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columnコラム

高齢者負担、特に高所得の高齢者の負担は確実に増加

お知らせライフプランニング

2021.05.24

 

2010年代は、子育てに関する制度の充実が目立ちました。

児童手当の拡充、市町村による医療費助成制度の拡充、

高校授業料無償化、日本学生支援機構による給付型の奨学金の創設、

幼稚園・保育園の負担軽減等、

これから子育て世代に取り組む人たちにとっては、従来に比べて、目覚ましい充実ぶりです。

 

一方、2010年代以降、高齢者の負担、特に高所得の高齢者の負担は格段に重くなっています。今回は、相対的に高所得である高齢者の負担が重くなっている3つの事例を紹介させていただき、今後の予想される変化、できる備えを考えます。

 

 

所得税・住民税の公的年金等控除の上限の設定、他の所得が高い人はさらに引下げ

 

 

国や企業から受け取る公的年金(老齢給付)や企業年金、確定拠出年金は

「年金額-公的年金等控除額」の金額が雑所得として所得税・住民税が課税されます。

公的年金等控除額は、65歳未満は最低60万円、65歳以上は最低110万円を差し引くことができます。

この公的年金等控除額について、2020年から公的年金等控除の金額が改正されました。

 

具体的には

・公的年金等の収入金額が1,000万円を超えると、公的年金等控除額は195.5万円が上限

(みなし経費に上限が設けられ、公的年金等が1,000万円を超える部分の必要経費はゼロとなり、税負担が重くなる)

 

・公的年金等の雑所得以外の所得金額が1,000万円を超える場合は更に10万円、2,000万円を超える場合は20万円、公的年金等控除を縮小

(給与が多い、不動産賃貸や事業による利益が多い場合などは、更に税負担が重くなる)

 

数値だけを見ると、現状では、多くの人に関係なさそうですが、

今後、公的年金等控除の上限額が引き下げられたり、

他の所得金額の基準が引き下げられることで、

より多くの高齢者の税負担が重くなる土台ができあがったと考えることができます。

 

ちなみに給与収入の給与所得控除額(みなし経費)は以前、上限がありませんでしたが、

2013年以降、年収1,500万円以上 上限245万円

2016年以降、年収1,200万円以上 上限230万円

2017年以降、年収1,000万円以上 上限220万円

2020年以降、年収850万円以上  上限195万円

とみなし経費が引き下げられ、所得税・住民税の負担が増加しており、

同じようにみなし経費の上限を引き下げていくことによる増税が予想されます。

 

 

2022年度下期に75歳以上の3割の人の医療費が負担増に

 

 

現在、医療費の負担は

70歳未満は3割、

70歳以上75歳未満は2割(高所得者は3割)、

75歳以上は1割(高所得者は3割)となっています。

 

今回、改正されるのは75歳以上(一定の状態の場合は65歳以上)の人が加入する

後期高齢者医療制度の自己負担割合です。

2022年度下期から、現在1割負担となっている人でも、

・課税所得が28万円以上

・年収200万円以上(複数世帯の場合は、後期高齢者の年収収入が320万円以上)

の両方に該当する後期高齢者の医療費の自己負担割合は2割負担となる予定です。

 

被保険者 現在 2022年度下期改正後
70歳未満 3割
70歳以上75歳未満 2割(高所得者は3割)
75歳以上 1割(高所得者は3割) 1割(高所得者は2割または3割)

 

先に述べた所得税・住民税の改正は、多くの年金をもらっている人、多くの給与や賃貸・事業の利益がある人に限定されますが、この制度は、現在、自己負担割合1割である人の約23%の人に影響があるとされています。

持病等により、長期にわたり、高頻度で外来診療を受けている患者の負担増等に配慮して、

制度施行後3年間は、1カ月の自己負担増を3,000円以内に収める措置がとられるとのことですが、今後、より多くの高齢者の医療費負担が1割から2割、3割に引き上げられていくことが予想されます。

 

 

2021年8月以降、現役並み所得者世帯の介護費用の自己負担限度額が引き上げ

 

 

公的介護保険の自己負担割合は要介護・要支援の等級別に定められた利用限度額の範囲内であれば、原則1割、65歳以上の一定の高所得者は2割または3割となっています。

ただし、1カ月の介護保険のサービスを利用している場合の自己負担額が高額となった場合には、所得に応じて定められた限度額を超える部分について、介護保険から高額介護サービス費として払い戻される仕組みがあります。

つまり、保険適用範囲内であれば、重すぎる負担にならない配慮がなされていますが、

現役並み所得者世帯の自己負担限度額が2021年8月から引き上げられます。

 

具体的に引き上げられる対象は住民税課税世帯かつ現役並み所得者がいる場合で、

年収770万円以上の場合です。

 

高額介護サービス費の自己負担限度額(月額・現役並み所得者世帯)

年収 従来 2021年8月以降
約1,160万円以上 44,400円 140,100円
約770万円以上 93,000円
約383万円以上 44,400円(改正なし)

 

今回の改正では、

・住民税非課税世帯

・住民税課税世帯であっても現役並み所得者でない世帯(一般所得者)

場合の自己負担額に変更はありません。

 

 

できる対策は「税制の有効活用」「必要に応じた保険の活用」

 

 

以前は、高齢者になれば、税負担も少なく、医療費負担も現役に比べれば低く抑えられていましたが、徐々に子育て世代に厚く、高齢者世代に負担を求める社会に変わりつつあります。

若い世代は、働くことができますし、多様な対策が考えられますが、

高齢者になってから負担が増えたときの対策は限られています。

 

私たちFPが提案できる対策は2つです。

1つめは、iDeCoやNISA、つみたてNISAを活用した資産形成です。

もちろん、損失が発生する可能性がありますので、長期、積立、分散等のリスク・コントロールが必要です。これらの制度を活用した資産形成において、適切なリスクテイクにより得られたリターンに対する運用益は非課税となりますし、老後の生活だけでなく、医療費・介護費用の準備にも充てることができます。

さらにいえば、iDeCoやNISAの収益は、医療費負担や介護費用負担の判定における所得・収入に含まれません。

また、特定口座(源泉徴収口座)で確定申告を不要とする場合の配当・分配・譲渡益も、

判定に含まれません。

つまり、やり方によっては、資産形成は「資金の準備」と「負担増抑制効果」を持ち合わせます。

 

2つめは、必要に応じた保険の活用。

・入院費、手術費用の負担に備えるために、医療保険やガン保険に加入する

・介護保険の自己負担額を手当てするために介護保険、介護保障保険に加入する

などの方法も1つの手当の方法として考えられます。

 

公的医療保険には高額療養費、公的介護保険には高額介護サービス費がありますので、

過剰に心配する必要はないと考えますが、今後も負担増が予想されますので、

あらかじめ備えておくことで、その心配を和らげる効果を期待できます。

 

現在や近い将来の生活を重視しつつも、遠い将来のバランスを考えて、

適切に資金配分することが重要です。

私たちFPと、一度、将来の備えと資金配分について考えてみませんか?

 

 

文・益山 真一(ますやま しんいち)

1971年生まれ。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。
1級FP技能士、CFP認定者
マンション管理士、宅地建物取引士、消費生活アドバイザー、ダイエット検定1級、食生活アドバイザー2級、健康管理能力検定2級
2003年から2017年まで15年にわたり、國學院大學経済学部非常勤講師
 
人生を楽しむお金を生み出すことを目的とした執筆、講演活動を展開。
主なテーマは「資産形成・老後資金準備と家計管理」FPの資格取得・継続教育、宅建の資格取得研修、高校・大学の講義のほか、投資家向けセミナー、内閣官房内閣人事局主催のキャリアデザイン研修講師、ファイナンシャルアカデミーのお金の教養講座・経済入門スクール等、セミナー・研修・講義は2021年3月時点で3083回。
活動理念は「心、カラダ、キャリア、時間、お金」の5つの健康のバランスを考えた最適提案。

 

 

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