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消防士が副業しても大丈夫?FPがすべき理由とおすすめ副業をご紹介

公開日:2023/11/09
消防士

消防士の方の中には、「副業で一定の収入を増やしたい」「休日の余った時間を使って収入を増やした」と考えている人もいるのではないでしょうか。

消防士は地方公務員にあたるため、基本的には副業が禁止されています。しかし、消防士でもできる副業があります。

本記事では、FP(ファイナンシャルプランナー)がおすすめする副業を4選紹介するので参考にしてください。また、副業が不安な方は一度FPに相談してみましょう。

消防士が副業するメリット

仕事

消防士が副業するメリットはいくつかあります。例えば、副業することで収益が増えることです。

本業以外で得られた収益を趣味や遊び、貯金などに活用でき、使えるお金の幅が増やすことができます。

副業によって自分のキャリアを安定させることもメリットの一つです。

不動産投資や資産運用などの副業は頭を使う副業であるため、知識やスキルを身につけなくてはいけません。

専門知識自体は、消防士の仕事に関わることが少ないですが、効率化を求めたり、計画したりすることは、本業でも十分に活用できることなので、自分のキャリアにとってもメリットです。

社会貢献活動を副業とし、スポーツの指導員や試験監督など、地域との交流を増やせば消防官として信頼を得ることもできます。

消防士でも副業ができる!副業の規定を確認する

地方公務員である消防士も種類によっては副業が可能です。副業を行う前に、規定をしっかり確認しておきましょう。

(1)原則は副業は禁止のため許可を得る必要がある

消防士は地方公務員法によって原則、副業が禁止されています。正式には、副業が禁止と書かれているわけではなく、以下のように記載されています。

職員は、任命権者の許可を受けなければ、営利を目的とする私企業を営むこと、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。

参考:地方公務員法 第38条より一部抜粋

つまり、副業は原則禁止ですが、自分の所属している組織が副業OKとしていれば、法律の範囲内の副業を行うことが可能です。

もし、自分の勝手な認識だけで副業をしてばれてしまうと、場合によっては懲戒免職になる可能性もあります。

現在、副業を許可する企業も増えているので、組織のルールや法律を守りながら副業を行いましょう。

(2)違反した場合は懲戒免職になる

地方公務員法に違反した副業を行った場合は、懲戒免職処分を受けます。懲戒免職の種類は以下の通りです。

戒告口頭や文章で厳重注意される
減給指定された期間の間、支給する給料が減額する
停職指定された期間の間、職務にあたれず給与が支給されない
免職公務員としての職を失い、退職金も全額または一部が支給されない
著者作成

一番処分の軽い戒告であっても、退職するまで処分歴が残ってしまうのでグレーな副業や公序良俗に反するような副業は避けましょう。

なお、副業で得た利益がゼロであっても「営利目的」と認定されれば、処分の対象となります。

消防士にオススメな副業4選

副業

副業というとブログで収益化を図るアフィリエイトユーチューバー、などがありますが、副業禁止であるか判断が難しいものもあります。

今から紹介する4選は、規定範囲ないであれば副業をしても問題ないためおすすめです。

(1)不動産投資

不動産投資は資産運用のカテゴリーに入るため、副業として認められています。

しかし不動産投資を行う場合は、規定の範囲ないでなければ許可が必要です。

規定内の場合は許可必要ない

不動産投資の規定は、「人事院規則」の副業規定によって定められており、以下の条件を満たさない場合は、許可が必要ありません。

イ 独立家屋の賃貸については、独立家屋の数が5棟以上であること。 ロ 独立家屋以外の建物の賃貸については、貸与することができる独立的に区画された一の部分の数が10室以上であること。 ハ 土地の賃貸については、賃貸契約の件数が10件以上であること。

参考:人事院規則14-8

副業としての分類であるため、大規模な不動産投資はできません。この条件に一つでも当てはまる場合は、自分の勤務先の会社や消防長などに相談しましょう。

年収500万円以上の場合は許可が必要

上記と同じく「人事院規則」の副業規定によって年収(家賃収益)が500万円以上である場合は、許可を得る必要があります。

(2)農業

実家にある畑で行うような小規模で簡単な農業であれば、副業として認められやすいです。

都心部に住んでいる方より、田舎に近い場所に住んでいる消防士におすすめの副業です。

実家で農業を行っている家庭であれば、「家業手伝い」になり自分の給料に影響されないため、働きやすいとおもいます。

(3)株式、FXなどの資産運用

いきなり不動産投資に挑戦することに抵抗がある方は、株式やFXなどの資産運用もおすすめです。

株式投資は少額から始めることができるので、少ないリスクでスタートすることができます。

投資信託であればNISAやiDeCoであれば、初心者でも始めやすいです。

もちろん資産運用を始めるときには、FPに相談したり、スマホを利用してネットで情報を集めたり、You Tubeで動画解説を見たりなど、知識を身につけなくてはなりません。

利益だけではなく、リスクや損失がある可能性も十分にあるため、資産運用とはどういったものなのかを理解してから挑戦しましょう。

つみたてNISAについて詳しく知りたい方は、下記記事を参照にしてみてください。

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iDeCoについては、下記記事を参考にしてください。

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(4)フリマアプリなどの不用品の出品

フリマアプリなどで不用品を出品することは、副業に当てはまらないことが多いです。

フリマアプリで出品する際に重要なことは「営利目的であるか」という観点です。

例えば、不用品と称して、お店で安く買った商品をその値段以上の価格で販売している場合は、営利目的に当てはまります。

あくまでも利益のためではなく、いらないものを処分する目的であることが大切です。

国家公務員法と地方公務員法では、判断基準に違いがあるので、線引きが難しい場合は承認を得てから行いましょう。

消防士が副業で解雇もしくは処分があった実例5選

消防士が副業で解雇や処分になった事例を5選紹介します。

(1)事例1:賃貸収入7千万円の消防士を懲戒免職【2016年8月】

佐賀消防署予防指導課の男性消防副士長(44歳)が、約7千万円の賃貸収入を得ていたにもかかわらず、改善命令に従わなかったため、懲戒免職処分になりました。

副士長は、貸店舗やマンション、駐車場などを計12件所有しており、「5棟10室、駐車台数10台未満」の条件に違反していました。

(2)事例2:消防士長が副業のマルチ商法で700万円を取得【2022年3月】

許可を得ずに副業をし、収益を得ていた中消防署の男性消防長(30代)を停職3カ月の懲戒処分した事例です。

洗剤や化粧品などのマルチ商法で約700万円を得ており、こちらに専念するために依願退職しました。

(3)事例3: 消防士がデリヘル送迎の副業で処分【2023年8月】

愛知県一宮市の消防副士長(27歳)と消防士(25歳)の2人が、派遣型風俗「デリバリーヘルス」の送迎業務の副業を行い処分になった事例です。消防副士長は30万円、消防士は10万円稼いでいました。

(4)事例4:消防長が宅配兼業を行い減給【2022年8月】

東京消防庁は、食事宅配サービスの配達員として報酬を得ていた、品川消防署の男性消防長(45歳)を減給100分の20(1カ月)の懲戒処分にした事例です。

約3カ月間で、約430回配達し30万円ほど稼いでいました。

(5)事例5:消防士が無店舗型風俗店で副業【2023年3月】

鳥栖・三養基地区消防事務組合の男性消防士(30代)がパチンコなどで遊ぶために、無店舗型風俗店で副業をしたとして、1カ月の停職処分になりました。

不安な方は消防士出身のFPに相談

専門家

消防士の方が副業をするときは、法律に違反していないかしっかり見極めることが重要です。

上記の事例にもあるように、原則は副業を行うことが禁止とされているため、法律の規定範囲内か、承認を得ている副業でなくてはなりません。

自分で判断することが難しい場合は、専門家であるFP(ファイナンシャルプランナー)相談しましょう。

OKな副業、NGな副業を聞くだけでなく、不動産投資や資産運用の始め方などを聞くときには、FPのアドバイスが参考になります。

また、単純にお金に関する悩みや疑問についての相談でも構いません。副業を始めようか検討している消防士の方は、一度弊社消防士出身のFP相談してみましょう。

まとめ

家族

消防士が副業をすることは可能です。ただし、法律の規定範囲内であることが条件です。

「不動産投資」「小規模な農業」「フリマアプリなどの不用品出品」「株式・FXなどの資産運用」の4つはFPもおすすめする副業であるためチャレンジしてみてください。

ただし、副業を始めるためには、しっかりと法律などの知識を身につけておかなければ、いけないので、自信のない方はFP相談しながら副業を始めてみましょう。

著者

代表取締役 田中佑輝
代表取締役 田中佑輝株式会社アルファ・ファイナンシャルプランナーズ
AFP、宅地建物取引士、DCプランナー、証券外務員一種、二種、内部管理責任者、不動産賃貸経営管理士、住宅ローンアドバイザー、日商簿記2級
☆「幻冬舎ゴールドオンライン」にて記事連載中☆
☆「NewsPicks」にて記事連載中☆

アジア金融の中心地であるシンガポールに10年間滞在。その後、外資系銀行にてプライベートバンカー、セールスマネジャー、行員向け経済学講師を経て独立系ファイナンシャルプランナー事務所を設立。著書に『58歳で貯金がないと思った人のためのお金の教科書』、『50代から考えておきたい“お金の基本”』。Bond University大学院でマーケティングと組織マネジメントを研究。経営学修士。
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