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コラム
2020年2月10日 税金
確定申告が必要なのはどんなとき?場合によってはお得なケースも

毎年2月16日から3月15日までは所得税の確定申告の期間。

確定申告も経験がある人もいると思いますが、サラリーマンの大多数は勤務先の年末調整にお任せして、毎年、確定申告をするは少ないのではないでしょうか?

今回はサラリーマンでも確定申告が必要なケース、お得なケースについて解説します。

なお、「任意」とある項目は確定申告の義務はありませんが、確定申告をしたほうがお得なので必要なケースとして紹介します。

1.給与が多い

給与収入が2,000万円を超える場合、確定申告が必要です。

毎年、年末に勤務先から受け取る給与所得の源泉徴収票をもらっていると思いますが、

多くの場合、家族構成や支払った保険料や掛金等に応じて1~11月までに徴収しすぎた所得税が年末に調整されます(年末調整)。給与収入が2,000万円を超える人は、年末調整が行われず、確定申告をしなければなりません。

源泉徴収票の支払金額の欄に「20,000,000」を超える数値が記載されています。

(参考:国税庁「給与等の金額が2,000万円を超える者の源泉徴収票の記載要領」)

2.途中で退職し、年末時点で働いていない(任意)

退職しても次の職場で働いていれば転職先で年末調整を受けられますが、退職して働いていない場合は、年末調整が行われず、多くの場合、所得税が多めに徴収されたままになっています。確定申告をすれば、税金を取り戻すことができる可能性が高いと考えられます。

3.副業や投資の所得が20万円を超える

会社員が受け取る給与所得や退職所得以外の所得金額の合計額が20万円を超える場合は

所得税の確定申告が必要です。

多くの人に発生する投資や保険の扱いは以下のとおりです。

(1)株式や投資信託の利益がある場合

特定口座(源泉徴収あり)を選択している場合には確定申告は不要ですが、

特定口座(源泉徴収なし)を選択している場合には確定申告が必要となります。

なお、NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAの口座の利益は確定申告不要です。

(2)生命保険の満期保険金や解約返戻金を契約者(保険料負担者)が受け取る場合

受取保険金(解約返戻金)から支払った保険料と特別控除(50万円)を差し引いた金額が一時所得となり、一時所得の2分の1の金額が課税対象となります。

例えば給与以外の所得が満期保険金等のみである場合、保険の解約差益が90万円超である場合に確定申告が必要となります((差益90万円-特別控除50万円)×1/2=20万円)。

4.株式や投資信託で損をした(任意)

特定口座内で取引した上場株式、投資信託、債券等の売却損失がある場合、特定口座内の配当金、利子とは自動的に損益通算されるので、確定申告は必要ありません。

一方、

・他の特定口座の売却益と通算したい

・他の特定口座の利子、配当と損益通算したい

場合、確定申告をすると利子、配当、売却益から源泉された税金が戻ってきます。

配当金については「総合課税」ではなく、「申告分離課税」を選択しなければなりません。

また、前年以前に発生した売却損について、損益通算しきれず残っている場合、毎年連続して確定申告をしていることを条件に、前年以前の売却損と今年の売却益、配当、利子と通算することで、今年、売却益、配当、利子から源泉された税金が戻ってきます。

なお、NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAでの損失は損益通算できません。

5.医療費がたくさんかかった(任意)

納税者本人、本人と生計を一にする配偶者その他親族のために支払った医療費が多い場合に適用できます。

通常の医療費控除は年間10万円超(総所得金額等が200万円未満の場合は総所得金額等の5%超)を支払った場合に受けることができます(年間200万円が限度)。

また、期間限定ですが、ドラッグストア等で年間12,000円超の特定一般用医薬品購入費(スイッチOTC医薬品購入費)を購入した場合に適用を受けられる「セルフメディケーション税制」を使うこともできます。特定一般医薬品には、「税控除対象」マークが添付されています。

2つの医療費控除は選択制となっています。

6.ふるさと納税をした(任意)

納税者が一定の団体に年間2,000円超を寄附した場合、寄附金控除の適用を受けることができます。なお、都道府県や市町村に寄附する場合は、通常の所得税、住民税の寄附金控除に加えて、さらに多く上税金が戻ってきます(ふるさと納税)。

ふるさと納税は、サラリーマンの場合、寄附先の都道府県、市町村が5以下であれば、

「ワンストップ特例制度」の適用により、確定申告をしなくても、翌年度の住民税から控除を受けられますが、6以上の都道府県、市町村に寄附をした場合には確定申告が必要となります。

7.年末近くなってから生命保険、地震保険、共済、iDeCo等を契約した(任意)

通常、生命保険会社、損害保険会社、共済等の保険料(掛金)控除証明書は10月に送られてきます。言い換えると、年末が近づく11月以降に払い込みが始まる契約等の場合、年末調整に間に合いませんので、確定申告によって税金の還付を受けることができます。

8.マイホームを購入した(任意)

床面積50㎡以上の新築、中古住宅を償還期間10年以上の住宅ローンを利用して購入した場合、居住開始した年以降10年間(2020年12月までに消費税10%住宅に入居した場合は13年間)にわたり、年末の住宅ローン残高の1%の所得税額が戻ってきます。入居1年目は、確定申告をしなければ住宅ローン控除を受けられませんが、1年目に確定申告をしておけば、2年目以降は年末調整で控除を受けることができます。

所得税の制度は複雑ですし、確定申告の手続きは面倒に感じることと思いますが、

所得税は現役を退いた後も一生付き合うことになる税金です。

最近は、スマホを使ってできますし、e-Taxでは自動計算してくれます。

毎年2月の恒例行事としてはいかがでしょうか?

文・益山 真一(ますやま しんいち)

1971年生まれ。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。
1級FP技能士、CFP認定者
マンション管理士、宅地建物取引士、消費生活アドバイザー、ダイエット検定1級、食生活アドバイザー2級、健康管理能力検定2級
2003年から2017年まで15年にわたり、國學院大學経済学部非常勤講師

人生を楽しむお金を生み出すことを目的とした執筆、講演活動を展開。
主なテーマは「資産形成・老後資金準備と家計管理」。
FPの資格取得・継続教育、宅建の資格取得研修、高校・大学の講義のほか、投資家向けセミナー、内閣官房内閣人事局主催のキャリアデザイン研修講師、ファイナンシャルアカデミーのお金の教養講座・経済入門スクール等、セミナー・研修・講義は2021年3月時点で3113回。
活動理念は「心、カラダ、キャリア、時間、お金」の5つの健康のバランスを考えた最適提案。