地震は心配でもみんな地震保険に加入しているのでしょうか?
2018.01.29
マイホームを持つと、「大地震が発生して家が壊れたらどうしよう」と心配になりませんか?大地震に備える手段として、日本には地震保険があります。火災保険に付加して加入しますが、加入は強制されているわけではありません。実際のところ、どのくらいの割合で加入しているのでしょうか?気になったので調べてみました。
- 世帯加入率が高いのは宮城県の51.8%
地震保険の世帯加入率とは、地震保険契約の件数を住民基本台帳に基づく世帯数で割った数値です。2016年度の地震保険の都道府県別世帯加入率を確認してみました。下記に世帯加入率の特に高い都道府県と特に低い都道府県を載せておきます。
世帯加入率が高い都道府県 | 世帯加入率 | 世帯加入率が低い都道府県 | 世帯加入率 |
宮城県 | 51.8% | 沖縄県 | 14.8% |
愛知県 | 40.3% | 長崎県 | 15.4% |
東京都 | 36.7% | 島根県 | 16.2% |
熊本県 | 35.6% | 青森県 | 20.3% |
神奈川県 | 35.1% | 長野県 | 20.7% |
岐阜県 | 34.6% | 秋田県 | 21.0% |
福岡県 | 34.2% | 山形県 | 21.0% |
千葉県 | 33.4% | 新潟県 | 21.2% |
山梨県 | 31.6% | 佐賀県 | 21.3% |
全国平均 | 30.5% |
資料:損害保険料率算出機構
世帯加入率は宮城県(51.8%)が断トツで高いです。2011年にあれだけ大きな地震があったことで、地震保険の必要性を実感した人が多かったのかもしれません。熊本県(35.6%)も同じことが言えそうです。世帯加入率の低い方は、沖縄県(14.8%)と長崎県(15.4%)と島根県(16.2%)で20%に届かず、宮城県とは30%以上の差になります。
世帯加入率は全国平均で30.5%しかありません。10世帯に7世帯は地震保険に加入していない訳で、地震大国にしては低いような気がします。
- 付帯率が高いのも宮城県で86.4%
世帯加入率とは別に付帯率も確認してみました。地震保険の付帯率とは、新規の火災保険契約にどのくらいの割合で地震保険契約を付けているかを表しています。下記の表は2016年度の地震保険の都道府県別付帯率で、特に高い都道府県と特に低い都道府県を載せてあります。
付帯率が高い都道府県 | 付帯率 | 付帯率が低い都道府県 | 付帯率 |
宮城県 | 86.4% | 長崎県 | 45.0% |
高知県 | 84.8% | 佐賀県 | 50.1% |
宮崎県 | 79.0% | 北海道 | 52.4% |
鹿児島県 | 76.3% | 富山県 | 54.1% |
岐阜県 | 74.6% | 沖縄県 | 54.2% |
熊本県 | 74.3% | 京都府 | 55.7% |
徳島県 | 73.8% | 石川県 | 56.2% |
愛知県 | 72.9% | 兵庫県 | 56.2% |
福島県 | 72.2% | 群馬県 | 56.6% |
全国平均 | 62.1% |
資料:損害保険料率算出機構
地震保険の付帯率でも宮城県が最も高く、新たに火災保険に加入した世帯の86.4%が地震保険にも加入しています。次に高いのが高知県(84.8%)と宮崎県(79.0%)で、この2県が高いのは、今後起こるかもしれない大地震へ備える意識が高いからだと考えられます。
付帯率が最も低い都道府県は長崎県(45.0%)で、次がお隣の佐賀県(50.1%)となっています。そばの熊本県で大地震があったばかりですが、この地域は昔から地震が少ないのでしょうか?北海道は地震が多そうですが、付帯率は比較的低いです。兵庫県も1995年に大きな地震がありましたが、付帯率は比較的低いです。
地震保険の付帯率は全国平均62.1%(2016年度)です。2008年度の45.0%と比べたら、僅か8年で付帯率が17.1%も高くなっています。それでも都道府県によってはまだまだ低い所も多いです。宮城県と長崎県では付帯率に41.4%もの差があります。
都道府県によって付帯率や世帯加入率に大きな差があるのは、地震への備え方の違いが個人だけでなく地域全体にもあるのでしょう。地震はいつ起きるかわからず、どこで起きるかもわかりません。今からでもできる備えは確実にしておきたいものです。
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