系ファイナンシャルプランナー事務所を設立。著書に『58歳で貯金がないと思った人のためのお金の教科書』、『50代から考えておきたい“お金の基本”』。Bond University大学院でマーケティングと組織マネジメントを研究。経営学修士。
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