知っておこう!不動産購入時にかかる主な「4つの税金」とは?

土地や建物、マンションなどの不動産を購入するときに、不動産売買代金以外に様々な「税金」の支払いが必要になることはご存じでしょうか。
実は不動産を購入するときには不動産売買代金以外に、諸経費や様々な「税金」を支払う必要があるのです。
そこで今回は
- ☑「不動産を購入するときに必要な税金ってなに?」
- ☑「マイホーム購入時の税金について損をしないように理解しておきたい!」
という方のために、不動産購入時に必要になる主な「4つの税金」と、不動産購入で「得をする税金情報」について詳しく解説していきます。
これからマイホームを検討している方は、この4つの税金と不動産購入時の税金で得をするための方法についてしっかり理解し、マイホーム購入の成功を実現させましょう。
不動産購入の時にかかる「4つの税金」

冒頭でも説明しましたが、不動産購入時には主に4つの税金がかかります。
ここでは、不動産購入の時にかかる4つの税金を詳しく解説します。
(1)印紙税
不動産を購入する時の「不動産売買契約書」や、建物建築時の請負工事に関する「建物請負契約書」、住宅ローンを設定する時の「金銭消費賃貸借契約書」などを交わす際にかかる税金を「印紙税」といいます。
印紙税は、金額が大きい不動産売買契約や建物請負契約の取引の信頼性を高めるために課される税金のこと。
印紙税額は売買契約書に記載された金額によって税額が変わり、課税される金額の「印紙」を貼り付け割印を捺印します。
確定申告時までに印紙を契約書に貼っておく必要があるので、契約を交わす際に割印をもらっておくと今後の段取りがスムーズです。
また下記の表のように、2024年3月31日までは印紙税の軽減措置が適用になるため、通常の税率よりも軽減されます。
【印紙税の軽減措置】

(2)不動産取得税
不動産の引き渡しが終わり、法務局への登記が完了すると購入手続きが完了し不動産を取得できます。
不動産の取得後、6ヶ月後くらいに支払う税金が「不動産取得税」です。
不動産取得税は、固定資産評価額から算出します。
4月頃に送られてくる課税明細書を確認するか、役所に行って簡単に取得することも可能です。
不動産取得税の計算方法は以下の通りです。
- ☑不動産取得税 = 固定資産税評価額 × 4%
ただし、2024年3月31日までは、住宅や住宅用の土地は3%が適用されます。

出典:東京都主税局
さらに、宅地を取得した場合は、固定資産税評価額が2分の1に軽減され不動産取得税が安くなりますし、新築住宅が長期優良住宅に認定されればさらに軽減されます。
また、下記取引金額に満たさない場合は、不動産取得税はかかりません。

出典:東京都主税局
(3)登録免許税
登録免許税とは、土地や建物を登記する際にかかる税金です。
所有権に関する登記の場合は、
- ☑固定資産税評価額 × 所定の税率
抵当権設定に関する登記の場合は、
☑ローンの借入額 × 所定の税率
という計算方法で金額を算出します。
所定の税率とは、不動産の種類によって変わります。
例えば、新築住宅の保存登記は0.4%、土地・中古住宅の移転登記2.0%、抵当権設定0.4%といったかたちです。
例として、土地の固定資産税評価が500万円、建物が1,000万円の中古の戸建てを、ローン借入額1,500万円の場合で計算してみましょう。
- ☑1,500万円×2.0%=30万円(移転登記)
- ☑1,500万円×0.4%= 6万円(抵当権設定)
この場合、合計36万円の登録免許税がかかる計算です。
これには特例もあり、登録免許税が軽減になるケースもありますので、詳しくは税務署や不動産会社などの専門機関で確認することをおすすめします。
また不動産取引の際に、不動産会社や司法書士から「固定資産税の評価額がわかるもの」を提示するよう求められます。
「なぜ個人情報になる書類を見せる必要があるの?」と思われるかもしれませんが、これは、登記にかかる登録免許税を算出するためです。
ぜひ覚えておきましょう。
(4)消費税
スーパーやコンビニで日用品を購入する時にかかる消費税は、聞き馴染みがある方が多いのではないでしょうか。
実はこの消費税、不動産取引でも課税されます。
不動産会社を仲介して購入する建物や建築請負工事、仲介手数料などに消費税がかかります。
例外として、土地の売買や、個人の間で住宅を売買する場合は非課税となり消費税はかかりませんので覚えておきましょう。
不動産購入後も税金がかかる?

税金がかかるのは不動産の購入時だけではありません。
不動産を所有している間に、毎年支払わなくてはいけない税金があります。
(1)固定資産税
固定資産税は、土地や建物を所有している間に納める税金で、市町村によって毎年課税されます。
毎年1月1日時点での不動産所有者が納税義務者となります。
固定資産税の計算方法は以下の通りです。
- ☑固定資産税評価額×1.4%
出典:東京主税局
固定資産税にも、一定の住宅用地や新築家屋などには軽減措置が設けられていますので確認しておきましょう。
- ☑住宅用地に対する特例

出典:東京都主税局
(2)都市計画税
都市計画税は、都市計画事業や土地区画整理事業の費用の一部を充当するために市町村が課す税金のこと。
市街化区域の土地・建物に課税される税金で、固定資産税と一緒に納税通知書が送付されます。
都市計画税の計算方法は以下の通りです。
- ☑固定資産税評価額×0.3%
出典:東京都主税局
なお、都市計画税にも軽減措置が設けられています。
- ☑小規模住宅用地に対する特例

出典:東京都主税局
不動産購入で得する税金情報とは

支払うだけで損をしている気持ちになる税金ですが、実は不動産購入で税金が得になるケースがいくつかあるのです。
ここではその得する税金情報を説明していきます。
(1)贈与税に非課税枠がある
贈与税とは、親などからお金を渡される、つまりプレゼントされたときにかかる税金のこと。このプレゼントにも贈与税はかかります。
しかし、住宅購入に関して親から贈与を受けた場合、要件を満たせば税金がかからなくなる特例があるのです。
令和4年1月1日から令和5年12月31日までに親などからお金を贈与してもらった場合、省エネ住宅であれば1,000万円まで、それ以外の住宅の場合500万円までの贈与に税金がかかりません。
なお、取得する住宅の種類によって所定の要件がありますので、詳しくは国税庁の「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」より確認してみてください。
(2)長期優良住宅の認定で優遇措置
長期優良住宅に認定されれば不動産取得税や登録免許税が軽減されたり、固定資産税が一定の期間減税されたりと多くのメリットがあります。
長期優良住宅とは、長期にわたりその住宅を良好な状態で使用するために、構造や設備にしっかりと措置が講じられている住宅のことです。
長期優良住宅に認定されれば、長く大切に利用していける住宅として税金の優遇がされるのです。
入居時期によって優遇措置が異なるため、詳しくは国道交通省の「認定長期優良住宅に関する特例措置」よりご確認ください。
(3)住宅ローン控除で税金が返ってくる
住宅ローン控除とは、住宅を購入して入居から10年間、年末時点での住宅ローン残高の0.7%が給与から納めた所得税・住民税から控除される制度のことです。
会社員の場合、購入した初年度に確定申告をする必要がありますが、2年目以降は年末調整で手続き可能なので手間がかかりません。
初年度の確定申告の申請仕方については国税庁のページよりご確認ください。
マイホームを購入する際にはぜひ忘れずに申請するようにしましょう。
まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回は、不動産を購入するときにかかる税金について詳しく解説しました。
不動産購入時には様々な税金がかかります。
少しでも税金の負担を減らすため、軽減措置や控除、長期優良住宅の認定制度などを積極的に利用し、うまく使いこなしていきましょう。
とはいっても、税金に関しては専門的な知識が必要になります。 不安がある方は、ぜひ弊社のファイナンシャルプランナー(FP)に相談してみてください。
著者

- 株式会社アルファ・ファイナンシャルプランナーズ
- アジア金融の中心地であるシンガポールに10年間滞在。その後、外資系銀行にてプライベートバンカー、セールスマネジャー、行員向け経済学講師を経て独立系ファイナンシャルプランナー事務所を設立。著書に『58歳で貯金がないと思った人のためのお金の教科書』、『50代から考えておきたい“お金の基本”』。Bond University大学院でマーケティングと組織マネジメントを研究。経営学修士。
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