首都圏・近畿圏を中心に新築マンションや一戸建て、リノベーションマンション、賃貸マンション、ビル、ホテルなどを開発・販売する不動産デベロッパーである「株式会社コスモスイニシア」。
同社は他社とはひと味違い、応募者一人ひとりとの対話に力を入れる採用方法で、優秀な人材の確保に力を注いでいます。
「個と組織の躍動」をスローガンに、従業員一人ひとりが能力を存分に発揮できる環境を整備しています。
今回は、同社の執行役員である、木下修文(おさふみ)氏にその具体的な内容について詳しく伺いました。
仲間探しがコンセプト!採用プロセスでは「対話」を重視
ーー 木下さんが在籍する人事部では、普段どのようなお仕事をされていますか?
木下氏:私たち人事部では、新卒・キャリア(中途)採用から、従業員の育成、エンゲージメント向上、健康経営に至るまで、人事に関するあらゆる施策を担当しています。
特に、力を入れているのは、一人ひとりの個性や能力を最大限に発揮できる環境づくりです。多様な人材が活躍できる土壌を整えることで、会社の持続的成長にもつなげていきたいと考えています。
ーー 新卒採用ではどのような方針で臨んでいますか?
木下氏:当社の新卒採用では、以前から「仲間探し」がコンセプトです。
不動産デベロッパーとして事業を進めていく上では、若いうちから複数の関係者を巻き込みながら仕事を推進していく力が欠かせません。
そのため、私たちは単なる知識やスキルではなく、課題解決に主体的に取り組める人材を見出すことを重視しています。
選考プロセスは少人数の対話形式で実施しており、書類選考も基本的にありません。最初は約10名の学生と超少人数の説明会を開催し、参加者の聞きたいこと知りたいことを90分間かけて対話します。
2回目以降は個別の面談を実施。多い方では人事以外の社員面談も含めて10回近くの面談を通じて、じっくりと学生と話し相互理解に力を入れています。
私たちの面談の負荷は大きいですが、直接接点を持つことを重視しています。こうした地道なコミュニケーションの積み重ねによって、学生が大事にしている価値観や将来性をすり合わせていくわけです。
ーー 中途採用における方針やテーマはありますか?
木下氏:キャリア採用(中途採用)についても、新卒採用と同様に「仲間探し」の考えを大切にしています。
特に、キャリア採用の場合は、一人ひとりのキャリアビジョンを丁寧にヒアリングし、当社における職務とのマッチングを確認しています。
新卒採用と同様に、キャリア採用の面談でも対話を重視。面談は1回あたり40〜50分に設定し、最低でも3回は実施するようにしています。
経歴や志望理由だけでなく、高校・大学時代までさかのぼり、打ち込んだ経験などを詳しく聞いています。そこまで話すことで、その方の根本的な価値観を知れるようになり、社風と合っているかが判断しやすくなるわけです。実際、他社からは「採用面接でここまで時間をかけているのは珍しい」と驚かれることが多いですね。
4つの行動指針で見極める!株式会社コスモスイニシアの求める人物像
ーー 貴社が求める人物像について教えてください。
木下氏:当社には、従業員が個性を発揮し、お互いのキャリア観や人生観を尊重する風土があります。その価値観に共感できるかという点に加えて、以下のようなValues(行動指針)を定めています。
- Commit:圧倒的な当事者意識で、驚異のはやさを実現せよ
- Innovate:自由に挑戦し、遊び心をもって革新せよ
- Grow up:自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ
- Relationship:個を超えて、チームで価値を創造せよ
面接では上記4つの指針に照らし合わせて、学生時代の経験やエピソードを通して人物像・人生観を探るようにしています。
ポテンシャルを多角的に見極め、社風に合った人材かどうかを確認しているのです。
性別や国籍などに関係なく活躍できる、個性の発揮を歓迎する企業文化
ーー 働かれている従業員にはどのような方が多いですか?
木下氏:従業員の人数や割合は、以下の通りです。
- 従業員数 718名(アルバイトを除く)
- 男女比 44%:56%
- 年代比 20代:30代:40代:50代:60歳以上 27%:31%:24%:11%:8%
当社が多様な人材を受け入れ、女性の活躍を推進できるのは、リクルートのグループ会社として創業したことが大きな要因だと考えています。
古くから、性別や国籍などに関わらず、誰もが仕事で平等に評価される環境が整っていました。このような環境があるからこそ、従業員一人ひとりが個性を発揮できるのだと思います。
実際に、従業員それぞれが個性的な人物であり、周囲からもそのように言われるケースが多々あります。
さらに、当社では独立支援制度など少し変わった人事制度などもあり、将来起業を目指している方や、自律的に仕事に取り組みたいという方にもマッチしやすい環境です。
年100名以上の従業員と面談!キャリアと人生を尊重する独自の取り組み
ーー 従業員のエンゲージメント向上のために、どのような取り組みをされていますか?
木下氏:当社は、従業員一人ひとりのキャリアや人生も尊重しているため、画一的なキャリアパスを押し付けることはしません。会社としては、お互いの方向性を大切にしながら、成長の後押しをします。
具体的には、上司と部下の1on1面談などの対話が多いことが特徴です。日頃の悩みや課題をヒアリングする場を定期的に設けて、組織のメンバーの声を組織運営に反映させています。
また、人事部門の立場から、希望者への個人面談の機会を積極的に設け、年間で100名以上の方と向き合ったりもします。
このような地道な取り組みの積み重ねが、従業員のエンゲージメント向上や、働きがいにつながっていくと思います。
独創性が際立つ!従業員のファイナンシャルウェルビーイング
ーー 健康経営に関する中長期的な取り組みがあれば教えてください
木下氏: 当社では、健康経営を重要な経営課題と位置付けています。
具体的には、世代・性別ごとの健康課題に寄り添ったセミナーや社内マッサージルームの設置、花粉症・眼精疲労への支援などの多様な意識改革・健康促進施策です。
また、誕生月や半期に一定日数以上の有給休暇を取得すると手当が支給されます。
誕生月に有給休暇を1日取得すると1万円、半期ごとに3日以上の有給休暇を取得し、土日祝日と合わせて5日以上の連続休暇を取ると3万円も受け取ることが可能です。そのため、従業員の休暇取得を促進し、チーム内で互いに協力し合える職場環境づくりにもつながっています。
さらに、新入社員向けの企業型確定拠出年金(企業型DC)の勉強会や、健康保険組合主催の資産形成セミナーなどを実施しています。
社員の金融リテラシー向上の機会が少ないと考え、会社主導でこのような取り組みを行っているのが特徴です。セミナーでは、ライフイベントごとの資金計画などの実践的なテーマを取り上げ、社員が経済的な不安なく働ける環境を目指しています。
個を活かしチーム力を高め、日経新聞プラチナ企業第2位に選出
ーー 最後に、貴社の目指す組織像をお聞かせください。
木下氏:当社は、「個人の個性を尊重しつつ、チームとして成果を出せる組織」を目指しています。
この取り組みが評価され、2024年4月3日の日経新聞では、プラチナ企業として約2,300社中2位に選ばれました。
プラチナ企業とは、日経新聞が独自に評価する、やりがいと働きやすさが共に高い会社のことです。このように第三者から評価されたことを、当社としても大変嬉しく思います。
これからも、一人ひとりの成長と会社の発展を目指し、社会から評価される組織を目指していきます。
株式会社コスモスイニシア
URL:https://www.cigr.co.jp/
1974年にリクルートのグループ会社として創業した不動産デベロッパー。2005年にリクルートグループから独立、2013年に大和ハウスグループに入り、現在は首都圏を中心に住宅のみならずビルやホテルなどの多様な不動産の開発・販売をしています。