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子供の学資保険はもう古い?「新NISA」や「低解約返戻金型終身保険」で教育費を貯めるメリット・デメリット

公開日:
代表取締役 田中佑輝

この記事の監修者:

アルファ・ファイナンシャルプランナーズ 代表取締役/田中佑輝

「子供が生まれたら、まず学資保険」——長らく、これが教育資金準備の定番でした。ご両親や職場の先輩から、そう勧められた方も多いでしょう。ところが最近は、「今は学資保険より新NISAで貯める時代」という声をよく耳にするようになりました。この2つの常識の間で、「結局、我が家はどうすればいいの」と迷っている親御さんが、本当に増えています。

この迷いには、明確な背景があります。2026年現在、低金利とインフレ(物価上昇)が同時に進んでおり、固定金利の学資保険では、受け取るお金の実質的な価値が目減りするリスクがあるのです。一方、新NISAには高いリターンが期待できる反面、元本が変動するリスクがあります。それぞれに一長一短があり、「どちらが絶対に正解」とは言い切れません。

この記事では、学資保険・新NISA・低解約返戻金型終身保険という3つの教育資金準備ルートの、リアルなメリット・デメリットを徹底比較します。そのうえで、我が家にとって最適な準備方法を選べるよう、FPの視点で具体的にお伝えします。子供の将来のために、後悔のない選択をするための材料にしてください。

子供の学資保険はもう古い?「新NISA」や「低解約返戻金型終身保険」で教育費を貯めるメリット・デメリット

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なぜ「学資保険はもう古い」と言われてしまうのか?

まず、なぜ「学資保険はもう古い」と言われるようになったのか、その理由を冷静に見ていきましょう。学資保険が悪い商品というわけではなく、時代の環境が変わったことが大きな要因です。

学資保険の基本仕組みと「返戻率」の低下

学資保険は、毎月保険料を払い込み、子供の進学のタイミング(大学入学時など)にまとまった祝い金・満期金を受け取る、貯蓄性の保険です。「返戻率」という指標があり、これは払い込んだ保険料に対して、いくら戻ってくるかを示します。返戻率105%なら、100万円払って105万円戻ってくる計算です。

かつて金利が高かった時代には、学資保険の返戻率は120%を超えるものもあり、「貯金より断然お得」でした。ところが、超低金利が続く現在、学資保険の返戻率は多くの商品で100〜105%程度まで低下しています。18年かけて払い込んでも、増えるのはわずか数%。「増やす」という観点では、かつての魅力は失われているのが実情です。

インフレ(物価上昇)時代における「固定金利・固定受取額」の隠れたリスク

学資保険の最大の弱点が、この「インフレへの弱さ」です。学資保険は契約時に受取額が固定されます。「18年後に200万円受け取る」と決めたら、その金額は変わりません。一見安心に思えますが、ここに落とし穴があります。

2026年現在のように物価が年2〜3%上昇し続けると、18年後の200万円は、今の200万円ほどの価値を持たなくなります。 物価が上がれば、大学の学費も上がります。契約時に「これで大学費用は足りる」と思った金額が、18年後には不足しているかもしれない——これが、固定受取額のインフレリスクです。お金の額面は保証されても、その「購買力(実際に買えるものの量)」は保証されないのです。低金利とインフレが重なる現在、この弱点が「学資保険はもう古い」と言われる最大の理由になっています。

途中で解約すると「元本割れ」する流動性のリスク

もう一つの注意点が、途中解約のリスクです。学資保険は、満期まで払い込むことを前提に設計されているため、途中で解約すると、多くの場合払い込んだ保険料より少ない金額しか戻ってこない「元本割れ」になります。

18年という長い期間の間には、家計が苦しくなったり、まとまったお金が急に必要になったりすることもあります。そんなとき、学資保険を解約すると損をしてしまう。この「お金の流動性の低さ(自由に引き出せない)」も、学資保険のデメリットの一つです。次の章から、こうした学資保険の弱点を踏まえて、他の選択肢と比較していきます。

【徹底比較】教育費準備の3大ルート(学資保険・新NISA・低解約返戻金型終身保険)

教育資金の準備方法には、大きく3つのルートがあります。それぞれの特徴を正しく理解して、我が家に合ったものを選びましょう。

ルート①:学資保険(元本確保・親の万が一の保障・低リターン)

学資保険の強みは、「元本がほぼ確保される安心感」と「親の万が一の保障」です。契約者(親)が死亡・高度障害になった場合、その後の保険料の払い込みが免除され、満期金は予定通り受け取れる仕組みがあります。「確実に決まった額を用意したい」「投資は怖い」という方には、今でも一定の価値があります。ただし、前述の通りリターンは低く、インフレに弱いのがデメリットです。

ルート②:新NISA(高リターン期待・非課税・元本変動リスク)

新NISAのつみたて投資枠で、全世界株式などのインデックスファンドを積み立てる方法です。長期・分散・積立により、年3〜5%程度のリターンが期待でき(過去データ基準、保証はされません)、インフレにも対応しやすいのが強みです。運用益が非課税になるメリットも大きく、いつでも引き出せる流動性の高さも魅力です。一方、元本が変動するため、使いたいタイミングで元本割れしているリスクがあります。

ルート③:低解約返戻金型終身保険(教育費+解約後の老後資金活用・途中解約ペナルティ大)

低解約返戻金型終身保険は、一生涯の死亡保障を持ちながら、貯蓄性も兼ねた保険です。保険料払込期間中の解約返戻金を低く抑える代わりに、払込満了後の返戻率が高くなる設計です。教育費が必要なタイミングで解約して使うことも、使わなければそのまま老後資金として残すこともできる柔軟性があります。ただし、払込期間中に途中解約すると、返戻金が大幅に少なくなる(ペナルティが大きい)点に注意が必要です。

比較項目学資保険新NISA低解約返戻金型終身保険
期待リターン低い(返戻率100〜105%)高い(年3〜5%期待)中程度(払込満了後に上昇)
元本の安全性高い(満期まで持てば確保)変動リスクあり払込満了後は高い
インフレ耐性弱い(固定受取額)強い弱い(固定)
流動性(引き出しやすさ)低い(途中解約で元本割れ)高い(いつでも売却可)低い(途中解約でペナルティ大)
親の死亡保障あり(払込免除)なし(別途必要)あり(終身保障)
税制優遇生命保険料控除運用益が非課税生命保険料控除

【シミュレーション】18年間・月々1.5万円を積立運用した場合の到達金額

数字で比較すると、違いが一目瞭然になります。月々1.5万円を18年間(元本総額324万円)積み立てた場合の到達金額を、学資保険と新NISAで比べてみましょう。

パターンA:学資保険(返戻率103〜105%と想定)

返戻率104%と想定すると、18年後の受取総額は約337万円です。元本324万円に対して、増える金額は約13万円。18年間かけて、増えるのはこの程度です。元本は確保されますが、資産を大きく増やす効果は期待できません。

パターンB:新NISA(全世界株式等、想定利回り年3〜5%で運用)

運用方法元本総額18年後の到達金額(想定)増加額
学資保険(返戻率104%)324万円約337万円約13万円
新NISA(年3%運用)324万円約428万円約104万円
新NISA(年5%運用)324万円約524万円約200万円

※あくまで想定利回りでの試算。新NISAの運用成果は保証されるものではなく、元本割れの可能性もあります。

この試算を見ると、差は歴然です。同じ月1.5万円・18年間でも、新NISAで年3%運用できれば約428万円、年5%なら約524万円。学資保険の約337万円と比べて、90万〜190万円もの差が生まれる可能性があります。しかも、新NISAは運用益が非課税で、インフレにも対応しやすい。長期の運用期間を活かせる教育資金だからこそ、新NISAの複利効果が大きく働くのです。もちろん、この高いリターンは元本変動リスクと引き換えです。 だからこそ、次の章で解説する「安全に運用するポイント」が重要になります。

新NISAで教育費を貯める場合の「3つの成功ポイントとリスク対策」

「新NISAは魅力的だけど、元本割れが怖い」——その不安は当然です。でも、いくつかのポイントを押さえれば、元本変動リスクを大きく抑えながら教育費を準備できます。3つの成功ポイントをお伝えします。

ポイント①:子供が18歳になるタイミングから逆算した出口戦略

教育資金は、老後資金と違って「使う時期が明確に決まっている」お金です。子供が18歳になる大学入学時に、まとまった資金が必要になります。この「使う時期」から逆算した出口戦略が、教育費の運用では欠かせません。

具体的には、子供が高校に入る15〜16歳頃から、株式で運用してきた資産を少しずつ現金化していくという方法です。大学入学の直前に暴落が来ても影響を受けないよう、使う数年前から段階的に安全資産(現金・預金)に移していく。この「グライドパス(着陸に向けて徐々に高度を下げる)」の発想が、教育費運用の鉄則です。

ポイント②:暴落期と重なった場合の「安全資産(現金)との組み合わせ方」

それでも、大学入学のタイミングで市場が暴落している可能性はゼロではありません。この対策として、教育費のすべてを新NISAで運用するのではなく、一部を現金・預金で確保しておくことをおすすめします。

たとえば、大学入学時に必要な初年度費用分は現金で、残りは新NISAで運用する、という組み合わせです。こうすれば、万が一暴落と重なっても、当面必要な資金は現金で確保できているため、株式部分を慌てて売却せずに、回復を待つことができます。「運用資産」と「安全資産」を組み合わせることで、リスクをコントロールしながらリターンを狙えます。

ポイント③:親の死亡保障は「掛け捨ての定期保険」で安く確保する

学資保険には「親の万が一の保障(払込免除)」がありますが、新NISAにはこの保障がありません。「親に何かあったら、教育費の積立が止まってしまう」——この不安への対策が必要です。

解決策はシンプルです。親(生計維持者)の死亡保障は、掛け捨ての定期保険で安く確保するのです。掛け捨ての定期保険は、貯蓄性がない分、保険料が非常に安く、少ない負担で大きな死亡保障を持てます。「教育費の運用は新NISAで、親の万が一の保障は掛け捨て定期保険で」と役割を分けることで、学資保険の機能を、より効率的な形で再現できます。この「保障と貯蓄の分離」こそ、現代の合理的な考え方です。

アルファ・ファイナンシャルプランナーズが提案する「ハイブリッド型教育資金戦略」

ここまでの内容を踏まえて、独立系FPとして提案する、最適な教育資金戦略をお伝えします。ポイントは、1つの商品に頼るのではなく、複数の手段を組み合わせることです。

「新NISA(運用)」+「掛け捨て保険(死亡保障)」による最適アプローチ

基本戦略は、「教育資金は新NISAで効率的に運用し、親の死亡保障は掛け捨ての定期保険で安く確保する」という組み合わせです。学資保険が1つの商品で担っていた「貯蓄」と「保障」を、それぞれ最も効率的な手段に分離するのです。

これにより、貯蓄面では新NISAの高いリターンとインフレ耐性を活かし、保障面では掛け捨て保険の安さを活かせます。学資保険という「割高なパッケージ商品」を、より高性能で低コストな組み合わせに置き換える——これが、2026年の教育資金準備の合理的な形です。この「保障と貯蓄を分けて考える」という発想は、教育資金だけでなく、家計の保険全体を見直すうえでも重要な視点です。

児童手当を完全活用した教育資金ポートフォリオの作り方

教育資金づくりで、ぜひ活用したいのが児童手当です。2024年の制度改正で所得制限が撤廃され、高校卒業まで全額支給されるようになり、子供1人あたり総額約200万〜300万円になります。

この児童手当を、生活費と混ぜずに、そのまま新NISAの積立原資にする。これだけで、実質的な家計の負担を抑えながら、まとまった教育資金を準備できます。児童手当という「国からの支給」を運用に回し、それでも足りない分を家計から上乗せする——このポートフォリオが、無理なく教育費を貯める王道です。

まとめと次の一歩:我が家に最適な教育費の貯め方をシミュレーションしよう

この記事の要点を整理します。学資保険は「元本確保」「親の保障」という安心感がある一方、低金利で返戻率が下がり、インフレに弱く、途中解約で元本割れするという弱点があります。「もう古い」と言われるのは、こうした時代環境の変化が理由です。

月1.5万円・18年間の試算では、新NISA(年3〜5%運用)は学資保険より90万〜190万円多く貯まる可能性があり、インフレにも対応しやすいのが強みです。ただし元本変動リスクがあるため、「大学入学時期から逆算した出口戦略」「安全資産との組み合わせ」「掛け捨て定期保険での親の保障確保」という3つのポイントで、リスクを抑えることが大切です。教育資金は「新NISAで運用+掛け捨て保険で保障」というハイブリッド戦略が、現代の合理的な形です。

我が家に最適な教育費の貯め方を知るには、大学進学時期の資金ピークと、そこから逆算した目標積立額を可視化するのが一番です。まずはマネソルで、大学進学時期の資金ピークと目標積立額をシミュレーションしてみましょう。アルファ・ファイナンシャルプランナーズが開発した特許取得済みライフプランシミュレーションアプリ「マネソル」なら、「子供が18歳になるとき、いくら必要か」「今から月いくら積み立てれば間に合うか」「学資保険と新NISAで将来の資産がどう変わるか」を数分で可視化できます。

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よくある質問

Q. すでに加入している学資保険を解約して新NISAに乗り換えるべきですか?

A. 解約時の返戻率(元本割れの度合い)と、加入時期の予定利率によって判断が大きく分かれます。

Q. 子供名義の口座で新NISAを開設して教育費を運用することはできますか?

A. 新NISAは「日本国内に居住する18歳以上(成人)」が対象の制度です。未成年であるお子様の口座名義で新NISAを開設・運用することはできません。

Q. 学資保険の「払込免除特約」だけを単体で契約することは可能ですか?

A. 払込免除特約は学資保険などの主契約に付属するオプション機能であるため、特約単体で契約することはできません。

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この記事の監修者

代表取締役/田中佑輝
アルファ・ファイナンシャルプランナーズ 代表取締役/田中佑輝

アジア金融の中心地であるシンガポールに10年間滞在し、グローバルな金融リテラシーを培う。外資系銀行にてプライベートバンカー、セールスマネジャーなどを経て株式会社アルファ・ファイナンシャルプランナーズを創業。実務の傍ら、Bond University大学院にて経営学修士(MBA)を取得。現場での豊富な実務経験と理論に基づき、単なる運用益にとらわれない「一生涯お金に困らないための資産形成」を提唱。富裕層から一般層まで自身で2,000件以上、代表を務める同社全体ではのべ3万件以上の資産運用のアドバイス実績を持つ。

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