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【FP解説】住宅ローン控除と医療費控除は同時申請でどっちが先?「引ききれない無駄」を防ぐ確定申告の全知識

公開日: 最終更新日:
代表取締役 田中佑輝

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アルファ・ファイナンシャルプランナーズ 代表取締役/田中佑輝

「マイホームを買って住宅ローン控除を受けているけれど、今年は家族の医療費が高かったから医療費控除も申請できるのかな?」
「住宅ローン控除だけで所得税がゼロになっている場合、医療費控除を同時に出しても意味がない(切り捨てられる)って本当?」

確定申告の時期が近づくと、このような「2つの大物控除」の併用に関する疑問や不安を抱える方は非常に多いです。

結論からお伝えすると、住宅ローン控除と医療費控除は同時に申請(併用)することが可能であり、正しい順番で申告すれば税金の負担をさらに大きく軽減できます。

ただし、医療費控除は「所得を減らす仕組み(所得控除)」であり、住宅ローン控除は「税金そのものを直接引く仕組み(税額控除)」という決定的な違いがあるため、年収や借入額によっては所得税から引ききれず、住民税の上限に達してしまい、想定より還付金が少なくなる「頭打ちの罠」も存在します。

この記事では、これまで3万件以上の家計・住宅ローン相談に乗ってきた独立系FP(ファイナンシャルプランナー)の視点から、2026年最新の税制改正に基づいた手取り別の還付金シミュレーションをはじめ、失敗しない確定申告の手順、さらには「ふるさと納税」を併用した際の注意点まで分かりやすく徹底解説します!

【FP解説】住宅ローン控除と医療費控除は同時申請でどっちが先?「引ききれない無駄」を防ぐ確定申告の全知識

一定の条件を満たしてマイホームを購入すると、「住宅ローン控除」が受けることができます。住宅ローン控除を受けることができれば、所得税・住民税の節税が可能です。

また、医療費控除を受けることで、更に大きな節税効果が期待できるでしょう。

本記事では、住宅ローン控除や医療費控除の仕組みや実際にどれくらいの節税効果を得られるのかについて解説していきます。

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【基礎知識】医療費控除の仕組みとは?生計を一にする家族の対象範囲と「セルフメディケーション税制」の選択基準

医療費

医療費控除とは、病院での入院費用や診察料、手術費用、薬代、出産費用、接骨院での施術を行なった際の治療費、通院の際に利用する電車賃やバス賃、タクシー代などの交通費(ガソリン代については対象外)など、普段の生活の中で支払った医療費が、年間で一定額を超えた場合に所得控除が受けられる制度です。

ここでは、医療費控除の対象となる薬品や利用する際の要件、実際に利用した場合の計算方法を見ていきます。

(1)医療費控除とは

医療費控除は上記の通り、1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に所得控除が受けられる制度です。

対象となるのは、自分自身だけでなく、「生計を一にしている(自分自身と同じ生計で暮らしている)」家族の医療費についても対象となります。

医療費控除を受けるためには、どのような薬品が対象になるのか、受けるための要件にはどのようなものがあるのかを把握しておきましょう。

①対象薬品

医療費控除が受けられる医薬品は、基本的に医師が作成した処方箋に基づいて薬局で購入したものや、処方箋なしに自分自身で購入したものであっても治療や療養を目的とした医薬品であれば対象になります。

ただし、医薬品であっても医療費控除の対象とならないものもあるので注意が必要です。

例えば、医薬品に該当するビタミン剤や漢方薬であっても、その目的が疲労回復や健康増進、病気の予防など、治療に直接関係するものではない場合には、医療費控除の対象とはなりません。また、処方のない目薬や湿布薬についても同様です。

それでは、医療費控除の対象となる医薬品に該当しないものを購入した場合、税制上の優遇が受けられないのでしょうか?

医療費控除の対象となる医薬品以外であっても、「健康の保持増進や疾病予防に関する一定の取組」を行っている方が「スイッチOTC医薬品(医療用医薬品から薬局・ドラッグストア等で購入可能な医薬品に転用された医薬品)」を購入した場合、セルフメディケーション税制を受けることができます。

②利用時の要件

医療費控除を受ける要件としては、1年間に医療費として支払った額が10万円を超えている場合です。

ただし、給与所得などの合計が200万円以下場合には、総所得金額の5%を超えると医療費控除を受けることができます。

また、医療費として支払った額は、支払った個人だけでなく「生計を一にする」配偶者やその他親族のために支払ったことが要件です。

つまり、それらの合計額が10万円を超えれば利用要件を満たすことになります。

対象期間は、利用する年の1月1日から12月31日までに支払った医療費となり、未払いの医療費に関しては実際に支払った年の対象となります。

セルフメディケーション税制についてはスイッチOTC医薬品が対象となり、世帯での購入金額の合計が1万2,000円以上の場合に利用することが可能です。

その際には、購入時のレシートや利用する年に一定の取組を行っていることを証明する、健康診断や予防接種の領収書または診断結果を保存しておいてください。

(2)実際に利用した場合の税金の計算方法

医療費控除やセルフメディケーション税制について理解していただけたでしょうか。ここからは、実際に利用した場合の税金の計算方法を見ていくことにしましょう。

①所得税

医療費控除によって所得税がどれくらい還付されるのか、実際にシミュレーションしてみることにします。まず、医療費控除の基本的な計算式を確認しておきましょう。

「実際に支払った医療費ー補てん金」ー10万円または総所得金額の5%=医療費控除額

ここで言う補てん金とは、生命保険や損害保険で補てんされる保険金を指します。この計算式をもとにシミュレーションを行います。

条件は以下の通りです。

  1. ☑実際に支払った医療費:50万円
  2. ☑補てん金:25万円
  3. ☑総所得額:500万円
  4. ☑各種所得控除額:200万円

それでは、医療費控除額を計算してみましょう。計算式に上記の条件を当てはめていきます。

50万円(実際に支払った医療費)ー25万円(補てん金)−10万円=15万円(医療費控除額)

これで、医療費控除額が計算されました。

ここからは、医療費控除を受けた場合の還付金額を計算します。そのために、まずは所得税率を確認しましょう。所得税率は、課税所得額をもとに確認します。

課税所得額は、総所得額から各種所得控除額を差し引いたものになるので、今回の場合「500万円(総所得額)ー200万円(各種所得控除額)=300万円(課税所得額)」です。

以下の所得税率の表で確認してみましょう。金額は1,000円未満の端数を切り捨てています。

課税される所得金額税率
1,000円から1,949,000円まで5%
1,950,000円から3,299,000円まで10%
3,300,000円から6,949,000円まで20%
6,950,000円から8,999,000円まで23%
9,000,000円から17,999,000円まで33%
18,000,000円から39,999,000円まで40%
40,000,000円以上45%
出典:国税庁

課税所得額が300万円ですので、上記の表から所得税率は10%であることが分かります。還付金の計算式は、「医療費控除額×所得税率」です。

このシミュレーションの場合、「15万円(医療費控除額)×10%(所得税率)=1万5,000円(還付金)」となり、1万5,000円が手元に戻ってくることになります。

②住民税

続いて、医療費控除を利用した場合の住民税の計算です。

医療費控除を受ける場合、確定申告を行います。確定申告をすると所得税だけでなく、住民税も軽減されるので、住民税のための追加手続は必要ありません。

所得に関する住民税の税率は、都道府県民税・市区町村民税の合計である10%となるため、医療費控除額の10%にあたる金額が軽減されます。

住民税は所得税のように還付されるのではなく、医療費控除を受けて減額されたあとの税額を納めることになることを覚えておきましょう。

【2026年最新】住宅ローン控除(減税)の適用要件と改正後の「控除率0.7%・住民税上限」の罠

住宅を購入する際に、住宅ローンを利用した購入者の金利負担を軽減することを目的とする制度です。住宅ローン減税とも言います。

ここでは、住宅ローン控除制度について解説するとともに、実際に住宅ローン控除を利用した場合の税金の計算方法をシミュレーションしてみましょう。

(1)住宅ローン控除とは?

住宅ローン控除とは、正式名称を「住宅借入金等特別控除」と言い、住宅の購入費用として住宅ローンを利用した方の金利負担軽減を目的とした制度です。

購入する住宅は新築住宅か中古住宅かを問わず、リフォームやリノベーションなどの改修工事を行なった場合にも利用ができます。

2021年(令和3年)までは、毎年の住宅ローンの残高(最大4,000万円)の1%にあたる額が10年間、所得税から差し引かれていました。

また、住民税についても「前年度課税額×7%」が控除されていました。

しかし、各金融機関の住宅ローン金利が低下し、1%を下回る住宅ローンが珍しくなくなり、「逆ざや」現象が起こるなどの背景を受けて2022年度税制改正が行われ、以下のように変更が行われています。

①2022年度税制改正

−控除率

  1. ☑所得税の控除率が1%から0.7%に変更
  2. ☑住民税の控除率が7%から5%に変更

−控除年数

  1. ☑新築住宅の場合、10年から13年に延長
  2. ☑中古住宅やリフォーム等の場合は10年のまま変更なし

−借入限度額

4,000万円から3,000万円に変更

−所得制限

3,000万円以下から2,000万円に変更

参照:国土交通省

次に、住宅ローン控除を受けるための条件は以下の通りになっています。

②住宅ローンを受けるための条件

−住宅ローンの返済期間が10年以上

10年以下の場合は、適用が受けられません。また、返済期間が10年以上であった場合でも、繰上返済などによって10年未満となった場合は、その時点で利用ができなくなります。

−自ら住むこと

減税を受けようとする方が自ら住むことが必要です。投資用マンション等の場合には適用されないので注意が必要です。自ら住む場合でも、入居時期が定められているので、注意してください。

−床面積が50㎡以上

マンションの場合は、占有部分の床面積で判断されます。階段や廊下などの共有部分は含まれないことに注意しましょう。

−居住用割合が1/2以上

自宅を事業に利用している場合には、居住割合が1/2以上必要です。

−合計所得金額が2,000万円以下

上記の通り、2022年度税制改正を受けて合計所得が2,000万円以下の方のみ受けられることになりました。

合計所得が2,000万円以上になった年については、控除が受けられませんが2,000万円以下の年は控除を受けることができます。

また、住宅ローン控除に似た制度として、「特定増改築等住宅借入金等特別控除」があります。

住宅ローン等を利用して一定のバリアフリー改修工事や省エネ改修工事を行なったケースでは、住宅ローン控除と同様に所得税額から一定の金額を控除できる制度です。控除期間は5年間となっています。

参照:国税庁「マイホームを持ったとき」

(2)実際に利用した場合の税金の計算方法

住宅ローン控除制度の仕組みや、2022年度税制改正後の変更点についてご理解いただけたところで、ここからは実際に住宅ローン控除を利用した場合の税金を計算してみましょう。

①所得税

実際に住宅ローン控除を利用した場合、どれくらい控除されるのかをシミュレーションしてみます。まずは、住宅ローン控除の基本的な計算式を確認しておきましょう。

住宅ローン残高×0.7%=住宅ローン控除額

この計算式をもとに、住宅ローン控除のシミュレーションを行なっていきます。シミュレーションの条件は以下の通りとします。

  1. ☑購入価格:5,000万円(うち建物3,000万円)
  2. ☑返済期間:30年
  3. ☑年収:500万円
  4. ☑各種所得控除額:200万円

それでは、住宅ローン控除額を計算していきましょう。前述の計算式に当てはめていきましょう。

3,000万円(住宅ローン残高)×0.7%=21万円(住宅ローン控除額)

この21万円が控除額となります。所得税額は、課税所得額×税率で求められるので、上述の医療費控除から算出した金額をこちらでも利用します。

300万円(課税所得)×10%(税率)=30万円(所得税)

算出した所得税30万円から、住宅ローン控除額21万円が差し引かれ、所得税は9万円となります。

新築住宅の場合、11年目から13年目に関しては、上記の計算式の他に「建物の取得価格の2%÷3」の計算を行い、どちらか大きい金額が採用されることになるので注意が必要です。

②住民税

続いて住民税の計算をしていきましょう。住宅ローン控除は、先に所得税から差し引かれることになり、所得税だけでは控除できない場合には、翌年の住民税からも差し引かれることになります。

その際の計算方法は、所得税の課税所得金額等の5%(上限9万7,500円)の範囲内で住民税から引かれることになります。

もし、1年間で所得税を7万円、住民税を18万円納めている方の場合で、住宅ローン控除額が30万円だった場合はどうなるのでしょうか。

この場合、住宅ローン控除額が30万円で、所得税と住民税の合計が25万円となるので、全額控除されそうに思われます。

しかし、住民税の控除額は上限が9万7,500円と決まっているため、所得税の10万円に住民税の控除上限額9万7,500円を合計した19万7,500円が実際の控除額となります。

住宅ローン控除額が大きい場合でも、全額が控除されない場合もあるという点には注意が必要です。なお、住宅ローン控除について詳しく知りたい方は、下記記事を参照にしてみてください。

【決定的な違い】「所得控除」と「税額控除」の仕組みを知れば同時申請でトクする理由がわかる

男性

医療費控除と住宅ローン控除は、どちらにも「控除」の文字が入るため同じような制度であると勘違いしてしまいがちです。しかし、実際には仕組みの違う制度になっています。

医療費控除は所得控除の中の一つです。所得控除とは、所得税額を算出する時に、一定の金額を所得から差し引く制度です。

総所得額から控除金額を差し引くことで所得税を軽減し、納税者の負担を減らすことができます。所得控除には医療費控除の他、生命保険料控除などの14種類があります。

一方、住宅ローン控除は、医療費控除のような所得控除ではなく税額控除です。税額控除とは、課税所得額から算出された所得税や住民税から直接、控除額を差し引く制度になります。

この違いから、確定申告で医療費控除と住宅ローン控除を併用することで、税金の負担をより大きく軽減することが可能になるのです。

【手取り別試算】医療費控除と住宅ローン控除を同時に確定申告したら税金はいくら戻る?

ここからは、例をあげながら医療費控除と住宅ローン控除を同時に申告した場合に、どれだけ税金の負担を軽減できるのかを具体的に解説していきましょう。

(1)年収500万円、住宅ローン3,500万円

シミュレーションの条件を以下にまとめておきます。

  1. ☑総所得額(年収):500万円
  2. ☑各種控除額:200万円
  3. ☑実際に支払った医療費:50万円
  4. ☑補てん金:30万円
  5. ☑住宅ローン総額:3,500万円

まずは、医療費控除額を算出していきましょう。医療費控除の計算式に当てはめます。

50万円(実際に支払った医療費)ー30万円(補てん金)−10万円=10万円(医療費控除額)

次に課税所得額を計算します。

500万円(総所得額)ー200万円(各種控除額)ー10万円(医療費控除額)=290万円(課税所得額)

住宅ローン控除額を算出します。

3,500万円(住宅ローン総額)×0.7%=24万5,000円

最後に所得税額を計算します。課税所得額は290万円なので税率は10%となり、所得税額は29万円です。ここから、住宅ローン控除額を差し引きます。

29万円(所得税額)ー24万5,000円(住宅ローン控除額)=4万5,000円

以上のことから、このケースでの所得税額は4万5,000円です。医療費控除を申告しなかった場合、所得税額は5万5,000円なので1万円の負担軽減となります。

(2)年収700万円、住宅ローン5,000万円

上記のシミュレーション同様、条件をまとめておきましょう。

  1. ☑総所得額(年収):700万円
  2. ☑各種控除額:300万円
  3. ☑実際に支払った医療費:80万円
  4. ☑補てん金:45万円
  5. ☑住宅ローン総額:5,000万円

それでは、医療費控除額から算出していきましょう。医療費控除の計算式に当てはめます。

80万円(実際に支払った医療費)ー45万円(補てん金)−10万円=25万円(医療費控除額)

次に課税所得額の計算です。

700万円(総所得額)ー300万円(各種控除額)ー25万円(医療費控除額)=375万円(課税所得額)

住宅ローン控除額を算出します。

5,000万円(住宅ローン総額)×0.7%=35万円

最後に所得税額を計算します。課税所得額は375万円なので税率は20%となり、所得税額は75万円です。ここから、住宅ローン控除額を差し引きます。

75万円(所得税額)ー35万円(住宅ローン控除額)=40万円

以上のことから、このケースでの所得税額は40万円です。医療費控除を申告しなかった場合、所得税額は45万円なので5万円の負担軽減となります。

以上のことから、医療費控除と住宅ローン控除を確定申告の際に同時に申請することで、税金の負担を軽減することが可能です。

【失敗しない手順】初めての同時確定申告に必要な提出書類と「ふるさと納税」併用時の注意点

女性

医療費控除も住宅ローン控除も、その適用を受けようと考えた場合、確定申告を行わなくてはいけません。

ここでは、医療費控除と住宅ローン控除を利用しようと考えた場合に必要な書類と、その手順について解説します。

(1)医療費控除

医療費控除を受けようと考えた場合の必要書類は以下の通りです。確定申告時に必要となります。

  • 医療費控除の明細書
  • 確定申告書
  • 源泉徴収票
  • 本人確認書類の写し

医療費控除の明細書と確定申告書は、お近くの税務者か国税庁のホームページからダウンロードすることができます。

また、国税庁のホームページには確定申告書の記載例もありますので、参考にしてみてください。

医療費控除の明細書について、領収書の添付の必要が2017年の確定申告からなくなりましたが、5年間の保存義務が生じるようになりました。

領収書は支払いごとに受け取るか、発行が難しい場合には「医療を受けた人」、「病院など支払先の名称」、「金額」をメモにまとめておけば大丈夫です。

税務署から提示や提出を求められた場合、すぐに対応できるようにしておきましょう。

また、健康保険組合が発行する「医療費のお知らせ」「医療費通知」があれば、医療費控除の明細書の記入を省略できます。

医療費控除の申請の手順としては、まず医療費が10万円以上かどうかを確認しましょう。10万円以下の場合は適用されません。

次に、確定申告書と医療費控除の明細書を作成します。記入漏れがないかどうかをしっかりと確認してください。

上述の通り、医療費のお知らせを医療費控除の明細書の代わりとして添付して提出することもできます。

最後に作成した書類を税務署に提出して完了です。期日内に提出ができるように、早い段階から用意しておくことをおすすめします。

提出は、郵送や税務署へ持参、e-TAXの利用が可能です。

(2)住宅ローン控除

住宅ローン控除を受けようと考えた場合に必要な提出書類は次の通りです。

  • 確定申告書
  • 本人確認書類の写し(マイナンバーカード)
  • (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
  • 土地・建物の登記事項証明書
  • 土地・建物の不動産売買契約書(請負契約書)の写し
  • 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(住宅ローンの残高を証明するため)
  • 特例要件(耐震改修や認定長期優良住宅など)を証明するための書類

住宅ローン控除を受けようと考えた場合、さまざまな書類が必要になります。どの書類をどこで入手するのか、しっかりと覚えておきましょう。

3の書類については、税務署や国税庁のホームページから入手できます。4の書類は法務局から入手しましょう。

6については住宅ローンを借入した金融機関から送付されてきます。7は住宅を購入した不動産会社から入手することが可能です。

7は、例えば中古住宅を購入した場合、築年数や耐震基準を満たしているかどうかを証明するために「耐震基準適合証明書」や「住宅性能評価書」などが必要となってきます。

確定申告の手続きとしては、まず、必要となる書類を集めることから始めましょう。書類によっては取得に時間がかかるものもあるので、期日に間に合うように余裕を持って準備しておくことが肝心です。

給与所得者、つまり、サラリーマンが確定申告を行う場合には、購入・入居した年の「翌年の1月4日から3月15日」まで、個人事業主は2月16日から3月15日の一般的な申告時期と合わせることになります。

書類が集まったら、確定申告書を記入します。医療費控除同様、記入漏れがないかどうかに注意してください。記入に迷うことがある場合は、税務署に相談することも可能です。

しかし、確定申告の時期は混み合うことがあるので、早めに解決するようにしましょう。確定申告書が完成すれば、医療費控除の時と同様の方法で提出して申請は完了です。

サラリーマンが住宅ローン控除を利用する場合、初年度に関しては確定申告が必要になりますが、2年目以降は会社の年末調整を行うだけで大丈夫です。

更に、住宅ローン控除は「ふるさと納税」との併用も可能です。

ふるさと納税は、確定申告が不要なワンストップ特例制度を利用できますが、住宅ローン控除を初めて申請する場合には、ワンストップ特例制度は利用できないという注意点があります。

また、ふるさと納税は、医療費控除との併用も可能です。

まとめ:控除の頭打ちで損をしないために、35年先までの「最適な税金戦略」を描こう

相談

医療費控除と住宅ローン控除は、どちらも税金の負担を軽減してくれるというメリットが受けられる大事な制度です。利用が可能であるならば、申請を行って利用しておくことが大事です。

しかし、申請の際にさまざまな書類が必要ですし、確定申告書を記入しなくてはならないため手間がかかると感じている方もおられるでしょう。

また、税理士に相談、もしくは税務署に相談することが可能です。不安がある方はぜひ専門家に相談してみるようにしましょう。

よくある質問

Q. 住宅ローン控除と医療費控除を同時に申請する場合、どちらの控除が先に計算されるのですか?

A. 2つの控除を同時に確定申告する場合、計算の順番は「医療費控除」が先で、「住宅ローン控除」が後になります。

【アルファ・ファイナンシャルプランナーズの見解】
この「計算順序」の仕組みこそが、手取りを最大化するうえで最も重要なポイントです。まず「所得控除」である医療費控除が先に計算されて課税所得が減り、その減った所得に対して所得税額が確定します。そして、その確定した所得税から「税額控除」である住宅ローン控除が最後に直接差し引かれます。

つまり、医療費控除を申請したことで所得税そのものが元々低くなるため、住宅ローン控除の枠(最大額)が所得税から引ききれなくなる現象(頭打ち)が発生しやすくなります。この引ききれなかった分は翌年の住民税から差し引かれますが、住民税にも「最高9万7,500円」という厳格な上限枠があるため、自分の年収で全額の恩恵を受けられるかを事前にプロのFPに試算してもらうことが賢明です。

Q. 住宅ローン控除で既に所得税が0円(全額還付)になっている場合、医療費控除を申請しても1円も得しないというのは本当ですか?

A. 「所得税がすでにゼロなら、これ以上何を申請しても意味がない」と誤解して、医療費控除の申請を諦めてしまう方は非常に多いです。

【アルファ・ファイナンシャルプランナーズの見解】
それは大損をしていますので、必ず同時に医療費控除も申請してください。確かに所得税はゼロのまま変わりませんが、医療費控除を申請して所得(住民税の課税ベース)が下がれば、翌年6月から天引きされる「住民税」そのものが自動的に安くなります。

さらに、医療費控除によって課税所得が下がると、連動して「保育料」の階層が下がって毎月の保育料が安くなったり、高校生のお子様がいる場合は「高等学校等就学支援金」の給付対象枠に滑り込めたりするなど、税金以外の公的補助の面で数十万円単位のメリットが事後的に生まれるケースが実務上多々あります。目先の所得税の還付金口座の数字だけで損得を判断してはいけません。

Q. サマリーマン(給与所得者)ですが、住宅ローン控除の「初年度」と「2年目以降」で、医療費控除を同時申請する際の手続きはどう変わりますか?

A. 住宅ローン控除を受ける最初の年(初年度)と、年末調整で処理できるようになる2年目以降では、確定申告の手続きのウエイトが大きく異なります。

【アルファ・ファイナンシャルプランナーズの見解】
家を購入した「初年度」は、住宅ローン控除も医療費控除も、どちらも2月〜3月の確定申告書に一括で記載して同時に税務署へ提出する必要があります。この時期は必要書類が多く、法務局の登記事項証明書などの手配で大忙しになります。

一方で、住宅ローン控除が「2年目以降」になれば、住宅ローン控除自体は10月〜11月に会社の「年末調整」へ書類を出して先に終わらせることができます。そして、年が明けた後に「医療費控除の分だけ」を個人でネット(e-Tax)から確定申告する形に変わります。この場合、年末調整ですでに住宅ローン控除が適用された後の源泉徴収票をベースに、医療費控除を上書き申告するフローになります。仕組みがガラリと変わるため、提出期限直前に慌てないよう、スケジュールをプロと一緒に整理しておきましょう。

Q. 住宅ローン控除と医療費控除に加えて、さらに「ふるさと納税」をトリプルで併用することは可能ですか?

A. 住宅購入、多額の医療費、そしてふるさと納税の3つが同じ年に重なった場合、すべてを併用して最大限の節税効果を得られるのか不安になるのは当然です。

【アルファ・ファイナンシャルプランナーズの見解】
結論から言うとトリプル併用は可能ですが、「ワンストップ特例制度が強制的に無効化される」という最大級の罠に注意してください。住宅ローン控除の初年度や、医療費控除の申請をするために一回でも確定申告書を提出すると、事前に自治体へ出していたワンストップ特例の申請はすべてゴミ箱行きになります。

つまり、確定申告をする際は、ふるさと納税の「寄付金控除」の分もすべて申告書に手動で書き直さなければ、ふるさと納税分がまるまる大損(ただの寄付)になってしまいます。さらに、医療費控除で所得が下がると、ふるさと納税の「最大の寄付限度額(上限枠)」自体も数千円〜数万円レベルで引き下げられます。限界まで得をするための正確な寄付上限額の算出は、当社の特許アプリ『マネソル』で事前にシミュレーションをかけるのが最も確実です。

Q. 同時申請の確定申告書を作るのが難しそうで、損をせずに一発でクリアできるか不安です。

A. 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」は便利になっていますが、複数の控除が絡み合うと、どの欄に何を転記すれば還付金が最大化するのか、一般の方には判断が難しいのが現実です。

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この記事の監修者

代表取締役/田中佑輝
アルファ・ファイナンシャルプランナーズ 代表取締役/田中佑輝

アジア金融の中心地であるシンガポールに10年間滞在し、グローバルな金融リテラシーを培う。外資系銀行にてプライベートバンカー、セールスマネジャーなどを経て株式会社アルファ・ファイナンシャルプランナーズを創業。実務の傍ら、Bond University大学院にて経営学修士(MBA)を取得。現場での豊富な実務経験と理論に基づき、単なる運用益にとらわれない「一生涯お金に困らないための資産形成」を提唱。富裕層から一般層まで自身で2,000件以上、代表を務める同社全体ではのべ3万件以上の資産運用のアドバイス実績を持つ。

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