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公務員も資産運用できる!専門家がオススメ投資商品や注意点を徹底解説

公開日:2022/12/11
ガッツポーズ

人生100年時代と言われる現代において、今後ますます資産形成が大切になると想定されます。
公務員もなかなか給与が上がらないことから、定年後の生活に向けて、資産運用を検討している人も多いでしょう。

しかし、「公務員だから、副業の一種である資産運用はできない」と考える人もいるでしょう。
結論からお伝えすると、資産運用は副業にあたらないため、公務員の人もできます。

この記事では公務員にオススメの投資商品や注意点を徹底解説します。これから資産運用を検討されている公務員の方、運用したいけど不安がある方はぜひ最後までお読みください。

公務員は副業が禁止されている?その理由

社員

まずは公務員の副業が禁止されている理由と、その背景について解説します。

(1)公務員は営利目的の副業は原則禁止とされている

公務員は営利目的の副業は原則禁止されています。理由は国家公務員法と地方公務員法において、以下のように定められているためです。

法律法律の趣旨
国家公務員法第103条(私企業からの隔離)営利企業の役員兼業や自営兼業は制限される。
国家公務員法第104条(他の事業又は事務の関与制限)営利企業の役員等以外の兼業を行う場合を制限。従事する場合は、内閣総理大臣および所轄庁の長の許可が必要。
地方公務員法第38条(営利企業等の従事制限)任命権者の許可なしに、営利企業の役員兼業や自営兼業は制限される。
著者作成

役員兼業(役員の職を兼ねること)は名義のみであっても禁止されています。
自営兼業は商業・工業・農業などを自ら営むことですが、自営に該当する基準未満であれば、兼業とみなされません。
自営に該当する基準は、人事院の「義務違反防止ハンドブック」に以下の内容が記載されています。

不動産または駐車場の賃貸一定の規模(※)以上の場合
(※)
独立家屋:5棟以上
アパート:10室以上
土地:10件以上
駐車台数:10台以上
賃貸料収入:年額500万円以上 など
太陽光発電の販売発電設備の出力が10キロワット以上
農業等大規模に経営しており、客観的に営利を主目的とする企業と判断される場合
出典:人事院「義務違反防止ハンドブック」12ページ

上記の基準未満であれば、基本的には副業扱いにはなりません。
また自営が全面的に禁止されている訳ではなく、一定の条件を満たせば副業は可能です。

なお資産運用については、役員兼業・自営兼業のどちらにも該当しないため、副業には当たりません。

(2)公務員は副業が制限、禁止とされている理由

公務員は国のために働く奉仕者として、公共利益のために尽くさなければならないとされています。
また、国家公務員法(第99条~101条)・地方公務員法(第33条~35条)に以下の規定が記載されています。

  1. ☑信用失墜行為の禁止
  2. ☑守秘義務
  3. ☑職務専念の義務

公務員の副業は、職務専念義務・守秘義務の違反や世間的なイメージの低下にもなりかねないため、禁止されているのです。

(3)副業禁止規定に該当したらどうなる?

副業禁止規定に抵触すると、減給や停職などの懲戒処分を受ける可能性があります。
過去には、許可を得ずに不動産投資を行っていた消防士に対して、減給の処分がなされた事例もあります。

賃貸収入7000万円の消防士、兼業で懲戒

佐賀広域局の消防副士長

佐賀広域消防局は19日、マンションや駐車場などの賃貸収入で年間約7千万円を得ていた北部消防署警防1課富士出張所の男性消防副士長(43)に対し、兼業を禁止する地方公務員法に違反したとして減給10分の1(3カ月)の懲戒処分にした。

出典:佐賀新聞

申請が必要か判断に迷う場合は、事前に相談するなどの対策を取りましょう。

公務員が資産運用する3つのメリット

ガッツポーズ

次に公務員が資産運用する、3つのメリットについて説明します。

(1)平均年収が下がったことによって補うことができる

公務員の給料は、民間企業と差が出ないように調整されます。
民間企業の給与はここ10年間で大幅に上がっておらず、また物価上昇率を考えると目減りしていると言えるでしょう。
したがって公務員の平均年収も実質的には減少していると推測されます。

資産運用は預貯金よりも効率的に資産を増やせるため、平均年収が減った分を補うことができます。

(2)安定した収入があることから収支計画を立てやすい

公務員は民間企業のように業績の悪化でリストラされたり、不景気で会社が倒産するリスクはありません。

また、公務員は民間企業より高い給与水準となっています。令和3年度の民間給与実態統計調査によると、民間企業の平均給与は443万円です。

一方で国家公務員は、令和4年度国家公務員給与等実態調査より平均給与月額413,064円となっており、平均年収は約495万円(4,956,768円)です。

出典:令和3年分 民間給与実態統計調査17ページ ,令和4年度国家公務員給与等実態調査 5ページ

公務員は安定的な収入があるため、資産運用する上で収支計画を立てやすいメリットがあります。

(3)手厚い保障があることから長期的の運用が可能になる

民間企業の場合、福利厚生制度の内容は会社次第です。
しかし、公務員の場合は下記のような手厚い保障が用意されています。

  1. ☑扶養手当
  2. ☑住居手当
  3. ☑通勤手当
  4. ☑地域手当

なお公務員が加入する共済保険は、民間企業の協会けんぽと比較して自己負担額が少なく設定されており、医療費の削減にもつながります。
公務員は手厚い保障制度によって支出が抑えられ、手元にお金が残りやすいので、長期投資が可能です。

公務員にオススメしたい投資商品5選

資産運用

では公務員が資産運用する上で、どのような投資商品を選ぶべきでしょうか。
ここでは、公務員にオススメの投資商品5選を紹介します。

(1)専門家に運用を任せられる「投資信託」

投資信託は、運用会社が投資家から集めた資金を運用し、利益を投資家に分配する仕組みの金融商品です。
投資先の選択や運用方法をプロに任せられるので、投資の基礎知識がない人でも安心して始められます。
簡単に分散投資ができ、数千円程度の少額から投資できる点もメリットです。

ただし、あくまで投資であるため、市場の状況によっては元本割れのリスクもあります。

投資信託について詳しく知りたい方は、下記記事を参照にしてみてください。

(2)融資に有利になる「不動産投資」

不動産投資はマンションやアパートを購入して他人に貸し、入居者からの家賃収入を得る投資手法です。

入居者が入っている間は、毎月決まった副収入が得られる魅力があります。
株式投資のように、こまめに経済動向を把握しておく必要もないため、管理の手間がかからないメリットもあります。
公務員は信用力が高いため、金融機関からの融資を受けやすい点でもおすすめです。

しかし空室になるとローンの返済や管理費などのコストにより、大きな損失が生じるリスクがあります。

空室リスクを避けるため、人気エリアの物件や駅近・築浅物件などを選ぶことが重要です。

公務員の方が不動産投資をする際の注意点などについて、詳しくは下記記事を参照にしてみてください。

(3)福利厚生にある「共済預金・社内預金」

共済預金とは、地方公務員が加入できる積立預金制度で、会社員の社内預金に相当します。
毎月の給与や賞与から天引きで、1,000円単位で積み立てが可能です。

共済預金は一般的な銀行の預金と比べて利率が高く、お金が貯まりやすいメリットがあります。

例えば、メガバンクの定期預金金利が0.002%程度であるのに対して、神奈川県市町村職員共済組合の積立預金は年利1.52%です。

出典:神奈川県市町村職員共済組合

また共済預金は半年複利であるため、効率的に資産が増やせます。
複利とは、一定期間ごとに元本に利子を組み入れ、利子にもさらに利子がつくことです。
半年ごとに利子が元本に組み入れられるため、その分大きなリターンが得られます。

一方で預金保険機構に加入している銀行とは違い、共済預金は破綻時の元本保障はありません。

しかし、共済組合が破綻することは考えにくいため、それほど気にしなくてもよいでしょう。

(4)節税効果がある「つみたてNISA」

つみたてNISAは、年間40万円までの投資額を最長20年間非課税で運用できる制度です。
金融庁指定の投資信託やETF(上場投資信託)が対象で、長期の積立・分散投資に向いています。
運用益が非課税になるため、投資信託を購入するときは、つみたてNISAを活用すると節税効果が得られてお得です。

つみたてNISAについて詳しく知りたい方は、下記記事を参照にしてみてください。

(5)老後資金の準備としてできる「iDeCo」

iDeCoは正式名称を個人型確定拠出年金といい、公的年金に任意で上乗せできる私的年金制度です。
自分で選んだ金融商品で運用でき、公務員であれば月12,000円までの掛金を拠出できます。

掛金は所得控除の対象であるため、所得税・住民税を軽減させることが可能です。
運用期間中の運用益は非課税扱いとなり、運用益受取時も税制優遇メリットもあります。

さらに、運用益は原則60歳以降になるまで引き出せないため、確実に老後資金の準備につながります。
ただし、運用益が60歳まで引き出せない点や口座管理手数料がかかる点を考慮して、余裕資金の中で拠出するべきでしょう。

iDeCoについて詳しく知りたい方は、下記記事を参照にしてみてください。

公務員にオススメしない投資商品は?

男性

FXや株式の短期投資など、値動きに注意すべき投資商品はおすすめできません。

FX(外国為替証拠金取引)は、異なる2つの通貨を売買し、その差額が利益になります。
24時間為替レートをチェックして、取引のタイミングを見極めなければならないため、業務に支障が出る可能性があります。
FXはレバレッジを最大25倍まで設定できる点が特徴ですが、資産が大きくマイナスとなるリスクもあり、おすすめできません。

株式の短期投資も常に株価を確認して、値動きのタイミングで売買する必要があります。
ビットコインなどの仮想通貨も価格変動が激しく、本業がおろそかになる恐れがあるため、おすすめしません。

公務員が資産運用する際の注意点

男性

公務員が資産運用する際に注意すべきポイントは次の5つです。

(1)属性がいいことからカモになりやすい

公務員は属性がよく、銀行からの融資を受けやすいため、カモにされる傾向があります。
基本的に低リスク高リターンの金融商品はないため、おいしい儲け話を鵜呑みにしないようにしましょう。
1人では判断できない場合は、我々FP(ファイナンシャルプランナー)など第三者の立場の人に相談するのも一つです。

(2)インサイダー取引は禁止となっている

資産運用する際、インサイダー取引になっていないか注意しましょう。
インサイダー取引とは、自分の職務や地位を利用して知り得た重要な情報を利用して、株式の売買などを行うことです。
インサイダー取引は金融商品取引法で禁止されており、違反すると5年以下の懲役または500万円以下の罰金などが科されます。

所属先や職種によっては、投資に影響を与える重大な未公開情報を知り得ることもあるでしょう。
意図せずインサイダー取引をしてしまう恐れもあるため、株式の売買にあたっては慎重に対応する必要があります。

(3)勤務中の取引は禁止である

公務員に限ったことではありませんが、勤務中に取引をしてはいけません。
資産運用はあくまで勤務時間外で行うものです。
そのため値動きが激しく、短期売買が必要となる金融商品はおすすめしません。
特に公務員は国や地方のために働く職業であるため、勤務中は仕事に集中しましょう。

(4)法律違反、懲戒処分になるリスクがある

副業の届け出が必要にも関わらず申告しなかった場合は、法律違反・懲戒処分になるリスクもあります。
懲戒処分は次の4種類です。

  1. ☑免職
  2. ☑停職(1日以上1年以下の期間、職務に従事させてもらえず、給与は支給されない)
  3. ☑減給(1年以下の期間、俸給の月額5分の1以下に相当する額が給与から減額される)
  4. ☑戒告(責任を問われ、注意される)

なお上記の処分内容だけでなく、昇給や昇格にも影響します。
届け出が必要か迷う場合は、事前に確認するなどして、法律違反・懲戒処分にならないように気を付けましょう。

(5)年1回の確定申告が必要

通常公務員やサラリーマンは給与から源泉徴収されるため、確定申告が不要ですが、給与以外の所得が20万円を超える場合は申告が必要です。
例えば、株取引において売買差益が19万円、配当金が2万円発生した場合は、合計21万円となり申告対象となります。

ただし、つみたてNISA・iDeCoなどの非課税制度を利用している場合は、税金が発生しないため申告は不要です。

不安な方は始める前に専門家に相談

専門家
  1. ☑「将来に備えて資産形成をしたいけれど、商品の選び方が分からない」
  2. ☑「積立投資で教育費を貯めたいけれど、今の収支計画でやっていけるか心配」

など、お金に関する悩みは人それぞれです。
自らの判断では不安という方は、投資を始める前に専門家に相談することをおすすめします。
お金の専門家である我々FPが、最適なポートフォリオや運用商品について、アドバイスをさせて頂きます。

まとめ

男性

公務員の人は副業が禁止されていますが、資産運用に関しては制限の対象外です。
しかし、資産運用が業務に支障をきたすようなことがあってはなりません。
投資信託など、値動きが緩やかで、短期間での売買が不要な商品を選ぶとよいでしょう。

資産運用に関して理解できない部分や不安な点がある方は、FPなどの専門家に相談することをおすすめします。
ご自身の家計状況やライフプランも踏まえて、資産運用方法を提案してもらえるでしょう。

著者

代表取締役 田中佑輝
代表取締役 田中佑輝株式会社アルファ・ファイナンシャルプランナーズ
アジア金融の中心地であるシンガポールに10年間滞在。その後、外資系銀行にてプライベートバンカー、セールスマネジャー、行員向け経済学講師を経て独立系ファイナンシャルプランナー事務所を設立。著書に『58歳で貯金がないと思った人のためのお金の教科書』、『50代から考えておきたい“お金の基本”』。Bond University大学院でマーケティングと組織マネジメントを研究。経営学修士。

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