初めて投資信託を買う人が知っておきたい5つの検索キーワード

消費税が10%になりました。
老後資金2000万円問題、年金財政検証等、老後資金への不安が高まっていますが、
定期預金や利子非課税の財形貯蓄でコツコツ積み上げても、利息はほぼゼロ。
そんな中、口座開設数が増えているのが、みたてNISAとiDeCo(個人型確定拠出年金)。
いずれも毎月(または一定期間ごとに)コツコツと投資信託を購入し、資産形成に取り組む制度(iDeCoは定期預金、保険を選択できます)。
しかし、投資経験がない、または少ない人にとって、自分で投資信託を選んで、買うのはハードルが高いことと思います。
今回は、初めて投資信託を購入する人が、コストやリスクを小さくしつつも、資産形成に取り組んでいただくために、投資信託の検索で知っておきたい5つのキーワードをご紹介します。
キーワード1.つみたてNISA対象

NISA(少額投資非課税制度)とは文字通り、「少額」の「投資」について得られた利益について「非課税」とする「制度」。多くの人に資産形成に取り組んでいただくために作られた制度です。NISAには、3つの制度がありますが、投資信託を初めて購入する人には、「つみたてNISA」の利用をお勧めします。
つみたてNISAでは、毎日、毎週、毎月等、コツコツ投資信託を購入する仕組みですので、高値掴みのリスクを抑えられます(積立投資の効果は下記コラムを参照)。
『ようこそ積立投資へ。失敗しないための3箇条』 (2019.7.8)
さらに、投資対象の投資信託は、金融庁が定めた一定の基準、例えば、購入時手数料が無料、信託報酬(運用管理費用)が一定以下等、ローコストの投資信託に限られます。
金融機関の手数料が少ないということは、お客様の手元に残る金額が多くなるということです。

キーワード2.バランス

バランスファンドとは、債券・株式・リート(不動産投資信託)等に分散投資する投資信託です。
分散効果が働く分、
株式のみ、不動産のみに投資するよりもリスクを小さくでき、
債券のみに投資するよりも大きな収益を期待できます。
なお、分散投資をするバランスファンドの中には、分散する手間がかかる分、購入時手数料や信託報酬等が高いものもありますが、つみたてNISA対象のバランスファンドであれば、手数料が低いもの限定となるため、安心です。
キーワード3.グローバル

投資信託の対象国・地域の検索ワードには、
「日本のみ」「地域指定」「先進国のみ」「新興国のみ」「グローバル(全世界)」等がありますが、グローバル(全世界)に分散することで、相対的にリスクを抑えることができます。
キーワード4.信託報酬年0.5%(消費税込0.55%)以下)
つみたてNISA対象の公募株式投資信託は、購入時手数料は無料、信託報酬も相対的に安いのですが、中でも信託報酬の低いものを選びましょう。
検索メニューの中で信託報酬が最も手数料が低いカテゴリーは0.5%(税込み0.55%)であることが一般的です。
キーワード5.純資産残高30(50)億円以上
つみたてNISA対象銘柄・バランス・グローバル・信託報酬0.55%以下であっても、
運用会社にとって収益が得られない投資信託は繰上げ償還(運用を止めてお金を返すこと)される可能性が高くなります。1つの目安として純資産総額30(または50)億円以上のものを探してはいかがでしょうか?
年間の信託報酬は30億円×0.55%=1,650万円、50億円×0.55%=2,750万円。
この収入を販売会社、運用会社、管理会社(信託銀行)の3社で分けるため、会社として儲かるとは言い難い水準です。
純資産総額が30(50)億円未満であっても、残高が安定的に増えていれば、繰上げ償還のリスクは低いと言えますし、純資産総額が30(50)億円未満で、増えていないようであれば、繰上げ償還のリスクが相対的に高いと考えられます。
日本の金融機関で扱われている投資信託は6,000近くありますが、証券会社のホームページ等で上記の5つの検索キーワードで絞り込むと、多くても10~20程度に絞り込むことができます。選ぶ手間も省け、ローコストで分散効果が高く、純資産総額がある程度多い投資信託を選ぶことができるはずです。
是非、証券会社のホームページで、キーワード検索を試してみてください。
投資信託を選び、つみたてNISAでコツコツと買い付け、老後資金準備不安の解消の第一歩を踏み出してくださいね。