子どもにかかるお金はいくら?年齢別にかかる費用の内訳をわかりやすく解説
お金
2023.01.14 Sat
子育てにかかる費用は、人生における三大支出の一つと言われているほど重要です。特に近年では子ども一人にかかる費用は増加しているとも言われていますが、子ども一人にかかる金額が具体的にどれくらいかをご存じでしょうか。子どもにかかるお金の総額を知っておかなければ、いざ子育てを始める際に資金不足に陥る可能性もあります。
今回は、子育てに必要な費用や内訳を、子どもの進学・年齢別で解説します。出産を控えている方や子育てにかかるお金に不安を抱えている人はぜひ参考にしてください。
子どもにかかるお金の合計値はいくら?
子どもが生まれて四年制大学を卒業するまで、トータルで約3,000万円かかると言われています。ただしこの金額は平均的な費用となり、学校を公立・私立にするか、どこまで進学させるか、一人暮らしをさせるかなどによって金額は変わってきます。
子どもにかかるお金の大まかな内訳
子どもにかかるお金は、「教育費」と「養育費」に分けられます。具体的にどのような費用がかかるかを見ていきましょう。
①教育費
教育費とは、子どもの教育全般にかかるお金のことを指します。主に、以下のような費用が挙げられます。
- 学校教育費(授業料や通学費、制服費やPTA費など)
- 学校給食費
- 学校外教育費(自習用のドリルや文房具の費用、塾代など)
- 学校外活動費(その他習い事にかかる費用)
習い事の数が多いほど学校外活動費の金額は高くなります。公立学校・私立学校でも大きく異なり、家庭の教育方針によって差が生まれる費用です。
②養育費
養育費は、子育てに必要な衣食住にかかる費用のことを指します。幼稚園・保育園の通園にかかる、保育料も養育費の一部です。養育費にかかる内訳は以下の項目があります。
- 衣類・服飾雑貨費
- 食費
- 生活用品費
- 医療費
- おこづかい
- 通信費
- 保険
- 旅行費
基本的に上記の金額は、子どもが自立する年齢になるまでかかり続けます。一部の家庭では、子どもがアルバイトなどで収入を得ておこづかいの費用に充てているところもあります。
上記の項目で、特に大きな割合を占めるのが食費です。未就園児から中学生を対象に比較すると、食費にかかる割合は以下のとおりです。
- 未就園児:19.7%
- 保育所・幼稚園児:18.5%
- 小学生:24.1%
- 中学生:22.9%
年齢が上がるにつれ食べる量が多くなり、その分食費がかさむと予想されます。食費だけでなく、携帯代やお小遣いの金額も年齢が上がるにつれて高くなります。なお、50%以上の人が子どもの将来のために教育資金を準備しており、銀行預金、あるいは学資保険といった形で蓄えるのが一般的です。
【進学別】教育費はいくらかかる?
公立と私立では教育費が大きく異なり、1年における学習費総額を見ると金額に以下のような差があります。
上記は、政府が発表している「子どもの学習費調査」データと、文部科学省が発表している「国立大学と私立大学の授業料等の推移」を参考にしています。幼稚園〜高校には学校教育費・学校教育費・学校外活動費が含まれており、大学には授業料・入学料・検定料が含まれています。
幼稚園から大学まで公立に通う子どもと私立に通う子どもでは、300万円以上もの差が生じるのが現実です。また、公立の小学校・中学校では授業料が無償のため、公立と私立では100万円近くの差が出ます。教育費を抑えたい場合は、子どもを公立に通わせることがポイントです。
【年齢別】子どもにかかるお金の内訳
ここからは、年齢別に子どもにかかるお金の内訳を見ていきましょう。今回の未就学児〜高校生の数値は、「インターネットによる子育て費用に関する調査」のデータを使用します。最新のデータではありませんが、費用感とそれぞれの項目に対するおおよその割合を知ることができます。
【0~5歳】未就学児の子どもにかかるお金
0〜5歳の未就園・未就学児にかかるお金は以下のとおりです。
<未就園児の場合>
<保育所・幼稚園児の場合>
上記の金額は1年に必要な子育て費用なため、トータルの費用を知る場合には計算が必要です。また、保育費は2019年から無償化しているため、上記の金額よりも費用が低くなります。
食費やレジャー費は、子どもの成長とともに増える傾向があります。一方、将来の費用やイレギュラーな出費に備えて貯金している家庭も多く、貯金に占める割合も決して少なくありません。
【6~12歳】小学生の子どもにかかるお金
小学生の子どもにかかるお金は以下のとおりです。
小学生の子どもは、食費と将来のための預貯金・保険に主に費用がかかります。小学校入学のタイミングには、ランドセルや学習机の購入費用が必要となり、高学年になると塾や習い事の費用がかかる家庭が多いです。
小学校には修学旅行や自然学校などの積立金もかかるため、入学から卒業までに起こるイベントをリストアップし、それぞれにかかる費用を把握するのがおすすめです。
【12~15歳】中学生の子どもにかかるお金
12〜15歳の中学生の子どもには、以下のようなお金がかかります。
食べ盛りの中学生は、食費が全体の約2割を占めます。高校進学のために塾に通う子どもも多く、学校外教育費は小学生の約2倍以上です。
子どもだけで外出する機会も多くなるため、おこづかいや携帯電話料金も増えます。しかし部活動を始める子どもが多くなる関係上、習い事などの学校外活動費は小学生よりも低くなる傾向にあります。
【15~18歳】高校生の子どもにかかるお金
「インターネットによる子育て費用に関する調査」には、高校生の養育費に関するデータはありません。高校への進学率は97%と高く、一部の家庭を除きほとんどの高校生は自宅から通っています。
中学生から高校生になることでおこづかいの金額は上がるかもしれませんが、それ以外のライフスタイルに大きな変化はないと予想されます。そのため、高校生にかかるお金は中学生と同じ約150万円を目安に考えましょう。
ただし、大学進学に向けての学習塾に通う場合、大きな支出が見込まれます。毎月の授業料に加え、夏季・冬季講習代や入学金もかかるため、事前に入学塾にかかる費用を調べておくことがおすすめです。
一方、高校進学とともにアルバイトを始める高校生は半数ほどいます。携帯電話料金や一部の食費、衣類・服飾雑貨代はそこから捻出することも可能です。
【18歳~】大学生の子どもにかかるお金
大学生の子どもにかかるお金は、奨学金などの就学支援を行う日本学生支援機構が発表した、「令和2年度学生生活調査集計表」で知ることができます。
著者作成
大学生は、自宅か一人暮らしかによってかかる費用が大きく異なりますが、上記のデータは自宅から通っている大学生のデータです。一人暮らしをすると上記に家賃・光熱費がプラスされるため、奨学金を活用している家庭も少なくありません。
また、大学生のうち約60%がアルバイトをしており、自宅から通う大学生は年間で平均407,200円アルバイト収入を得ています。そのため、家庭が負担すべき費用は減少する傾向にあるといえます。
まとめ
子どもにかかるお金は、子どもが生まれてから大学を卒業するまでに約3,000万円かかります。進路や習い事の数によって子どもにかかるお金は異なりますが、子ども一人を育てるにはそれなりの覚悟と資産が必要といえます。
そのため、養育費などの将来必要となる資金はあらかじめライフプランを立て、計画的に形成していくことが大切です。とくに「マネソル」(特許あり)では、ライフプランシミュレーションを専門知識なしで簡単に作成できる機能を搭載しており、将来的に貯めたい金額までどのように行動した方が良いのかが明確になるでしょう。
監修
株式会社エワルエージェント 代表取締役|宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー