不動産投資の成功率はいくつ?成功率をアップさせるコツも合せて解説

目次
不動産投資をしようと検討している方の中には「投資はどのくらいの確率で成功するのだろう?」と疑問を持っている方も多いのではないでしょうか?
実は不動産投資やマンション経営には投資目的によって成功という定義が異なるので、明確な成功率などはありません。
そのため、成功事例や失敗事例から少しでも成功に近づく行動をとることが必要です。
こちらの記事では、不動産投資で失敗に繋がりやすい行動、実際にあった失敗例などを紹介していきます。不動産投資を成功させるための行動をしっかりと理解して、投資の成功率を少しでも高くしましょう。
不動産投資の成功率とは

不動産投資はどの程度の確率で成功しているのでしょうか?
結論的に言えば不動産投資の成功率や失敗率などはありません。
中には成功率が10%と言っているケースもありますが、何を持って成功というのかは目的によって異なるため、あくまでも一つの参考数値にして頂くといいでしょう。
(1)不動産投資には明確した成功率はない
不動産投資には明確な成功率はありません。
「何%は成功の可能性がある」などとは言えないのが、不動産投資です。
投資初心者の方も成功することもありますし、投資に慣れた人も失敗することもあります。
(2)投資家の投資目的によって成功の定義が変わる
そもそも、何を目的として不動産投資を行うかによって成功の定義は異なります。
毎月の家賃収入を得る目的で投資を始めた方は、ある程度長期間継続して家賃収入を得られなければ成功とは言えます。
一方、短期間の値上がりを期待して不動産投資をする人は、5年程度の短い期間で利益を出さなければ成功にはなりません。
家賃収入も値上がりもしなくても、相続対策で節税を目的として不動産投資をする人にとっては、「成功」と言えるハードルは低いでしょう。
このように投資の目的に応じて不動産投資が成功と言える定義は異なるので、一概に「何が成功」とは言えません。
(3)成功体験は再現できるものではない
「不動産投資で成功している人の方法を真似て投資をすれば成功するのでは?」と思っている人も多いのではないでしょうか?
しかし、不動産投資の成功体験は再現できるものではありません。
同じ物件は2つとしてありませんし、市場エリアもタイミングも特徴も立地も異なるためです。
成功した人のパターンを真似て行動することはできても、だからと言って同じ結果になるわけではありません。
そのため不動産投資で100%成功する方法はないのが実情です。
不動産投資で失敗に繋がりやすい行動6選

不動産投資には成功率はありませんが「この行動をしたら失敗する」という失敗を招く行動が存在します。
不動産投資で損失を生むような失敗に繋がる6つの行動パターンと投資の注意点を解説していきます。
(1)営業マンの言いなりに任せっきりにする
不動産業者の営業マンの言いなりになり、物件選びなどを任せっきりにすると失敗する可能性があります。
営業マンにはノルマがあるので、営業マンがすすめる収益物件は、不動産会社にとって「売りたい物件」だからです。
営業マンがすすめる物件が顧客のためではなく、不動産会社のために販売されると顧客は損をしてしまいます。
そのため、言いなりになるのではなく、投資家自ら物件選びにコミットし、自分にプラスとなる優良物件か確認しましょう。
また投資後も管理会社に任せっきりにして、投資家は物件に見向きもしないケースも失敗する可能性があります。
(2)自分から情報収集も勉強もしない
情報収集や勉強もしない投資家も失敗する可能性が高い人です。
勉強しないと、やはり営業マンに任せきりになるためです。
悪徳業者に引っかかっていることも知らないまま投資を進める可能性もあります。
また投資をしても管理方法が分からずに、建物は劣化するリスクもあります。
無料セミナーに参加したり、本や当サイトのような情報メディアを利用したり、基礎知識を蓄え、投資の仕組みを理解した上で投資をスタートしてください。
(3)相続税などの税金対策になる
節税対策だけを目的として不動産投資をするケースも失敗しやすいです。
現金や更地で相続するよりもアパートやマンション投資をして資産形成することで、相続の際の評価額が下がるので、とにかく「現金で資産を持ちたくない」「土地を更地で相続したくない」という理由で節税効果を期待して不動産投資をする人は多数います。
また単に減価償却費を経費算入し、所得税を節税することを目的としている人も少なくありません。
しかしアパート経営が失敗すれば節税効果以上に大きな損失を被ることになります。
相続税対策や所得税の節税目的のみで「とにかくアパートを建てればよい」という投資はリスクが高いので厳禁です。
(4)短期で利益を出すなど不動産投資の本質を理解していない
短期で収益を出そうとする人も失敗する可能性が高くなります。
不動産投資の原則は長期的に投資をして家賃収入という不労所得を得ることです。
短期で利益を出そうと思えば割安な物件への投資をするため、空室率が高くなるなどの不良物件に投資してしまう可能性が高くなります。
しっかりとした副収入を得るために不動産投資は長期的な目線で行いましょう。
(5)不動産投資のリスクを分かっていない
不動産投資には他の投資と異なり、家賃滞納や災害発生によって不動産が毀損するリスクもあります。
他の投資とは異なるリスクがあることを理解していないと、思わぬ損失を被ってしまいます。
適切な投資判断ができる、知識やリスクの回避策をしっかりと蓄えておきましょう。
(6)無謀な投資計画を立てていた
そもそもの投資計画が無謀なケースも投資に失敗するケースです。
簡単に身の丈に合わないような高額な借入を行うと家賃収入だけでは支払いができないことがあります。
特にサラリーマンの方は、収入が安定しているため、高額な借入ができ、物件価格が高額な投資もできます。
いくら銀行などの金融機関が融資をしてくれるからと言っても、借りすぎには十分に注意し投資額は計画的に決定しましょう。
場合によっては返済できずに自己破産に至るリスクもあるので、時間をかけてシミュレーションしてから投資をすることが重要です。
不動産投資で成功率をアップさせる5つのコツ

不動産投資で成功率をアップさせるにはコツがあります。
事前に目的を明確にし、知識を身につけておき、専門家の知り合いを作っておくことなどが非常に重要です。
不動産投資で成功率をアップさせるための5つのコツやポイントについて詳しく解説していきます。
(1)投資目標、目的を明確にする
目的や目標を立てずになんとなく投資をすることは失敗の元です。
あらかじ「いつまでにいくらの収入を得る」「いつ売り抜ける」などの具体的な目標数値を定めましょう。
売り抜けてキャピタルゲインを目的に投資するのか、家賃収入のインカムゲインを狙うのか、目標を決めることが重要です。
(2)不動産投資の基礎知識を身につける
物件購入の前に不動産投資の基本的な知識やメリット・デメリット、実質利回りと表面利回りの違い、固定資産税、必要な自己資金・初期費用・物件の選び方、リスク、出口戦略などについては一通り理解しておきましょう。
その上で自分が希望する物件を定めて、営業マンには希望する物件を探してもらえるようにしておきましょう。
(3)失敗談を事前に知っておく
不動産投資の失敗例を頭に入れておきましょう。
どんなケースで失敗するのかを知っておくことで、リスク回避につながります。
セミナーやブログや本などで、失敗例を把握し、自分の行動が失敗事例に該当しないか、どんな条件下なら失敗するのかをチェックし、リスクヘッジしておきましょう。
(4)信頼して相談できる専門家が身近にいる
不動産投資について相談やサポートを受けられる専門家を作っておきましょう。
不動産業者、FP・会計士・税理士・弁護士・コンサルタント、先輩不動産投資家など、不動産投資に詳しい専門家と日頃から付き合っておき、いざというときに相談できる人間関係を構築しておきましょう。
(5)不動産投資のリスクと回避策を把握する
不動産投資にはどんなリスクがあり、その回避策は何かを理解しておきましょう。
リスクが分かればリスクを軽減して投資できますし、回避策を理解しておけば目の前のリスクに対して適切に対処できます。
「投資をした際にどんなリスクがあるか」を事前に把握し、回避策を頭に入れておきましょう。
実際にあった失敗事例3つ

実際にあった不動産投資の失敗事例を3つご紹介していきます。
(1)家賃収入が下がった
投資を始めた当初よりも家賃収入が下がったケースです。
これは主に次の3つのいずれかが原因となります。
- ☑オーナーチェンジ物件を購入したが空室率が上昇した
- ☑サブリース契約で業者に家賃を引き下げられた
- ☑周辺の家賃相場が下落した
中古物件は購入時には満室でも、入居者を永続的に確保していくことは難しいので、経年とともに空室率が上がる傾向があります。
また、不動産会社が一括でアパートを借り上げるサブリース契約は、空室でも家賃収入を受け取れますが、契約の見直し時期に大幅に家賃を引き下げられることがあります。
実際に何件も裁判になり、社会問題にもなっているので十分に注意してください。
さらに、地方都市は人口が減少しており、アパートに対する需要は年々少なくなっています。
地域全体の家賃相場が下落すれば、投資物件の家賃も引き下げなければ入居者を確保できないので、家賃収入が下がりキャッシュフローは悪化し、赤字に転落することもあります。
(2)不動産価格が暴落して借入金利が上昇した
景気の悪化によって不動産価格が下落して、ローンの金利が上昇したケースです。
不動産投資ローンは投資物件を担保にするので、担保になっている不動産の価値が高いほど銀行のリスクは低くなります。
そのため不動産価格が暴落すれば、担保価値も下がるので銀行のリスクは高まります。
銀行のリスクが高くなったことによって銀行がリスクを補填するために、金利の引き上げが行われることがあります。
結果、利息負担だけで毎月10万円近くの負担増となり、資金繰りが苦しくなりました。
(3)学生アパートに投資をしたら物件が壊された
入居率の高さに惹かれて大学の近くの学生賃貸アパートへ投資した事例です。
学生は部屋の使い方が荒いので、退去の都度、多額の原状回復費用がかかり、資産価値も下落します。
せっかく家賃収入を得ても、退去時の修繕費が高額になり、想定していたような黒字にはなりませんでした。
この他には様々な失敗事例がありますので、より詳しく知りたい方は下記記事参照にしてみてください。
不動産投資の5つの種類

不動産投資の種類には主に次の5つがあります。
- ☑区分マンション投資
- ☑一棟アパート投資
- ☑戸建て投資
- ☑駐車場投資
- ☑不動産投資クラウドファンディング
それぞれ投資の種類によって、成功の定義やゴールは異なるものです。
5つの不動産投資の種類と、目指すべきゴールについて解説していきます。
(1)区分マンション投資
区分マンション投資とは、マンションの一室を所有する方法です。
一室だけ購入することができるので、価格が高い都心の一等地の物件に投資できるのがメリットです。
管理を任せられるので、投資にかかる管理の手間は殆どかかりません。
家賃収入を得るのもよいですが、値上がりした時には短期で売り抜けることもできます。
少額で投資できるので分散投資できるのも魅力です。
(2)一棟アパート投資
アパート一棟に投資する方法です。
ワンルームマンションなどに一部屋投資するよりも、戸数が多いので多くの家賃収入が期待できます。一方で、投資金額も大きくなります。
地主が資産活用や税金対策のために新築アパートを建築する方法や、中古の一棟アパートを買い上げるオーナーチェンジで投資するのが一般的です。
基本的には長期間かけて投資金額を回収するのがゴールです。
(3)戸建て投資
戸建て物件へ投資する方法です。
古い物件をリフォームやリノベーションして価値を引き上げて売却して利益を出す方法や、貸し出して家賃収入を得る方法もあります。
最近ではゲストハウスとして経営する方も増えています。
場所やアイデア次第で様々な投資方法を検討できるのが戸建て投資の魅力です。
(4)駐車場投資
空き地を駐車場として整備して収入を得る方法です。
建物に投資するよりもお金がかからないので、成功すれば最もコスパがよい方法と言えます。
ただし、都心ならいいのですが、駐車スペースが多くあるようなエリアはなかなか止めてくれないので、ニーズがあるかどうかは事前に確認しておきましょう。
(5)不動産投資クラウドファンディング
不動産投資クラウドファンディングとは、インターネットで投資物件を公開し、その物件に投資したい投資家から資金を募り、集めた資金で事業者が不動産を購入して、投資家は家賃収入や売却益を得る方法です。
1万円などの少額から投資でき、プロに運用を任せられるのが魅力です。
不動産投資に興味はあるけど、数千万円のような大金での投資にリスクを感じている方にはオススメしたい投資方法です。
しかし、平均利回りが5〜6%前後の実物投資と比較して、不動産クラウドファンディングの平均利回りは大体3〜4%と低くなっていることを理解しておきましょう。
不安がある方は専門家に相談

不動産投資の種類はいくつもありますし、何を目的に投資をするのかは人によって異なります。
どんな方法で投資をすべきか、どの物件を購入すべきか不安がある人は、まずは専門家へ相談してください。
我々FPであれば不動産業者などと比較して、中立的な立場からアドバイスすることができます。
不安がある方はぜひ一度FPに相談してみましょう。
まとめ

不動産投資に「何%で成功する」という成功率はありません。
また、何をもって成功とするかは人によって異なります。
大切なことは「何を目的として投資するか」「どこをゴールとするか」を自ら定めて、目標に向けて投資を行うことです。
自分で勉強して知識を蓄えることももちろん重要ですが、不安がある方はFPなどの専門家へ相談しましょう。
著者

- 株式会社アルファ・ファイナンシャルプランナーズ
-
AFP、宅地建物取引士、DCプランナー、証券外務員一種、二種、内部管理責任者、不動産賃貸経営管理士、住宅ローンアドバイザー、日商簿記2級
アジア金融の中心地であるシンガポールに10年間滞在。その後、外資系銀行にてプライベートバンカー、セールスマネジャー、行員向け経済学講師を経て独立系ファイナンシャルプランナー事務所を設立。著書に『58歳で貯金がないと思った人のためのお金の教科書』、『50代から考えておきたい“お金の基本”』。Bond University大学院でマーケティングと組織マネジメントを研究。経営学修士。
最新の投稿
ライフプラン2023.05.31ファイナンシャルプランナーの年収は日本の平均より高い?転職先の考え方
ライフプラン2023.05.30ファイナンシャルプランナーの仕事内容は?働き方や将来性についても解説
資産運用2023.05.29外貨預金の6つのデメリット|FPが適している投資目的も合せて解説
ライフプラン2023.05.27つみたてNISAとiDeCoの違い6つ!適している人の特徴も解説