貯金800万円を効率よく達成する方法6選|年代別の貯金額も合せて紹介
800万円あったら、何に使うでしょうか。
家購入の頭金、リフォーム代、子どもの教育資金、老後資金・・人によって答えはさまざまですが、800万円あればやりたいことが沢山浮かぶでしょう。
800万円貯金することは決して簡単なことではありませんが、不可能という数字でもありません。
また、貯金するためには効率的な方法や投資方法があり、知っているのと知らないのでは、貯金のスピードに雲泥の差があります。
本記事では効率よく、かつ無理なく800万円を貯金する方法について分かりやすく解説しています。
さらに年代別の貯金の平均額やおすすめの投資方法も徹底解説していますので、ぜひ最後までお読みください。
貯金800万円の割合は?年代別の平均貯金額
まずは金融広報中央委員会が公表している令和3年(2021年)「家計の金融行動に関する世論調査」を元に、貯金800万円の割合と、年代別の平均貯金額を見ていきましょう。
(下記、令和3年家計の金融行動に関する世論調査【単身世帯調査】、令和3年家計の金融行動に関する世論調査【二人以上世帯調査】のデータを元に記事を作成)
(1)全年代で貯金800万円の割合は?
統計上、一番値の近い貯金700〜1,000万円の割合を見ていきます。
- ☑単身世帯:5.2%
- ☑二人以上世帯:6.0%
上記の調査結果から分かる通り、単身世帯では全体の約5%、二人以上世帯でも大きな変化はなく、全体の6%となっています。
この数字から800万円の貯金がある世帯はごく少数であり、800万円の貯金があれば貯金は多い方であると言えるでしょう。
(2)年代別の平均貯金額
次に20代~50代まで、年代別の平均貯金額を見ていきましょう。
➀20代の平均貯金額は単身世帯「179万」円、二人以上世帯「212万」円
この数字を見て、平均値が想像より高いと感じた人もいるのではないでしょうか。
しかし、中央値を見てみると、単身世帯は20万円、二人以上世帯は63万円です。
一部の20代は独身や既婚に関わらず貯金が多いですが、実際は100万円あれば貯金は少なくないと言えるでしょう。
②30代の平均貯金額は単身世帯「606万」円、二人以上世帯「752万」円
中央値を見てみると、単身世帯は56万円、二人以上世帯は238万円です。
20代に比べて単身世帯と二人以上世帯の差が大きくなってきました。
これは30代になると既婚者が増え、また共働きが多いので世帯年収が高いことにも起因しているでしょう。
③40代の平均貯金額は単身世帯「818万」円、二人以上世帯「916万」円
中央値を見てみると、単身世帯は92万円、二人以上世帯は300万円です。
平均貯金額と中央値には差があり、手取り年収や貯蓄額の差がどんどん広がっていく年代です。
④50代の平均貯金額は単身世帯「1,067万」円、二人以上世帯「1,386万」円
中央値を見てみると、単身世帯は130万円、二人以上世帯は400万円です。
40代以上に平均貯金額と中央値には差が大きくなりました。
50代の貯金額は60代以降の老後の過ごし方に大きく影響しますので、ますます預貯金が大切になります。
効率よく800万円を貯金する方法は?
貯金の重要性を実感できたところで、今すぐにでも貯金を実行しましょう。
しかし、貯金の方法にはコツやノウハウがあります。
ここで効率よく計画的に貯金する方法を紹介します。
(1)いつまでに800万円を貯金するかの目標を明確に設定する
「800万円貯めよう」と決意するのは素晴らしいことですが、金額を決めただけでは貯金するモチベーションを保てない可能性があります。
800万円は低い金額ではありませんので、長期間の貯金を継続するためには「いつまでに」貯めるのかという目標を設定すると良いでしょう。
目標を設定するときは、長期的な目標と短期的な目標を設定することをおすすめします。
例えば、「10年後までに800万円達成」と長期的に目的を決めたら、短期的に「1年間に80万円」と設定し、さらに「1ヶ月に7万円」まで設定します。
目標を設定することで、計画的に貯金ができ、失敗なく800万円を貯められるでしょう。
(2)家計簿をつけ現状把握する
800万円を貯金するためには、まず支出を把握することが大切です。
そのためには家計簿を付け、何にいくらくらい使っているのか現状を把握しましょう。
現状把握ができたら、必ず押さえておきたいポイントは以下の2つです。
➀無駄な出費を見直す
支出の中に無駄な出費がないか意識して見直してみましょう。
例えば「余ってしまった食材」「一度しか着ていない洋服」「続かなかった健康器具」など無駄な買い物に身に覚えがある人は多いのではないでしょうか。
家計簿をつけてみると、思っている以上に支出が多いと感じる人がほとんどですが、支出の中には減らせる要素があるはずです。
家計簿をよく確認し、その支出は本当に必要だったかどうかを検討し、無駄な出費を減らしていきましょう。
②スマホ代などの固定費を見直す
次に、スマホ代などの固定費を見直しましょう。
固定費は一度見直すと、継続して節約できます。
例えば、スマホを格安スマホに変え、通信費を1ヶ月で1万円減らすことができたら、1年間で12万円もの節約になります。
スマホ代だけではなく、電気会社やサブスクリプションサービスを見直し、今より安いサービスがないかチェックしてみましょう。
手間はかかりますが、可能なら家賃など住居費を見直すと大きな節約になります。
なお、弊社開発のお金の管理アプリ「マネソル」(特許あり)では、家計簿の機能から資産運用の管理も簡単にできます。アプリに登録すると無料にて弊社のFPに相談することも可能です。家計簿の見直しなどどんなお悩みでも対応しますので、ぜひ活用してみてください。
(3)貯金口座など口座を分ける
800万円貯めるためには、口座をふたつ用意し、貯金口座と普段使う口座を分けましょう。
その際、貯金口座には「先取り貯蓄」してお金を貯めることをおすすめします。
給料が入ったら、あらかじめ決まった金額が自動的に貯金口座に入るように設定しましょう。
貯金口座に入った金額はないものとし、普段用の口座だけでやりくりすると、自然にお金が貯まっていきます。
口座の分け方、金融機関の選び方などについて詳しく知りたい方は、下記記事を参考にしてみてください。
(4)キャリアアップなど収入のアップを狙う
800万円貯めるためには支出を見直すことも大切ですが、収入アップが実現できると、貯めるスピードが確実にアップします。
可能なら、転職などでキャリアアップを狙い、手取り収入アップを目指しましょう。
転職の際は、直接企業に応募する方法の他、転職エージェントを活用し、効率的に転職活動する方法もあります。
また、将来的に資格取得や副業でキャリアアップを目指すのも良いでしょう。
(5)ライフプランを立て資金計画を立てる
800万円は少ない金額ではありませんので、長期間の資金計画を立てる必要があります。
おすすめはライフプランを立てることです。
ライフプランとは、生涯における「生活設計」のことで、結婚や挙式、子供の誕生、住宅購入など人生のライフイベントを想定し、お金が必要になる時期や金額を把握し、お金の計画を立てることです。
ライフプランを立てることで、収支が明確になり、余裕を持ってお金の準備ができます。
さらに、将来のお金の準備だけではなく、毎月の貯金額などの設定など、日々の行動計画を立てることにもつながるでしょう。
ライフプランの立て方について詳しく知りたい方は、下記記事を参考にしてください。
(6)資産運用でお金を増やす
800万円を効率的に貯めるために普通預金に預けても、利息はほとんど付きません。
資産運用をして、効率的にお金を増やすことをおすすめします。
資産の運用方法は数多くありますが、投資商品について次の項から解説しますので、自分に合うものを選択しましょう。
投資は商品によって特徴が異なりますが、程度の差はあっても必ずリスクが伴います。
リスクがあることを理解し、不安や疑問がある場合はFPなど専門家に相談するのも良いでしょう。
800万円を貯金するためにオススメの投資商品6選
800万円を効率よく貯金するためには投資も検討してみましょう。
おすすめの投資方法を6選紹介します。
(1)投資信託
投資信託とは、投資家から集めたお金をファンドマネージャーが運用し、利益を投資家に還元する金融商品です。
お金のプロであるファンドマネージャーに運用を任せられるので比較的安心で、失敗するリスクが少ないローリスクな投資方法と言えるでしょう。
しかし、投資信託は基本的に10年、20年などの長期的なリターンを前提としています。
そのため、800万円を貯めるために投資信託を始めても、5年以下の短期的な投資では利益が出ない可能性があります。
また、投資である以上は元本保証もなく、手数料がかかるデメリットもあります。
投資に回せるお金を投資信託に回し、時間をかけて確実に増やした上で、貯金もすることをおすすめします。
投資信託について詳しく知りたい方は、下記記事を参考にしてみてください。
(2)不動産投資
不動産投資とは、マンションや土地などの不動産を購入し、主に家賃収入や売買益で利益を得る仕組みで、中級者以上向けの投資方法です。
不動産投資の知識を身に付け、条件の良い不動産を購入し、定期的に家賃収入が入れば、安定した利益が得られます。
しかし、不動産投資には空室リスクや家賃滞納リスクが伴い、管理する手間やリフォーム費用もかかります。
また、条件の良い物件を見つけるのは簡単ではなく、信頼できる不動産会社選びが欠かせません。
以上の理由により、800万円到達のために不動産投資をすることは、リスクと隣り合わせで勉強も必要と言えるでしょう。
不動産投資のリスクについて詳しく知りたい方は、下記記事を参考にしてみてください。
(3)外貨預金
投資方法として外貨預金をするメリットは、「金利」と「為替」のダブルで利益が得られることです。
一般的に外貨預金は、円預金に比べて高い金利が付きます。
例えば、新生銀行のHPによると、2023年1月外貨定期預金の金利は、米ドルで年5.0%(期間1年・新生スタンダードの場合)です。
この高い金利や為替レートを利用し、効率的に貯金を増やすのが外貨預金です。
当然ながら為替リスクもありますが、あくまで銀行預金なので、初心者も取り組みやすい投資方法と言えるでしょう。
日本円の貯金もする必要はありますが、メリット・デメリットを調べた上で、外貨預金をすることは、800万円を貯める近道になるかもしれません。
(4)金(ゴールド)投資
金投資とは、名前の通り、金に投資する方法で、現物購入から金ETF、投資信託などさまざまな投資方法があります。
「有事の金」とも言われている通り、危機的状況においても金は価値が大幅に落ちることはなく、強い資産という特徴があります。
現物購入の場合は盗難リスク、金ETFや投資信託の場合は手数料や為替リスクなどのデメリットもありますが、大きな損失は少ないでしょう。
800万円貯めるために金投資をする方法もありますが、金投資は基本的に配当や分配金などはありませんので、日本円の貯金をした上で金投資をすることをおすすめします。
金(ゴールド)投資について詳しく知りたい方は、下記記事を参考にしてみてください。
(5)つみたてNISA
つみたてNISAは「少額投資非課税制度」の愛称で、少額からの長期・積立・分散投資を支援するために2018年に始まった制度です。
最大のメリットは、売買益や分配金に通常約20%かかる税金が20年間非課税である点で、申込みは年々増加しています。税制改正により2024年には20年間が無制限に変更になります。
投資で得た利益がまるまる自分のものになりますので、800万円を貯めるために、つみたてNISAを始めることは大変おすすめです。
しかし、つみたてNISAは年間上限40万円までしか投資することができません。
例えば、1ヶ月3万円を10年間積み立て、年利3%と想定して計算すると、10年後の金額は約420万円です。
10年間積み立てていても800万円の約半分ですので、株式投資など他の投資方法も検討する必要があるでしょう。
2024年につみたてNISAが新しくなります。詳しく知りたい方は、下記記事を参考にしてみてください。
また、私が講師を務める「新NISA制度丸わかりセミナー」の動画をLINE友達限定にて公開しています。
- つみたてNISAの落とし穴
- 新NISAの注意点
- 実際に私が実践している投資商品
- 成功するための鉄則
などリアルな情報がたくさんです。つみたてNISAで損をしている方、これからNISAを検討している方は、ぜひご覧ください。
(6)iDeCo(イデコ)
iDeCoは「個人型確定拠出年金」の愛称で、自身で拠出した掛け金を自身が選択した投資方法・投資先で運用し、60歳以降に受け取る私的年金制度です。
iDeCoは節税効果が高く、掛金は全額所得控除の対象になります。
また、金融商品の運用益にかかる約20%の税金が、iDeCoの場合は配当金などが非課税で再投資されます。
しかし、iDeCoは年金ですので、60歳になるまでは1円足りとも引き出すことができません。
800万円を貯めるためにiDeCoに加入するメリットは大きいですが、貯めた800万円を60歳になるまでに使う予定のある人にはおすすめできません。
iDeCo(イデコ)について詳しく知りたい方は、下記記事を参照にしてみてください。
資産運用で失敗しないためのコツ
自分に合った投資商品は見つかりましたでしょうか。
最後に資産運用・資産形成で失敗しないためのコツを5つお伝えします。
(1)投資と貯金のバランスを明確にする
資産運用で失敗しないためには、投資と貯金のバランスを明確にすることが大切です。
投資と貯金のバランスを決めるために、以下の手順を踏むことをおすすめします。
➀STEP1:生活資金を現金で持つ
日々の生活資金は必ず必要ですので、現金で保有しておきます。
大きな予定がない場合も、最低でも当面の生活費の3ヶ月程度は確保しておきましょう。
②STEP 2:不測の事態に備えるための資金を用意する
人生には想定外の出来事が起こるときがあります。
また、病気や怪我のリスクを100%回避することは不可能です。
人によって異なりますが、一般的に100万円程度は確保しておきましょう。
③STEP 3:余剰資金から投資
上記を全てクリアして残ったお金が余剰資金となり、この部分を投資に回すことをおすすめします。
このような手順で投資額を設定していくと、投資と貯金のバランスが明確になり、安全に効率良く資産運用できるでしょう。
(2)10万円など少額から少しずつ投資に慣れていく
資産運用で失敗しないためには、1万円や10万円など少額から投資を始めましょう。
少額から始められる投資商品にはつみたてNISAや少額株がありますが、特につみたてNISA は少額からの積立投資に大変おすすめです。
また、興味があれば不動産クラウドファンディングに投資するのはいかがでしょうか。
「不動産投資はお金がかかるのでは?」と考える人が多いですが、不動産クラウドファンディングなら1万円など少額でも投資が可能です。
少額からスタートし、慣れてきたら少しずつ投資に回す金額を増やしていきましょう。
(3)基礎知識を学習する
資産運用で失敗を防ぐために、投資について基礎知識を身に付けましょう。
昨今では、ネットやYouTube、SNS、LINEによる無料相談などで沢山の情報が手に入ります。
しかし、無料で提供される情報は正確性に欠けることがあり、どの情報を信じたら良いのか迷う初心者の人もいるでしょう。
その場合は弊社のFPのようなお金の専門家に相談することがオススメします。
(4)自分に合った投資プランを立てる
資産運用で失敗しないコツは、自分に合った投資プランを立てることです。
投資方法やタイミング、投資額などの最適解は人によって異なり、自分に合ったものではないと意味がありません。
まずは投資プランを立てることが必須となりますが、その際の注意事項を挙げます。
- ☑少額から始めること
- ☑余剰資金を使うこと
- ☑投資する目標を決めること
つまり、目標を立て投資に対するモチベーションを保ち、無理のない資金でリスクを抑えることで、安全に継続して投資ができると言えるでしょう。
(5)不安な場合は専門家に相談する
資産運用で失敗しないコツを解説してきましたが、お金に対する悩みや問題は尽きないでしょう。
そのような場合は、専門的な知識と経験が豊富なFP(ファイナンシャルプランナー)などお金のプロに相談することをおすすめします。
我々FPに相談するメリットを挙げてみましょう。
- ☑あなたに必要な貯金額が分かり、目標額が明確になる
- ☑あなたや家族に合った効率的な貯金方法を提示できる
- ☑投資のメリットやデメリット、具体的な始め方など、1人ひとりに寄り添ったアドバイスをする
- ☑家計管理、住宅ローン返済、生命保険や学資保険、教育費、住民税や所得税の節税なども家族構成にしたがって提案する
FPに相談することで、不安が拭えるだけではなく、資産運用の始め方やあなたに合った資産運用方法が分かります。
まとめ
本記事を読んで、800万円を貯金するコツをお分かりいただけたことと思います。
今回はひとつの目安として800万円を挙げましたが、実は800万円という数字は重要ではありません。
なぜなら、必要な貯金額は人によって違うからです。
必要な貯金額は500万円かもしれませんし、2,000万円かもしれませんが、金額の大小に関わらず効率的に貯金することで、今後のあなたのお金の使い方と生活が格段とアップするでしょう。
効率的に貯金した上で、正しくお金を使い、充実した毎日を送っていただけると幸いです。 ご不明な点は、弊社のFPにお気軽にご相談ください。
著者
- AFP、宅地建物取引士、DCプランナー、証券外務員一種、二種、内部管理責任者、不動産賃貸経営管理士、住宅ローンアドバイザー、日商簿記2級
☆「幻冬舎ゴールドオンライン」にて記事連載中☆
☆「NewsPicks」にて記事連載中☆
アジア金融の中心地であるシンガポールに10年間滞在。その後、外資系銀行にてプライベートバンカー、セールスマネジャー、行員向け経済学講師を経て独立系ファイナンシャルプランナー事務所を設立。著書に『58歳で貯金がないと思った人のためのお金の教科書』、『50代から考えておきたい“お金の基本”』。Bond University大学院でマーケティングと組織マネジメントを研究。経営学修士。
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