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コラム
2022年2月28日 お知らせ
物価上昇を味方にする資産運用ワンポイントアドバイス

今回は物価上昇への対応策として考えられる3つの資産運用をご提案します。
なお、投資にはリスクがあり、元本保証はありませんので、リスクを理解し、リスクを抑えることを優先する人は「少額、中長期でコツコツ、分散」という考え方を徹底して取り組むことをお願いします。

解決案1:原油、小麦、資源等に投資するETFや投資信託を持つ

物価が上昇するというのは、買う側では支払いが増えますが、売る側では収入が増加します。つまり、売る側の視点に立ちましょう。

たとえば、

  • ガソリン代が上昇すると困る人は、原油に投資するETF(上場投資信託)や投資信託を購入する
  • 食料品が上昇すると困る人は、食料品(小麦等)に投資するETF(上場投資信託)や投資信託を購入する

つまり、コモディティ(商品)に投資することで、物価上昇で増える家計支出を、投資した資産の値上がりでカバーすることができます。
ETF(上場投資信託)とは株価や商品等の指数に連動する運用成果を目指す投資信託で、株式と同様に証券会社で取引できます。これらの資産(コモディティ)に投資する投資信託は、銀行や証券会社で取引できます。証券口座(特定口座)を開設すれば、スマホやタブレットでも取引できます。
もちろん、世界の景気、気候変動、自然現象、政治的リスクによる価格変動により、想定外の大きな損失を被ることもありますので、相場が大きく下がったときに購入する、または毎月・毎週コツコツ積立方式で購入するなど、リスク管理が重要です。

解決案2:物価が上昇するほど、強みを発揮する会社の株式を持つ

商品・サービスの価格が上昇すると、購入する量が減ったり、購入する人が減る商品・サービスもあれば、価格が上昇しても、購入量や購入客数が減らない、場合によっては希少価値が評価されて、購入量や購入客数が増える商品・サービスもあります。

前者の商品・サービスを扱う会社の売上・利益は減少する可能性が高いと考えられますが、後者の商品・サービスを扱う会社の売上や利益は伸びることが期待できます。

今回のような企業努力では吸収が難しい物価上昇局面では、「安さ」を売りにする商品・サービスよりも、値段に見合う、または値段を上回る「快適性」「利便性」「独自性」「必需性」「乗り換えが面倒」「価格競争力がある」等の要素を多く兼ね備えた商品・サービスを提供する会社の株式を、中長期的な視点で購入・保有することで、対応することが考えられます。

株式は、証券会社で取引することができますので、まずは証券口(特定口座)を開設してみましょう。株式も投資信託やETFと同様に、元本割れのリスクがあります。

自分が毎日、毎週、毎月使っている商品・サービスを見回して、それらの中から上記要件を満たす商品・サービスを扱っている会社の業績を調べてみたり、株価を確認して、少しずつ買ってみることから始めてはいかがでしょうか?

言い換えれば、自分が利用していない商品・サービス、知らない会社はその良さが分からないわけですから、自分にとってはリスクが高いため、より慎重に検討しましょう。

なお、日本株は100株単位で取引するため、最低数万円、通常は数十万円、株価が高い銘柄は数百万円必要ですが、アメリカ株は1株から購入できますので、アメリカ株のほうが金額から見たハードルは低くなっています。

解決案3 :資産の一部を外国通貨・外国資産で持つ

日本は約20年以上にわたりほぼゼロ金利の状態が続いていますが、アメリカでは、インフレの影響から長期金利が上昇し、ドル高円安が進んでいます。

外国通貨全てに対して、外貨高円安が進んでいるわけではありませんが、今後、円安による(輸入)物価上昇の影響を小さくするには、資産の一部を外国通貨または外国資産で保有することで、その影響を抑えることができます。

北朝鮮問題、ウクライナ情勢等の地政学リスクの高まり、海外景気の原則・悪化等により円高が進行して損失を被る可能性ももちろんありますが、外国の経済成長を家計の取り込むための方法として、外国通貨・外国資産を保有することは基本的な対策の1つといえます。

外国通貨・外国資産の購入する方法は、

銀行(外貨預金、外国に投資する投資信託)、証券会社(外貨建てMMF、外国に投資する投資信託、外貨建て債券、外国株式等)、保険(外貨建て終身保険、外貨建て個人年金保険)

等があります。

たとえば、iDeCo(個人型確定拠出年金)やつみたてNISAを利用して、積立方式でコツコツ毎月・毎週少しずつ

  • 世界中に分散投資する株式投資信託(インデックスファンド)を購入する
  • 今後経済成長が見込める国・地域の株式に投資する投資信託を購入する

等の方法が考えられます。

資産運用・投資にはリスクを伴いますが、リスクがあるからこそリターンがあります。

  • 買い手の負担が増える=売り手の収入が増える(売り手に投資する)
  • 物価上昇が敵になる会社もあれば、味方にできる会社もある
  • 輸入物価上昇=輸出する外国の収入が増える(外国通貨・外国資産に投資する)

など、両面志向で考えるとできることは色々とあります。
物価上昇に対して資産形成で備える場合、自分はどのようなリスクであれば受け入れることができるのか、じっくり考えてみましょう。

私たちFPもお手伝いさせていただきます。

文・益山 真一(ますやま しんいち)

1971年生まれ。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。
1級FP技能士、CFP認定者
マンション管理士、宅地建物取引士、消費生活アドバイザー、ダイエット検定1級、食生活アドバイザー2級、健康管理能力検定2級
2003年から2017年まで15年にわたり、國學院大學経済学部非常勤講師

人生を楽しむお金を生み出すことを目的とした執筆、講演活動を展開。
主なテーマは「資産形成・老後資金準備と家計管理」。
FPの資格取得・継続教育、宅建の資格取得研修、高校・大学の講義のほか、投資家向けセミナー、内閣官房内閣人事局主催のキャリアデザイン研修講師、ファイナンシャルアカデミーのお金の教養講座・経済入門スクール等、セミナー・研修・講義は2021年3月時点で3113回。
活動理念は「心、カラダ、キャリア、時間、お金」の5つの健康のバランスを考えた最適提案。