東京で不動産投資の今後も明るい?その理由と物件選ぶ時の条件も解説
昨今、東京の不動産価格がずっと上昇しており、この状況の中で不動産投資をしても大丈夫なのかについて悩まれている方も多いのではないでしょうか。
東京の人口が増え続けているため賃貸ニーズが安定するなど、東京で不動産投資をするならではのメリットがあるとは言え、物件価格が上昇することによって、利回りが低くなるなど懸念すべきポイントも出ています。
そこで今回は、東京で不動産投資するメリット、物件・エリアの選び方について詳しく解説します。
これから東京で不動産投資を検討されている方、投資を悩まれている方は、ぜひ最後までお読みください。
コロナ禍でも東京の不動産価格は上昇した
2019年に発生が確認された新型コロナウイルスの感染拡大により、テレワークやリモートワークが推奨され、オフィスへ出社する必要がなくなったことで首都圏である東京都心から郊外や地方へと移住する人の割合が増えました。
そのため、人口減少により東京の不動産市況は冷え込むと懸念されていましたが、実際の動向はコロナ禍においても、東京の不動産価格は上昇しています。
下記国土交通省が公表したデータを見て頂ければ分かりますが、コロナの影響は全く受けていないことが分かります。
出典:国土交通省「不動産価格指数」(令和4年4月)
この一因として、感染症対策の意識の高まりが挙げられます。
感染症対策として、通勤や通学に伴う移動を最小限に抑えようと、会社や学校近くの不動産ニーズが高まりました。
また、外出自粛によって海外旅行やレジャーへの出費が減少したことで、不動産へ割ける予算が増えたことも、不動産価格の上昇に寄与していると考えられます。
さらに、2021年の政府による住宅取得支援制度の拡充なども不動産購入を後押ししています。
これらの要因が重なり、コロナ禍にもかかわらず東京の不動産価格が上昇したと考えられます。
東京の不動産投資の今後は?
東京の不動産投資の今後については、現状で展望が明るいと言えるでしょう。
東京の不動産価格は底堅く堅調に推移しており、渋谷、虎ノ門など中心地の再開発による値上がりも期待できます。
さらに、相続税対策として現金を不動産にすることで税金を押さえたり、少子高齢化により不動産購入の加速が見込めます。
賃貸用の建物は節税効果がさらに上がるため、投資用不動産を取得して賃貸経営するのも相続税対策として効果的です。
また、老後に年金以外の収入源を確保しようと、不動産投資に注目が集まり、需要が高まっているのも一つの理由と言えます。
日銀の低金利政策も継続しており、金融機関での融資条件が有利になることから、不動産投資ローンを組む上で追い風となっています。
長期金利の上限が引き上げられたものの、海外と比べると依然として住宅ローン金利は低い水準を保っています。
しかし、融資期間が長く続くことから、途中から金利が上昇するリスクはゼロではないこと、認識しておく必要があります。
東京で不動産投資をする4つのメリット
では、東京で不動産投資をするにはどんなメリットがあるのでしょうか。
大きく次の4つを挙げることができます。
- (1)賃貸ニーズの増加
- (2)再開発による物件価格上昇の期待
- (3)ワンルームマンションのニーズの増加
- (4)世界的に見て物件が割安
これらのメリットを詳しく見ていきましょう。
(1)人口が増え続け賃貸ニーズが増えている
総務省が発表している「住民基本台帳人口移動報告2022年」によると、東京の転入超過数が3万2590人と、人口が増加しているとのことです。
この人数は47都道府県で最大となっており、前年と比較して転入超過数の拡大幅も大きくなっています。
このことは、全国規模での東京の人気の高さを示しています。
多くの企業や学校が東京に集中しており、通勤・通学の利便性の高さが人気の要因です。
商業施設が揃っていることも、生活のしやすさを高めており、東京の人口流入につながっています。
このような背景から、現在は人の動きが東京へ一極集中している傾向にあり、特に通勤・通学を目的とした賃貸ニーズが高いといえます。
(2)再開発により物件価格の上昇が期待できる
2020年に開催された東京オリンピック以降も、渋谷、虎ノ門など東京では大規模な再開発が計画されており、再開発が一過性のトレンドではなく、継続的な物件価格の上昇が期待できます。
東京では時代や居住環境に即することや、大規模な災害に備える防災などを目的として、再開発を進めています。
再開発によって、より魅力的な都市へと変化することで人気が高まり、不動産バブル期のように商業地、住宅地ともに物件価格の高騰へとつながります。
この流れは今後も続くことから、再開発地を中心に、長期にわたる物件価格の上昇が予想されます。
再開発前のタイミングで物件を購入しておけば、価格上昇によって不動産売却によるキャピタルゲインや、安定的な不動産収益を得やすくなります。
(3)単身者世帯が増えワンルームマンション投資のニーズが高い
少子高齢化によって世帯人数が減少しており、コンパクトな間取りである住居のニーズが高まっています。
少子高齢化に加えて、晩婚化によって単身者の入居者も増えていることから、賃貸住宅の中でも特にワンルームマンションの人気が高いです。
ワンルームは学生の1人暮らしの需要もあり、十分に物件を供給するには相当数必要となります。
そのため、投資マンションの中でも、ワンルームマンションは安定的な収益の見込める投資対象としてマンション投資のニーズが高まっています。
(4)世界で有名な都市でありながら物件価格が低い
東京は住みやすい都市にもノミネートされるように、世界的に人気があります。
その一方で、世界の主要都市と比べると割安感があります。
日本不動産研究所が公表している「第19回 国際不動産価格賃料指数」によると、東京のハイエンドクラスマンションの分譲価格は、14都市中8番目に高い水準です。
賃料水準は14都市中5番目という結果になっており、利回りが高く収益性の良い投資パフォーマンスが期待できます。
さらに近年の円安も相まって、東京の物件は世界の不動産投資家から更に注目されつつあります。
東京で不動産投資物件を選ぶときの条件4つ
東京で不動産投資物件を選ぶときの主な条件は、主に次の4つです。
- (1)通勤しやすい立地
- (2)管理状態が良好
- (3)ニーズに合った設備や内装
- (4)スーパーやコンビニが近隣にある
では、詳しく見ていきましょう。
(1)通勤など利便性の高い立地である
都市部を中心として、通勤・通学がしやすい立地が求められています。
都内の通勤・通学のしやすさの目安としては、最寄駅から徒歩10分圏内で、複数路線が利用可能であることです。
つまり、東京圏の中でも、最小限の徒歩移動と、どこへでも行きやすいといったアクセスの柔軟性が揃った立地であることが重要といえます。
雨の日でも駅まで傘を差さずに通勤・通学のできるルートがあれば、さらに利便性が高まります。
また、近くに大学や専門学校がある場所なら、毎年新入生の1人暮らし需要の恩恵を享受できます。
実際に、2023年3月に国土交通省が発表した地価公示より、東京23区の中でも都心部など利便性の高い立地の上昇率の大きいことが読み取れます。
(2)管理状態がいい物件である
物件がきちんと管理されているかも、投資先選びの重要な項目です。
管理次第で物件の外観や内観はもちろん、老朽化の程度まで左右されます。
管理が行き届いているほど、それだけ建物の劣化を遅らせられ、修繕までの期間が長くなります。
印象の良い物件は人気が高まり、そうでない物件は借り手がつきにくく、空室率が高くなりがちです。
管理状態は管理会社の質に委ねられており、個人では改善が難しい部分です。
そのため、物件の管理がしっかりとなされているかを確認しておきましょう。
また、管理会社の管理実績を事前に調べることも大切と言えるでしょう。
(3)時代、エリアにあった設備や内装である
使い勝手の良いライフスタイルに合った設備や内装は、選ばれる物件に必要な要素です。
たとえば、宅配ボックスのある物件なら、帰りが遅くても荷物を確実に受け取れます。
24時間ごみ出しが可能な物件であれば、早朝にごみを出せない勤務状態であっても問題ありません。
テレワークのような多様な働き方に対応できるように、フリーWi-Fiを完備している物件も増えています。
若い世代を中心に自炊のニーズが高くなっていることから、調理をしやすい広いキッチンも好まれます。
また、安全性の観点から、モニター付きインターホンや、オートロック設備のある物件の需要が根強いです。
このように、設備や内装が整っているほど利便性が高まり、物件が選ばれやすくなります。
(4)スーパー、コンビニなど生活しやすい環境である
近くにスーパーやコンビニがあれば、生活に必要なものがすぐに手に入ります。
特に大型の商業施設があれば、日用品から仕事道具、趣味の用品まで揃い、満足度が高いでしょう。
反対に、仕事帰りや学校帰りに買い物できるところがなければ、入居者は不便さを感じてしまうでしょう。
病院が近ければ緊急時の対応も安心で、通院もしやすいです。
このように、利便性の高い日常を過ごせる物件なら生活に不満を覚えにくく、長く住んでもらいやすいため、収益が安定しやすいです。
東京で不動産投資する時エリアの選び方
東京で不動産投資する際には、エリアの選定が大切です。
ここでは、再開発、都心からの近さ、人口増加といった3つの観点から、エリアの選び方を解説します。
(1)都心5区など再開発エリア
再開発されると、そのエリアの資産価値が高まるため、市街地再開発が予定されている地区は投資先として魅力があります。
再開発によるインフラ整備などによって、エリアの利便性や安全性、快適性が高まるので、人気も出やすいです。
人気のある土地となれば価格は下落しにくく相場が高止まりすることで、安定した稼働と高収入が期待できます。
特に、千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区といった都心5区では、大規模な再開発が予定されており、周辺エリアは活発な不動産取引が見込まれます。
(2)都心から30分圏内のエリア
都心からのアクセスがしやすいエリアは人気が高く、投資物件として有望です。
都心から30分圏内であることがアクセスの良さのひとつの目安です。
利便性が高い上に、都心と比べて家賃が安いこともメリットといえます。
都心から30分圏内のエリアには、墨田区、江東区、板橋区、品川区、大田区があります。
(3)23区内でも人口が増えるエリア
人口が増えると、それだけ必要な住居数も増えることから、人口増加が予想されるエリアに投資するのも有効な戦略です。
東京都が公表している「東京都区市町村別人口の予測」では、人口増加のピークを迎える年を予想しており、その年までは人口が増加していくことを示唆しています。
人口増加のピークを迎えるまでの期間が長いのは、江東区、千代田、中央区、港区とされています。
まとめ
現時点から見て、東京の不動産投資の先行きは今後も明るい見通しと言えます。
相続対策や老後の収入源確保のニーズが、少子高齢化によって高まっていることから、不動産投資が注目されている状況です。
収益物件選びの際には、エリアと利便性が特に重要な条件となることから、事前調査を行うことがポイントです。
再開発によるエリアの将来性を考えることで、物件価格の暴落や、借り手や買い手がつかない状態となる失敗リスクの低下を図れます。
また、不動産投資の判断に大きな影響を与えることから、金融政策や経済情報については今後の動向に注目する必要があります。
物件、エリアの選び方について不安がある方は、ぜひ我々FPに相談してみてください。
著者
- AFP、宅地建物取引士、DCプランナー、証券外務員一種、二種、内部管理責任者、不動産賃貸経営管理士、住宅ローンアドバイザー、日商簿記2級
☆「幻冬舎ゴールドオンライン」にて記事連載中☆
☆「NewsPicks」にて記事連載中☆
アジア金融の中心地であるシンガポールに10年間滞在。その後、外資系銀行にてプライベートバンカー、セールスマネジャー、行員向け経済学講師を経て独立系ファイナンシャルプランナー事務所を設立。著書に『58歳で貯金がないと思った人のためのお金の教科書』、『50代から考えておきたい“お金の基本”』。Bond University大学院でマーケティングと組織マネジメントを研究。経営学修士。
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