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母子家庭の生活費をシミュレーション!いくら稼げばいいか、活用できる公的制度も解説

母と娘

離婚・死別・未婚の母など、さまざまな理由でシングルマザーとして子どもを育てている人も多いのではないでしょうか。しかし、母子家庭では子育ての傍ら、生活費や学費を工面しながら自身の老後のことも考えなければならず、不安が多いはず。

今回は、母子家庭の生活費のシミュレーション収入の目安母子家庭向けの公的制度について解説していきますので、今後の生活に不安を抱えている方はぜひ参考にしてみてください。

母子家庭の平均生活費は19万円

母子
平成26年の全国消費実態調査によると、母子家庭の平均生活費は190,464円です。1ヶ月の平均の手取りは189,520円であるため、平均値で計算すると収入と支出のバランスは月944円の赤字になっています。

母子家庭の生活費の内訳

母子家庭の生活費の内訳は以下のとおりです。

  • 住居
  • 食費
  • 水道光熱費
  • 交通、通信費
  • 教育費
  • 娯楽費
  • 衣料
  • 医療
  • その他雑費

この中でも、子どもにかかる費用項目年齢や環境によって異なります。

【幼稚園・保育園生の場合】
0~2歳の保育料は市区町村ごとに、世帯年収に応じて異なります。4万円~8万円(月額)でかかり、第二子以降は半額になるケースが多いです。子供が3歳以上になると保育料無償化の対象となり、保育園、幼稚園ともに学費がほぼ0になります。

【小学生の場合】
小学校に入学すると、ランドセルや教材などの学習用品代や給食代がかかります。また、習い事や塾に通い始める年齢でもあり、教育費の割合が増えるケースが多いです。また、最近ではゲームを持っていないと友達になれないなんていうこともあり、想定外の出費が増えることも想定しておく必要があります。

【中学生・高校生の場合】
子どもが中学生になるとスマホを持ちたがるため、端末代や通信費がかさみます。高校生になると授業料や定期代など必要なお金が一気に増えます。さらに部活動に加入した場合、部費や遠征費も必要です。

【大学生・専門学校生の場合】
大学や専門学校に進学すると入学金のほか、多額の学費が発生します。支払いに困る場合、奨学金などの支援制度を積極的に利用しましょう。

母子家庭の生活費をシミュレーションしてみよう!

金額計算
母子家庭の生活費の内訳を押さえた後は実際にシミュレーションしてみましょう。ここでは収入や子どもの人数ごとの生活費シミュレーション例をご紹介します。

母子家庭の生活費シミュレーション【子ども1人】

<支出を約10万円で抑えた場合>

  • 住居:50,000円
  • 食費・日用品:25,000円
  • 水道光熱費:10,000円
  • 交通・通信費:6,000円
  • 教育費:5,000円
  • 衣料:4,000円

生活費を約10万円で抑える場合、節約の意識を高めなければいけません。特に大きな支出となる家賃は、公営住宅などを選ぶことで1〜3万円に抑えることが可能です。食費は自炊をするなどして工夫しましょう。

<支出を平均値生活費19万円と想定した場合>

  • 住居:50,000円
  • 食費・日用品:38,000円
  • 水道光熱費:15,000円
  • 交通・通信費:10,000円
  • 教育費:20,000円
  • 娯楽費:5,000円
  • 衣料:5,000円
  • 医療・保険:10,000円
  • その他雑費・貯金等:37,000円

最低限の出費で計算した場合、余ったお金を貯金に回せるほどの余裕が出てきます。ただし、子どもの年齢によって食費・通信費・教育費などに変化が生じます。

<支出を25万円と想定した場合>

  • 住居:60,000円
  • 食費・日用品:55,000円
  • 水道光熱費:15,000円
  • 交通・通信費:15,000円
  • 教育費:55,000円
  • 娯楽費:20,000円
  • 衣料:10,000円
  • 医療・保険:10,000円
  • その他雑費・貯金等:10,000円

支出を25万円と想定した場合、子どもが高校生や大学生になって教育費がかかるようになった場合でも、わずかではあるものの貯金に回せる余裕が生まれます。教育費がかからない年齢のうちに学費などを貯めておくと将来役に立つでしょう。

母子家庭の生活費シミュレーション【子ども2人】

子どもの人数が増えると、その分生活費も増えていきます。母親+兄妹2人で暮らしている場合の生活費シミュレーションを考えてみましょう。

<子どもが2人(兄妹)いる場合の生活費>

  • 住居:60,000円
  • 食費・日用品:50,000円
  • 水道光熱費:20,000円
  • 交通・通信費:20,000円
  • 教育費:29,000円
  • 娯楽費:18,000円
  • 衣料:8,000円
  • 医療・保険:7,000円
  • その他雑費・貯金等:8,000円

子どもが2人になると、約22万円の生活費が必要です。特に食べ盛りの時期になるとより食費がかかるため注意しましょう。

母子家庭の生活費シミュレーション【子ども3人】

次は子どもが3人の場合の生活シミュレーションを見てみましょう。

<子どもが3人(兄妹)いる場合の生活費>

  • 住居:70,000円
  • 食費・日用品:55,000円
  • 水道光熱費:25,000円
  • 交通・通信費:25,000円
  • 教育費:43,000円
  • 娯楽費:20,000円
  • 衣料:10,000円
  • 医療、保険:7,000円
  • その他雑費・貯金等:3,000円

子どもが3人になると約25万円の生活費が必要です。狭い部屋では生活しづらくなるため広い家に住む必要があり、それに応じて家賃が上がります。また、子どもの年齢が上がるにつれそれぞれ教育費が増えていきます。

シングルマザーはいくら稼ぐ必要がある?

子育てと仕事
母子家庭の場合、母親の収入が生活に直結します。しかし、母親だけで子育てや家事をしながら働くことは容易ではありません。ここからは、シングルマザーはいくら稼ぐ必要があるのかについて解説していきます。

母子家庭の平均世帯年収は243万円

平成28年に実施された全国ひとり親世帯等調査によると、母子家庭の平均年収は243万円というデータがあります。これには児童手当などの公的制度で給付される手当金も含まれているため、実際に働いて得ている収入は200万円前後です。同調査によると父子家庭の平均年収は420万円であり、母子家庭のほうが200万以上少ないのが特徴です。

手取り15万円程度は最低限必要

平均年収から単純計算すると、平均月収は約17万円です。しかし、そこから所得税や保険料などが引かれるため、手取りにすると実質14万円に満たないケースも少なくありません。先述のとおり、母子家庭の平均支出は約19万円のため、公的制度による助成金が受けられることを前提に考えると手取り15万円は必要と考えるのがベターです。

母子家庭で受けられる公的制度も活用しよう

大人の手と子供の手とコイン
母子家庭の場合、さまざまな公的制度を受けられます。申請が必要なものもあるため、積極的に調べてどんどん活用していきましょう。

児童手当

児童手当は、0〜15歳の子どもがいる家庭すべてが対象の制度です。子どもの人数と年齢によって受け取れる金額が変わります。ただし所得制限が設けられており、年間所得が一定の範囲を超える世帯は減額されます。

児童手当の条件を満たしているかの判定は毎年6月1日に行われるため、5月中に役所へ必要書類の提出が必要です。提出を忘れると手当金を受け取れないため気をつけましょう。

児童扶養手当

児童扶養手当は、母子家庭および父子家庭が対象の制度です。一人親の家庭で子どもが0〜18歳であれば支給されますが、受け取るには自分で申請する必要があるため、毎年8月に必要書類を役所に提出しましょう。申請をした翌月分から支給されます。

ひとり親家庭の住宅手当

ひとり親家庭の住宅手当は、家賃の一部を援助してもらえる制度です。ただし、自治体ごとに定められた条件をクリアしなければ家賃補助を受けられません。主な条件例としては、賃貸物件に住んでいること、所得制限限度額未満であることなどさまざまあるため、自分に当てはまるかどうか確認しておきましょう。

ひとり親家族等医療費助成制度

ひとり親家族の医薬費助成制度は、母子家庭や父子家庭の親子が病院などで診察を受けたときに、負担額の一部を減額してもらえる制度です。これは自治体が実施する制度で、親子ともに対象となっています。自治体にもよりますが、年間の助成額の上限は年間平均14万円ほどです。

一人親家庭等医療助成制度

一人親家庭等医療助成制度とは、18歳未満の子どもがいる一人親家庭の親子医療費の自己負担分と、入院時の食事の負担額が無料になる制度です。ただしこれには所得制限があるため、事前に自分の所得額を確認しておくようにしましょう。

医療費助成制度

医療費助成制度とは、18歳未満の子どもがいる一人親家庭の親子医療費の自己負担の一部を自治体が助成してくれる制度です。どの程度助成してもらえるかは自治体によって異なるため、住んでいる地域の市役所に問い合わせてみましょう。

税金や年金の軽減・控除

母子家庭の場合、条件を満たしていれば35万円の所得控除を受けられます。窓口に行く必要はなく、年末調整の際に扶養控除等申告書で申告することで手続きが完了します。

また、収入が少ないことが理由で国民年金や国民健康保険の支払いが難しい場合、申請によって減額や免除が可能です。前年の収入がわかる書類を持参し、役所の窓口で相談してみましょう。

遺族年金

夫と死別して母子家庭になった場合、遺族年金を受給できることがあるため、受給要件を満たしているかどうかチェックしましょう。ただし、離婚後に元配偶者が亡くなった場合には適用されません。

まとめ

母子の巣
母子家庭の場合、生活費にかかるお金は平均約19万円です。しかし、子どもの人数や年齢が増えるほど支出が多くなり、特に大学や専門学校などに進学する場合は多くの費用が必要になります。

母親が一人で家事や育児をしながらお金を稼ぐのは決して楽ではありません。児童扶養手当など母子家庭が受けられる公的制度を積極的に活用したり、父親から養育費をもらったりと工夫しながら最低限の収入を確保しましょう。

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監修

田中佑輝

株式会社アルファ・ファインシャルプランナーズ 代表取締役

田中佑輝

アジア金融の中心地であるシンガポールに10年間滞在。その後、外資系銀行にてプライベートバンカー、セールスマネジャー、行員向け経済学講師を経て独立系ファイナンシャルプランナー事務所を設立。著書に『58歳で貯金がないと思った人のためのお金の教科書』、『50代から考えておきたい“お金の基本”』。Bond University大学院でマーケティングと組織マネジメントを研究。経営学修士。

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