30代にオススメの資産運用6選|メリットと成功するコツも合せて紹介
30代になると、責任ある仕事を任されるようになり、忙しい毎日を送る人が多いでしょう。
また、家庭を持ったり、家族が増えたりして、支出も多くなります。
忙しい毎日の中で、ついお金の問題は先送りになり、将来的には資産を増やしたいと思っていても定期預金など預貯金だけで済ませている人もいるのではないでしょうか。
ここで、日本銀行調査統計局が公表している、家計の金融資産構成をご覧ください。
現金・預金 | 54.3% |
保険・年金・定型保証 | 26.9% |
株式等 | 10.2% |
投資信託 | 4.5% |
債務証券 | 1.3% |
その他計 | 2.8% |
表から分かる通り、日本は現金・預金で約50%を占めています。
貯金が悪い訳ではありませんが、これでは資産がなかなか増えないと言わざるを得ません。
貯蓄額だけではお金が増えない昨今、資産運用が必要不可欠です。
- ☑「資産運用に興味あるけど、なんだか怖くて・・」
そのような人のために、本記事では資産運用について初心者にもお分かりいただけるよう、資産運用の大切さや注意点を丁寧に解説しています。
また、おすすめの投資方法も徹底解説していますので、資産運用・資産形成をすぐに始められるでしょう。
30代の人はもちろん、20代、40代以降の人にも役に立つ内容ですので、ぜひ最後までお読みください。
30代から資産運用を始めるべき4つの理由
早い時期から資産運用を始めた方が良い理由を説明します。
まずは理由を確認し、資産運用スタートを検討してみてはいかがでしょうか。
(1)ライフイベントが多く控えている
30代から資産運用を始めるべき1つ目の理由は、30代は子育て世代で生活の変化が大きく、ライフイベントが多く控えているからです。
どのようなライフイベントがあるのか具体的に挙げていきましょう。
- ☑結婚式や新婚旅行
- ☑出産
- ☑マイホーム購入
- ☑車購入
- ☑子どもの学校入学
人生の主なライフイベントが目白押しで、当然、費用がかかります。
より多くの費用を用意できれば、その分選択肢も広がるでしょう。
大きなライフイベントが終わった後も、住宅購入のローン返済、子供の教育資金、親の介護費用・・と沢山の費用が必要になります。
これらの費用を賄うためには給与だけでは不安という人も、少なくないのではないでしょうか。
30代から計画的に継続して資産運用することは、お金に関する不安や心配を取り除き、人生をより充実したものにするでしょう。
(2)20代より投資に回せる金額が多くなる
2つ目の理由は、30代は20代よりも投資に回せる金額の割合が多くなるからです。
国税庁の令和3年(2021年)民間給与実態統計調査の調査結果データによると、
- ☑30代前半の平均年収:400万円
- ☑30代後半の平均年収・437万円
となっています。
一方、
- ☑20代前半の平均年収:260万円
- ☑20代後半の平均年収:362万円
です。
年代別に見て30代の方が出費の平均額は増える傾向にはありますが、それでも収入が増えればその分、投資に回せる金額も増えます。
収入アップの分を浪費に使うのではなく、将来のための投資に確保しましょう。
(3)40代、50代に向けての支出を備える必要がある
3つ目の理由は、30代のうちから40代、50代に向けての支出を備える必要があるからです。
先述したように、大きなライフイベントが終わった後も、40代、50代の世帯では住宅ローン返済や子供の教育費などで、さらにお金がかかります。
また、親の介護費用が予想を上回ったり、自身が病気になったりして、想定外の支出があるかもしれません。
40代、50代になってから慌てて費用を捻出しようとすると、生活費を切り詰めたり、貯金を取り崩したりすることになる可能性があります。
つまり、資産運用は早いに越したことはありません。
一般的に40代以降は生活費の他にもイレギュラーな支出が必要と予想され、30代の早い時期から資産運用を始めるのが良いでしょう。
(4)早いタイミングから老後資金を準備する
4つ目の理由は、30代のうちから資産運用を実施することで、余裕を持って老後資金を準備することができるからです。
最近、老後2,000万円問題が話題になりました。
例えば、30歳の人が30年間で2,000万円を貯蓄するためには、1年間に約67万円貯める必要があります。
そのためには、1ヶ月5.5万円をコツコツ貯蓄していかなければなりません。
しかし、30歳で投資を始めた場合、年利5%を複利で運用すると、1ヶ月の投資額は2.4万円になります。
年利5%が難しいと想定するなら、年利3%の場合は月々3.4万円になります。
人生100年時代と言われています。
このように早い時期に投資を始めることで、複利の効果を最大限に利用でき、無理なく効率的に老後資金を貯めることができるでしょう。
30代にオススメしたい投資商品6選
30代にオススメしたい投資商品を種類別に6つ紹介します。
金融商品の選び方の参考にして、金融資産を増やしていきましょう。
(1)投資信託
投資信託とは、投資家から集めたお金を資金として運用のプロであるファンドマネージャーが運用し、利益を投資家に還元するという金融商品で、比較的、投資初心者向けと言えます。
メリット・デメリット、オススメしたいポイントを見ていきましょう。
①メリットとデメリット
1番のメリットは、運用のプロに任せられるので、大きな損失や失敗するリスクが少なく、投資初心者の人でも比較的安全に始められることです。
また、少額からスタートできるので、まずは1万円や3万円など少額から投資し、慣れてきたら金額をアップしても良いでしょう。
デメリットとしては、投資信託は長期的なリターンを前提としているので、1年や2年などの短期では利益が出にくく、元本を下回るリスクもあります。
また、投資信託は数が多く、中には手数料が高いファンドもありますので注意が必要です。
②オススメしたいポイント
ファンドマネージャーが運用を担ってくれるので、投資情報をチェックする時間が取れない人にオススメです。
また、少額から投資できるので、投資の仕組みを勉強するためには投資信託からスタートするのが良いでしょう。
投資信託について詳しく知りたい方は、下記記事を参照にしてみてください。
(2)金(ゴールド)投資
金投資とは、言葉通り、「金」に投資することです。
投資方法は、ゴールドバーを購入する方法から、投資信託で積み立て投資をする方法まで、様々な方法があります。
メリット・デメリット、オススメしたいポイントを見ていきましょう。
①メリットとデメリット
金を現物で購入するか、投資信託やETFで購入するかによってメリットは異なります。
ただ、共通して言えることは、金はインフレのときに値上がりする傾向にあるので、「有事の金」として資産を守ることができる、ということです。
現物購入で金に投資するときと、投資信託で運用するときのデメリットを挙げていきましょう。
金を現物で保管したケースでは、紛失や盗難のリスクがあります。
不安な人は貸金庫に預ける方法もありますが、手数料がかかります。
投資信託の場合も、購入する際の手数料と、運用中のランニングコストが発生するデメリットがあります。
②オススメしたいポイント
金は世界共通で価値が認められており、値動きがあまり大きくない普遍的なもので、今後も価値が大きく下がることはないでしょう。
先述した通りインフレに強い特徴があり、万が一の有事に備えて資産を守りたい人にオススメです。
金(ゴールド)投資について詳しく知りたい方は、下記記事を参照にしてみてください。
(3)外貨預金
「外貨預金で投資する」とは、日本通貨の円を海外通貨のドルなどに換金し預金することです。
メリット・デメリット、オススメしたいポイントを見ていきましょう。
①メリットとデメリット
円安が続いていますが、一番のメリットは外貨を資産として持つことで、円の価値が下がったときに経済的ダメージを減らせることでしょう。
「卵を1つのカゴに盛るな」という投資の格言があるように、日本円だけ持っていると何かあったときに円(卵)が全滅する可能性があります。
よって、外貨を持つことで資産を分散でき、リスクが減らせるということです。
デメリットとしては、預金と名前が付いていますが、元金は保証されていないことです。
つまり、為替リスクによって、結果として元本割れしてしまう可能性があります。
また、外貨の両替には手数料がかかることにも注意しましょう。
②オススメしたいポイント
ポイントとしては、「金利」と「為替」のダブルで利益が得られることです。
リスクはありますが、基本は預金なので初心者の人でも取り組みやすく、投資信託のように比較的始めやすい投資と言えるでしょう。
(4)不動産投資
不動産投資とは、マンションなどの不動産を購入し、家賃収入や売買益で利益を得る投資方法です。
メリット・デメリット、オススメしたいポイントを見ていきましょう。
①メリットとデメリット
最大のメリットは、所有物件に入居者がいる限り、毎月安定した収入が得られることです。
また、購入した不動産を購入時より高く売却できれば、まとまった金額を得ることも可能です。
しかし、不動産投資にはデメリットやリスクも多く、入居者がいない場合、当然収入は入りません。
入居者がいない間も不動産ローンや固定資産税がかかり、物件の管理・運用を委託している場合は管理手数料も発生します。
さらに、初期費用としてまとまった資金が必要になります。
②オススメしたいポイント
ややハードルが高いかもしれませんが、信頼できる不動産会社と取引し、利回りが良く値下がりしない物件を購入することができれば、長期的に安定した収益が期待できます。
まずは正しい知識を身に付け、信頼できる不動産会社かどうか見極める目を持ちましょう。
ただし、不動産投資はリスクもあります。詳しく知りたい方は下記記事を参照にしてみてください。
(5)iDeCo(イデコ)
iDeCoとは、「個人型確定拠出年金」の愛称で、自身で拠出した掛金を運用して60歳以降に受け取る私的年金制度であり、加入者は増えています。
①メリットとデメリット
iDeCoの最大のメリットは、節税効果が高い点と言えるでしょう。
掛金は全額所得控除の対象となり、所得税や住民税が軽減されます。
また、金融商品の運用益には通常20.315%が課税されますが、iDeCoは配当金などが非課税で再投資されます。
デメリットとしては、iDeCoは60歳になるまでは拠出したお金を一切引き出すことができません。
よって、急に現金が必要になってもiDeCoの掛金全額は60歳まで使えない点に注意しましょう。
②オススメしたいポイント
iDeCoは一時金(退職所得控除)か年金(公的年金控除)で、受け取り方を選択することができます。
60歳以降に自分の生活に合わせて受け取ることができ、退職金や年金が少ない個人事業主やフリーランスにも適した制度と言えるでしょう。
iDeCoについて詳しく知りたい方は、下記記事を参照にしてみてください。
(6)つみたてNISA
つみたてNISAとは、「少額投資非課税制度」の愛称で、少額からの長期・積立・分散投資を支援するために2018年1月にスタートし、利用者は年々増加しています。
メリット・デメリット、オススメしたいポイントを見ていきましょう。
①メリットとデメリット
つみたてNISAの最大のメリットは、投資から得られる分配金や譲渡益が最長20年間非課税になることです。
また、金融庁が選定した投資信託から選ぶことができる点も初心者に安心で、大きなメリットと言えるでしょう。
デメリットとしては投資対象が長期の積立・分散投資に適している投資信託・ETFに限定されるので、銘柄が自由に選べない点です。
また、株式投資など他の投資もできませんので注意しましょう。
②オススメしたいポイント
つみたてNISAは比較的手数料の安いインデックスファンドが中心になっています。
投資信託の中には手数料が高いファンドや、積極的にリスクを取りにいくファンドもありますので、この点も初心者にオススメしたいポイントです。
ネット証券で口座開設をすれば信託報酬も安く、オンラインで簡単に運用できます。
ただし、つみたてNISAは非課税枠の上限が年40万円までと決まっており、人によっては更に口座を持ち、投資信託などの積み立てをする必要があります。
つみたてNISAについて詳しく知りたい方は、下記記事を参照にしてみてください。
また、私が講師を務める「新NISA制度丸わかりセミナー」の動画をLINE友達限定にて公開しています。
- つみたてNISAの落とし穴
- 新NISAの注意点
- 実際に私が実践している投資商品
- 成功するための鉄則
などリアルな情報がたくさんです。つみたてNISAで損をしている方、これからNISAを検討している方は、ぜひご覧ください。
30代で資産運用をする際の注意点
一般的に30代はリスク許容度が高いですが、資産運用を成功するためには注意したいことがあります。
下記は非常に重要ですので、よく読んで、後悔のない資産運用を行いましょう。
(1)短期、長期と投資目標を設定する
30代で資産運用をする際は、まず投資の目標を設定しましょう。
この際、「年齢」と「金額」で短期的な目標と長期的な目標を設定することをおすすめします。
例として、「30歳の会社員Aさん。60歳までに2,000万円を投資する」と設定して考えてみましょう。
なお、ここでは投資額を目標金額とするので、便宜上、複利などは考えないこととします。
最終的なゴールは60歳までに2,000万円達成とします。
金額は現時点での資産や、老後の生活スタイルによって大きく異なりますが、Aさんは年金や貯金、理想の老後生活から必要な金額を導きました。
長期目標を設定したら、次は短期目標を設定しましょう。
なぜなら、30代にとって60歳は遠い未来であり、もう少し近い未来に目的を持つことで、今からするべき行動が明確になるからです。
30歳のAさんは1ヶ月4万円程度なら、無理なく投資に回せると判断しました。
よって、1年間に約50万円を投資すると決め、40歳までの10年間で500万円を投資額の目標としました。
短期的な目標は「40歳までに500万円」、さらに日々の目標として「積立額は1ヶ月に4万円」です。
具体的な数字は、投資のモチベーションにつながり、自然に貯蓄への意識が高まります。
なお、既婚者の人は、目標を夫婦や家族で共有するようにしましょう。
(2)資産運用にリスクがあることを理解する
100%安全に資産を運用する方法はありません。
前項で様々な投資商品を紹介しましたが、投資である以上、程度の差はあっても必ずリスクは付いてきます。
絶対に元本割れをしたくないという人は、そもそも投資が向いてないのかもしれません。
しかし、正しい知識を身に付け、自分に合った投資先を選択し、比較的ローリスクで資産運用する方法はあります。
そのひとつが少額投資であり、詳細は次の項で解説していきます。
(3)手軽に始められる投資商品を選ぶ
リスクを少なくするためにも、手軽に始められる投資商品を選びましょう。
手軽に始められる投資商品にはつみたてNISAや少額株があります。
特につみたてNISA は少額からの積立投資に大変おすすめです。
また、無理のない範囲で、興味があれば不動産クラウドファンディングに投資するのも良いでしょう。
大切なのは、手軽に始められる商品であっても、余裕資金から少額で投資することです。
投資する額が少なければ少ない程、元本割れやデメリットのリスクは小さくなります。
「少額だと資産が増えないのでは?」と心配する人もいるかもしれませんが、30代はまだ若く、時間があります。
少額から堅実に始めて経験を積んでいき、慣れてきたら金額を増やしていきましょう。
(4)自分に合った投資プランを立てる
資産運用をする際の注意事項を述べてきましたが、どの投資商品を選択したとしても、自分に合った投資プランでなければ意味がありません。
投資商品のメリットやデメリットを勉強し、納得いくまで調べてから投資しましょう。
難しい場合は我々FPに相談することおすすめです。
また、投資プランは投資商品だけではなく、投資金額も重要です。
投資に回せる金額は人によって異なりますが、最初は余剰資金から始めましょう。
慣れてきたら、投資に回す金額を増やしていきますが、資産の全てを投資に回すと、緊急に現金が必要になったときに慌てて解約することになりかねません。
このようなことを防ぐために、最低でも生活資金の3ヶ月分、可能なら6ヶ月分は手元に現金で持っておきましょう。
繰り返しますが、自分に合った投資プランを立て、くれぐれも無理のない範囲で行ってください。
不安がある方はFPなどの専門家に相談する
資産運用について正しい知識を身に付けることで、効率的に資産を増やせることがお分かりいただけたことと思います。
しかし、資産運用を実際に始めようとすると、1人では不安になる人もいるでしょう。
そのようなときは、お金のプロであるFP(ファイナンシャルプランナー)に相談することをおすすめします。
我々FPは、金融、保険、ローン、家計管理、節約、相続などお金に関する幅広い知識を活かし、お金や生活に関する悩みや課題が解決できるようサポートします。
資産運用についてFPに相談すると下記のメリットがあります。
- ☑なぜ資産運用が必要なのか、あなたが納得できるような考え方を示してくれる
- ☑あなたに最適な投資方法や運用方法・運用期間、投資のポートフォリオをプロの視点から提案してくれる
- ☑投資金額や投資期間、目標額などを提示してくれるので、すぐに始められる
- ☑資産運用に限らず、節税や住宅ローンなど、お金に関する問題を解決してくれる
その他にもライフプランの作成、収支シミュレーション、税金対策、生命保険など、あなたの生活がより良くなるお手伝いをさせて頂きます。
弊社の場合は「初回相談無料」となっておりますので、ぜひ一度相談してみてはいかがでしょうか。
まとめ
資産運用は早いに越したことはありません。
早く始めれば複利効果を最大限に活用でき、無理なく定年後の老後資金を貯めることができます。
また、資産運用をして資産を効率的に増やすことで、日々の生活にゆとりが生まれるだけではなく、不測の事態に備えることもできます。
本記事ではさまざまな投資方法を紹介してきましたが、大切なのはあなたに合った金融商品を見つけ、あなたに合った投資方法や資金計画で、無理なく運用することです。
現在、ネットや雑誌、SNSやセミナーであらゆる情報が入手できますが、甘い話に惑わされることなく、確実な情報を見極める知識と経験を身に付けていきましょう。
不明な点があれば、当社のFPにお気軽に相談してください。
あなたの暮らしをより豊かにするため、お金と上手に付き合っていただけたら幸いです。
著者
- AFP、宅地建物取引士、DCプランナー、証券外務員一種、二種、内部管理責任者、不動産賃貸経営管理士、住宅ローンアドバイザー、日商簿記2級
☆「幻冬舎ゴールドオンライン」にて記事連載中☆
☆「NewsPicks」にて記事連載中☆
アジア金融の中心地であるシンガポールに10年間滞在。その後、外資系銀行にてプライベートバンカー、セールスマネジャー、行員向け経済学講師を経て独立系ファイナンシャルプランナー事務所を設立。著書に『58歳で貯金がないと思った人のためのお金の教科書』、『50代から考えておきたい“お金の基本”』。Bond University大学院でマーケティングと組織マネジメントを研究。経営学修士。
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