ワンルームマンション投資の失敗例10選!FPが失敗を抑えるコツを解説
「将来の資産形成のために、ワンルームマンション投資に興味があるけど、ワンルームマンション投資で失敗した話をよく耳にするから不安だなぁ・・」
不動産投資を検討していくと、初期費用を抑えて始められるワンルームマンション投資について興味を持つ人も多いのではないでしょうか。
確かに、一棟アパートやマンションに比べると、少額から始められるということもあり、不動産投資初心者から人気が高いのがワンルームマンション投資です。
しかし、始めやすいからこそ、ワンルームマンション投資を安易にスタートして失敗してしまったという事例も少なくありません。
今回は、ワンルームマンション投資の失敗事例の解説はもちろん、失敗してしまった原因や失敗しないためのコツについても詳しく解説していきます。
中古ワンルームマンション投資失敗例5選
中古ワンルームマンション投資における失敗事例を5つ解説していきます。
中古の場合、築古で新耐震基準を満たしていなかったり、家賃滞納を繰り返すような入居者が入居していたり、マイナス面を見落としてしまうと大きな損失に繋がってしまいます。
過去の投資家の失敗談を参考にして、対応策を準備しておくようにしましょう。
(1)購入後に設備の故障し多額の修理費用が発生
中古ワンルームマンションの場合、大規模修繕によって外観や見た目がきれいであっても、築年数が長いことによって内部が劣化してしまい、購入後にいきなり修理費用が発生してしまうケースがあります。
例えば、給湯器などの設備は法定耐用年数10年〜12年のものが殆どです。その法定耐用年数ぎりぎりのタイミングで購入してしまうと、壊れやすかったり、中にはすぐ交換が必要になるケースも多くあります。
耐用年数が長いと言われる鉄筋コンクリート造のマンションであっても、法定耐用年数は47年です。
もちろん、築47年を超えた中古マンションでも利用することはできますが、税法上の価値はなくなっていますし、47年前の技術で建築されていることから、現代の基準に満たない性能も設備もあるかもしれません。
築古の物件は高利回りで魅力的に見えるケースが多い反面、相応のリスクがあるということを理解した上で購入を検討するようにしましょう。
(2)家賃保証という言葉を鵜呑みにして返済ができなくなった
ワンルームマンション投資を始める際に、空室によって収入がゼロになってしまうことを嫌がる投資家からすると、家賃保証という言葉は魅力的に聞こえるでしょう。
しかし、家賃保証というのは、投資マンションの空室期間の全てを満額保証するというわけではありません。
家賃保証を受けられない免責期間があったり、入居率を高めるためのリフォーム費用や広告費用については投資家が負担する必要があります。
全てを100%保証してくれる投資はありませんので、甘い誘い文句につられて安易に高額な物件を購入しないように気をつけましょう。
(3)不動産会社の担当者に言われるままに購入してしまった
中古ワンルームマンション投資を強く勧められて、勢いに任せて購入してしまい失敗したという話もよくあります。
「これだけおすすめしてくれる物件なら間違いないだろう」と考え、他人の提案を鵜呑みにしてしまうのは危険です。
中古ワンルームマンションでいつまでも売れないから、何とか販売したくて強く提案されている可能性も十分にあります。
もちろん、担当者のアドバイスを聞くことは大切ですが、情報を吟味して、最終的にリスクを取って判断するのは投資家自身です。
勢いに任せて投資をしそうになったら、一度持ち帰って落ち着いて考えることや、すでに実績のある不動産投資家の知り合いがいれば、別の不動産会社の担当者を紹介してもらうなど、冷静に判断するように心がけましょう。
(4)支出について理解ができておらず赤字になってしまった
中古ワンルームマンション投資を始めようと物件を選定していく中で、年間に得られる期待賃料として利回りは重要な指標になります。
例えば、3,000万円の物件で年間180万円の家賃収入が期待できる物件は利回り6%になります。
仮に月15万円の家賃収入があったとして、不動産投資ローンの返済が10万円だとして、毎月5万円の利益になると考えてしまう投資初心者は意外と少なくありません。
実際に、中古ワンルームマンション投資の場合、ローン返済以外にも、管理費、修繕積立金、固定資産税、将来のリフォーム費用、退去後の広告募集費用、管理会社への管理手数料など、様々な支出が発生します。
特に築年数の経過したマンションだと、修繕積立金の負担額が増えたりと、思わぬ支出増になるケースも多いです。
中古ワンルームマンション投資を始める前に、細かな部分まで収入と支出を理解した上で始めるようにしましょう。
(5)融資を利用しすぎてマイホームが購入できなくなった
不動産投資用の融資とマイホーム購入の住宅ローンをどちらも利用されるという人も少なくありません。
しかし、早めに毎月のキャッシュフローを確保したいと考え、中古ワンルームマンション投資を融資枠いっぱいまで活用してしまった結果、住宅ローンを組むための与信枠や頭金で使うための自己資金がなくなってしまい、せっかくのマイホーム購入を見送ることになったというケースもあります。
特に住宅ローンの場合、不動産投資と異なり、購入者の属性として、年収や勤続年数から与信枠が決まりますので、銀行からすでに高額の融資を受けていると審査が厳しくなってしまうこともあります。
マイホーム購入も検討している場合、それぞれの融資に悪影響がでないように、事前に担当者や金融機関と相談しながら進めるようにしましょう。
新築ワンルームマンション投資失敗例5選
新築ワンルームマンション投資における失敗事例を5つ解説していきます。
新築マンションなら需要はあるだろうと、将来的なリスクを把握せず、気軽に契約してしまってトラブルになってしまうことも少なくありません。
先輩大家さんたちの体験談をチェックして、大損しないように慎重に判断していきましょう。
(1)購入してすぐに中古価格になってしまい売却できない
ワンルームマンションに限らず、新築の戸建てやマンションには新築プレミアムと呼ばれる価格が設定されています。
新築物件だからこそ、多くの広告宣伝費をかけますし、どうせ物件を買うなら新築が良いという需要も一定数あります。
事実として、相場よりも20%以上高い価格で販売されているケースも少なくありません。
つまり、購入後すぐに不動産の市場評価が下落してしまうともいえます。
新築ワンルームマンション投資を購入してすぐに現金が必要となり売却しようとしても、なかなか売れずに赤字が膨らんでしまい、儲けるどころか損してしまうということを回避するためにも新築物件のリスクを理解しておきましょう。
(2)家賃は減っていくのに、支出は増えていき赤字になる
新築ワンルームマンションは購入直後は新築物件ということもあり、家賃収入が大きくなる傾向があります。
しかし、一度でも入居者が入ってしまうと、それ以降は中古物件としての募集となります。
新築と中古ではイメージも変わってきますので、空室対策として、新築時よりも家賃を下げていくことが多いです。
一方、新築時は殆どかからない修繕積立金ですが、年数が経過するに従って増加していく傾向にあります。
購入直後は黒字だったのに5年もしたら収入と支出のバランスが逆転してしまい、赤字が膨らんでしまったということも少なくありません。
新築ワンルームマンションの場合、購入後、家賃は減額傾向、支出は増加傾向にあると理解した上でキャッシュフローを確認するようにしましょう。
(3)節税のために購入したのに、思ったより節税効果を得られなかった
高年収の人ほど、節税のために不動産投資を始めたいと考える人が多い傾向があります。節税をテーマとした無料セミナーへの参加をきっかけに、節税効果を得ながら将来の資産形成をしたいと考え、新築ワンルームマンションを購入した結果、確かに1年目は節税効果の大きさを実感したものの、2年目以降、思ったよりも節税効果が得られないことに気付いてしまうこともあります。
不動産投資で利益を得たかったにも関わらず、大幅に赤字をだした結果、節税効果を得られたとしても、それは本来の目的に合っているのでしょうか。
多くの人にとって、不動産投資における節税効果はオプションと考え、あくまでも不動産投資自体で黒字をだしていけるのかどうか確認するようにしましょう。
(4)新築物件のリスクを知らずに投資して損をしてしまう
新築ワンルームマンションは物件も魅力的で、ついつい勢いで購入してしまう投資初心者も少なくありません。
確かに、新築であれば購入後にすぐに入居者も見つかり、周辺の賃貸物件に比べて高額な家賃収入を得られることも多いでしょう。
しかし、新築物件の購入価格は相場より高い金額であることが多いですし、新築マンションのリスクとして、値下がりリスク、賃料下落リスク、高い固定資産税に修繕積立金の値下げなど、多くのリスクがあります。
新築物件の良い部分だけを見て投資を始め、マンション売却の際に後悔してしまうことがないように意識しておく必要があります。
(5)サブリースだから安心と信じて失敗
新築ワンルームマンションの将来的な値下がりや家賃下落リスク対策として、サブリース契約による家賃保証を利用する人も多いです。
しかし、サブリース契約には気をつけるべき注意点も多いです。
例えば、サブリース期間、確実に一定の収入が保証されているわけではないですし、むしろ、サブリース解約に違約金や条件があることなどデメリットのほうが多い場合もあります。
サブリースを保証している管理会社が倒産してしまうかもしれませんし、高いサブリース手数料取られ、得られる利益を失ってしまって損をしているかもしれません。
サブリースはリスク対策の方法の1つではありますが、不動産投資において、マンション経営に慣れてきた中級、上級者向けのサービスであるということを理解して検討するようにしましょう。
サブリースの落とし穴について下記動画にて解説していますので、ぜひチェックしてみてください。
ワンルームマンション投資で失敗しやすいポイント
ワンルームマンション投資で失敗しやすい原因として、メリットばかりに目が向いて、デメリットをきちんと理解せずに始めてしまうことで失敗してしまうケースが非常に多いです。
間違って選定してしまうことで大きな失敗に繋がってしまうものとして、
- ✅投資物件
- ✅管理会社
- ✅融資条件
例えば、物件選びに焦ってしまい、収益性の低い新築ワンルームマンションを選んでしまうことや、解約条件の厳しいサブリース契約を勧めてくるような悪徳業者と管理契約を結んでしまうことなどがあります。
なので、あらゆる選択肢おいて、デメリットやリスクを理解した上で、判断できるように不動産投資について最低限の知識を得るように注意していきましょう。
不動産業界の闇について、私のチャンネルでも話していますので、ぜひチェックしてみてください。
ワンルームマンション投資で失敗を最小限に抑えるコツ
ワンルームマンション投資で失敗の可能性を最小限に抑えるためのコツを4つ解説していきます。
(1)何よりも立地を厳選する
不動産購入にあたって、立地は非常に重要なポイントになります。
賃貸需要があり安定的に入居希望者がいるか、物件価格が底堅く値崩れしにくいかどうかは立地による影響が大きいです。
特に、不動産投資において空室が続くことで赤字が続いてしまうことが無いように、立地に関してはこだわって選定する必要があります。
基本的には人口が増加、もしくは減少しにくいエリアとして、東京・名古屋・大阪のような首都圏や都心部、札幌・福岡などの政令指定都市の駅チカ、徒歩圏の物件などは人気が高いです。
最寄り駅も人気の駅が理想ですが、その分、物件価格も割高なケースも多いですが、中長期的に安定収入を得ていくためにも立地は厳選していきましょう。
(2)低金利など融資の条件がいいローンを選ぶ
ワンルーム不動産投資を成功させるためには、低金利で借りられるなど条件の良い融資が組めるかが重要です。
長期間、低金利で借りることによって、キャッシュフローを黒字にして安定的に資産を増やしていくことができます。
短期間、高金利になると、元金ではなく利息の返済額が大きくなりますし、想定しない出費に対して年間収支を黒字にし続けられるかは疑問です。
リスクを抑えるためにも、融資条件が良いかどうかは重要な判断ポイントです。
(3)実績がある管理会社に管理を依頼する
ワンルーム投資は何十年にも渡って続く不動産事業を始めるということです。
創立して間もない管理会社に依頼して、物件購入後、すぐに管理会社が倒産してしまっては大変です。
購入時はもちろん、購入後の5年後、10年後も賃貸管理を任せられる管理会社かどうか、きちんと調べるようにしましょう。
もちろん、新たに管理会社に依頼することはできますが、新しい担当者や優良な管理会社を探すのは大変ですし、管理会社を探すまでの時間や費用は損失になります。
そのため、最初から実績や歴史のある管理会社に依頼しておくのがよいでしょう。
(4)信頼できる専門家を見つける
不動産投資で成功するコツは個人として優秀になるよりも、優秀なチームを組むことにあります。
特に本業があって副業で不動産投資を始める方には、不動産投資が得意な相談先があることは成果を出すために大切な要素になります。
個人のお金の専門家であるFP、所得税、住民税、相続税など節税スキームで軽減してくれるような実績のある税理士、物件を適切に管理してくれる管理会社、その他、行政書士や司法書士など専門的な知識を持ったパートナーがいることで不動産投資事業は安定します。
最適なチーム編成はすぐにはできないかもしれませんが、サポートしてくれる優秀なメンバーを揃えるために、定期的に専門家とやり取りをして関係を深めていくことをオススメします。
ワンルームマンション投資で失敗したくない人はFPに相談
ワンルームマンション投資は不動産投資の中では、比較的少額から始めることができますが、それでも何百万円、何千万円という出費や借入が必要になります。
資産運用として人気なつみたてNISAや月々の少額から始められる積立投資に比べると初期投資が高額になってしまいます。
ワンルームマンション投資を始める前に、基礎知識を勉強した上で、第三者の専門家からアドバイスをもらいたいという人は多いのではないでしょうか。
ワンルームマンション投資で失敗したくない人は、FP(ファイナンシャル・プランナー)に相談するのが大事です。
(1)FPに何が相談できる?
FPが取り扱う範囲には不動産はもちろん、教育資金や老後資金といった人生三大支出の全般知識はもちろん、個人のお金に関するライフプランニングを受けることができます。
お金に関する幅広い知識があることで、ワンルームマンション投資の収支バランスや期待できる収益の考え方や計算方法はもちろん、確定申告や、その他の生活費が適正であるかなど、今後の人生プランについて具体的な相談ができ、具体的なシミュレーションを踏まえ、問題を解決してくれるかもしれません。
その上で、個人の状況にあったアドバイスをいくつか受けることができれば、不動産投資の成功率は高くなるでしょう。
(2)FPに相談するメリット
FPは個人のお金の専門家として、不動産はもちろん、税金関係や生命保険関係などの分野も含め、総合的にアドバイスをもらえます。
ワンルームマンション投資に関わる不動産取得税や所得税・住民税などの税金関係、団体信用生命保険を利用することで家族への保障が手厚くなることで、一般的な民間生命保険の保証内容の見直しなど、ワンルームマンション投資を始めることによって得られる多数のメリットについても学ぶことができます。
実際に弊社にあった相談事例を公開していますので、ぜひチェックしてみてください。
まとめ
今回は、ワンルームマンション投資における失敗事例を元に、失敗しやすいポイントや失敗を抑える為のコツについて解説してきました。
参考:ワンルームマンション投資のメリット・デメリット完全ガイド|不動産投資の教科書
ワンルームマンション投資は高額な出費や借入が必要になりますので、大きな失敗をして後悔しないように、過去の事例についてきちんと理解しておくようにしましょう。
具体的に自分にどのようなメリット・デメリットがあるか知りたい方や、不動産はもちろん、お金に関してもっと詳しいアドバイスを貰いたいという方は、第三者視点でアドバイスをくれる不動産分野に強みのあるFPに相談するのが良いでしょう。
著者
- AFP、宅地建物取引士、DCプランナー、証券外務員一種、二種、内部管理責任者、不動産賃貸経営管理士、住宅ローンアドバイザー、日商簿記2級
☆「幻冬舎ゴールドオンライン」にて記事連載中☆
☆「NewsPicks」にて記事連載中☆
アジア金融の中心地であるシンガポールに10年間滞在。その後、外資系銀行にてプライベートバンカー、セールスマネジャー、行員向け経済学講師を経て独立系ファイナンシャルプランナー事務所を設立。著書に『58歳で貯金がないと思った人のためのお金の教科書』、『50代から考えておきたい“お金の基本”』。Bond University大学院でマーケティングと組織マネジメントを研究。経営学修士。
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