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インデックス投資とは?初心者にオススメする4つの理由と7つの注意点

公開日:2023/05/22 最終更新日:2024/07/15

投資初心者の中でインデックス投資が注目されています。

インデックス投資は初心者にとって、始めやすい投資商品ではありますが、投資である以上リスクもつきものです。そのため、リスクの回避策、失敗しないための注意点などを事前に把握しておくことが重要です。

そこでこちらの記事では、インデックス投資のメリット・デメリット、始める時の注意点、はじめ方などについて書いていきます。これからインデックス投資を検討されている方は、ぜひ最後までお付き合いください。

インデックス投資とは?

投資

インデックス投資とは、特定の指数(日経平均株価やTOPIXなど)と連動するように投資を行う手法です。指数には、世界各国の平均株価や特定の業種(例えば製造業の平均など)、債券の指数など多種多様な指数が存在します。

代表的なインデックスの一例として下記のような、国内・海外の主な株価指数や指標をベンチマークとして運用するインデックスファンドが存在します。

  1. ✅日経平均株価(日経225)
  2. ✅TOPIX(東証株価指数0
  3. ✅ダウ平均株価(NYダウ)
  4. ✅ダウ・ジョーンズ
  5. ✅NASDAQ
  6. ✅S&P500
  7. ✅全世界株式(オールカントリー)
  8. ✅NASDAQ総合指数
  9. ✅AJFI(不動産ファンドインデックス)
  10. ✅J-REIT(Jリート)

インデックス投資をすることで、米国株式市場などマーケット全体の成長に合わせたリターンを得られるパッシブ運用と呼ばれる資産運用を行うことが可能です。

また国内株式・外国株式や債券、リート(不動産)などのインデックスに分散投資する投資信託は、バランスファンドと呼ばれます。バランスファンドを購入することでインデックスの分散投資効果を得られると同時に管理が楽になるメリットがあります。

インデックスファンドとアクティブファンドの違い

インデックスファンド・アクティブファンドの違いについても、それぞれ詳細を解説していきます。

(1)アクティブファンドとは?

アクティブファンドとは、インデックスファンドのように指数に連動をするのではなく、指数を上回る成果を出すことを目標にするものや特定のテーマ(AIに関連する企業、社会貢献度が高い企業など)に沿って銘柄選定をするファンドを指します。

ファンドマネジャーと呼ばれる投資のプロや専門家がインデックスファンドよりも時間と労力をかけて銘柄の選定を行います。

(2)インデックスファンドとアクティブファンドの4つの違い

インデックスファンドとアクティブファンドについて、以下の4つの概要を深掘りしていきます。

①コスト

アクティブファンドはファンドマネージャーなどの人件費が伴うため、結果として信託報酬などの手数料が発生するためインデックファンドより高いコストが伴います。

インデックスファンドは市場指数に連動した運用を行うだけで良いので、人件費等を削減しやすいのが特徴です。

②利回り

インデックスファンドは指数に連動することを目標にしているだけなので、コストが安くファンドマネジャーの力に左右されづらいため、平均するとアクティブファンドよりも安定したリターンを獲得しやすい傾向にあります。

一方、アクティブファンドは、ファンドマネジャーが敏腕であったり、投資テーマが有望であったりするファンドはインデックスファンドよりも3倍以上の成果が出ているものもあります。

③リスク

市場全体にリスクを分散するインデックスファンドと異なり、アクティブファンドはファンドの投資判断が正しくない場合にはマーケットに対して運用利益が大きく下回る恐れがあります。

④初心者のわかりやすさ

インデックスファンドは市場全体の平均的なリターンに収束するため、市場の良し悪しだけで選択をすれば良いという点で投資家にもわかりやすいものになっています。

これに対し、アクティブファンドは市場の他、ファンドマネジャーやテーマの分析も必要になります。

インデックス投資のメリット

インデックス投資には、主に以下の4つのメリットがあります。

(1)投資初心者でも参入しやすい

インデックス投資は、投資知識に乏しく、今後勉強や経験の積み重ねが必要な初心者の投資家にとって、まずは株価指数にだけ着目をしておけば良いので安心して投資できます

なぜならインデックス投資は株価指数などの指数と同じ値動きをすることを目標としているからです。

初心者にとって何に注目すべきかはっきりとしていてわかりやすいと言えます。

(2)運用コストが低い

投資信託では、信託報酬という投資信託を運用・管理してもらうための経費がかかります。これは投資信託を保有している間は投資家が払い続ける費用です。

アクティブファンドは、ファンドマネジャーと呼ばれる投資のプロや専門家が預かった資産を独自に運用・管理を行うため人件費が膨らみ、信託報酬のコストが高くなります。

それに対して、インデックス投資は市場全体や国・地域などの市場指数に連動した投資を行うだけで済むため、アクティブファンドと比較すると低コストです。

インデックスファンドの信託報酬は、純資産総額の年率0.1~0.3%程度に対して、アクティブファンドは1.0~2.0%程度です。

(3)少額からでも投資ができる

一度の投資額が大きい個別株といった株式投資と異なり、少額からでも取引を始めることができる(ネット証券では100円からの投資も可能)ため初心者向けの投資方法としても最適です。

少額であっても積み立てていくことで、利益増加に繋がっていきます。

(4)投資リスクを軽減できる

ファンドマネージャーの判断ミスによる影響を受けにくく、コストが安い点もインデックス投資の特徴です。

さらに、個別の企業の株式を直接購入するよりもインデックス投資は特定の市場指数に連動しているため、値動きの異なるさまざまな銘柄に分散して投資することができます。

また、積立投資期間を長期にすることでリスク軽減にも効果的です。

インデックス投資のデメリット

カップル

一方でインデックス投資のデメリットは、以下のような点があげられます。

(1)短期間で大きな利益が得られない

通常インデックス投資は長期運用による複利効果を狙う投資スタイルとなるため、FXなどのようにレバレッジ運用による短期リターンを期待できる投資とは異なります。

さらに、個別銘柄が大きく上昇する場面においても、インデックスファンドのリターンは様々な企業に投資をしているため、一部の株価が急上昇したとしてもあまり上昇しません

(2)元本割れが発生する恐れがある

もちろん投資である以上リスクはゼロではなく、タイミング次第で運用途中に相場が暴落し、購入時より値下がりが起きる元本割れになるリスクも発生する点に注意が必要です。

(3)一定の運用コストが必要

インデックス投資は証券会社や運用会社が提供するサービス利用に伴う費用が手数料(信託報酬)として発生する点も、注目したいデメリットの1つです。

インデックス投資を初心者にオススメする4つの理由

インデックス投資が初心者におすすめできる理由について、4つの項目をそれぞれ解説していきます。

(1)商品の値動きが分かりやすい

インデックスファンドは専門的な知識を必要とするアクティブファンドと異なり、特定のマーケットと連動するため値動きがわかりやすいという特徴があります。

(2)難易度が低く始めやすい

資産運用の基本に準じて指数を選択・組合せをするだけで成果を出しやすいのがインデックスファンドです。アクティブファンドのように、ファンドマネジャーの選定、市場の選定、テーマの選定など複数の要素から選択をすることは難しいという初心者も多いです。

(3)手数料が安く利益を出しやすい

一般的にファンドマネージャと呼ばれるプロに運用を託せるアクティブファンドでは、人件費が伴うため高いコスト負担が発生します。

一方、インデックスファンドは手数料が安価で、運用成績が良く利益を出しやすいというメリットがあります。

(4)運用実績がよく、安定している

分散効果により低リスクで運用できるインデックスファンドはアナリストによる銘柄の選択ミスなどの人的リスクが少なく、運用実績が比較的安定しているのも初心者におすすめできる理由です。

インデックス投資を始めるときの注意点

男性

インデックス投資を始める際に注意したい、7つのポイントについても解説していきます。

(1)投資目標など自分にあった商品を選ぶ

インデックスファンドは選択肢として投資対象となる市場や銘柄の範囲がそれぞれ異なるため、自分の投資目標にあった商品を選択する必要があります。

特に、年齢に応じて株式の割合を調整することがおすすめです。

年齢が高ければ高いほど債券投資の割合を増やし、若ければ若いほど株式の比率を増やすといったリスクを下げる考え方がオーソドックスです。

(2)コストの低い商品を選ぶ

アクティブファンドよりも信託報酬が安いものの、インデックスファンドの中でも高いものと安いものがあります。
信託報酬は、ファンドの運用がプラスであろうとマイナスであろうといつでもかかってしまうものなので、比較をしながら安いものを選択するようにしましょう。

(3)ファンドの純資産額が多く、規模が大きい運用会社を選ぶ

ファンドの純資産額が多く、規模が大きい運用会社を選ぶことで、安心して資産を運用することができます。

(4)リスクをきちんと理解し回避策を立てる

インデックスファンドの中でも、投資する市場や構成銘柄によってリスクは異なります

リスクに対する認識を持ち戦略を考え、ライフプランに合わせた投資法を選択し、リスクを適切に管理する必要があります。

(5)損失が出ることも想定しておく

インデックス投資も投資である以上、選んだ銘柄の価格変動によっては損失を被る可能性もあります。

特に投資に不慣れな初心者の方は投資に対するリスクや損失についても事前に想定を行い、損失が出ても精神的に受け止められるように準備をしておくことも大切です。

(6)ポートフォリオを作成し投資バランスを考える

単一のインデックスファンドに投資すると、そのインデックスに関連したリスクを負うことになります。

例えば、eMAXISSlim米国株式(S&P500)といった2024年現在で高い人気を誇るアメリカの株式指数に連動するインデックスファンドに資産をすべて投資した場合、米国株式市場の上下に全資産が影響を受けます。

そのため、異なる種類のインデックスファンドを組み合わせて分散投資し、投資バランスと比率を考えたポートフォリオを作成した運用を長期間行うことが望ましいと言えます。

(7)プロにアドバイスをもらう

インデックスファンドなどの銘柄は過去のデータを基にした市場動向の分析や将来予測、ニュースにより厳選した構成が行われますが、初心者は自分の力だけで選定することは難しいです。

そこでファイナンシャルプランナーなどのアドバイザーやプロへ相談しアドバイスや説明を聞くことで、自分自身の考え方や投資可能額から計算した具体的なリスク許容度を踏まえた投資戦略を実現することができます。

ただし、プロに相談し参考にする場合には、内容によっては手数料や費用に注意することも必要でしょう。なお、弊社の場合は初回無料になります。企業会員の方は3回までの無料対応しておりますので、該当しているかどうかはまず確認してみてください。

弊社の相談事例も公開していますので、ご興味がある方はぜひご覧ください。

インデックス投資の始め方

カップル

インデックス投資を始めるための手順は、基本的に以下の4ステップです。

<ステップ1>金融機関の選択
<ステップ2>口座開設手続き
<ステップ3>インデックスファンドの選択
<ステップ4>購入手続き

上記のようにインデックス投資を始めるためには、インデックスファンドを購入できる金融機関・証券取引所・販売会社を選ぶ必要があります。

一例として大和証券やSBI証券といった国内の大手証券会社や、スマホアプリでもログイン・開設・登録が便利に利用できるネット証券などがインデックスファンドを提供しています。

証券会社によっては、楽天証券のように楽天カードやアプリを利用することで楽天ポイントが貯まるものや、スマホで自動積立といった設定を利用することもできます。

各社の手数料や取り扱い銘柄、サービス内容などを比較し、自分に合った金融機関の証券口座を選びましょう。

金融機関を選んだら口座開設手続きを行うため、公式サイトで必要な情報を入力後に本人確認書類などの提出が必要になる場合もあります。

開設した口座に入金後、取引可能になるまでの期間の目安として、およそ数日から最大1週間ほどの時間がかかることがあるため早めの準備がおすすめです。

口座開設が完了したら購入したいインデックスファンドを選択し、購入する金額や数量などを入力します。

インデックスファンドの購入買付には、必ず銘柄分析や販売手数料等の費用もチェック・シミュレーションします。

商品選択後、無事に購入手続きが完了すると、口座に購入した投資信託が反映されます。

まとめ

投資

インデックス投資は株式指数の動向に連動するため、投資経験の浅い初心者や忙しい人にも人気の投資方法です。

インデックス投資はアクティブ投資と比較して運用費用が低く、定額を積み立てることで長期投資による複利効果により高いリターンを期待することができます。

また、分散投資によりリスクを分散することができるため、個人投資家のポートフォリオのリスクマネジメントにも役立ちます

積極的にお金の投資先を選ぶことが苦手な人や、投資に対してリスクを抑えたい人は、税金面で優遇のある新NISAといった制度などを活用して始めてみてはいかがでしょうか。

著者

代表取締役 田中佑輝
代表取締役 田中佑輝株式会社アルファ・ファイナンシャルプランナーズ
AFP、宅地建物取引士、DCプランナー、証券外務員一種、二種、内部管理責任者、不動産賃貸経営管理士、住宅ローンアドバイザー、日商簿記2級
☆「幻冬舎ゴールドオンライン」にて記事連載中☆
☆「NewsPicks」にて記事連載中☆

アジア金融の中心地であるシンガポールに10年間滞在。その後、外資系銀行にてプライベートバンカー、セールスマネジャー、行員向け経済学講師を経て独立系ファイナンシャルプランナー事務所を設立。著書に『58歳で貯金がないと思った人のためのお金の教科書』、『50代から考えておきたい“お金の基本”』。Bond University大学院でマーケティングと組織マネジメントを研究。経営学修士。
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