不動産投資クラウドファンディングとは?おすすめ商品も合わせて紹介
少額から手軽に始められる不動産投資クラウドファンディング。
興味があっても「安全性が気になる」「そもそもどんな投資方法なのかがわからない」などの不安から、始められない人も多いでしょう。
この記事では、投資初心者でもわかるように、不動産投資クラウドファンディングの基礎知識やメリット・デメリットを徹底解説します。
記事の中におすすめの不動産投資クラウドファンディングも紹介しているので、是非最後までチェックしてみてください。
不動産投資クラウドファンディングとは
まずは不動産投資クラウドファンディングを知ってもらうために、以下の3点について解説します。
- 不動産投資クラウドファンディングとは
- REIT(リート)との違い
- ソーシャルレンディングとの違い
順番に見ていきましょう。
(1)不動産投資クラウドファンディングとは
不動産投資クラウドファンディングとは、運営会社が複数の投資家から資金を集めて投資物件を購入し、その物件から得た利益を分配金として投資家に還元する、ミドルリスク・ミドルリターンの投資手法です。
国土交通省が定める、不動産特定共同事業法の電子取引の許可を受けた「不動産特定共同事業者」のみが、不動産投資クラウドファンディングを運営できます。
投資家は物件を所有・管理することはなく、単純に出資と利益の受け取りのみを行います。
不動産投資クラウドファンディングで特徴的なのは、投資家と共同で運営会社も出資者となるところです。
さらに不動産投資クラウドファンディングには「優先劣後システム」といって、損失が出たときには一定割合までは運営会社が損失を被るという、投資家保護を考慮した独自の仕組みがあります。
(2)REITとの違い
REIT(不動産投資信託)と不動産投資クラウドファンディングの大きな違いは、「価格変動の有無」と「投資先の数」の2点です。
REITは投資信託の一種なので、株式投資と同じで価格が常に変動します。
一方、不動産投資クラウドファンディングは、得られる利益の変動はありますが、投資している不動産の価格が頻繁に変わることはありません。
また10以上の不動産に分散投資するREITとは異なり、不動産投資クラウドファンディングは原則、1つの投資案件につき1物件のみを対象不動産にします。
(3)ソーシャルレンディングとの違い
ソーシャルレンディングと不動産投資クラウドファンディングでは、投資の仕組みが大きく異なります。
ソーシャルレンディングは投資家が仲介業者を通じて、資金調達をしたい企業に金銭を貸与する、融資型の投資手法です。
企業は融資されたお金の利息を、仲介業者経由で投資家に分配します。
不動産投資クラウドファンディングの今後の動き
不動産投資クラウドファンディングサービスの市場規模は近年急激に増大しており、今後も発展し続ける見通しです。
不動産投資クラウドファンディングの出資額は、2018年時点では12.7億円程度でしたが、2022年には604.3億円にまで成長しています。
(参考:不動産特定共同事業(FTK)の利活用促進ハンドブック)
その背景には、2017年と2019年に不動産特定共同事業法の改正により、事業者が不動産投資型クラウドファンディングに参入する基準が緩和されたことが影響しています。
基準の緩和により運営会社が倍増し、商品やシステムが充実したことで市場の活性化が急速に進みました。
物価上昇や年金問題などによる金銭面の不安から、資産運用への関心が高まっていることもあり、小口化した不動産投資の需要は今後も拡大していくと考えられます。
近い将来、クラウドファンディングを通じて、誰もがインターネット上で気軽に不動産投資をする時代が来る可能性も十分にあるでしょう。
不動産投資クラウドファンディングのメリット
不動産投資クラウドファンディングで得られるメリットには、以下の5つが挙げられます。
- 少額投資が可能
- 優先劣後システムでリスク回避できる
- 不動産を所有する手間や費用がかからない
- 利回りが高い
- インカムゲインによる収益で安定性が高い
それぞれのメリットについて解説します。
(1)少額投資が可能
不動産投資クラウドファンディングでは、最低出資金額を1万円に設定している運営会社がほとんどなので、投資資金が少ない人でもオンライン上で気軽に投資可能です。
ただし出資金が少額だと、その分リターンも少なくなるため、ある程度まとまった資金で投資することをおすすめします。
(2)優先劣後システムでリスク回避できる
不動産投資クラウドファンディングならではの優先劣後システムにより、損失を被るリスクを抑えることができます。
優先劣後システムとは、万が一損失が出た場合でも、一定割合までは運営会社が損失を補填してくれる仕組みです。
つまり損失額が運営会社の補填対象内であれば、元本の毀損を回避できます。
(3)不動産を所有する手間や費用がかからない
不動産投資クラウドファンディングでは、不動産を保有した場合の手間や費用がかかりません。
現物不動産を購入し、所有権を持った場合、不動産屋に支払う管理手数料・リノベーション費用・固定資産税など、不動産運用のためのさまざまな費用が必要です。
また、部屋の借り手の募集や日々の清掃など、物件を管理する手間もかかります。
一方、不動産投資クラウドファンディングで利用者がやることは、基本的に投資金を支払い、リターンを受け取るだけです。
建物の管理・維持は事業者が行うため、ほったらかし投資スタイルで問題ありません。
(4)利回りが高い
不動産投資クラウドファンディングは、配当利回りの高さが魅力の投資商品です。
具体的には、ファンドにもよりますが、だいたい年利4〜10%の間の商品が多いです。
大手銀行の定期預金(10年)の金利が0.2%、個人向け国債(10年)の金利が0.5%程度であることを考えると、かなり収益性が高いことがわかります。
(5)インカムゲインによる収益で安定性が高い
不動産投資クラウドファンディングの収益は、投資した不動産(賃貸住宅など)から得られる定期的な家賃収入(インカムゲイン)がメインです。
そのため、入居者がいて賃料収入さえ確保できれば、大きな損失が出ることはなく、安定的な収益源といえます。
また売却益(キャピタルゲイン)狙いの株式投資のように、値動きを気にしたり、投資判断を迫られたりすることもないため、会社員でも本業に集中しながら運用益を取得できます。
不動産投資クラウドファンディングのデメリット
不動産投資クラウドファンディングで注意すべきデメリットとして、以下の3つが挙げられます。
- 元本保証ではない
- 人気のため投資できない
- 途中解約できないのが殆ど
それぞれのデメリットについて解説します。
(1)元本保証ではない
不動産投資クラウドファンディングは、元本割れリスクがある投資商品です。
元本とは投資した金額のことです。
そして元本割れとは、運用終了時に出資分よりも安い金額で手元に戻ってくる、つまり損をしてしまうことを意味します。
ただし、不動産投資クラウドファンディングには、一定割合までは運営会社が損失を補填してくれる優先劣後システムがあるため、元本割れリスクはそこまで高くないでしょう。
また、運営会社の倒産によって元本が割れる可能性もあります。
信頼度の高い運営会社の不動産投資クラウドファンディングを選択することで、運営会社の倒産リスク対策になります。
(2)人気のため投資できない
不動産投資クラウドファンディングの需要が高まっているため、申込みたいプロジェクトがすぐに募集終了してしまい、投資したくてもできないということが多々あります。
先着順だと応募が殺到して、募集開始から数分で埋まってしまうケースもあることから、最近では抽選方式を導入している事業者もいます。
投資機会を逃さないために、複数のサービスに登録してこまめに新規募集の物件情報や募集期間をチェックするなど、アンテナを張っておくことが重要です。
(3)途中解約できないのが殆ど
不動産投資クラウドファンディングは流動性(換金性)が低く、運用期間中に途中解約ができないのが一般的です。
中には償還前に途中解約ができる商品もありますが、解約手数料がかかることで戻ってくるお金が減ってしまう可能性もあります。
そのため、使う予定のない銀行預金など、余剰資金で投資することをオススメします。
不動産クラウドファンディングでおすすめの商品10選
数ある不動産投資クラウドファンディングの中から、不動産投資のプロが厳選した10社をランキング形式で紹介します。
【1位】COZUCHI(コヅチ)
運営会社名 | LAETOLI株式会社 |
設立 | 1999年 |
資本金 | 1億円 |
公式サイト | https://cozuchi.com/ |
年間10%以上の高利回り物件を扱っていながら、これまで元本割れの発生件数ゼロという運用実績を持つ不動産投資クラウドファンディングです。
業界No.1の案件数・累計募集総額を誇り、短期運用から中長期運用までさまざまな期間の多様な商品を扱っているため、個人投資家から人気を集めています。
また途中解約ができるのも、他社にはないメリットといえるでしょう。
【2位】TECROWD(テクラウド)
運営会社名 | TECRA株式会社 |
設立 | 2001年 |
資本金 | 1億5,660万円 |
公式サイト | https://tecrowd.jp/ |
国内だけでなく、海外不動産に投資するプロジェクトにも力を入れている不動産投資クラウドファンディングです。
一口10万円からと最低投資金額が他社よりも高めですが、扱っている商品の平均利回りが8%と高く、ハイリターンが期待できます。
また今までの元本割れ・配当遅延件数は共に0件で、安定した運用が実現できています。
【3位】CREAL(クリアル)
運営会社名 | クリアル株式会社 |
設立 | 2011年 |
資本金 | 1,239,052,900円 |
公式サイト | https://creal.jp/ |
東証グロース市場に上場している会社が運営する不動産投資クラウドファンディングです。
取扱いファンド数が多く、需要の高い好立地のマンションや、地域創生につながる保育園など、投資対象物件が豊富です。
マスターリース契約を導入するなど、リスクに備えた物件管理の体制を実施しています。
【4位】RIMPLE(リンプル)
運営会社名 | プロパティエージェント株式会社 |
設立 | 2004年 |
資本金 | 6億1,873万円 |
公式サイト | https://funding.propertyagent.co.jp/ |
運営会社の親会社が東証プライム市場に上場しており、安全性の高い不動産投資クラウドファンディングです。
また事業者の劣後出資割合が30%と高く、損失が出た場合の投資家のリスクを最低限に抑えているのも好印象です。
【5位】利回りくん
運営会社名 | 株式会社シーラ(英文社名:SYLA Co., Ltd.) |
設立 | 2010年 |
資本金 | 2億9,600万円 |
公式サイト | https://rimawarikun.com/ |
「応援型不動産クラウドファンディング」をコンセプトにした、空き家再生などの社会貢献度の高い案件を多く提供しています。
また不動産管理事業で入居率99%以上を達成していることや、グループ会社が米国のNASDAQ市場上場を果たすなど、運営会社の経営状況が安定しているのも魅力的です。
【6位】72CROWD.(クラウド)
運営会社名 | 株式会社インヴァランス |
設立 | 2004年 |
資本金 | 1億4,300万円 |
公式サイト | https://72crowd.com/ |
資産価値の高い東京23区内の駅近デザイナーズマンションを中心として、ファンドを組成している不動産投資クラウドファンディングです。
運営会社がマンション開発・賃貸管理・売買を一貫して行う収益不動産のプロであるため、安心感があります。
【7位】ASSECLI(アセクリ)
運営会社名 | 株式会社エボルゾーン |
設立 | 2019年 |
資本金 | 1億円 |
公式サイト | https://assecli.com/ |
主に一棟ものの収益物件(アパートなどの居住用不動産・商業ビル)を対象にした不動産投資クラウドファンディングです。
利率の目安は4〜8%と比較的利回りが高く、また運用期間の短い案件を取り扱っているので、短期間で効率的な運用を希望する人は要チェックです。
【8位】GOLD CROWD(ゴールドクラウド)
運営会社名 | ゴールドトラスト株式会社 |
設立 | 2006年 |
資本金 | 1億円 |
公式サイト | https://aggcrowd.jp/ |
愛知県で不動産事業を幅広く手がける、実績豊富な不動産投資会社が運営しています。
今後も需要が見込めるグループホームなど、介護事業関連の不動産を投資対象にしているのが特徴的です。
【9位】property+(プロパティプラス)
運営会社名 | 株式会社リビングコーポレーション |
設立 | 2015年 |
資本金 | 1億円 |
公式サイト | https://propertyplus.jp/ |
運営会社が東証プライム上場企業「飯田グループホールディングス」傘下の不動産会社で抜群の信頼性があるため、安全性重視の人には最適です。
過去に想定利回り10%・運用期間3ヶ月の自社開発プロジェクトを何度か募集しているため、狙いたい人は事前に無料会員登録して、新着物件情報をメールで受け取れるようにしておきましょう。
【10位】利回り不動産
運営会社名 | 株式会社ワイズホールディングス |
設立 | 2014年 |
資本金 | 1億円 |
公式サイト | https://rimawari.co.jp/ |
区分マンションなど投資用の不動産売買・管理に強みを持つ会社が運営している不動産投資クラウドファンディングです。
満室保証によって空室リスクを回避する仕組みを導入しています。
また投資額に応じてその他、下記のような比較サイトもあるので参考にしてみると良いかもしれません。
不動産クラウドファンディングおすすめ12選を比較【体験談・感想あり】|サクフリブログ
まとめ
今回は、不動産投資クラウドファンディングについて詳しく解説しました。
不動産投資クラウドファンディングは、自己資金が少なくても気軽に始められる新しい不動産投資であり、その市場は今後さらに成長が見込まれています。
元本割れリスクがあるなど注意点についても把握した上で、自分自身の資産形成のポートフォリオに組み込んでみましょう。
著者
- AFP、宅地建物取引士、DCプランナー、証券外務員一種、二種、内部管理責任者、不動産賃貸経営管理士、住宅ローンアドバイザー、日商簿記2級
☆「幻冬舎ゴールドオンライン」にて記事連載中☆
☆「NewsPicks」にて記事連載中☆
アジア金融の中心地であるシンガポールに10年間滞在。その後、外資系銀行にてプライベートバンカー、セールスマネジャー、行員向け経済学講師を経て独立系ファイナンシャルプランナー事務所を設立。著書に『58歳で貯金がないと思った人のためのお金の教科書』、『50代から考えておきたい“お金の基本”』。Bond University大学院でマーケティングと組織マネジメントを研究。経営学修士。
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