ファミリーが都内でマンションを購入すべき?プロがメリット・デメリットを分かりやすく解説
ファミリー向けのマンションの購入は都内と郊外ではどちらの方がメリットが多いのでしょうか。
のびのびと子育てをしたいのであれば、郊外に購入する方が良いでしょう。
しかし、毎日の通勤には時間がかかったり、資産価値が落ちにくいマンションを持ちたいと思うと、都内でマンションを購入した方がメリットがあるのではという声もあります。
そこでこの記事では、日頃から数多くのマンション購入の相談を受けているファイナンシャルプランナーである私が、マンションを都内で購入するのと郊外で購入するのと、どちらの方がメリットがあるのかについて、わかりやすく解説していきます。これからマンション購入を検討されているファミリーの方にとっては、非常に役に立つ内容になっていますので、ぜひ最後までお付き合いください。
都内のマンションを購入するメリットとデメリット
まず最初は、都内のマンションを購入するメリットとデメリットについて解説します。
(1)都内のマンションを購入するメリット
①通勤しやすい(交通の利便性)
都内にマンションを購入する大きなメリットとしては、通勤時間が短く、交通の利便性を挙げることができます。
サラリーマンの場合、自宅と会社を毎日往復しなければなりません。
通勤に片道で2時間もかかるようでは、忙しいサラリーマンの業務量を考えれば、とても毎日通勤するのは困難でしょう。
したがって、購入するマンションが会社に近ければ、乗り換えの回数も少なくなるため、通勤によるストレスも緩和されるでしょう。
②飲食店や商業施設が充実した環境で生活しやすい
都内には、おしゃれなレストランやカフェ、また商業施設が充実していることで生活しやすい環境があるのもメリットとしてあげられます。
わざわざ遠くまで時間と交通費をかけなくても、近隣にそういった施設が多くあるため充実した日々をおくれます。
また、車がなくても、電車やバス、タクシーを使って気軽に行動できるため、公共機関が充実していることも強みと言えます。
③リセールバリューが高い
最大のメリットと言っても過言ではないのは、郊外のマンションに比べて都内のマンションは、リセールバリューが高いことがあげられます。
東京カンテイが2022年6月23日に発表した中古マンション価格のプレスリリースによりますと、首都圏の70㎡の中古マンションの価格は、先月に比較すると0.2%プラスの4,699万円で、なんと13ヶ月も連続上昇したデータが出ました。
そのうち東京都は5月の価格は先月と比較してわずか0.1%プラスの6,799万円ですが、23ヶ月も連続上昇していることがわかります。
上記グラフを見て頂ければわかりますが、都内のマンションを購入した方がリセールバリューが高いことがわかります。
(2)都内のマンションを購入するデメリット
①管理費や修繕積立費が高額
都内マンションのデメリットとしてあげられるのが、管理費や修繕積立費が高いことです。特に、タワーマンションはそのコストが多くかかります。
なぜなら、タワーマンションは高層であるため、エレベーターのメンテナンスや、外壁の修繕について低層のマンションに比べて工事費用が高額になるからです。
しかし、「都内に住みたい」という強い目的があるのでしたら、コストがかかることは重々覚悟の上で決定するべきでしょう。
②騒音トラブル
住居専用地域であっても、都内ではさまざまな騒音があります。人口が多く密集しているため、以下のような騒音が考えられます。
- ☑電車や踏切の音
- ☑幹線道路沿いであれば車やバイク、救急車や消防車のサイレンの音
- ☑公園、幼稚園や保育園、小学校の近隣では子供の声や放送音
購入予定のマンション近郊の騒音になりやすそうな要因は、あらかじめチェックしておく必要があります。
また、最近では、防音対策が施された二重構造の窓などもあるので、合わせて確認しておくと良いでしょう。
③子供が自然に触れにくい
郊外の自然豊かな環境と比較すると、都内では近くに広い公園がない、緑が少ないなど自然に触れにくくなっています。自然の中で子育てをしたいという希望が強いのであれば、それは都内では望めないでしょう。
しかし、等々力渓谷など都内でも自然に触れ合えるエリアがあります。自然に触れながら子育てを検討している方は、事前に周辺の環境を調べておくといいでしょう。
郊外のマンションを購入するメリット・デメリットとは?
続きましては、郊外のマンションを購入するメリットとデメリットについて解説します。
(1) 郊外のマンションを購入するメリット
①安く広い部屋に住める
やはり、都内に比べ土地が安価になるため、その分安くて広い間取りのマンションに住むことが可能になります。同じ広さでも都内のマンションと比較して安い金額で購入することができます。
これが、一番のメリットではないでしょうか。
②子育ての環境に適している
郊外では、自然豊かな環境での子育てができるので、子供にとっても健康的で充実した毎日を送ることが可能になります。
公園も広く、川や森が近所にあれば、常に自然に触れられます。
③行楽へ行きやすい
車で1時間も走れば、スキーや温泉などの行楽へ出かけやすいのもメリットの一つです。
都内に住んでいると出かけるのも一苦労ですが、郊外に住むことで行楽へ行きやすくなります。
(2)郊外のマンションを購入するデメリット
①資産価値の下がり方が早い
都内に比べて郊外のマンションは、資産価値が下がりやすいのが大きなデメリットとなります。
2045年市町村将来推計人口ランキングを見て頂ければ分かりますが、郊外は年々人口が減少している地域が多く、人口が減少すれば、住に対するニーズも減少しますので、そのためマンションの資産価値もが下がる可能性が高いと言えます。
②通勤時間がかかる
サラリーマンの方でしたら、通勤時間は2時間を超えてしまうとやはり体力が消耗してしまうでしょう。
通勤に往復で4時間もかかる場合、家族との時間を削ることになってしまいます。
また、最近では副業を始めるサラリーマンも多いため、そのような時間も捻出することが困難となってしまいます。
物件の購入と賃貸ではどちらの方がメリットが多い?
また、マンションの購入を検討するときに、賃貸と迷われている方も多いでしょう。しかし、全国的に持家に比べて借家は狭くなっており、都市中心部ではその傾向がより顕著となっています。
今まで家は狭くても「家は寝るための場所」として、通勤に便利な場所に住むことが最優先だと考える人も多かったようです。
しかしコロナ禍により、「住まい」としての役割に加えて「リモートワーク」、「在宅ワーク」のスペースを求める人が増加し、従来よりも少し広い住宅を求める傾向が強くなったようです。
マイナス金利の実施により、住宅ローンの金利は史上最低金利と言われてきました。同じスペックの物件でも、賃貸より購入した方が安くなるケースが多くあります。
また、2021年度税制改正により、2021年より一定要件を満たす40㎡以上の住宅に係る借入金も、住宅ローン控除の対象となりました。
よって、不動産の購入は数多くの優遇措置を受けられてメリットが大きいと言えます。
一方、賃貸に関しては、2022年4月のアットホームの調査によりますが、1都3県の平均家賃が上昇傾向にあり、特に都内のファミリー向けマンションの家賃上昇は最も大きい6.1%になっています。
とは言え、住まいは長い目でみないといけません。よって、購入した方がいいのか、賃貸のままがいいのかについて悩まれている方は、ぜひ当社のファイナンシャルプランナー(FP)に一度相談してみてください。
また、弊社には16,000件の相談データを元に開発された、簡単に資産管理ができる「マネソル」(特許あり)というアプリがあります。銀行などの金融機関とのデータ連携ができることから、家計簿の機能から詳細の資産管理まで一元管理することができます。不動産購入など自分のライフプランを何度でもシミュレーションすることができますので、お金をちゃんと管理したいという方はぜひ活用してみてください。
結論:都内と郊外どちらのマンション購入が良いか?
結論として、将来的な資産価値を重視するのであれば、やはり都内にマンションを購入する方が望ましいです。
しかし、都内とは言え資産価値が下がるエリアも中にはあります。どのエリアのどのようなマンションは資産価値が落ちにくいのかについて詳しく知りたい方は、ぜひ弊社の経験豊富なファイナンシャルプランナー(FP)に相談してみてください。
まとめ
ファミリー向けのマンションを購入する際、資産価値を意識するのであれば郊外よりも、都内に購入する方が良いでしょう。
しかし、都内のマンションは良いことばかりではなく、管理費や修繕積立費用が多くかかることや、騒音の問題、さらに自然豊かな環境で子育てができないなどのデメリットもあります。 よって、マンション購入の際は、購入したいマンションの条件を明確にし、それにあったマンションを選ぶことが重要と言えます。
著者
- AFP、宅地建物取引士、DCプランナー、証券外務員一種、二種、内部管理責任者、不動産賃貸経営管理士、住宅ローンアドバイザー、日商簿記2級
☆「幻冬舎ゴールドオンライン」にて記事連載中☆
☆「NewsPicks」にて記事連載中☆
アジア金融の中心地であるシンガポールに10年間滞在。その後、外資系銀行にてプライベートバンカー、セールスマネジャー、行員向け経済学講師を経て独立系ファイナンシャルプランナー事務所を設立。著書に『58歳で貯金がないと思った人のためのお金の教科書』、『50代から考えておきたい“お金の基本”』。Bond University大学院でマーケティングと組織マネジメントを研究。経営学修士。
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