宅建とFPのダブル資格で有利になる転職・就職先3選!その理由も解説!
「キャリアアップに向けて資格取得をしたいけど、宅建とFPってどちらの方がメリットがあるんだろう?もしダブル資格で有利になるなら挑戦してみようかな?」
未経験から正社員への就職や、より良い転職に向けて、資格取得を考えたときに、宅建とFPはどちらも人気の高い資格になります。
周囲との差別化をはかるためにも、宅建とFPの資格をダブルで取得しようと考える人も少なくありません。
こちらの記事では、宅建とFPをダブルで取得することで得られるメリットや、有利になる転職先について詳しく解説していきます。
FP(ファイナンシャルプランナー)の仕事内容
FP(ファイナンシャルプランナー)は人生とお金に関する幅広い知識を得られる資格になります。
FPは、主に個人のライフプランニングをサポートしますので、家計管理や支出管理はもちろん、不動産や保険、年金や相続、資産運用など、多岐に渡ってお金に関するアドバイスをすることができます。
特に、銀行や保険会社などの金融業界で重視される資格になります。
国家資格としてのFPは3級、2級、1級とありますが、3級は比較的取得しやすく学生や主婦の取得者も多く、1級は一気に難易度が跳ね上がることもあり、転職、就職で活かすとなると2級が現実的な目標になるケースが多いでしょう。
宅建(宅地建物取引士)の仕事内容
宅建(宅地建物取引士)とは、不動産に関する国家資格であり、不動産取引の専門家であることを示すことができます。
宅建資格では不動産実務に必要な宅建業法、民法、税金関係など幅広い知識を得ることができるため、不動産業務に活かすことができます。
また、宅建士でなければできない独占業務があるため、宅建業者は積極的に宅建士の資格保有者を採用していますので、不動産業界への転職、就職はおすすめになります。
多くの不動産会社においては、宅建士を保有している社員への資格手当の支給や、資格取得の支援をしており、年収アップにもつながる資格としても人気があります。
FPと宅建をダブルで資格を取得する5つのメリット
FPと宅建は単体の資格としても十分にメリットがあります。
その上で、FPと宅建をダブルで資格取得することでさらなるメリットとして5つ解説していきます。
(1)不動産、税金など重複する内容があり勉強しやすい
FPと宅建は重複する内容があり、資格取得までの勉強でも相乗効果を得られます。
具体的には、不動産関連の分野では共通項が多いですし、税金などお金に関する部分もどちらの資格でも学ぶ必要があります。
すでに学習した範囲の内容であれば、比較的スムーズに学習を進めることができ、効率よく資格取得をすることができるでしょう。
試験範囲が重複しない部分があったとしても、関連業界の知識として、知っていることでより理解が深まりますので、実際の実務に活かすこともできますし、記憶に定着しやすくなるなど多くのメリットが得られます。
(2)金融、不動産など幅広い知識がある
金融、不動産のどちらにも詳しい知識を得られるのは、ダブルライセンスを取得する過程で得られるメリットになります。
住まいの売買や賃貸と、ライフプランやお金の問題は密接に関わっています。
どちらの分野にも幅広い知識を持つことで、仕事はもちろん、日々の生活に活かしていくこともできるでしょう。
(3)就職できる幅が広がる
FPと宅建をダブルライセンスすることによって、それぞれの業界で希少な人材になることができます。
具体的には、お金に関する知識も豊富な宅建士であれば、不動産の良し悪しに加えて、不動産売買を検討しているお客様のライフプランにも踏み込んでアドバイスができるでしょう。
また、不動産知識に特化したFPであれば、支出管理だけでなく、実際に住まいに関する費用や引越し先の選定などの具体的なアドバイスもしていけるはずです。
このように、金融と不動産のどちらにも詳しい人材であることで、仕事の幅が広がることによって、就職先の選択肢も広がっていくでしょう。
(4)資格手当など給与に有利
FPと宅建を保有していることで資格手当を支給してくれる会社も増えてきています。
両方の資格を保有することで、それぞれの資格手当を受け取ることができれば月給アップ、さらには高年収につながっていきます。
もちろん、資格手当だけでなく、ダブルで資格を持っていることで業務の幅も広がれば、基本給や成果給のアップにもプラスの評価を受けられる可能性もあります。
また、資格取得に向けてきちんと時間管理や努力ができるという評価を得られるかもしれません。
(5)独立するにも有利
宅建とFPを両方保有することで、独立をする際にも有利になります。
例えば、宅建を保有することで自分一人でも不動産会社を開業することができます。
宅建業者として不動産業を営みながら、FPとしてお金に関するコンサルティングもできればお客様に対してのアピールポイントを増やすことができます。
結果として、他の宅建業者との差別化をはかることで年収アップにもつながるでしょう。
また、不動産の相談を受けた後に、FPとしてお金の相談にのることで保険の切り替えの提案ができたりなど売上アップに自然とつなげることもできます。
独立を考えているのであれば、宅建とFPのダブルライセンスは一つの武器になっていくでしょう。
FPと宅建どっちが取得しやすい?資格の違いについて
FPと宅建では、どちらの方が取得しやすい資格なのでしょうか?
ここからは、宅建とFPの資格の違いについて比較しながら確認していきましょう。
前提として、宅建とダブルライセンスの相性が良いFP2級を基準にまとめていきます。
(1)試験内容の違い
宅建試験の取扱範囲は、不動産実務に関する知識全般であるのに対して、FPは個人のライフプランニングに関する金融全般の知識というイメージになります。
受験できるタイミングとして、宅建は年に1回なのに対して、FPは年に3回受験することができます。
(2)合格率の違い
宅建の合格率は15%〜17%前後になります。
合格基準点が受験者の平均得点によって異なるため、受験者のレベルが高くなると、相対的に合格難易度もあがってしまいます。
50点満点の内、35点で合格できる年もあれば、平均点が高く37点が合格ラインになるという年もあります。
宅建の合格には勉強時間として200時間〜400時間と、平均して300時間前後必要ともいわれていることもあり、宅建は取得する難易度が高いというイメージを持たれる方も少なくありません。
一方、FP2級の合格率は36%〜43%前後となります。
合格基準点は6割以上ということで60点中36点が合格ラインになります。
また、受験回数も年に3回チャレンジできるということもあり、宅建に比べるとFP2級の方が取得しやすいと考えて良いでしょう。
(3)受験資格の違い
宅建は受験資格がありませんので、学生、主婦、未成年であっても受験することができます。
一方、FP2級はFPの実務経験が2年以上ある者、もしくはFP3級の合格者であることなど、受験資格が定められていることに注意が必要です。
(4)独占業務などの違い
独占業務とは、一定の業務について独占的に行うことができるということで、独占業務がある資格のほうが価値が高くなります。
宅建には独占業務があり、不動産売買や不動産賃貸における、重要事項の説明や重要事項説明書・契約書の記名・押印を独占的に行うことができます。
さらに、宅建業者の事務所には5人の内1人は専任の宅建士を置かなければならないというルールもあるため、新規店舗出店のために40代、50代であっても、宅建保有者を募集する企業も少なくありませんので、将来性を見据えて取得するもいいでしょう。
一方、FPには独占業務がないため、資格を取得したからといってすぐに業務の幅が広がるというわけではありません。
(5)実務までの違い
不動産業界に在籍、もしくは転職を考えているのであれば宅建を取得することで、有資格者としての独占業務を行うことができ、即戦力として活躍できる可能性が高くなります。
例えば、売買仲介や住宅ローンの審査通過後の不動産契約など、実務として活用できる場面は多いです。
一方、不動産業界以外、もしくは金融や保険業界に在籍、もしくは転職を考えているのであれば年間3回チャレンジの機会があり、広いジャンルを学ぶことができるFP2級を取得した上で、業務の幅を広げていくのが良い選択肢といえるでしょう。
FPと宅建のダブル資格にオススメな就職先
FPと宅建のダブル資格を取得した人が検討するべきオススメの就職先を3つ解説していきます。
(1)FP事務所
FPは独占業務こそありませんが、FP事務所で顧客のコンサルティングや、ライフプランニングを提案するに当たって、知名度の高いFPの資格を持っているということは顧客からの信頼アップに繋がります。
さらに、宅建を保有していることで、顧客の住まいについて、今後は持ち家にするべきか賃貸のままでいるべきかなど、より深いお悩み相談の解決提案もできるようになるでしょう。
FP事務所への転職活動条件としてFP2級やAFPをお持ちの方が優遇されるというのは事実としてありますから、資格取得後の転職先としてはおすすめになります。
FP事務所でファイナンシャル・プランナーとして働けなくても、金融業界への転職には有利になりますから、銀行や証券会社などの金融機関の求人検索も合わせてしてみると、未経験でも可能な意外な募集要項を見つけられるかもしれません。
アルファでは、未経験者のFPでも積極的に採用しています。FPとして働いてみたい、独立FPを経験してみたい方は、ぜひチェックしてみてください。
(2)不動産投資会社
不動産投資会社の仕事内容としては、顧客に不動産を軸として資産運用の提案をしていくという業務があります。
宅建士として賃貸アパートやマンションの提案や売買契約を行いつつ、購入後の資産運用、ライフプランニングについてはFPとして不動産以外の収入支出のアドバイスもすることができます。
もちろん、投資用不動産の物件調査といった業務もありますから、マンション管理士など不動産に関する専門知識を深めるために、他の資格を狙うのも良いでしょう。
そのため、不動産投資会社では宅建とFPのダブルライセンスの人材は重宝されるでしょう。
(3)不動産会社
不動産会社では独占業務である重要事項説明書の説明ができるなど、宅建を保有していることで活躍できる場面は増えます。
不動産業界においては、事務所に5人に1人以上は専任宅建士を在籍させなければならないということもあり、不動産業界の未経験者であっても、宅建士を保有している人材の求人として、不動産営業、営業事務の求人は一定数募集されています。
不動産会社と聞くと、激務なイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、一般事務としてであれば、勤務時間や残業時間も少なく、週休2日で働ける環境に応募することもできるでしょう。
実際の求人票を見ても、宅建保有者歓迎と記載されている求人は少なくありません。
その上で、不動産はもちろん、FPとして関連業務の知識も保有しているとなれば、より高い評価を受けることができるでしょう。
まとめ
今回は、宅建とFPをダブル取得する際のメリットや、具体的に実務内容、業務内容について解説してきました。
宅建、FP共に人気の高い国家資格であり、どちらかの資格だけでも十分にメリットがあります。
その上で、ダブルライセンスとなれば希少性はさらにあがりますので、チャレンジする価値は高いといえるでしょう。
もちろん、現在働いている業界や、今後転職を考えている興味が高い分野の資格から優先的に取得するという方法もあります。
さらなるキャリアアップに向けて、宅建とFPのダブルライセンスに是非、チャレンジしてみましょう。
著者
- AFP、宅地建物取引士、DCプランナー、証券外務員一種、二種、内部管理責任者、不動産賃貸経営管理士、住宅ローンアドバイザー、日商簿記2級
☆「幻冬舎ゴールドオンライン」にて記事連載中☆
☆「NewsPicks」にて記事連載中☆
アジア金融の中心地であるシンガポールに10年間滞在。その後、外資系銀行にてプライベートバンカー、セールスマネジャー、行員向け経済学講師を経て独立系ファイナンシャルプランナー事務所を設立。著書に『58歳で貯金がないと思った人のためのお金の教科書』、『50代から考えておきたい“お金の基本”』。Bond University大学院でマーケティングと組織マネジメントを研究。経営学修士。
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