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金に投資すべき?知っておきたい投資方法や税金、注意点を解説!

2022年7月12日

2022年初頭から始まったロシアのウクライナ侵攻から5ヶ月以上が経過しました。その間、このウクライナ侵攻の影響を受け、株価や為替は大きく変動しています。

多くの人々が犠牲になっていますが、まだ先行きは不透明で終結しそうにありません。このように、紛争や侵攻などの不測の事態が起こる可能性は、どこにでもあると考えられます。

株価や為替が大きく変動している中、このような危機的状況に対して、強い資産だと言われているのが「金」です。

本記事では、金に投資する方法や税金、メリット・デメリットについて解説していきます。危機的な状況に強い投資商品を探されている方、金に興味がある方はぜひ最後までお読みください。

金投資とは何?

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金は、時代を通じて世界中で希少性が高く普遍的な価値を認められている金属です。金は預貯金や株式などと違い、利息が発生することも配当を受け取ることもできません。しかし、金は実物自体に価値があるため、価値が下がることはあっても無価値になることはないのです。そのため、地政学的リスクや信用不安に強いと言われています。

金とは対照的に預貯金や株式は、その裏付けである「信用」があれば価値を持ち、信用が高まれば価値も高まります。一方、「信用」を失えばその通貨や株式の価値は失われ、価値がなくなる可能性も考えられるのです。


したがって、通貨の金利が高く、株価が上昇する局面では、通貨や株式を保有する方が魅力的であるため、金の価格は下がりやすくなります。

一方、リーマンショック後のように株価が下落する局面や、新型コロナウイルス感染の拡大局面においては、金の価格が大きく上昇しました。

つまり、株式などの資産と金に分散投資を行うことで、資産全体の価値が値下がりするリスクを小さく抑えることができるのです。

金投資のメリット・デメリット

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金は無価値になることはありませんが、価値が下落するリスクが無いとは言い切れません。ここでは金投資のメリット・デメリットを解説していきます。

(1)金投資のメリット

金投資のメリットは、「価値基準が世界共通」ということでしょう。金の価値は、先進国であろうと発展途上国であろうと変わることがありません。

世界中のどこでも取引をすることができ、株式などに比べて売却するのが簡単です。世界の共通認識として、金は価値のある資産とされているため信頼性が高い投資対象と言えます。

また、インフレに強いのも金投資のメリットです。インフレ下では、物の価値が上がり通貨の価値が下がるので、物である金は価値が上がります。つまり、金投資をしておくことで資産が目減りしてしまうのを防げるのです。

(2)金投資のデメリット

それでは、金投資のデメリットは何でしょうか?それは、利子や利息、配当、分配金のようなインカムゲイン(資産を保有しているだけで得られる利益)が無いという点です。つまり、不労所得を得られないので、金投資のみで資産を大きく増やすことはできません。

また、金を現物で持っている場合、盗難や紛失のリスクがあります。たとえ自宅で大切に保管していたとしても、自然災害などで取り出せなくなることもあるでしょう。

更に、金投資は一般的にドル建てで取引されるのですが、日本国内で円建てで取引をすると円ドル為替相場の影響を受けてしまいます。この場合、金価格が変動していなくても、円高になれば価値が下がり、円安になれば価値が上がるというような影響がありますので注意が必要です。

金投資の始め方(方法)は?

女性

金投資のメリットやデメリットをご理解いただけたところで、実際に金投資を始めるにはどうしたら良いのか、金投資の方法にはどんなものがあるのかを解説していきましょう。

(1)金貨や金地金などの現物購入

金貨や金地金(きんじがね)などの現物を購入し、保有する方法のことです。宝飾店や貴金属店で購入が可能で、証券口座の開設などの面倒な手続きが必要ないので、投資を始める際のハードルは高くないと言えるでしょう。

金地金を購入する場合、一定の重さ単位ごとに購入することが可能ですが、日々値動きがあるため一気に購入すると含み損が発生することもあります。そこで、多くの場合は少額ずつ数回に分けて購入するのが良いとされています。この点は、純金積立と似ているかもしれません。

また、投資資金が少ない場合には、金貨を購入することをおすすめします。金貨は1オンス(約31グラム)が一番大きく、0.5オンス、0.25オンス、0.1オンスの4種類の購入が可能です。ただし、金貨はデザイン料が含まれるため金地金よりも割高である点に注意してください。


現物に投資するため、金を売却するほか、現物を引き取ることもできる点が魅力と言えます。だからこそ信用できる業者と取引することも条件として考えておきましょう。

取引先によっては、金の取引価格が異なることもありますし、年会費や手数料等も異なりますので、リサーチをしっかりと行うことも大切です。

金の売却で利益が出た場合、年間の売却益が50万円以下であれば非課税となります。また、所有期間が5年以内なら50万円を差し引いた金額が課税対処となり、5年を超える場合、50万円を超える部分の2分の1が課税対象となります。

したがって、売却益が年間50万円以内になるように、分けて売却をすれば、実質的に税金がかかりません。

一方、金の現物取引の損失は給与所得や上場株式の譲渡益と損益通算できませんので、この点で、後述するETFや非上場投資信託よりも不利と考えられます。

金現物投資は、金融資産としての魅力よりも実物資産としての魅力を感じる方に適しています。

(2)株式投資のように始められる金ETF

ETFとは、「Exchange Traded Fund」の略で、「上場投資信託」と訳されます。つまり、金が証券になったようなものだと考えると分かりやすいでしょう。

金ETFは、証券会社で特定口座を開設すれば、上場株式と同じように取引ができるので、最も手軽に始められる投資方法と言えます。

証券市場が開いている平日9時から15時までの間であれば、そのときの金の時価で売買でき、買いたい価格、売りたい価格で取引できます。

メリットとしては、コストの安さがあげられます。金地金や純金積立に比べると、購入手数料や運用している会社へ支払う信託報酬が低いので、金の価格上昇率とほぼ同じ利益を得ることが可能です。インターネット上でワンクリックで購入できるという手軽さもメリットと言えるでしょう。

デメリットとしては、ETFは金の現物そのものではないため、取引先の証券会社が取引停止状態になると売却ができなくなってしまいます。また、次に解説する投資信託の場合とは異なり、定期的な積立投資をすることができない点が上げられます。つまり、自分自身で購入する必要があるのです。

税制面については、特定口座(源泉徴収口座)を開設していれば、金ETFの売却益は約20%の課税、売却損が発生すれば、他の上場株式等の配当所得、譲渡益と損益通算できます。 更に、金ETFはNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)の対象となっており、最長5年で、年間の投資額が120万円以内であれば税金はかかりません。

金ETFは安いときに購入し、高いときに売り抜けるようなスタンスを好み、実践できる方に適しています。

(3)金に投資する投資信託(非上場投資信託)

金に投資する投資信託とは、金ETFが上場投資信託であるのと異なり、非上場投資信託と言われます。そのため、証券会社だけでなく、投資信託を取扱う銀行や信用金庫等でも取引が可能です。販売会社によっては、100円から購入できるところもあり、少額から始めてみたいという人に向いています。

非上場投資信託は金ETFと異なり、定期的な積立投資ができることがメリットです。無理のない範囲で、毎月、毎週、毎営業日等でコツコツ投資することで、地政学的リスクや信用リスクが高まったときのリターンを高めることができます。

一方、気をつける点は、買いたい価格、売りたい価格で取引できるわけではなく、翌営業日の基準価額での取引となることです。つまり、リアルタイムでの取引ができず、取引したいタイミングより少し出遅れてしまいます。その他にも、一般的に手数料や信託報酬がETFよりも高いという点も注意しておくと良いでしょう。

税制面に関してはETFと同様、特定口座(源泉徴収口座)を開設していれば、売却益は約20%の課税、売却損が発生すれば、他の上場株式等の配当所得、譲渡益と損益通算できます。 投資信託もNISAに対応しているので、非課税額の枠内で取引をすれば利益は非課税となります。

非上場投資信託は、コツコツ積立投資に取り組み、利益の最大化よりも、リスクを抑えながら、中長期的スタンスでリターンを求める人に適していると言えるでしょう。

(4)毎月少額を積み立てて金を購入する純金積立

純金積立は、銀行の窓口やネット証券、貴金属商などで始めることができる投資方法です。月々の投資金額を先に設定して、毎月一定額分の金を購入していきます。

純金積立のメリットは、金の価格変動によるリスクを軽減できる点です。これは、金の価格が下がったときには購入量を増やし、価格が上がったときには購入数を減らすように購入する仕組み(ドルコスト平均法)によるものです。毎月一定額をドルコスト平均法を使い、金相場の変動に左右されることなく一定の購入金額を保つことができます。また、純金積立は毎月1,000円から始められるので、初心者や投資資金が少ない人などにおすすめです。

デメリットとしては、運営会社が発表している店頭価格で取引を行うため、リアルタイムでの取引ができません。金の市場価格を見ながら短期的な取引で利益を得たいと考えている人には向いていないでしょう。

税制面については、現物購入の場合と同じで、年間の売却益が50万円以下であれば非課税、所有期間が5年以内なら50万円を差し引いた金額が課税対処となり、5年を超える場合50万円を超える部分2分の1が課税対象となります。

純金積立は、数年単位での長期保有が基本となる投資ですので、ゆっくりと資産を増やしていきたい人に適していると言えるでしょう。

 金現物金ETF非上場投資信託純金積立
取引先宝飾店・貴金属商・一部証券会社など証券会社証券会社・銀行など銀行・ネット証券・貴金属商など
買いたい(売りたい)値段で取引できる?できない 業者提示価格できるできない 翌営業日基準価格できない 店頭表示価格
自動的に積立投資できる?  できる  できない  できる  できる
特定口座取引、NISA口座取引できる?できない 年間50万円の基礎控除有 累進課税できる 通常、約20%課税できる 通常、約20%課税  できない 年間50万円の基礎控除有 累進課税
損失を損益通算できる?  できない上場株式等の譲渡益との範囲内でできる上場株式等の譲渡益との範囲内でできる  できない
著者作成

縁の下の力持ちとしての「金」

資産

金は、その取引だけで大きな利益を狙うというよりも、株式など他の投資先と分散投資することで、地政学的リスクや信用リスクが高まったとき、資産全体の価値が目減りするのを抑える役割として保有することをおすすめします。

金は、小売価格が至上初めて1グラム8,000円を突破した後も高騰を続け、一時は9,000円台に手が届きそうになるまで価値が上昇しました。執筆現在でも、8,700円前後の価格で取引されています。

現在の危機的状況が収まれば、価格が下がることが予想されますが、今後どのようなリスクが発生するかは誰にも分かりません。そのような信用不安に備えて、量に限りがあり、実物資産としての価値を持つ金への投資を考えてみてはいかがでしょうか?

金投資を始めようとお考えの人やご相談したい人は、ぜひ、専門的知識を持つ私たちFPをご活用ください。

著者

代表取締役 田中佑輝
代表取締役 田中佑輝株式会社アルファ・ファインシャルプランナーズ
アジア金融の中心地であるシンガポールに10年間滞在。その後、外資系銀行にてプライベートバンカー、セールスマネジャー、行員向け経済学講師を経て独立系ファイナンシャルプランナー事務所を設立。著書に『58歳で貯金がないと思った人のためのお金の教科書』、『50代から考えておきたい“お金の基本”』。Bond University大学院でマーケティングと組織マネジメントを研究。経営学修士。

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