退職金にかかる税金は?FPが具体的な計算方法と得な受取り方を解説!
退職した会社員や退任した役員に支払われる退職金は、終身雇用制が基本だった日本では多くの企業に導入されている制度です。
貰う側の会社員にとっても大切な老後資金となるので、支給される金額と同じくらい「いくら税金がかかるのか?」は気になるでしょう。
本記事では、退職金にかかる税金の基本や計算方法、そして様々なケースにおいて少しでも得をする方法についてFPが徹底解説します。
退職金にかかる税金は3種類
退職金は受け取り方によって相違がありますが、一般的には3種類の税金が課税されます。
まずは退職金にかかる税金について、その内容と課税方法を確認してみましょう。
(1)所得税
退職金は、毎月支給される給与や何度か支給される賞与と同じように個人の所得になるので、所得税がかかります。
個人の所得は10種類に区分されていますが、退職金は一般的には「退職所得」に区分されています。
退職所得は、原則として他の所得と分離して所得税額を計算し(分離課税)、税負担が軽くなるよう考慮されているのが特徴です。
退職所得の金額は下記の算式で求められ、勤続年数が長いほど退職所得控除額が多くなります。
- 「課税退職所得金額=(退職金の収入金額-退職所得控除額)×2分の1」
退職所得控除額を計算するとき、1年未満の端数があるときはたとえ1日であっても1年として計算します。
また、計算した金額が80万円未満の場合は、退職所得控除額は80万円になります。
退職所得は累進課税となっていて、所得に対して以下の税率で所得税が課税され、一般的には会社が源泉徴収をして納付するので、退職所得の源泉徴収票をみると税額が分かるでしょう。
- ※所得税の税額表(求める税額=①×②-③)
課税退職所得金額① | 税率② | 控除額③ |
1,000円~1,949,000円 | 5% | 0円 |
1,950,000円~3,299,000円 | 10% | 97,500円 |
3,300,000円~6,949,000円 | 20% | 427,500円 |
6,950,000円~8,999,000円 | 23% | 636,000円 |
9,000,000円~17,999,000円 | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円~39,999,000円 | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円以上 | 45% | 4,796,000円 |
なお、被相続人の死亡によって、死亡後3年以内に支払が確定した退職金が、相続人などに支払われた場合には、相続税の課税対象になるので所得税は課税されません。
(2)住民税
退職金には国の税金である所得税以外に、都道府県民税や市区町村民税の住民税がかかります。
税率は一律で10%となっており、そのうち4%が都道府県税、6%が市区町村税です。
退職所得として計算された所得にかかる住民税は、退職金を受け取った年に納める現年課税制度なので、翌年の住民税が退職金で高くなることはありません。
(3)復興特別所得税
復興特別所得税とは、2011年3月11日に発生した東日本大震災からの復興施策に必要な財源を確保するための付加税です。
課税される期間は2037年までで、退職所得に課税される所得税の2.1%の復興特別所得税がかかります。
退職金の受取り方は3つ!課税額の計算方法について
退職金の受取り方は、「一時金として一括で受取る」「年金として分割して受取る」、あるいはこの2つを併用することがほとんどです。
退職金といっても受取り方で税金の計算方法は変わってくるので、それを知ることで自分にとって損のない選択ができます。
(1)「一時金」として一括で受取る
退職金と聞けば多くの方がイメージするのは、一時金として一括して受取るパターンではないでしょうか。
一時金として一括して受取る場合は、さきほど説明した「退職所得」として課税されることになります。
つまり勤続年数に応じて退職所得控除が増え、控除後の金額を1/2にするなどの優遇措置が受けられ、他の所得と損益通算されない分離課税です。
また、在職中に障害者になったことが直接の原因で退職した場合には、退職所得控除額に100万円を加算します。
ただ、5年以内の短期間で退職した場合には、課税される退職所得の計算方法が違い、役員の場合と従業員の場合でも差異があります。
役員が5年以内に退任し支払われる退職金は、「特定役員退職手当等」に分類され、勤続年数に応じて退職所得控除額を差し引くことができますが、その後1/2にすることはできません。
- 「5年以内に退任した役員の退職所得=退職金-(40万円×勤続年数)」
従業員が5年以内に退職し支払われた退職金は、「短期退職手当等」に分類され、退職金から退職所得控除額を差し引いた金額が300万円以下か、300万円を超えているかによって取扱いが異なります。
- ※短期退職手当等の所得計算
退職金から退職所得控除額を差し引いた金額 | 課税退職所得の金額 |
300万円以下 | (退職金-退職所得控除額)×1/2 |
300万円超 | 150万円+(退職金-(300万円+退職所得控除額)) |
厚生労働省が公表しているデータ(平成30年時)によれば、退職金制度を導入している企業のうち73.3%が退職金を一時払いでのみ対応しているので、もっともポピュラーな税金計算といえるでしょう。
(2)「年金」として分割で受取る
退職金を年金として分割で受取る場合は、退職金であっても退職所得ではなく「雑所得」として課税されることになります。
支払われていない部分は、会社が資産運用することによって、その運用益を期待できるとことがメリットです。
ただデメリットもあり、退職年金には退職所得のような税制上の優遇措置がないので、トータルでかかる税金が多くなる傾向があります。
年金として受取る場合の雑所得の計算は、公的年金等控除が適用されますが、退職年金以外の公的年金等も合算した収入から、公的年金等控除額を引いた金額が課税される所得です。
退職年金と合算される公的年金等とは以下のものがあり、生命保険会社の個人年金は別に所得が計算されます。
- ✅国民年金や厚生年金、厚生年金基金
- ✅企業年金(確定給付年金 確定拠出年金 など)
- ✅個人型確定拠出年金(iDeCo)
また公的年金等控除額は、公的年金等以外の所得金額によって変わってきますが、ここでは公的年金等以外の合計所得が1,000万円以下の場合の公的年金等控除を掲載します。
年齢 | 公的年金等の収入金額 | 公的年金等にかかる雑所得の金額 |
65歳未満 | 60万円以下 | 0円 |
60万円超 130万円未満 | 収入金額の合計額 – 60万円 | |
130万円以上 410万円未満 | 収入金額の合計額 × 0.75 – 27万5千円 | |
410万円以上 770万円未満 | 収入金額の合計額 × 0.85 – 68万5千円 | |
770万円以上 1,000万円未満 | 収入金額の合計額 × 0.95 – 145万5千円 | |
1,000万円以上 | 収入金額の合計額 – 195万5千円 | |
65歳以上 | 110万円以下 | 0円 |
110万円超 330万円未満 | 収入金額の合計額 – 110万円 | |
330万円以上 410万円未満 | 収入金額の合計額 × 0.75 – 27万5千円 | |
410万円以上 770万円未満 | 収入金額の合計額 × 0.85 – 68万5千円 | |
770万円以上 1,000万円未満 | 収入金額の合計額 × 0.95 – 145万5千円 | |
1,000万円以上 | 収入金額の合計額 – 195万5千円 |
公的年金等控除後の雑所得金額は、総合課税なので他の所得(給与所得や不動産所得、一時所得)と合算して課税されます。
所得税率は、先ほど掲載した所得税率と同じなので、収入が多く税率が高い人ほど税負担は大きいことが分かるでしょう。
(3)「一時金」と「年金」を併用
会社によっては、一時金として受取るのと退職年金として受取るのを併用できる場合があります。
これも厚生労働省のデータですが、退職金制度のある企業の18.1%が、両制度を併用していて、2つの制度のメリットを最大化できることが可能性です。
一時金と年金を併用した場合は、一時金は退職所得として、年金は雑所得として所得税が課税されます。
つまり組み合わせ方によっては、トータルの税負担が少なくなるのですが、雑所得の金額を増やすと税額以外に国民健康保険や介護保険の負担にも影響が出ます。
他の収入との兼ね合いもあるので、どのように組み合わせるかについてはFPなどの専門家に相談することがおすすめです。
(4)「一時金」と「年金」どっちが得?
ここまで見てきたように、退職金は受取り方で税金の計算が異なり、手元に残る金額も変わってきます。
税金だけを考えるなら、一般的なケースでは退職一時金として受取った方が負担は軽くなり手取り額は多くなるでしょう。
これは退職所得控除と所得を1/2に出来るという優遇措置のお陰で、勤続期間が長くなるほど恩恵が大きくなります。
また退職金額は、雇用保険・障害年金・遺族年金などと同じで、国民健康保険料の計算の対象にならない点も大きなメリットです。
ただ、年金として受取る場合は運用利回りが加算される可能性があり、勤務先によっては一時金と併用できるケースもあるので、シミュレーションは必要です。
退職金いくらかかる?実際に税金を計算してみよう
退職といっても様々なケースがあり、定年退職まで1社で勤め上げることもあれば、60歳になる前の途中で退職者となることもあります。
様々なパターンがあるので、退職金の支給額も様々となることから、具体的なケースをもとに、退職金にかかる税金を計算してみましょう。
なお、年金として受取る前提は60歳から10年間の均等割りで一定額を受取るものと仮定し、運用益などは考慮しないものとします。
(1)勤続年数4年で退職金500万円の場合
まずは勤続年数が4年で退職し、退職金の支給額が500万円だった場合の税額を試算してみます。
①一時金として受取る場合
500万円の退職金を一時金として受取る場合ですが、勤続年数が4年なので短期退職手当等になります。
課税所得は、以下の計算式で求められます。
- 「150万円+(500万円-(300万円+40万円×4年))=190万円」
課税退職所得は190万円なので、所得税・復興特別所得税・住民税の税額は、それぞれ以下の金額です。
税目 | 計算式 | 税額 |
所得税 | 190万円×5% | 95,000円 |
復興特別所得税 | 95,000円×2.1% | 1,995円 |
住民税 | 190万円×10% | 190,000円 |
税額の合計は286,995円となり、実質的な負担割合は5.74%です。
②年金として分割で受取る場合
500万円の退職金を年金として10年間の分割で受取る場合、1年間に受取る金額は50万円になります。
他の公的年金の受取がないと仮定すれば、65歳以下の公的年金控除の最低額60万円を下回るので、税額は以下の通り0円です。
税目 | 計算式 | 税額 |
所得税 | 0円×5% | 0円 |
復興特別所得税 | 0円×2.1% | 0円 |
住民税 | 0円×10% | 0円 |
(2)勤続年数12年退職金1,000万円の場合
次のケースは、勤続年数12年で退職金が1,000万円ですが、中途退職では比較的見られるものではないでしょうか。
①一時金として受取る場合
1,000万円を一時金として受取る場合の課税所得は、以下の通りの計算式で求められます。
- 「(1,000万円-(40万円×12年))×1/2=260万円」
課税所得が1,000万円なので、各税額は次の通りとなり合計額は425,912円となり、実質負担率は4.26%です。
税目 | 計算式 | 税額 |
所得税 | 260万円×10%-97,500円 | 162,500円 |
復興特別所得税 | 162,500×2.1% | 3,412円 |
住民税 | 260万円×10% | 260,000円 |
②年金として分割で受取る場合
1,000万円を10年分割で受取ると年額が100万円となるので、65歳までの5年間は公的年金控除の最低額を上回り、雑所得として課税されます。
65歳までの課税所得は「100万円-60万円=40万円」なので、1年間の税額は以下の通りです。
税目 | 計算式 | 税額 |
所得税 | 40万円×5% | 20,000円 |
復興特別所得税 | 20,000円×2.1% | 420円 |
住民税 | 40万円×10% | 40,000円 |
1年間の税額が60,420円なので5年間のトータルは302,100円となり、実質的な負担率は3.02%となります。
まだ一時金として受取る場合より安いように見えますが、これに国民健康保険料の負担(東京都練馬区の場合所得の11.82%)が23万円以上増えることには留意が必要です。
(3)勤続年数28年退職金2,500万円の場合
勤続年数は28年で退職金2,500万円というのは、大企業の平均額2,230万4千円(大卒者:出典「厚生労働省・令和3年賃金事情等総合調査」)を上回る高額といえます。
これだけ貰えた場合の税金はいくらになるのか気になりますが、一時金の場合と退職年金の場合で計算してみましょう。
①一時金として受取る場合
2,500万円の退職金を一時金として受取る場合、課税される退職所得は以下の通りとなります。
- 「2,500万円-(800万円+70万円×(28年-20年))×1/2=570万円」
勤続年数による退職所得控除もさることながら、金額が多いほど1/2という税制優遇措置が大きいことが分かります。
課税退職所得は570万円なので、所得税・復興特別所得税・住民税の税額は、それぞれ以下の金額です。
税目 | 計算式 | 税額 |
所得税 | 570万円×20%-427,500円 | 572,500円 |
復興特別所得税 | 572,500×2.1% | 12,022円 |
住民税 | 570万円×10% | 570,000円 |
税額の合計は、1,154,522円となり実質負担率は4.618%となりますが、所得税率が20%になるので負担は大きくなってしまいます。
②年金として分割で受取る場合
2,500万円の退職金を10年間の均等で受取ると、1年間で250万円という金額になりますが、65歳までの5年間とそれ以降の課税所得は以下の通りです。
- ✅(65歳まで) 250万円×0.75-275,000円=160万円
- ✅(65歳以降) 250万円-110万円=140万円
雑所得として課税される金額が65歳を境に変わってくるので、税額もそこを境に変わってきますが、それぞれ以下の通りの税額です。
- ※65歳まで
税目 | 計算式 | 税額 |
所得税 | 160万円×5% | 80,000円 |
復興特別所得税 | 80,000×2.1% | 1,680円 |
住民税 | 160万円×10% | 160,000円 |
- ※65歳以降
税目 | 計算式 | 税額 |
所得税 | 140万円×5% | 70,000円 |
復興特別所得税 | 70,000×2.1% | 1,470円 |
住民税 | 140万円×10% | 140,000円 |
65歳までの年間税額が241,680円、65歳以降の年間税額が211,470円なので、10年間トータルすると2,265,750円となり、実質負担率は9.06%にもなります。
先ほども触れたとおり国民健康保険の負担や、その他の所得がある場合はさらに税負担が増えることに注意が必要です。
退職金の税金はいつ払うの?
退職金にかかる税金は一時金として受取る場合、支払者(勤務先)が税額計算をして源泉徴収し、税務署や市区町村へ支払うので、通常は受け取る個人は何もする必要はありません。
退職年金として受取る場合は、年金の支払者である共済会が、年金を支払う際に所得税を源泉徴収することとなっています。
共済会は、退職年金受給者へ「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」の提出を求めるので、それを提出した場合は所得税・復興特別所得税として5.105%の税額が源泉徴収されます。
この申告書を提出しないと、10.21%の税額が控除されますが、一般的には公的年金など他の所得があるはずなので、最終的には合計所得金額をもとに確定申告書を提出し、年税額と源泉徴収税額の清算をする必要があります。
退職金は前払いはできる?
退職金は、一般的には会社員が退職したタイミングで受取るものですが、これを退職前に受取ることはできるのでしょうか。
実は会社によっては「前払い退職金制度」があり、最初に導入した事例は1998年に松下電器産業(現在のパナソニック)が導入した「全額給与支払い型社員制度」だと言われています。
先に受取れることで毎月の手取り額が増えるのですが、この制度の利用には注意が必要です。
前払い退職金は、退職所得ではなく給与所得として所得税や住民税の課税対象になるだけではなく、社会保険料の計算対象となります。
結果的に退職時に一時金として受取るケースや、退職後に年金として受給する受け取り方法と比べ、手元に残る総額は大きく減ってしまうことになります。
前払い退職金制度がある会社では、入社時に「退職金にするか前払いにするか」選択をしなければならないことがあり注意が必要です。
確定申告をすると税金還付受けられる場合がある
会社を退職するときに、「退職所得の受給に関する申告書」を前もって提出しておけば、退職金にかかる税金は会社が計算して、控除と納付をしてくれるので確定申告などは不要です。
ただ、この申告書を提出し忘れてしまうと、退職所得控除が適用されないため、所得税と復興特別所得税が一律20.42%で源泉徴収されてしまいます。
このようなケースでは、退職所得の確定申告をすることで多く引かれ過ぎた所得税などの還付を受けられます。
また「退職所得の受給に関する申告書」した場合であっても、追加で以下のような所得控除を受けられるときは、確定申告をしましょう。
- ✅10万円以上の医療費を払った場合の「医療費控除」
- ✅生命保険を払っている場合の「生命保険料控除」
- ✅国民健康保険料や社会保険の任意継続保険料を支払っている場合の「生命保険料等控除」
- ✅ふるさと納税など寄付行為をした場合に「寄附金控除」
- ✅住宅ローン等を利用してマイホームの取得等をしたときの「住宅ローン控除」
もし上記のような控除を受けられる場合は、確定申告をしましょう。
老後のため退職金は資産運用すべき?
一昔前までであれば「退職金と年金で老後は悠々自適」といったイメージがありましたが、最近ではその両方が目減りしています。
それに加え、昔より平均寿命が延びていて、それは老後の必要資金が多くなっていることと同義です。
そのため老後のお金の不安は高まり、退職金を食いつぶすだけでは不安な時代になっています。
その不安を解消するための手段の一つが退職金を利用した資産運用で、少しでも退職金の目減りを減らすことがオススメです。
もちろん大事な退職金を高リスクな投資に向けるのは避けるべきなので、老後のライフプランをよく検討し、資産形成のことを考えましょう。
退職金の資産運用について、詳しくは下記記事を参照にしてみてください。
退職金の運用で不安な方はFPに相談
老後の生活を考えるうえでも、退職金というまとまったお金は大事なものですし、資産運用といっても不安を覚えるのではないでしょうか。
そのようなときに利用を考えて欲しいのが、マネーの専門家FPなのですが、FPに何が相談できて、どのようなメリットがあるのか考えてみましょう。
(1)FPに何が相談できる
FPとは日本の国家資格で、経済的な側面から人生の夢や目標をかなえるための「ファイナンシャルプランニング」をサポートする専門家です。
FPに相談する内容は多岐にわたり、家計にかかわる金融、税制、不動産、住宅ローン、保険、教育資金、年金制度など、人生のお金に関わるものを網羅します。
ではFPに何が相談できるのかを具体的に挙げると、次のようなものが代表的な事例になります。
家計管理 | 日々の家計管理、将来のための貯蓄方法 など |
老後の生活設計 | 老後の生活資金の準備方法、老後の生活設計方法 など |
教育資金 | 教育資金の準備方法、奨学金の活用 など |
年金・社会保険 | 公的年金制度の仕組み、社会保障制度の仕組み など |
住宅資金 | 住宅ローンの借り方、住宅ローンの繰上げ返済と借換え方法など |
資産運用 | 退職金の運用方法、投資信託などの金融商品の仕組み など |
税制 | 医療費控除や配偶者控除などの仕組み、税金などの仕組み など |
保険 | 保険の仕組み、必要な死亡保障・医療保障の考え方 など |
介護・医療費 | 介護費用の準備方法、介護保険制度の仕組み など |
相続・贈与 | 遺言や相続に関する準備方法、子や孫への資金贈与 など |
退職金の資産運用の前に考えなければならないのは、「何のために」「いくら必要なのか」を知り、そのための運用方法を検討することです。
資産運用の初歩といえることですが、これを相談することで不安の多くは解消されるでしょう。
より詳しく知りたい方は、下記記事を参照にしてみてください。
(2)FPに相談するメリット
ニュースなどを見ていると、最近目にとまるのは「大手企業の部長だったのに老後破産」といった不安をあおるようなものです。
これを「老後の生活見込みが甘かった」といって切り捨てるのは簡単ですが、実は誰にでもあり得ることです。
FPに相談することで、老後資金の必要額が明確になるだけだはなく、現在の日常生活費の問題や無駄な支払いなど、支出の見直しができます。
意外と長年続けてきた支出の中に無駄が含まれているもので、FPの視点でチェックしてもらうことでそれが明らかになるケースが多く見られます。
退職金を利用した資産運用は、老後のライフプランの一部分にすぎないので、まずは全体像を知ることが、FPに相談する何よりのメリットなのです。
実際に弊社にあった相談事例を公開していますので、合わせてチェックしてみてください。
まとめ
今での日本企業の約80%が導入している退職金制度ですが、勤め人にとって老後資金として計算できる貴重な収入です。
本記事でも解説したとおり、受取り方などによって手元に残る金額は大きく変わります。
知識が無いばかりに無駄な税金を払うことは、老後生活にとってはマイナスでしかありません。
FPへ相談することで退職金の仕組みをよく理解し、同時に退職金を食いつぶしても大丈夫なのか、ライフプランなども見直しましょう。
著者
- AFP、宅地建物取引士、DCプランナー、証券外務員一種、二種、内部管理責任者、不動産賃貸経営管理士、住宅ローンアドバイザー、日商簿記2級
☆「幻冬舎ゴールドオンライン」にて記事連載中☆
☆「NewsPicks」にて記事連載中☆
アジア金融の中心地であるシンガポールに10年間滞在。その後、外資系銀行にてプライベートバンカー、セールスマネジャー、行員向け経済学講師を経て独立系ファイナンシャルプランナー事務所を設立。著書に『58歳で貯金がないと思った人のためのお金の教科書』、『50代から考えておきたい“お金の基本”』。Bond University大学院でマーケティングと組織マネジメントを研究。経営学修士。
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