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不動産投資ローンと住宅ローンの違い4つ!FPが利用時の注意点も解説

公開日:2023/08/23 最終更新日:2023/09/16
相談

「不動産投資ローンと住宅ローンって、どっちも不動産を買う時のローンだよね?どんな違いがあるのか気になるなぁ・・」

不動産投資を検討する際に、どの物件を購入するかと同じくらい難しい問題として、どのローンを利用するかがあります。

自宅購入の場合は住宅ローン、不動産投資の場合は不動産投資ローンを利用する必要があります。

しかし、それぞれのローンの違いをきちんと理解している人は少ないのではないでしょうか。

今回は、住宅ローンと不動産投資ローンの違いはもちろん、実際に融資を活用する際の注意点も徹底解説していきます。

不動産投資ローンと住宅ローンの4つの違い

計算機

不動産投資ローンと住宅ローンの違いについて、大きく4つを比較しながら確認していきましょう。

  • 借入の目的
  • 融資金額の目安
  • 融資した際の金利
  • 融資審査の内容

では、それぞれについて詳しく見ていきます。

(1)借入の目的

不動産投資ローンは不動産投資のための借り入れとなり、購入した投資用物件を賃貸物件として家賃収入を得てキャッシュフローを高めたり、将来の売却によって、売却益を狙ったりとレバレッジ効果を活用して収益を上げるために活用します。

そのため、返済原資は不動産投資から得られた利益になるケースが多いです。

一方、住宅ローンは居住用として、自分の自宅として利用するために活用します。

そのため、金融機関への返済は毎月の給料などの収入から充てていくケースが多いです。

(2)融資金額の目安

個人の属性や審査基準によって幅はありますが、不動産投資ローンは年収の8倍から15倍前後まで融資可能となります。

一方、住宅ローンの場合は年収の5倍から8倍前後と与信枠の上限が低くなります。

不動産投資ローンの返済は収益を期待できますが、住宅ローンの返済は生活費の範囲内になるため、融資できる金額の個人の属性に強く影響を受け、融資上限額の制限がより厳しくなります。

(3)融資した際の金利

ご自身の属性にもよりますが、不動産投資ローンは年間1%から5%前後になります。

一方、住宅ローンは年間0.4%から2.5%前後と不動産投資ローンに比べて低金利で融資を受けられるケースが多いです。

(4)融資審査の内容

不動産投資ローンは個人の収入など返済能力や不動産投資の実績に加えて、投資対象である戸建てやマンションの収益性や修繕積立金の残額、資産価値も加味して銀行などの金融機関から審査されます。

一方、住宅ローンは個人の返済能力として、年収や勤続年数などが審査対象となるケースがほとんどです。

審査結果によっては、満額の融資を受けられる融資条件が付与されたり、融資金額が減額されてしまうケースもあります。

不動産投資ローンを組むと住宅ローン組めない?

不動産投資ローンを利用すると住宅ローンが利用できないと考えている人は少なくありません。

確かに、不動産投資ローンで高額の借入をしていると、住宅ローンも併用してお金を借りるのは難しいのではないかという印象を受けます。

しかし、不動産投資ローンで投資をした収益物件は家賃収入などの収益が得られますので、不動産投資ローンを使っていても、年収の5倍から7倍・8倍前後の範囲内であれば、住宅ローンも併用して利用できるケースは多いです。

注意点として、借り入れの相場は安定して返済できる目安であって、個人の状況によって完済までの難易度はかわります。

一括返済できる現金があって余裕な資産状況の方と、貯金ゼロで年収が減ったら返済が滞ってしまう資産状況の方であれば、もちろん、月々のベストな返済額は同じにはなりませんので気をつけましょう。

理論上では投資物件を先に購入したほうがいい

相談

もし仮に、不動産投資ローンと住宅ローンをどちらも利用したいという場合、不動産投資ローンから利用した方が現実的です。

なぜなら、不動産投資ローンの方が融資を受けられるかの難易度が高くなるからです。

実際に、不動産投資ローンでは個人の収入や年齢といった属人性に加えて、投資対象である不動産の担保評価も審査に影響します。

担保評価は不動産の法定耐用年数や人気のエリアかどうかなど総合判断になります。

都心の好立地アパートであれば、担保価値も高く、優先して融資を受けられる可能性もありますが、築古なワンルームマンションで管理費も高いなどであれば、完済時までに物件評価が担保できないと判断され融資が受けられないかもしれません。

不動産投資として魅力的な物件でないと判断されてしまうと、金融機関は返済ができない可能性を考え、融資を実行しないかもしれません。

一方、住宅ローンは居住用として住まいとしてマイホーム購入をするための商品なので、勤め先の規模や給与収入から審査して、現実的な融資限度額、返済期間であると判断されれば融資実行されやすいローンになります。

もちろん、会社員であっても融資は受けられないことはありますから、事前に金融機関にはマイナスの事情も詳細に伝えた上で、融資条件を確認するのがよいでしょう。

結論として、まずは不動産投資ローンを活用して投資用不動産を購入してから住宅ローンを利用するというのが理論上は最適な判断といえるでしょう。

住宅ローンで投資物件を購入するのはNG?

不動産投資ローンと住宅ローンを比べた場合、融資額は6倍から8倍前後だとしても、融資審査も通過しやすく、融資の金利も低く抑えられるため、住宅ローンを活用して物件を購入して、不動産投資を行えば得なのではないかと考える人もいるでしょう。

しかし、結論としては住宅ローンで購入した物件を投資用物件として利用することは基本的にNGになります。

住宅ローンを利用して不動産投資を始めようと考えている方がいれば、ルール違反なので実行しないように気をつけましょう。

(1)なぜNGなのか

住宅ローンで不動産投資を行ってはいけない理由はとてもシンプルです。

そもそも、住宅ローン自体、自己の居住用としてマイホームを購入するために設計されている商品だからです。

もしも、住宅ローンで購入した物件を許可なく収益要不動産投資して人に貸し、入居者から家賃を受け取っているという不正利用の事実が発覚してしまうと、一括返済を求められてしまう可能性もあります。

確かに、賃貸併用住宅など、自宅としても利用している場合などで例外になるケースもあります。

しかし、よく分からないまま担当者に勧められるがままに美味しい話にのってしまうのは非常にリスクが高く、そもそも違法行為として犯罪になってしまう可能性もあるので、絶対にやめましょう。

(2)住宅ローンを利用した不祥事

住宅ローンを利用した不祥事や契約違反が調査され多数の不祥事が発覚し、フラット35から投資家に一括返済請求をされた事例が発生しています。

事実として、フラット35の公式ページでも、住宅ローンの不正利用を行わない、巻き込まれないための注意喚起がされています。

参照:【フラット35】の不正利用に巻き込まれないために 2023年8月1日時点

投資家本人が副業サラリーマンで、知識がない投資初心者であっても、不動産業者に言われるがままに気軽に加担してしまうケースも少なくありません。

もし仮に、悪意がなかったとしても、虚偽の内容で融資を受けてしまうことは最悪の場合、犯罪になる可能性があり、投資家自身が責任を取らなくてはならないかもしれません。

居住用以外の利用、住宅取得費用以外の費用を上乗せしてローンを組むなど、本来の住宅ローンの目的から外れた利用を行わないように慎重に話を進める必要があります。

どんなプロからの良い話だとしても、少しでも疑問を感じたら、きちんと説明を求め、長期間に渡って犯罪に加担してしまうことを回避するように気をつけましょう。

住宅ローンが残っていたら不動産投資できない?

カップル

結論として、住宅ローンが残っていても不動産投資ローンを利用することはできます。

しかし、住宅ローンという高額のローンを抱えている個人とみなされますので、融資利用のハードルは高くなってしまいます。

一般的には、住宅購入でフルローンを組んだばかりなどで残債が多くあれば、返済能力があるかの審査項目は多くなり、万が一、返済ができなくなり貸し倒れになるリスクを想定されると、当然、審査は厳しくなることが想定されます。

対策としては、収益性があり、評価額の高い物件を探すことや、そもそもの住宅ローン残債を早めに返済したり、自己資金として頭金を増やすなどすることで、融資審査を有利にできる可能性もあります。

ローンの組み方で悩んだらFPに相談

専門家

住宅であっても、投資用の不動産であっても、高額な借入金が必要なケースが多く無理なくローン返済ができるかどうか、失敗しないためにも、第三者の専門家からアドバイスがほしいという人は少なくないでしょう。

そのような不安を抱えている方にはFP(ファイナンシャル・プランナー)相談してみるのがおすすめです。

(1)FPに何が相談できる?

FPは住宅やローンだけではなく、教育資金や老後資金といった、人生全般に関わるお金について相談することができます。

お金について幅広い知識があることで、ライフプランの考え方も学ぶことができるので、今後の人生プランの組み方の目安となる事例を多く聞くことができるでしょう。

不動産以外の収支や資金需要について相談することで、幅広い視点からノウハウやアドバイスを貰える可能性があるので、人生トータルでお金について考えたいという方には特におすすめです。

もちろん、不動産購入に関わる不動産取得税や所得税、住民税、相続税などの税金関係、団信と呼ばれる団体信用生命保険を利用することにより一般的な民間生命保険の見直しなど、不動産購入によって得られる可能性がある多数のメリットについても学ぶチャンスになります。

(2)FPに相談するメリット

FPは個人のお金の専門家になります。

FPに悩みを相談することで、住宅ローンや不動産投資した際の利回り確認はもちろん、個人の状況に合わせて適切な住まいにかけられる支出額や、将来に向けて必要な貯金額なども教えて頂くことができます。

不動産投資の場合、30年や35年といった長期間の賃貸経営を不動産投資家として行うということになりますので、事前に綿密なシミュレーションをしておくことで、金銭的、精神的な負担を軽減することもできるでしょう。

FP相談しておくことで、知らなかった控除を活用できたり、支援機構への相談を斡旋してもらえたりと、何十万円と損をしないですんだという事例も多くあります。

弊社は不動産投資の実績が非常に多く、私個人でも不動産投資家であります。少しでも不安な方はぜひ一度相談してみてはいかがでしょうか。

また、実際に弊社にあった相談事例を公開しています。ぜひチェックしてみてください。

まとめ

カップル

今回は、住宅ローンと不動産投資ローンの違いはもちろん、実際に融資を活用する際の注意点についても詳しく解説してきました。

住宅ローンも不動産投資ローンも高額な借入になりますので、それぞれの特徴や違い、メリット・デメリットを理解した上で活用するにようにしましょう。

どちらも利用したいという人は、不動産投資ローンから始めるほうがメリットが多いですが、住宅ローンを利用中の方でも、しっかりと準備をすれば不動産投資ローンも活用できます。

具体的にどのように始めていいか、もっと詳しいアドバイスがほしいという方は、第三者視点でアドバイスをくれる住宅に強いFP相談してみることをおすすめします。

著者

代表取締役 田中佑輝
代表取締役 田中佑輝株式会社アルファ・ファイナンシャルプランナーズ
AFP、宅地建物取引士、DCプランナー、証券外務員一種、二種、内部管理責任者、不動産賃貸経営管理士、住宅ローンアドバイザー、日商簿記2級
☆「幻冬舎ゴールドオンライン」にて記事連載中☆
☆「NewsPicks」にて記事連載中☆

アジア金融の中心地であるシンガポールに10年間滞在。その後、外資系銀行にてプライベートバンカー、セールスマネジャー、行員向け経済学講師を経て独立系ファイナンシャルプランナー事務所を設立。著書に『58歳で貯金がないと思った人のためのお金の教科書』、『50代から考えておきたい“お金の基本”』。Bond University大学院でマーケティングと組織マネジメントを研究。経営学修士。

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