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夫婦世帯の妻の働き方を考える ー健康保険の被扶養者・国民年金第3号被保険者は本当に得か?ー

お知らせライフプランニング

2021.08.23

 

現在、夫婦共働きが多数派になっており、専業主婦世帯は以前に比べて随分減りました。

いわゆるサラリーマン家庭の専業主婦(短時間パートタイマーを含む)は、

健康保険では被扶養者、国民年金では第3号被保険者として加入し、保険料負担がないため、保険料を支払っている人からみると有利に感じられますが、実際のところ、どうなのでしょうか?

今回は、健康保険の被扶養者、国民年金第3号被保険者の要件とメリット、デメリットについて考えてみます。

 

 

健康保険の被扶養者の収入要件は60歳以上と60歳未満で異なる

 

被保険者の収入によって生計を維持している者75歳未満の者で、

60歳未満は年収130万円未満、60歳以上は180万円未満の者が健康保険の被扶養者となります。

同居している場合には被保険者の収入の2分の1未満であることも要件となっており、

収入には、パート収入や老齢年金のほか、失業等給付、障害年金、遺族年金等も含まれます。

 

なお、似たような年収要件には

・個人住民税の非課税(年収100万円以下)

・所得税の配偶者控除の要件(年収103万円以下)等もあります。

一般に「103万円の壁」が有名ですが、130万円(180万円)の壁も、非常に重要です。

 

なお、国民年金第3号被保険者は60歳未満が対象であるため、130万円未満が要件となっています。

 

 

大企業のパートは年収が低くても、健康保険、厚生年金保険に加入義務あり

 

前述にかかわらず、所定労働時間または所定労働日数が一般社員よりも短いパートタイマーも、次の要件に該当すると、健康保険、厚生年金保険に加入しなければなりません。

 

・従業員数501人(2022年10月以降は101人、2024年10月以降は51人)以上の企業であること

・1年以上(2022年10月以降は2カ月超)の雇用見込み

・月額賃金8.8万円以上であること

・1週間の所定労働時間が20時間以上であること

・学生でない

 

つまり、賃金が130万円または180万円に満たない場合でも、健康保険、厚生年金に加入することになります。

 

 

健康保険料、厚生年金保険料の自己負担割合は概ね15%程度

 

健康保険の一般保険料率は、都道府県や健康保険組合ごとで異なり約10%前後。

介護保険料率(40歳以上65歳未満)は、協会けんぽは全国一律で1.8%、健康保険組合は組合ごとで異なります。

厚生年金保険の保険料率は18.30%。

いずれも、原則、労使折半で負担しますので、

40歳未満のパートタイマーの自己負担割合は約14%、

40歳以上65歳未満のパートタイマーの自己負担割合は約15%となります。

概算ですが、毎月の標準報酬月額が12万円(年間144万円)である場合、

40歳未満の被保険者の年間保険料は約20万円、

40歳以上65歳未満の被保険者の年間保険料は約22万円となり、

手取額は120万円台前半。

つまり、年収130万円弱で働く人よりも、社会保険料の負担だけを考えても、少なくなります(さらに、所得税、住民税も課税されますので、手取額は更に少なくなります)。

 

健康保険、厚生年金保険に加入して働く場合、月13万円程度の場合の手取額は約130万円未満の場合とほぼ同じですので、手取額を増やしたいと考える場合、月14~15万円以上の収入を目指しましょう。

 


 

健康保険に加入しないパートタイマーのデメリットは傷病時、出産時の給付

 

被扶養者も治療費の自己負担割合は被保険者と同じですので、

一般論としては、保険料を支払わずに、同じ治療を受けられたほうが得に感じます。

ただし、健康保険の被保険者には、

・病気やけがで働くことができず、給与を受けられない期間に支給される傷病手当金

・出産日以前42日間、出産日後56日間、出産休業を取得することによる出産手当金

の支給はありますが、被扶養者にはありません。

被扶養者として働く場合、被扶養者の傷病時、出産前後の収入が減少することは頭の片隅に入れておきましょう。

 

 

国民年金第3号被保険者は、保険料負担ゼロで年金が増える!

厚生年金に加入すると、60歳に達するまでは老齢基礎年金と老齢厚生年金が増える!

 

国民年金の第3号被保険者として働く場合、保険料負担なしで、60歳に達するまで、

老齢基礎年金が増えていきます。

一方、厚生年金に加入すると、保険料の負担は発生しますが、老齢基礎年金と老齢厚生年金の両方が増えていきます。

 

60歳に達するまで厚生年金に加入して1年働くと、年収の約9%の保険料負担が発生しますが、65歳以降の年金を「約1.95万円+年収×0.55%」の年金を増やすことができます。

 

例えば、40歳以降60歳に達するまでの期間、

年収180万円(標準報酬月額15万円)で働くと、

厚生年金保険料を年間約16.5万円(健康保険料を含めると約27万円)支払い、

年金を約3万円(約1.95万円+180万円×0.55%)増やすことができます。

 

年収180万円で10年働き、65歳から10年にわたり受け取ると、

厚生年金保険料を年間約165万円(健康保険料を含めると約270万円)支払い、

約3万円×10年(働く期間)×10年(受け取る期間)=300万円受け取ることができます。

 

 

40歳から60歳に達するまでの期間、年収180万円で働いた場合に増える年金額

年金受取期間

5年・70歳まで

年金受取期間

10年・75歳まで

年金受取期間

20年・85歳まで

働く期間 年金保険料

(年金・健康保険料)

5年 82.5万円(135万円) 75万円 150万円 300万円
10年 165万円(270万円) 150万円 300万円 600万円
15年 240万円(405万円) 225万円 450万円 900万円

※ 保険料、年金額は概算。今後の各種調整は考慮していない

健康保険料には介護保険料(協会けんぽ)を含む

 

今後、国民年金、厚生年金の金額は平均余命の伸び、現役世代(被保険者の減少)、賃金上昇(下落)率、物価変動率に合わせて、支給水準は徐々に下がっていくことが予想されており、受け取ることができる金額は、表の金額よりも少なくなると考えられます。

現在の状況では、概ね厚生年金保険料と健康保険料を足した保険料と、65歳以降10年受け取る年金額がほぼ同額となり、長生きするほど、支払った金額よりも受け取る年金額が多くなります。

長生きした場合の収入を増やすことができる点で、一定の効果は期待できそうですが、

年金受給開始後、10年以内に死亡すると、支払った金額よりも少なくなります。

 

一方、国民年金第3号被保険者として加入すると、保険料を負担せずに年金を受け取ることができる分、損得でいえば、「得」ということになります。

 

 

 

損得よりも、仕事に対する価値観や老後資金準備のスタイルを優先

 

保険料を負担しなくても、国民年金や公的医療保険の恩恵を受けられるのであれば、

その制度を利用したくなるのはごく自然の考えです。「無料の魔力」ですね。

ただし、保険料を支払うことで、得られるメリットもありますし、お金の面では得であっても、デメリットとなる一面もあります。

 

お金のためだけの「仕事」は苦痛かもしれませんが、

・家庭以外の自分の居場所を作ることができる

・仕事を通じて社会貢献することができる

・生活にリズム、張りが出る

・仕事が適度な運動効果をもたらす

など、プラスをもたらす働き方ができれば、収入や時間に制限を設けないで働くことも1つの選択肢ではないでしょうか?

 

社会保険を踏まえた働き方についてご相談したい方は、ぜひ、私たちFPにご活用ください。

 

 

 

 

文・益山 真一(ますやま しんいち)

1971年生まれ。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。
1級FP技能士、CFP認定者
マンション管理士、宅地建物取引士、消費生活アドバイザー、ダイエット検定1級、食生活アドバイザー2級、健康管理能力検定2級
2003年から2017年まで15年にわたり、國學院大學経済学部非常勤講師
 
人生を楽しむお金を生み出すことを目的とした執筆、講演活動を展開。
主なテーマは「資産形成・老後資金準備と家計管理」。
FPの資格取得・継続教育、宅建の資格取得研修、高校・大学の講義のほか、投資家向けセミナー、内閣官房内閣人事局主催のキャリアデザイン研修講師、ファイナンシャルアカデミーのお金の教養講座・経済入門スクール等、セミナー・研修・講義は2021年3月時点で3113回。
活動理念は「心、カラダ、キャリア、時間、お金」の5つの健康のバランスを考えた最適提案。

 

 

 

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