アルファ・ファイナンシャルプラナーズ

不動産の生前贈与はした方がいい?メリット、手続きや注意点を解説

公開日:2024/02/23
不動産

相続対策として生前贈与は有効な方法です。ただし、現金のように分割しづらい「不動産」においては、そのまま生前贈与してしまうと高額な贈与税がかかってしまうリスクがあります。

本記事では、不動産を生前贈与するメリットやデメリット、贈与するときのコスト、税負担を軽減する制度を徹底解説します。

不動産の生前贈与に適した具体例や注意点もまとめましたので、不動産の引き継ぎにお悩みの方はぜひ参考にしてください。

不動産を生前贈与するメリットとデメリット

メリット・デメリット

生前贈与は、所有する現金や不動産などの財産を特定の相手へと無償で継承することをいいます。

自己財産を「死亡したあとに」引き継いでもらう相続に対して、「生きている間に」財産を引き渡すのが生前贈与です。

生前贈与によってどのようなメリットを得られるかどうかは、財産の総額や相続人の数などによって異なります。まずは、生前贈与のメリット・デメリットをしっかり把握しておきましょう。

(1)不動産を生前贈与するメリット

不動産の生前贈与には、相続税の節税が狙える点以外にも、財産を引き継ぎたい相手に確実に贈与できる点でも大きなメリットを得られます。

生前贈与のメリットを5点にまとめて解説していきます。

贈与するタイミングや相手を決めることができる

自分が希望する相手に、承継したい財産を、好きなタイミングで自由に贈与できるのが生前贈与のメリットです。

生前贈与されなかった財産は、有効な遺言書がない場合、相続人全員が出席する遺産分割協議で「誰がどのような財産を相続するのか」が話し合われて相続されます。

不動産は物理的に分割するのが難しいため、相続トラブルが起こる恐れもあるでしょう。

生前贈与であれば、孫やお世話になった方など自分で選んだ相手に贈与が可能となり、相続人同士の揉め事を回避する効果に期待がもてます。

投資物件の場合は家賃収入を移転することができる

不動産投資による収益物件を所有している場合は、生前贈与することで資産の増加を防ぎ、その結果相続税の節税にもつながります。

投資物件を贈与すると、その物件から得られる家賃収入も贈与を受けた人のものです。

贈与せずに被相続人が所有したまま相続を迎えると、その間に得た家賃収入の分だけ資産が増加するため、相続税の課税額も高くなります。

生前贈与によって家賃収入を子どもや配偶者などに移転しておくことで、相続税の課税対象額を増加させない効果を得られます。

相続税より安くなる場合がある

将来的に大幅に値上がりしそうな不動産であれば、生前贈与によって節税できる可能性が高まります。

贈与税や相続税は、不動産の評価額に対して課税されます。そのため、不動産価格が今後大きく上昇するのであれば、評価額が低いうちに贈与して贈与税を支払ったほうが、将来相続時にかかる相続税よりも安く済むかもしれません。

ただし、贈与税の税率よりも相続税の税率のほうが高いケースがほとんどであるため、しっかりシミュレーションしたうえで検討しましょう。

配偶者控除の特例が使える

婚姻期間が20年以上の夫婦が配偶者に贈与する場合、2,000万円までの部分は非課税で贈与できる「配偶者控除の特例」が使えます。

この特例には、相続が発生したときの配偶者の生活を守る目的があるため、配偶者に贈与できる財産は、配偶者が居住するための不動産か、居住用不動産を取得するための金銭のみに限定されています。

生前贈与によって配偶者に自宅を贈与しておくと、自宅は相続財産から除外されるため、他の人に自宅が相続される心配がなくなります。

認知症対策になる

不動産を生前贈与しておくと、将来認知症を患った場合のさまざまな不都合を軽減できます。

認知症になると、不動産の管理や遺言書の作成において自分の正確な意思を尊重できなくなるかもしれません。

さらに、「意志能力がない」と医師から診断されてしまうと、家庭裁判所が選出した法定後見人をつけなければ不動産の売却ができなくなります。

自分の意思を反映した相続をしたいのであれば、元気なうちから生前贈与しておくのも有効な方法です。

(2)不動産を生前贈与するデメリット

不動産の生前贈与は、お得になるケースばかりとは限りません。贈与税は相続税よりも税率が高い場合が多く、さらに不動産の贈与に関しては名義変更のコストもかかります。

不動産を生前贈与する4つのデメリットを説明していきます。

相続税より税率が高い

贈与税は相続税よりも税率が高い場合がほとんどです。

まず、相続税の税率からみていきましょう。

相続税は所得税と同じ超過累進制度の税金です。相続財産すべてに課税されるのではなく、非課税となる基礎控除額が設けられています。

  1. 基礎控除額:3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

相続人が1人であれば3,600万円、2人であれば4,200万円、この基礎控除額を差し引いた部分が、相続税の課税対象額となります。

  1. ✅相続税の速算表
課税対象額(法定相続分に応ずる相続額)税率控除額
1,000万円以下10%
1,000万円超~3,000万円以下15%50万
3,000万円超~5,000万円以下20%200万
5,000万円超~1億円以下30%700万
1億円超~2億円以下40%1,700万
2億円超~3億円以下45%2,700万
3億円超~6億円以下50%4,200万
6億円超55%7,200万
参照:No.4155 相続税の税率|国税庁

相続税の算出方法は、実際の相続額に税率を掛け合わせるものではありません。相続人の数や法定相続分によって税率が変わってくるため、贈与税の税率とそのまま比較できない点に注意が必要です。

つづいて、贈与税の税率をみていきましょう。暦年課税制度を利用した贈与には、年間110万円の基礎控除があります。

  1. ✅暦年課税における贈与税の速算表
【特例贈与財産】 18歳以上の子や孫が、 親や祖父母(直系尊属)から贈与を受ける【一般贈与】 特例贈与以外の贈与 (兄弟間、夫婦間、子が未成年者など)
基礎控除後の課税価格特例 税率控除額基礎控除後の課税価格一般 税率控除額
200万円以下10%200万円以下10%
300万円以下15%10万円400万円以下15%10万円
400万円以下20%30万円600万円以下20%25万円
600万円以下30%90万円1,000万円以下30%65万円
1,000万円以下40%190万円1,500万円以下40%125万円
1,500万円以下45%265万円3,000万円以下45%175万円
3,000万円以下50%415万円4,500万円以下50%250万円
3,000万円超55%640万円4,500万円超55%400万円
参照:No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)|国税庁

相続税と贈与税の税率を同じ「3,000万円」で単純比較してみると、相続税は15%であるのに対し、贈与税は45%か50%の税率です。

そのうえ、相続税には「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」の基礎控除もあります。

長い年月をかけて少しずつ生前贈与していくことで相続税を削減する効果があるのは確かですが、一度に多額の財産を贈与するときには、相続時よりも高い税金がかかることが多いでしょう。

相続よりも名義変更の費用が高い

生前贈与によって不動産を取得した場合、相続による取得時よりもかかるコストが高くつきます。

不動産の取得と名義変更にかかる費用で、贈与時と相続時で金額がかわるものが「不動産取得税」「登録免許税」です。

 生前贈与相続
不動産取得税3% (各種特例により減税措置あり)非課税
登録免許税2%0.40%
合計5%0.40%
参照:不動産取得税|総務省No.7191 登録免許税の税額表|国税庁

不動産取得税と登録免許税は、不動産の評価額に税率を掛け合わせて算出します。1,000万円の土地を贈与した場合は2つ合わせた税金額が50万円になりますが、相続の場合は4万円で済みます。

ただし、生前贈与時の不動産取得税は、時期によって軽減税率や特例が適用されるため記載の税率よりも減税されるケースが多いです。

③相続開始7年以内の場合は相続財産に加算される

生前贈与では、贈与した財産が相続税の対象に引き戻して課税されてしまう「7年内加算のルール」に注意が必要です。

贈与した方が亡くなった場合、さかのぼって7年以内の贈与は相続財産として相続税の課税対象に加えられるのが生前贈与加算です。これは2024年1月1日以降の贈与から適用される新ルールであり、それ以前の贈与は改正前の「3年内加算のルール」が適用されます。

つまり、2024年に贈与した資産は、贈与した人が7年が経過しない2031年よりも前に死亡したときには、相続財産の合計額に加えられることになります。

贈与税の基礎控除110万円以内の贈与であっても相続財産に戻され、相続税の課税対象額によっては相続税が発生します。

④小規模宅地等の特例は対象外となる

相続時に使える「小規模宅地等の特例」での節税効果を知らないまま自宅を贈与してしまうと、支払う税額で大きく損をしてしまう可能性があります。

被相続人が居住していた自宅を配偶者や同居の親族が相続する場合、居住用宅地の評価額が最大80%減額されるのが小規模宅地等の特例です。

この特例は生前贈与時には適用されないため、配偶者や同居の子に自宅を引き継ぎたい場合は、贈与よりも相続のほうが支払う税額は少なくなるでしょう。

不動産を生前贈与する時にかかる費用

不動産を生前贈与するには、いくつかの税金や手続きを専門家に依頼する費用が必要です。それぞれを詳しく確認していきましょう。

(1)生前贈与にかかる税金

不動産を生前贈与するには以下の税金が発生します。

  1. ✅贈与税
  2. ✅不動産取得税
  3. ✅名義変更にかかる登録免許税

現金での生前贈与とは異なり、不動産取得税や登録免許税が課税される点がポイントです。

贈与税

贈与税は、贈与を受けた人に対して課税される税金です。

贈与税には毎年110万円の基礎控除枠が設けられており、110万円以下の贈与であれば贈与税はかからず確定申告も不要です。

たとえば、評価額2,000万円の土地を親から子に一括で贈与した場合は以下のような計算方法をとります。直系尊属からの贈与のため特例税率が適用されます。

  1. ✅2,000万円−基礎控除110万円 = 1,890万円
  2. ✅1,890万円×特例税率40%−控除額265万円 = 贈与税額491万円

不動産取得税

贈与によって不動産を取得した場合、下記の不動産取得税が発生します。

  1. ✅住宅が建つ宅地:固定資産税評価額×4%

(2024年3月31日までは「固定資産税評価額×1/2×3%」が適用される)

  1. ✅家屋:固定資産税評価額×4%

不動産取得税は土地を管轄している都道府県に納付する地方税です。

不動産を贈与された人が支払うもので、贈与に限らず土地を取得したときに課税される税金です。

名義変更にかかる登録免許税

贈与された不動産を名義変更する所有権移転登記は、管轄の法務局に申請をしなければなりません。

その際に課税されるのが登録免許税で、土地と建物ともに固定資産税評価額に対して2%の税率で算出されます。

(2)専門家に依頼する時の費用

生前贈与の手続きのなかでも、不動産の登記申請や贈与税の申告手続きを専門家に依頼するケースが多いです。

専門家への依頼費用は贈与する財産額にもよりますが、目安は以下のとおりです。

  1. ✅登記申請:1回につき5万円~10万円程度(司法書士)
  2. ✅贈与税の申告:1回につき5万円~15万円程度(税理士)

贈与税の申告は、現金のみの贈与の場合は自分で行うことも可能ですが、不動産の場合は土地の評価額計算などが複雑になるため、専門家に任せたほうが安心でしょう。

不動産の贈与税を軽減できる2つの制度

家計

現金の贈与のように金額の調整がしにくい不動産の贈与では、高額な贈与税が発生するケースも多いです。

贈与税負担を軽減するために、贈与時に利用できる2つの制度を理解しておきましょう。

(1)相続時精算課税

贈与税はこれまで説明してきた「暦年課税制度」のほかに、「相続時精算課税制度」が選択できます。

相続時精算課税制度は、特定の人物からの贈与額が累計で2,500万円までの特別控除枠内であれば贈与税が非課税となる制度です。

贈与した人が亡くなったときには、贈与した財産が相続財産に持ち戻されて相続税が課税されるため、税金を支払うタイミングを先送りするための納税方法といえます。

2500万円の非課税枠を超えた部分にかかる贈与税は一律20%です。

相続時精算課税制度の適用要件は、贈与する人が60歳以上であり、贈与を受ける人が18歳以上の子や孫である場合に限られます。

また、2024年1月から相続時精算課税制度に年間110万円までの基礎控除枠が付け加えられました。

基礎控除に収まる部分の贈与は相続税に持ち戻す必要がないため、実質的な節税効果のある使い勝手の良い制度へと改良されました。

(2)配偶者控除

贈与税の配偶者控除は、婚姻期間が20年以上の配偶者に対する贈与において、居住するための不動産または居住不動産を購入するための資金の贈与であれば、2,000万円まで控除が受けられる制度です。

贈与税の配偶者控除を使って贈与された住居は、たとえ贈与後すぐに相続が発生してしまった場合でも相続財産に持ち戻されることがないのがメリットの1つです。

ただし、相続時には「相続税の配偶者控除」があり、1億6,000万円もしくは配偶者の法定相続分である1/2までの遺産であれば、相続税は非課税となります。

そのため、配偶者への相続が「相続税の配偶者控除」を超える額でなければ、贈与税の配偶者控除を使った生前贈与による節税効果は得られません。

節税効果がない場合でも、「夫が亡くなったあとに妻が住む住居を確実に妻の所有にしておきたい」という思いから生前贈与するときには役立つ制度です。

実際に不動産を生前贈与する時の流れ

不動産を生前贈与するには次の流れで進めていきます。

  • 贈与契約書を作成する
  • 名義変更の登記申請をする
  • 贈与税の申告をする

贈与契約書は、財産を贈与するときにお互いが合意した証明書であり、土地を名義変更登記するときに必要となる登記原因証明情報としても使用します。

定められた形式はないため、「贈与者と受贈者の氏名・住所」「贈与する日付」「贈与財産の情報」「贈与方法」などを記載した書類を作成し、契約を締結しましょう。

次に行うのが、不動産の名義を贈与する相手に変更するための登記手続きです。

登記申請は司法書士に代行してもらうのが一般的です。

そして、年間110万円以上の生前贈与をした年の翌年の2月1日〜3月15日には、管轄の税務署に贈与税の申告をしなければなりません。

不動産の贈与における贈与税申告は税理士に依頼するケースが多いため、忘れずに手続きしましょう。

不動産の生前贈与に適しているケース4つ

セミナー

これまで解説したように、不動産の生前贈与は必ずしも節税対策になるわけではありません。

ここからは、不動産の生前贈与に適している4つの具体例をご紹介します。

(1)相続税が発生しない人

相続財産が基礎控除内に収まり相続税が発生しないのであれば、相続税対策としての生前贈与は不要です。

しかし、「自分の希望どおりに財産を引き継いでおきたい」という場合は、生前贈与が有効です。

相続人以外に財産を渡したい人物がいる、遺産相続がスムーズに済むように準備しておきたいなどの理由から生前贈与したい場合には、相続時精算課税制度を使うと贈与税負担を軽減できます。

相続する財産が基礎控除の範囲内に収まるのであれば、2500万円までは贈与税も相続税も非課税のまま生前贈与が可能です。

(2) 将来に確実に価値が上がる土地

不動産の価格が確実に値上がりしそうな場合、早めに生前贈与しておくほうが節税できる可能性があります。

贈与税も相続税もその時点での評価額をもとに計算されるため、評価額が低いほうが課税金額も少なくなるからです。

ただし、贈与税のほうが税率が高い傾向にあるため、「いくら値上がりするなら贈与のほうが得なのか」を専門家に相談してシミュレーションしておきましょう。

(3)投資物件

投資物件を生前贈与すると、贈与する人の財産増加を抑制できる点から相続税対策になります。

賃貸マンションやアパートなどの賃貸物件をある程度の期間所有していると、そこから得た家賃収入の分だけ相続税の課税対象額が増加しています。

投資物件を生前贈与すると、不動産の贈与には贈与税がかかりますが、その先の家賃収入は贈与された人の財産です。

不動産資産と、この先得られる賃貸収入の両方が移転できるため、贈与した人の財産を減らす効果があります。

(4)20年以上結婚している夫婦

20年以上結婚している夫婦で、相続税が発生するだけの資産がある場合、配偶者へ自宅を贈与しておくと節税効果を得られます。

贈与税の配偶者控除特例を使って自宅を贈与すれば、2,000万円までは贈与税が非課税となります。税負担を大幅に軽減した生前贈与が可能です。

ただし、相続時には「相続税の配偶者控除」「小規模宅地等の特例」などの特例制度があります。

相続のほうが税負担が少ない場合も多いため、節税目的だけであれば事前にしっかり比較しておくことが大切です。

不動産を生前贈与する時の注意点

注意点

最後に、不動産を生前贈与するときの注意点をまとめます。

生前贈与する目的を明確にして、贈与にかかるコストや相続税額との比較、制度上の注意点などを把握していなければ、後悔する結果を招きかねません。

生前贈与する前にしっかりチェックしておきましょう。

(1)納税額分の現金が必要

不動産を生前贈与し贈与税が発生した場合は、贈与税を支払うための現金が必要となります。

「贈与税を支払うために贈与した不動産を売却せざるを得ない」という状況に陥らないよう、どれくらいの贈与税が課税されるのかしっかり確認しておきましょう。

(2)相続が開始前7年以内の贈与

相続が開始した時点からさかのぼって3年〜7年以内に行われた贈与は、相続財産に加算される点に注意しましょう。

2024年1月からの税制改正により、暦年贈与によって贈与された財産が相続財産へと持ち戻される期間が相続開始前3年から7年へと延長されました。

せっかくコストをかけて不動産を贈与しても、今後は相続税に持ち戻される期間が長くなっていくため、相続税の節税がより難しくなっています。

生前贈与するなら少しでも早いタイミングが有効といえるでしょう。

(3)分割贈与にかかるコスト

不動産を分割して贈与すると贈与税を軽減する効果がありますが、贈与回数が複数になるとその分コストもかかる点に注意が必要です。

たとえば、1,200万円の土地を分割して3年間にわたり親子間で贈与した場合、1年間の贈与額は400万円となり、基礎控除110万円を差し引いた実質的な税負担率は8.3%です。

反対に一括で贈与した場合、相続時精算課税であれば贈与税はかかりませんが、相続税が発生するだけの資産を持つ方であれば、相続時には最低でも10%の相続税が発生します。

このように、分割贈与には税負担を減らすメリットがありますが、贈与のたびに登録免許税や専門家に手続きを依頼するためのコストなどが発生します。

コストに見合った節税効果があるのか、慎重に判断しなければなりません。

(4)登録免許税の税率の高さ

生前贈与によって不動産を取得した場合、登記申請するための登録免許税は2%です。

一方で、相続で取得した場合の登録免許税は0.4%であり、贈与と比較して5倍以上も安くなります。

たとえば、1000万円の土地で比較してみましょう。登録免許税の納税額は、贈与の場合は20万円、相続の場合は4万円と大きな差が発生します。

節税できる税金額だけでなく、贈与にかかる費用もふまえて、生前贈与するかどうかを判断しましょう。

まとめ

不動産

不動産の生前贈与には、贈与したい相手に確実に財産を引き継げる、投資物件は家賃収入ごと移転できるなどのメリットがあります。

一方で、相続時に受けられる優遇措置が使えなくなるため、思ったほどの節税効果が得られない可能性もあります。

生前贈与と相続のどちらがお得になるのかは、トータルの資産額や相続する人の人数などで変わってくるため一概に比較ができません。正しく判断するには細かなシミュレーションが必要です。

そのための1つの手段として、お金の専門家であるFP(ファイナンシャルプランナー)への相談がおすすめです。

FPは、その方のライフプラン全体を見据えたうえで不動産の活用方法を提案できます。

税制度が複雑な不動産の贈与や相続においては、専門家の知見をうまく活用することで最適な決断ができるため、ぜひお気軽にアルファのFPにご相談ください。

著者

代表取締役 田中佑輝
代表取締役 田中佑輝株式会社アルファ・ファイナンシャルプランナーズ
AFP、宅地建物取引士、DCプランナー、証券外務員一種、二種、内部管理責任者、不動産賃貸経営管理士、住宅ローンアドバイザー、日商簿記2級
☆「幻冬舎ゴールドオンライン」にて記事連載中☆
☆「NewsPicks」にて記事連載中☆

アジア金融の中心地であるシンガポールに10年間滞在。その後、外資系銀行にてプライベートバンカー、セールスマネジャー、行員向け経済学講師を経て独立系ファイナンシャルプランナー事務所を設立。著書に『58歳で貯金がないと思った人のためのお金の教科書』、『50代から考えておきたい“お金の基本”』。Bond University大学院でマーケティングと組織マネジメントを研究。経営学修士。
フリーワード検索
人気の記事

初回無料相談

あなたにとって本当に良いマネープランが分かる
漠然とした将来不安を見える化しよう。

初回無料相談はこちら

会員企業従業員様向け相談予約

ベネフィットステーション、リロクラブなど
企業会員勤務の方は15,000円/回が3回まで無料

会員企業従業員様向け相談予約の方はこちら