株式投資の着眼点1 売上と営業利益

2018年9月下旬から10月上旬、日経平均株価は27年ぶりの高値を付けました。
株式投資をギャンブルだと考えている人も多いようですが、実際には
「好業績」「割安」「成長」「独自性」等のキーワードの要件を多く満たす銘柄ほど、
今後の株価上昇を期待できます。
今回は「業績」、特に売上と営業利益に絞って、投資判断の着眼点について考えてみましょう。
売上・営業利益ともに安定的・継続的にアップ ○
営業利益率の変化、売上・営業利益の伸び率に注意

好業績の基準は売上と営業利益。
営業利益とは売上原価と販売費・一般管理費を差し引いた利益を言います。
この2つが安定的・継続的に右肩上がりに増えている銘柄は、
増えたり減ったりする銘柄、減り続ける銘柄に比べて、業績が安定しており、
投資対象として安心して選びやすいといえます。
より理想的なのは、営業利益率(営業利益÷売上×100)が伸びている会社。
他社にはない独自の強みを有している、他社が真似しにくい強みを有していることが多く、
その強みがある場合、長期的に安心して保有しやすいといえます。
反対に、売上と営業利益が安定的・継続的に増えている銘柄であっても、
営業利益率が徐々に低下している会社は、独自の強みが弱くなっている可能性があります。
また、売上や営業利益の伸び率が増している会社の株価は上昇しやすい傾向がありますが、会社が大きくなるにつれて、伸び率が鈍化してくる傾向があります。
売上アップ・営業利益ダウン △

最近は、原材料費の上昇、人件費の上昇等の影響を受けて、
外食産業等を中心に売上が伸びていても、営業利益が減少している会社が増えています。
また、価格競争に巻き込まれて、売上(量)は増えているものの、利益率(効率)が下がってしまっている会社もあります。
また、新規出店をすることで売上は増えているものの、既存店の売上高が減少している場合もあります。
これらの課題をクリアして、営業利益を増やすことができる、営業利益率を改善できれば、投資対象として魅力的ですが、営業利益の減少、営業利益率の鈍化が続くようであれば、一旦投資対象から外すことも必要かもしれません。
売上ダウン 営業利益アップ △

事業譲渡や会社分割等による売上減少が原因であれば、さほど気にする必要はありませんが、特にそのような影響はなく、売上ダウン、営業利益アップの会社は売上以上にコストを削減することによって、営業利益を生み出していると考えられます。
そのコスト削減がどのような費目であるかが重要です。
無駄なコスト削減、設備投資による効率化によるコスト削減であればよいのですが、
人件費等の減少によるコスト削減は要注意です。
ただし、長い間、業績が低迷し、株価が低迷している会社であれば、
業績改善のテコ入れの材料として評価され、株価が反転・上昇するきっかけとなる場合もあります。
短期的には、「市場予想よりよければ上昇、悪ければ下落」

いずれのケースにも言えることですが、
株価は、投資家の思惑によって形成されており、投資家の期待度が高ければ、高くなり、
期待度が低ければ、安くなります。
つまり、売上・営業利益が安定的・継続的にアップしている会社は、投資家の期待度が高いため、株価は高くなる傾向があり、
売上・営業利益が減少傾向にある会社は、投資家の期待度が低いため、株価は安くなる傾向があります。
そこで、投資家の予測に反する業績が公表されると、大きく逆方向に振れてしまいます。
会社が発表する業績予想、証券会社や会社四季報が予想する業績を下回ると株価は下落しやすく、
会社が発表する業績予想、証券会社や会社四季報が予想する業績を上回ると株価は上昇することがあります。
株価は
短期的には上昇・下落を繰り返しますし、
世界や日本の経済、政治、社会の動きにより変動しますが、
長期的には、安定的・継続的に利益を上げて社会に貢献し、
投資家に利益を還元する銘柄は上昇しやすいものです。
人生100年時代、学び直し等のキーワードをよく耳にするようになりました。
投資は働きながらもできますし、現役を退いた後も一生にわたり生かせるスキルです。
投資の成果は、短期的には「運」に左右されますが、
長期的には「学び」と「経験」の積み重ねに左右されます。
投資初心者の方は、まずは、iDeCo(個人型確定拠出年金)やDC(企業型確定拠出年金)を活用した老後資金準備、NISA(少額投資非課税制度)やつみたてNISA(積立型の少額投資非課税制度)による資産形成に取り組みながら、学びと経験を積んでいただき、
株式投資に興味をお持ちでしたら、少しずつ取り組み始めてはいかがでしょうか?