Column

コラム
2021年3月3日 ライフプランニング
子育て世代の住宅予算は、まず教育プランから

家を買いたい!と思ったときが買い時。

欲しいのは欲しいのだけど、なかなか一歩を踏み出せない。

住宅ローンを利用してマイホームを購入しようと考える人にとって、購入後の長い期間、毎月ローンを返済していけるのかという不安は大きいものですよね(私もそうでした)。

特に、今後、子育てをしていきながら・・という人にとっては、教育費の不安もありますので、より不安が大きいものと思われます(私もそうでした)。

今回は、子育て世代の住宅購入に向けての、自分のライフプランの整理を考えてみましょう。

子どもがいる場合、教育資金がかかる時期は変更できないが、メリットも

子どもの成長は待ってくれません。

つまり、子どもがいる場合、学費がかかる時期も決まってしまいます。

言い換えれば、間取りも概ね決まりますし、学費の負担が重くなる時期に向けて、具体的に資金計画を考えることができるというメリットもあります。

例えば、子どもが5歳と3歳である家族の場合、学費の負担が重くなるのは、13年後(上の子が18歳で大学進学)から19年後(下の子が22歳で大学卒業)まで。

このような前提条件がある場合、

  • 子どもが大学を卒業する20年目くらいまでは、教育資金と住宅ローン返済をメイン、その後は住宅ローンと老後資金準備をメインに取り組む
  • 入居後10年(一定の消費税10%住宅は期間限定で13年)にわたり適用できる、住宅ローン控除で戻ってくる所得税(および住民税)相当額を子どもの大学入学資金として貯める
  • 当初10年または20年の住宅ローンの金利を固定金利にして、住宅ローンと大学進学資金の準備を計画的に進められる環境を作る
  • 変動金利の住宅ローンを利用して、毎月の返済負担を抑えつつ、金利2%としたときの住宅ローン返済額との差額を「つもり貯金」して、大学進学資金を準備する

等、方向性を考えることで、漠然とした不安を、1つ1つクリアし、マイホーム購入の資金計画をより具体化することができます。

高校までの学費は毎月の家計費で

マイホーム購入プランをより具体化するために、教育費がいくらかかるかを把握します。

教育費は「いくらかかるか」「いくらかけるか」という2つの要素で決まります。

実際には、地域や子育て方針によって大きく異なりますが、基本的には、高校までの学費は毎月のやり繰りで確保し、大学の資金はできる範囲で、事前にコツコツ準備するのが一般的です。

文部科学省の子供の学習費調査によれば、幼稚園から高校までの公立・私立別の学習費(平成30年度)は以下のとおりです。

例えば、子どもの進学についてまだ具体的に考えてない場合には、まず、高校までは公立に通う前提で、教育費の予算を考えてみてはいかがでしょう?

上記の統計調査を月額換算すると以下のとおりです。

公立幼稚園 約1.9万円
公立小学校 約2.7万円
公立中学校 約4.1万円
公立高校  約3.8万円

上記の数値を参考に、学校のクラブ活動や学校行事費用、小遣いや学校外の塾や習い事等も含めて、子育て費用の予算を考えてみましょう。

学校外活動費(塾、習い事)は、家計の余裕度に応じて、ある程度調整ができますが、

学校教育費・給食費は、調整がききませんので、ある程度の余裕を持ちつつも、最低限の予算を把握しておくことは重要です。

一方、私立に進学する前提であれば、公立に比べて、学習費は大幅に増えます。

行きたい(行かせたい)学校、やらせてあげたい活動がある場合には、そのプランを最優先に考えましょう。進学プランを前提として、住宅購入予算を検討しておかないと、いざ進学となったときに、こんなはずでは・・・となりかねません。

大学等の進学資金準備のスタンスは?

大学や専門学校の進学資金を全部出してあげたいと考える親は多いとは思いますが、

進学直前に急に準備できるものでもありません。

実際にどうするかのスタンスについては予め決めておかないと準備できない場合もありますので、一応の方向性を決めておくことをお勧めします。

日本政策金融公庫の令和2年度「教育費負担の実態調査結果」による国公立・私立別に見た「入学時にかかる費用」「1年間の在学費用」は以下のとおりです。

この数値を参考に

「全部出す」「入学時にかかる費用は全部出す」「1年までの分を出す」などを仮決めすると、

大学進学までの期間にわたり、毎月の収入からコツコツ積み立てて準備するなど、具体的な準備にとりかかることができるのではないでしょうか?

例えば、所得要件を満たせば支給される児童手当。

3歳に達するまで 月額1.5万円、36カ月で54万円
小学校卒業まで  月額1万円、概ね108カ月で108万円(第三子以降は月額1.5万円)
中学卒業まで   月額1万円、概ね36カ月で36万円

合計で約200万円支給されますので、使わずにコツコツ貯めれば、入学時にかかる費用は十分賄うことができます。

「とりあえず、入学時にかかる費用は児童手当で準備するから大丈夫」

と安心できれば、マイホーム購入の壁が1つ外れるのではないでしょうか?

以上のように、子どもの教育費予算を具体的に考えると、自然とマイホーム購入計画が見えてきたり、マイホーム購入の問題が具体的に見えて、対策を立てることができるのではないでしょうか?

マイホーム購入や教育費は金額も大きいので、夫婦だけで話し合うのはハードルが高いとお感じになる方は、是非、私たちFPをご活用ください。

お気軽にご相談いただければ、お手伝いさせていただきます。

文・益山 真一(ますやま しんいち)

1971年生まれ。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。

CFP認定者、消費生活アドバイザー、マンション管理士、
ダイエット検定1級、食生活アドバイザー2級
國學院大學経済学部非常勤講師(2003年から2017年まで15年間國學院大學経済学部非常勤講師)
航空系商社、FP会社勤務を経て、2001年よりフリー活動を開始。
人生の3大資金である教育資金、住宅資金、老後資金を効率的に手当てし、
人生を楽しむお金を生み出すことをテーマとして、日々、相談や執筆、講演活動を展開。
FP資格取得・継続教育、高校・大学の講義のほか、
金融機関等の社員研修、投資家向けセミナー、参議院や内閣官房内閣人事局人事局主催の
キャリアデザイン研修講師まで幅広く務め、セミナー・研修・講義は2019年6月時点で通算2935回。
長女も12歳3カ月でFP3級、16歳時受験でFP2級に合格するなど、わかりやすい伝え方に定評。
活動理念は「心、カラダ、キャリア、時間、お金」の5つの健康のバランスを考えた最適提案。
相談業務は、30代および40代の家計の見直し、教育・住宅・老後等の3大資金準備に対して、
お客様のライフプランや価値観に基づき、メリット・デメリット・リスク・注意点を伝えながら、
1つでも多く「改善できるヒント」を提供するべく活動している。文・益山 真一(ますやま しんいち)