低金利の住宅ローンだからこそ、延滞には要注意!

新型コロナウイルスの影響により、
住宅ローンの返済に不安を抱えている人も多いと思います。
夫婦共働きで、夫婦で住宅ローンを組んでいる場合
低金利であったため、頭金ゼロで物件価格100%の住宅ローンを組んでいる場合
ボーナス返済を頼りにして住宅ローンを組んでいる場合など。
今後も暫くは住宅ローンの金利が上がりにくいとは思われますが、
それ以上に収入が減少したり、なくなっために、延滞すると思わぬ負担が発生することも。
今回は、住宅ローンの延滞リスクについて解説します。
延滞すると優遇金利の適用を受けられず、金利の支払いが数倍になる可能性も

住宅ローンの金利は超低金利ですが、各金融機関の住宅ローン金利は
「店頭表示金利○○%、最優遇金利○○%」
「基準金利○○%、適用金利○○%」のように表示されています。
これは「店頭表示金利、基準金利が原則ですが、金利引き下げ要件を満たしていれば、店頭表示金利・基準金利よりも低い最優遇金利・適用金利が適用される」ことを意味します。
言い換えると、延滞すると金利引き下げの適用がなくなり、店頭表示金利・基準金利が適用される可能性があります(ケースバイケースです)。
たとえば、基準金利2.475%、適用金利0.525%の場合、延滞等により0.525%を適用できなくなり、基準金利2.475%が適用されると、金利の支払いは4.71倍(2.475÷0.525)。
返済が大変だったから延滞したのに、延滞するともっと苦しくなってしまうことになります。
本来、低金利の住宅ローンも、延滞すると重荷になる可能性があります。
延滞情報が信用情報機関に登録されると5年間は借り換え、買い換えに支障も

住宅ローンの返済において延滞情報が信用情報機関に登録されると5年間は記録が残ってしまいます。その後、住宅ローンを借り換えるときはもちろん、住宅を買換える際の住宅ローンの申込み、クレジットカードの作成等でも大きな支障となります。
住宅ローンを延滞すると、最初のうちは電話や書面で督促を受け、数ヶ月(例:6カ月)以上延滞が続くと、金融機関は保証会社に対して一括弁済を求めてきます。
「保証会社が肩代わりしてくれるなら延滞しても大丈夫」と勘違いする人も多いのですが、実際は違います。保証会社は金融機関に代わって一括弁済を求めてきます。
つまり、返済できなければ、保証会社はマイホームを没収されてしまいます。
以上のとおり、延滞するとローンの返済が重くなる可能性があり、長期化すると更に分が悪くなります。言い換えれば、延滞する前に相談することが重要です。
対応は金融機関によって様々 いち早く相談を

具体的な対応は金融機関によって異なりますが、考えられる方法を主な列挙してみます。
・返済期間延長
現在の返済期間をさらに長くします。
毎回の返済額は少なくなりますが、総返済額は増加します。
現在は、超低金利ですので、適用金利が変わらなければ、増加額は小幅に抑えることができます(適用金利の上昇を抑えるためにも、延滞前に相談したいところです)
・期間限定の毎回の返済額の減額
当面の数年間、返済額を軽減することもできます。
減額期間中の返済額は少なくなりますが、その後の返済額は多くなります。
今回の新型コロナウイルスでは先が見えないものの、当面の返済額を抑えることができるのは大きな助けになります。
・ボーナス返済の変更
具体的には、ボーナス返済月の変更、毎月返済額とボーナス返済額の割合変更、ボーナス返済の取り止め等の方法が考えられます。
いずれも年間返済額では大差はありませんが、住宅ローンの延滞が増えるのは、ボーナス返済月と言われています。そのため、「ボーナス返済の割合を少なくして、毎月返済を増やす」「ボーナス返済を止める」等、ボーナス依存の家計を見直します。
もちろん、毎月の住宅ローン返済負担が増えるため、通信費、車両費、食費・日用品費等の固定費を見直すことで対応する必要があります。
その他、・返済猶予等も考えられます。
生活の安定にとって住宅は最も重要です。
元々の住宅ローンの金利が低いため、以前のような繰上げ返済や借り換え等による金利負担軽減の余地が小さく、できることには限りがあります。
もしかしたら、まずいかも・・・と感じたら早めに借入先の金融機関に相談しましょう。