家計の見直し第2ステップ 「意識化」「設備投資」
2018.06.25
家計の支出の見直しをする場合、
外食を減らす、旅行を減らす、無駄遣いを減らす…などが真っ先に頭に浮かぶ人が多いと思いますが、何故だか分かりますか?
これらは楽しく、意識的な支出、つまり贅沢をしているように感じるかららです。
これらの支出を見直せば、家計の支出が少なくなり、数値的には改善されますが、
幸せ指数は上がるでしょうか?
お子さんの教育費を確保できる、住宅を購入できる等のメリットもありますが、
ちょっとした贅沢を楽しめなくなる分、幸せ指数は下がってしまうかもしれません。
家族のライフイベントを実現するために、ある程度の贅沢を控えることは重要ですが、
できれば、幸せ指数を維持または向上しつつ、家計支出を減らしたいものです。
固定費の第1手は契約の見直し、第2手は意識化と設備投資。
今回は第2手について解説します。
(第1手は別コラムを参照 http://alphardic.com/918)
提案1 意識化するため、現金払い
家賃・住宅ローン等の住居費
生命保険・火災保険・自動車保険等の保険
スマホ等の通信費
電気・ガス・水道等のインフラ費用
自動車のガソリン代・駐車場・・・
これらの出費の多くが、口座振替、クレジットカード決済、給与天引き等、
お財布以外から支払っています。つまり、普段の生活では無意識な支出です。
加えて、電子マネーの普及により、電車・バス等の運賃やコンビニ・スーパー等での買い物も、紙幣や硬貨を使わないため、無意識化しつつあります。
このように、お財布から使うお金が減っているため、何となく「お金を使わなくなっている」と感じるため、たまにはお金を使おうか・・とより支出が増えてしまう傾向があり、実際には、想像以上にお金を使ってしまっています。
精神学医のデビット:クルーガー博士の著書、「「お金」のシークレット」によると、
「現金で支払うよりもクレジットカードで支払うほうが、無意識に23%も支出が増える」との記述があります。クレジットカードが「便利なために利用されている」と考えると、
電子マネー等にも同じことがいえそうです。
この記述を反対側から捉えると、あえて不便な窓口払いを利用するなど、
現金で支払えるものを現金で支払うようになると、使いすぎでは?という意識が働きやすくなり、家計支出を削減できる可能性が高くなると考えることができます。
住宅ローン、生命保険を効果的に活用しつつ、
通信費、インフラ費用も適正化を図り、
便利な口座振替やクレジットカード決済を利用するのであれば賛成ですが、
これらの効果的な活用を意識せず、手間がかからず、単にポイントが貯まるから・・という理由で、クレジットカード払いや口座振替等を利用するのはお勧めできません。
提案2 意識化し、見直す仕組み作り
クレジットカード、口座振替、電子マネー決済等の便利な制度を利用しつつ、
家計の支出を増やさないためには、定期的に家計の見直しをすることが効果的。
「毎月、クレジットカードの請求明細を家族にオープンにする」
「毎月、預金通帳を家族に見せる」等、家計の変化に気づく仕組みを考えましょう。
家計責任者が自主的に見直すこともそれなりの効果はありますが、自分には甘くなりがち。
できれば、家計責任者以外の目を定期的に通すことが理想的です。
他人の目を通すのはちょっと・・・という方は
「水道光熱費、通信費が〇円を〇カ月連続でオーバーしたら黄色信号」
「教育費、住宅ローンの合計額が〇カ月連続でオーバーしたら赤信号」
等のシグナルラインを設定しておき、必要に応じて、家族会議を開く、専門家に相談するというルールを作っておきましょう。
家計の見直しは、支出が多くなっていることに気づかない限り、「毎月の出費だから仕方ない・・」となりがちだからこそ、意識化し、気づく仕組み作りが重要です。
提案3 設備投資
月々の金額は小さくても、一生涯で考えるとバカにならないのが通信費や水道光熱費。
これらの見直しには、別コラムで解説した契約の見直しに加えて、設備投資も効果的。
設備投資は一定の導入コストを伴いますので、契約の見直しほど積極的にはお勧めしにくいのですが、コスト削減効果が期待できるのであれば、一度アクションを起こすことで、無意識にその恩恵を受けることができます。
スマホ通信費やネット接続費用は、Wi-Fi有効活用のほか、家族全員の携帯電話会社の統一化、格安スマホへの切り替え等。
電気代は、LEDの蛍光灯・電球に切り替えるほか、
10年程度以上経過した、冷蔵庫、エアコン、洗濯機等の家電の買換え等。
水道代は、節水タイプの水栓、エアインシャワー、節水タイプのトイレに切り替える等。
その他、自動車もコスト重視であれば、エコカーや軽自動車に切り替えたり、
都会住まいで使用頻度が低いのであれば、カーシェアリングの利用も効果的。
筆者も全電球、蛍光灯のLEDに切り替え、
節水タイプの水栓、エアインシャワーに切り替え、水道光熱費の負担が下がりました。
また、自動車購入費用を抜きにしても、駐車場、ガソリン代、自動車保険、自動車税で約36万円(月額換算3万円)かかっていましたが、カーシェアリングに切り替えることで、家計の固定費を削減できました(カーシェアリングも費用を伴う点で設備投資といえます)。
地域やご家庭の事情等により、できること、できないことがあることと思いますが、
家計を見直しやすい仕組みを作り、必要な設備投資を実施することで、
将来に対する漠然とした不安を軽減し、楽しい支出を確保しましょう。
益山 真一(CFP ®認定者・1級FP技能士)
経験豊富なお金のプロがあなたの悩みを解決いたします。
まずはお気軽にご相談ください。