住宅ローンは長期返済になることも多く、無理なく返済を続けるためには、「変動金利or固定金利」など、金利タイプの選び方が重要です。
また、メガバンクやネット銀行・フラット35など、住宅ローンの提供元によって金利や手数料に差があるため、慎重に検討する必要もあります。
今回は、2025年の最新金利動向を踏まえながら、「変動型」「全期間固定型」「固定期間選択型」など、住宅ローン金利の特徴を比較します。
ライフプランやリスク許容度を考えて、最適な住宅ローンを探しましょう。
【最新金利】「おすすめの人気住宅ローンを徹底比較!金利・手数料・優遇が良いのは?」
住宅ローンの金利タイプ
住宅ローンの金利タイプには、大きく分けて下記4つのパターンがあります。
- 変動金利型
- キャップ付き変動金利型
- 全期間固定金利型
- 固定金利期間選択型
4つの金利形態それぞれの基本的な特徴をおさえ、どのパターンが自分に合っているかを見ていきましょう。
変動金利型
変動金利型の住宅ローンは、市場金利の変動に伴って、住宅ローンの金利が上下するのが特徴です。
基本的には基準金利(店頭表示金利)をもとに金利が決められ、基準金利が変動すれば、住宅ローンの金利も変わります。
短期プライムレート(※)や銀行独自の指標が見直されるなど、「半年や1年に一度」などのタイミングで金利が変動するのが特徴です。
ただ、急な金利変動で返済額が急増しないように「5年ルール」や「125%ルール」があり、金利が大きく動いても毎月返済額が一気に激増しないよう配慮されています。
※日本銀行「日本銀行のホームページに掲載されている「長期プライムレート」、「短期プライムレート」はどのようなものですか?」
参考:国土交通省資料9頁より「民間金融機関の変動金利の返済ルールについて」
変動金利は固定金利と比較すると金利は低いですが、利上げ局面が続くと長い目で見て支払総額が増えるリスクがあり、楽観視は危険です。
変動金利型の住宅ローンは、収入や貯蓄に余裕があり今は返済を軽くしておきたい人や、金利が上がったらすぐに借り換えができるなど、臨機応変に対応できる人に向いています。
一方で、金利がいつ変わるか心配で落ち着かない人には、合わないでしょう。
キャップ付き変動金利型
キャップ付き変動金利型は、変動金利に上限(キャップ)を設けたタイプです。
通常の変動金利は、理論上金利がどこまでも上がる可能性があります。
しかし、キャップ付き変動金利型なら「金利がどんなに上がっても5%まで」といった具合に天井が設定されており安心です。
一方で、金利は通常の変動金利型よりも高めに設定されるケースが多いでしょう。「上限保障の対価を上乗せ金利として支払う」とイメージするとわかりやすいかもしれません。
キャップ付き変動金利型は、一時期多くの金融機関が取り扱っていましたが、低金利時代が続いていることから、現在ではろうきんや一部の信用金庫程度でしか扱っていません。
住宅ローン【キャップ住宅ローン】
市場金利に連動する変動金利型住宅ローンです。当初お借り入れから10年間の特約期間中は、あらかじめ設定されている上限金利を超えることはありません。
四国ろうきん「住宅ローン【キャップ住宅ローン】」
ただし、最近の金利上昇リスクが取り沙汰されるなか、再びキャップ付き商品が増える可能性もあります。
「急激な上昇リスクを抑えたいが、全期間固定よりは金利を低く抑えたい」と思うなら、一度チェックしてみましょう。
全期間固定金利型
全期間固定金利型の住宅ローンは、ローン契約時の金利が完済時まで変わらないタイプです。
変動金利や固定期間選択型と比べると、金利水準は一番高くなる傾向がありますが、その代わり長期間返済額が変わらないため安心して返済できるでしょう。
全期間固定金利型は、市場金利の動向に左右されず安定して返済が続けられる反面、「金利が下がるトレンドに入っても恩恵を受けられない」というデメリットがあります。
「35年の長期にわたり金利は変わらない」という点は、大きな安心感につながります。
将来的に金利が上がる可能性を見越し、かつ不確実性を嫌うタイプの人には向いているでしょう。
固定金利期間選択型
固定金利期間選択型は、2年・3年・5年・10年など特定の期間だけ金利を固定し、その期間が終わると再び固定期間を延長するか、変動金利に切り替えるかを選べる仕組みです。
変動と全期間固定の中間的な金利形態で、「10年で様子を見て、そこから変動にするか固定のまま続けるかを判断する」など、柔軟性が高いのがメリットといえるでしょう。
一方で、期間終了ごとの金利更新で思わぬ上昇が待っている可能性があり、変動との違いがはっきりしなくなる場面もあります。
さらに、期間を短め(2〜5年)に設定すると、当初金利は低めでも、更新時に金利が上がってしまい返済額が増えるリスクも否めません。
全期間固定型ほどの安心感はないものの、変動よりはリスクを抑えたいという人に向いています。
自分の人生設計に合わせ、タイミングを見計らって金利タイプを変えられるのが強みと言えるでしょう。
変動金利型住宅ローンの特徴とおすすめな方
変動金利型は、契約当初の金利が低く、ネット銀行では0.3〜0.5%台で借りられる場合もあります。
ただし、金利上昇の局面では住宅ローンの金利も上がり、連動して返済総額が増えるリスクも考えなければいけません。
変動金利型住宅ローンの特徴
変動金利型では、金融機関が設定した基準金利(店頭表示金利など)をもとに、住宅ローンの金利が決められます。
基本的には、半年に一度、基準金利が見直されるタイミングが来ますが、多くの銀行が「5年間は金利固定」「返済額が125%を超えないよう制限する」など、負担の急増を抑えるルールを設けているのが特徴です。
「フル変動」と呼ばれる金利形態では、上限金利や固定特約がつかない分、市場金利が下がると驚きの低金利が適用される場合もあります。
しかし、日銀の政策や市場金利が上がれば、将来的に大幅な金利が上がるリスクもあるでしょう。金利が1%上がっただけでも、借入額が大きければ月々数万円の返済増となるケースがあります。
変動金利型の住宅ローンを利用する場合は、急な金利上昇でも対応できるように、ある程度の経済的な余力と金融リテラシーが必要です。
「金利情勢に疎い」「なんとなく低金利だから契約しておこう」といった方には不向きといえるでしょう。
変動金利型住宅ローンの金利相場
2025年3月時点、変動金利型住宅ローンの相場は下記の通りです。
- ネット銀行……0.4%前後
- メガバンク……0.3〜0.6%台
- 地方銀行……0.5〜1.0%
昨年から0.1〜0.2%ほど引き上げられたケースが多い一方、メガバンクによっては追加の利上げを見送っているところもあり、足並みは揃ってはいません。
金利の基準には短期プライムレートが絡みますが、各行がどの程度自社負担を吸収するかで、住宅ローン金利も変わります。
今後は日銀がさらに利上げを実施することで、主要銀行が変動金利を段階的に引き上げるかもしれません。
日本銀行は、本年3月に金融政策枠組みの見直しを行ったあと、7月に政策金利を引き上げた。短期金利(無担保コールレート翌日物)は、3月以降0~から0.1%の範囲で推移していたところから上昇し、0.25%程度で推移している。
日本銀行「金融システムレポート(2024年10月号)」
2024年10月の利上げで0.25%程度アップしたことを踏まえると、2025年4月以降も同じ幅で上がるシナリオが想定されるでしょう。
変動金利型住宅ローンのメリット・デメリット
変動金利型住宅ローンには、下記のメリット・デメリットがあります。
「変動金利型住宅ローン」と聞くと、「低金利でお得」というイメージを持つ方も多いでしょう。
しかし、市場金利が上がると返済負担が増えるため、長期的に見て安心はできません。
- 当初金利が低く、月々の返済負担を抑えやすい
- 金利が下がれば利息面で得をする可能性がある
- 追加手数料などが比較的安価で、繰り上げ返済もしやすい
- 変動金利から固定金利へ変更できる商品が多い
- 市場金利の上昇により、将来的に返済額が増えるリスクがある
- 5年ルールや125%ルールがあっても、金利次第では返済負担が重くのしかかる
- 経済動向が気になって、落ち着かないケースも多い
変動金利型住宅ローンがおすすめの方
変動金利型の住宅ローンは、低金利のメリットを受けつつ、金利上昇時には契約変更を迅速に行える「金融リテラシーが高い方に向いている商品」です。
金利変動リスクを許容できるかどうかが、最大のポイントといえるでしょう。
- 金利変動リスクを理解したうえで、低金利のメリットを受けたい
- 金利が上がっても、収入アップやまとまった貯蓄で対応する自信がある
- 金利が大幅に上がったらすぐ借り換えを検討できる
- 精神的に変動をあまり気にしない
【元融資担当者が解説】住宅ローンの審査はどこを見られる?通過率をアップさせるためのポイント
全期間固定金利型住宅ローンの特徴とおすすめな方
全期間固定金利型は、金利が返済終了まで変わらないのが特徴です。
長期的に景気や金融政策に変化があっても、返済額が一定なので家計管理がしやすく、金利リスクを嫌う人にとっては魅力的でしょう。
全期間固定金利型住宅ローンの特徴
全期間固定金利型では、住宅ローン契約時で決められた金利が完済まで変わりません。
一方で、変動金利タイプや固定金利期間選択型タイプと比較して、金利は一番高めに設定され、契約時の金利に驚く人も少なくありません。
2025年4月現在も、超低金利時代は続いているため、借入額や返済期間によっては変動金利と比べ、月々の返済が1万円以上高くなるケースもあります。
「将来の金利上昇リスクを回避できる」という意味では安心ですが、そのリスクが現実化しなかった場合は損をした気持ちになるかもしれません。
とはいえ、景気が好転して金利が高騰すれば、全期間固定を選んでいた人が逆に得をする場合もあります。
固定金利型の住宅ローンは、「金利が上がっても下がっても、ずっと変わらない安心感を重視したい」という方に向いているといえるでしょう。
全期間固定金利型住宅ローンの金利相場
2025年4月時点、全期間固定金利型住宅ローンの相場は下記の通りです。
- ネット銀行、メガバンク……1.9〜2.8%
- 地方銀行……1.67〜2%台
- 一部の地銀や信金……2%〜3%と高め
全期間固定金利は、変動金利型と比べると1%以上高いことが多く、総返済額で見ると数百万円単位の利息差がつくことがあります。
昨年に比べても0.1〜0.2%ほど上がっていますが、今後の動向は各行の方針次第となり、見通しが難しい部分もあります。
そもそも、固定金利は銀行が「安心を提供する対価」として設定している側面が強く、実際の市場金利以上に高めに設定するケースがほとんどです。
一方で、固定金利型を利用するユーザーは減っているため、積極的に低金利キャンペーンを打つ銀行もあれば、あまり力を入れず金利を高止まりさせているところもあり、銀行ごとの方針が違うのが現状です。
全期間固定金利型住宅ローンのメリット・デメリット
全期間固定金利型住宅ローンには、下記のメリット・デメリットがあります。
全期間固定金利型住宅ローンは、金利が下がり続けた局面だと損をすることになるため、あくまで「リスクヘッジの対価として納得できるかどうか?」がポイントといえます。
- 借入から完済まで返済額が一定で、計画を立てやすい
- 金利が上昇しても支払額が変わらず、リスクが少ない
- 変動金利のように金利チェックする必要があまりない
- 当初金利が高めで、変動より数%高い場合もある
- 市場金利が下がっても恩恵を受けられない
- 長期的な金利分の負担が大きくなるリスクがある
全期間固定金利型住宅ローンがおすすめの方
全期間固定は、変動金利に安心料がプラスされるイメージです。
そのため「金利変動で不安になりたくない」「少しくらい返済額が高くても返済できる余裕がある」という方に向いているでしょう。
- 将来の金利変動リスクに頭を悩ませたくない
- 長期間にわたって返済額は一定にしておきたい
- 多少金利が高くても安心感を重視し
単身世帯や共働き家庭で、教育費や介護にまつわる出費なども心配なく、先行きが読みやすい人に適した金利形態ともいえます。
固定金利期間選択型住宅ローンの特徴とおすすめな方
固定金利期間選択型は、住宅ローンの返済がスタートしてから一定期間は固定金利を採用し、そのあとは変動や別の固定期間に切り替えることができるのが特徴です。
変動金利ほどの低金利ではありませんが、全期間固定より返済額が安い期間もあり、金利上昇&下降のどちらでも対応できる柔軟さが魅力といえます。
ただし、固定期間が終わったタイミングで、想定外に金利が上がるリスクは残ります。
固定金利期間選択型住宅ローンの特徴
固定金利期間選択型では、最初の2〜10年程度を固定とし、その期間中の金利は変わりません。
期間が終了すると、「改めて固定延長をするか?」それとも「変動金利に移行するか?」を選べるため、ライフイベントに合わせ金利プランを変更できる柔軟性が魅力です。
最初の固定期間が短いほど金利が低くなるパターンが多く、その一方で終了後の金利が一気に上昇すると返済負担が増えるリスクもあります。
長期金利が変動する局面では、これまでより高い金利が適用されたり、逆にタイミングが良ければ低い金利に乗り換えられる可能性もあります。
変動金利と比べると当初の負担はやや高めですが、全期間固定ほどの金利ではなく、低金利のメリットは受けつつ柔軟に対応できる「変動と固定の中間的な商品」として人気です。
ただし、期間終了時には手数料が見直されたり、別途審査が必要なケースもあったりする点は覚えておきましょう。
固定金利期間選択型住宅ローンの金利相場
2025年4月時点、固定金利期間選択型住宅ローンの金利相場は下記の通りです。
- ネット銀行、メガバンク……約1.1〜1.9%
- 地方銀行……1.35%~3.7%前後
固定期間10年ものの場合は、1%台前半から2%近くまでが主流ですが、地銀などでは3%前後とかなり高いところも見受けられます。
固定期間が短い2〜3年型を選べば、当初金利はさらに低水準になる場合がありますが、そのぶん固定期間終了が早くやってきて金利が跳ね上がるリスクは大きくなります。
固定金利期間選択型住宅ローンのメリット・デメリット
固定金利期間選択型住宅ローンには、下記のメリット・デメリットがあります。
- 当初期間中は金利が変わらず安心感がある
- 期間終了後、変動か固定かを再選択できるなど柔軟な対応が可能
- 全期間固定より金利が低くなりやすい
- ライフプランに合わせて金利計画を組み替えやすい
- 固定期間満了後に金利が上がるリスクがある
- 変動より金利は高めで返済額も多い
- 定期的にプラン変更を考える必要があり手間もかかる。手数料がかかる例もある
固定金利期間選択型住宅ローンがおすすめの方
固定金利期間選択型住宅ローンは、「固定金利で安心したいが全期間固定の金利は高すぎる」と感じる人や、ライフプランが数年ごとに変わる人に向いています。
例えば、固定期間が終わる10年後に子どもが独立していることが想定されるなら、そこから変動金利に切り替えて一気に繰り上げ返済するなどの戦略が立てられるでしょう。
- 変動金利のリスクは少し重いが、全期間固定ほど高い利息は払いたくない
- 10年後など区切りの時期に資金に余裕ができる見込みがある
表面金利と実質金利の違い
住宅ローンを比較するときは、表面金利と実質金利の両方を見ておく必要があります。
「金利〇%」という表面金利ばかりに注目してしまい、手数料を含めると損をしてしまう例も少なくありません。
表面金利とは?住宅ローンの貸付金利だけを指す
表面金利とは、単純に表示されている金利(年0.5%など)のことで、手数料や保証料などが含まれない数字を指します。
住宅ローンでは、金利手数料以外に保証料をはじめとする追加コストが発生します。
表面金利が低く見えても、諸費用が高いと結果的に支払総額が大きくなる可能性があるのです。
実質金利とは?手数料まで含めて支払うお金の割合を示す
一方で、実質金利は「貸付金利+保証料や事務手数料+団信の上乗せ金利」など、住宅ローンの契約にともなう手数料をすべて合算した額を利率で表したものです。
金融機関のチラシなどで「実質年率◯%」という表記がある場合は、そうした諸費用を含めて計算している可能性がありますが、住宅ローンではまだまだ一般的ではありません。
例えば、表面金利が同じ「0.5%」でも、事務手数料が「借入額×定率」で計算されるのか、または「定額◯万円」で計算されるのかによっても総返済額は変わります。
保証料についても、「金利に含まれるタイプ」や「一括前払いタイプ」などがあり、契約前に各費用を全部合計して比較しないと、正確なコストはわかりません。
住宅ローン選びではトータルコストでの比較が重要
住宅ローンは、表面金利だけでなく、諸費用を含めたトータルコストで比較するのがポイントです。
火災保険や団信保険料が金利に含まれているかどうかも、しっかりチェックしましょう。
表面金利が同じ「0.5%」のローンでも、片方は保証料が別途かかり、もう片方は保証料込みで金利を設定している場合もあり、総返済額では数十万円以上の差がつくこともあります。
住宅ローン金利シミュレーションのコツ
銀行の簡易シミュレーションは表面金利しか計算できないタイプが多いため、比較検討する際は、手数料や保険の費用を加えた実質コストを入念にシミュレーションしておきましょう。
また、住宅ローンをシミュレーションする際は、単純な金利計算だけでなく、金利上昇リスクや繰上返済のタイミングなど、複数のシナリオを考えるとより現実的でしょう。
変動金利が5年ごとに0.5%ずつ上昇すると仮定した場合、返済シミュレーション上で「毎月いくら増えるのか?」を見ておけば、不測の事態にも備えられます。
繰上返済の頻度や額を決めて試算すると、総返済額は大きく変わるため、その分の貯蓄計画も含めて検討しておくのがおすすめです。
銀行などが提供している公式シミュレーションは、あくまで現時点の金利で計算するタイプが多いため、複数の金利上昇シナリオを設定できるツールを使ったり、エクセルで自作したりする人もいます。
金利が0.5%上がるだけで利息総額が何百万円も変わるケースがあるので、「ざっくり大丈夫だろう」と思わずに慎重に試算しておきましょう。
【保存版】「住宅ローンを借りる流れは?申込〜融資までにすること・必要書類・気をつけるポイントを専門家が解説」
住宅ローンで金利以外にかかる手数料
住宅ローンを組む際、表面金利以外にも保証料や取扱手数料、繰上返済手数料、火災保険や地震保険などの費用が発生します。
これらを含めた諸費用を軽視すると、思わぬ負担増に驚くケースも少なくありません。
保証料
保証料は、住宅ローンを返済できなくなった場合に、保証会社が代わりに銀行へ残債を返済するための費用です。
借入時に一括前払いする方法と、金利に上乗せして月々払う方法があり、一括型であれば総額で数十万円〜200万円程度になる可能性があります。
借入8,000万円×35年返済といった高額の住宅ローンなら、100万円を超える例も珍しくありません。
金利上乗せ型にすると初期費用を抑えられますが、総返済額は一括前払いより高くなってしまいます。
保証料を自己負担とせず、取扱手数料を高めに設定して保証料を銀行が負担する商品もあるため、各金融機関のプランをチェックしてみるのが良いでしょう。
融資手数料(ローン手数料)
融資手数料は、住宅ローンの実行時に銀行へ支払う事務費用のことです。
保証料とは別に発生する費用であり、金融機関によっては、保証料がかからない(または保証料が含まれている)ローンでも、この手数料が高額になるケースがあります。
多くの場合、借入額の2.2%程度など定率で計算する方式が採用されており、借入額が増えるほど手数料は高くなるでしょう。
一方で、定額方式を採用している金融機関もあり、この場合は借入額に関係なく手数料は一律です。
たとえば、借入額8,000万円で定率2.2%の事務手数料がかかると手数料は176万円となり、相当な負担になります。
そのため、住宅ローンを選ぶ際は、金利だけでなく手数料の計算方法も確認し、総支払額を比較することが大切です。
繰上返済手数料
繰上返済手数料は、住宅ローンの一部または全額を繰上返済する際にかかる手数料です。
ネット経由で手続きする場合は無料が多く、店頭での手続きなら1万5千円など、金融機関によってルールが異なります。
こまめに繰上返済したい人は、手数料がかからないネット銀行のローンを選ぶと良いでしょう。
なお、固定金利の場合は繰上返済に違約金がかかる事例や、「期間短縮型のみ無料だけど返済額軽減型は有料」など細かい条件があるところもあります。
繰上返済を積極的に使って早期完済したいなら、契約前に手数料体系を入念にチェックしておく必要があるでしょう。
火災保険、地震保険
銀行は住宅ローンを組む際に、火災保険への加入を義務付けるのが一般的です。
地震保険は任意となる場合が多いですが、地震が原因で発生した火災は、火災保険だけではカバーされないので注意しましょう。
保険料は建物の構造や所在地、補償内容などによって大きく異なり、「一括払い」または「分割払い」が選択できます。
保険料は、思いのほか高額になるケースもあるため、手続きをして金額を見て驚く人がほとんどです。
地震保険は地域によって料率が変わるほか、耐震性能が高い住宅なら割引が適用されることがあります。
少しでも保険料を安くしたいなら、保障範囲を見直して本当に必要なオプションを厳選するなど、保険会社と相談しながらバランスを調整すると良いでしょう。
住宅ローンの変動金利が変わる要因
変動金利は、市場金利や金融機関の方針によって見直され、想定以上に上昇すると返済計画が狂うリスクがあります。
どんなきっかけで金利が変更されるのか、景気や銀行の視点からも見ていきましょう。
金利変動リスクを理解しておけば、対策や心構えが取りやすくなります。
【最新情報】住宅ローン控除の仕組み・条件・申請方法を完全解説!
基準金利が上がると住宅ローン金利も上がる|(下がるパターンも同じ)
三菱UFJ銀行やみずほ銀行など、メガバンクの変動金利型住宅ローンのほとんどは、「短期プライムレート」を基準にしており、基準金利が上がると住宅ローンの金利も上昇します。
逆に基準金利が下がれば、ローン金利も連動して下がります。
ただし、金融機関が独自の優遇幅を適用する場合もあり、基準金利が上がっても利用者の負担が変わらないケースも少なくはありません。
好景気になると金利が上がり住宅ローン金利も上がる
好景気の局面ではモノやサービスへの需要が増し、インフレ圧力が強まります。
こうなると日銀が金利を引き上げて経済を適度に冷やそうとするため、市場金利や短期プライムレートが上昇し、住宅ローン変動金利も上がるでしょう。
金利上昇の局面では、給与やボーナスが伸びて返済に余裕が出る人もいれば、物価高による生活費負担増で、結局「プラスマイナスゼロ」になる可能性もあります。
好景気になると必ず金利が上昇するとはいえませんが、一般的には景気指標が改善すれば利上げが検討されるパターンがほとんどです。
金融引き締めが続くと金利上昇はさらに進み、返済額増加が家計に重くのしかかります。
銀行が住宅ローンに消極的になると住宅ローン金利が上がる
銀行が住宅ローン事業に消極的になると、貸出量を抑えたい分、金利を上乗せして顧客を選別する動きが現れます。
住宅ローン以外に大きな収益源があるときや、不良債権リスクを恐れて特定地域や属性を制限する場合などが典型的な例です。
こうした動向は各行の経営方針や時期によってさまざまで、顧客には予測しにくい部分があるのが正直なところです。
少なくとも、各行の金利推移やキャンペーンの告知を定期的にチェックし、より良い条件がないかよくチェックしておく必要があるでしょう。
住宅ローンの金利まとめ
住宅ローンを選ぶ際は、「変動金利か固定金利か?」、また「固定なら全期間固定か期間選択型か?」など、金利タイプの違いを理解することが重要です。
加えて、表面金利だけでなく、保証料や取扱手数料、火災保険などの諸費用を含む実質的なコストを比較しないと、本当にお得かどうか判断できません。
最近の金利がどう動くかは予測が難しい部分もありますが、ニュースや各金融機関の発表を定期的にチェックし、自分のライフプランに適した住宅ローンを選ぶようにしましょう。
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