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高齢者向け住宅ローン「リ・バース60」をご存じですか?

お知らせマイホーム売買

2021.02.22

 

住宅ローン金利は低水準で推移する一方、首都圏を中心に都市部では、新築住宅、中古住宅とも価格は高止まりしています。

現役世代の方であれば、住宅ローンを借りて、毎月の収入から返済をしていくのは何とかなるとしても、

60代、70代と年齢が高くなるにつれて、返済終了時年齢の制限によって、短期での返済を求められるため、毎回の返済負担が重くなりがちで利用しづらいのが現実です。

今回は返済負担を抑える仕組みがある、60歳以上の方向けの住宅ローン「リ・バース60」を紹介します。

 

 

 

毎月返済は利息のみ

 

 

リ・バース60は、銀行等の金融機関が住宅金融支援機構と提携して提供する住宅ローンの1つで、ネーミングのとおり、原則満60歳以上の人を対象としています。

住宅の建設・購入、リフォームのほか、借換え、サービス付き高齢者住宅の入居一時金でも利用できます。

住宅ローン全体の利用者の数から見ると件数は少ないですが、利用者は確実に増えており、

2019年度の実績で、付保実績戸数687戸(前年度比133.7%増)、付保実績金額約93億6,000万円(同111.3%増)、取扱金融機関は65(同13増)となっています。

 

通常の住宅ローンとの大きな違いは、毎月の返済は利息のみであること。

 

具体的な事例で比較してみましょう。

 

事例1:リフォーム・融資額500万円

リ・バース60  :金利3%の場合、毎月返済額は12,500円

通常の住宅ローン :返済期間20年、金利1%、元利均等返済、毎月返済額は約23,000円

 

事例2:マンション購入・融資額1,500万円

リ・バース60  :金利3%の場合、毎月返済額は37,500円

通常の住宅ローン :返済期間20年、金利1%、元利均等返済、毎月返済額は約69,000円

 

以上のように元金の返済がない分、リ・バース60のほうが毎月返済額は少なくなります。

なお、元金は、返済者が死亡したときに、相続人が一括返済するか、担保物件を売却するかを選択します。

 

 

ニーズの高いノンリコース型

 

 

多くの住宅ローンは「リコース型」といい、売却代金などで返済しきれない場合、残りのローンも何らかの方法で資金を調達して、返済しなければなりません。

団体信用生命保険は、リコース型のローンについて、

返済終了前に死亡した場合の残債務を保険金で返済するための生命保険です。

リ・バース60は、前述のとおり、死亡時に相続人が一括返済するか、担保物件の売却により返済するため、団体信用生命保険に加入することはできません。

そこで、リ・バース60で注目を集めているのが、ノンリコース型。

リコース型は、担保物件を売却してもローンが残る場合には相続人が返済しなければなりませんが、ノンリコース型は担保物件を売却してもローンが残る場合でも、相続人は返済義務を負いません。

利用者にとっては相続人に追加負担させる心配がないため、ニーズが高く、2019年度は98%がノンリコース型となっています。

ちなみに、売却代金が元金の全額を満たし、余剰がある場合、その余剰金は、相続人が受け取ることができます。

 

 

通常の住宅ローンに比べて金利は高め。ノンリコース型は+αも

 

 

金利は金融機関によって異なりますが、概ね変動金利タイプで、通常の住宅ローンの金利よりも高めに設定されています(前述の事例でも高めに設定して比較しています)。

さらに、ノンリコース型は、売却代金で返済しきれない場合でも、追加負担が発生しないことから、その対価として、リコース型よりも金利が高く設定される場合があります。

 

したがって、通常の住宅ローンのほうが、金利も低く、金利面だけを見れば、通常の住宅ローンのほうが有利ですし、返済が速く終われば、長生きした場合の負担が軽くなり、有利ともいえます。

資金収支(キャッシュフロー)重視? 総返済額重視? 資産価値(ストック)重視? 

 

リ・バース60は借入残高が減らず、一生涯支払うことになりますので、

余命や住む期間によって有利不利の判定が変わります。

終身支給される公的年金等の収入が一定程度あり、その収入で十分に支払うことができる範囲内であれば、キャッシュフローの余裕ができる分、リ・バース60は検討に値します。

 

一方、長生きした場合の負担が多くなることを嫌う場合、今後の資産価値(ストック)を相続人に引き継ぎたいと考えている場合は、キャッシュフローの負担が重くても、通常の住宅ローンのほうが、よいかもしれません。

 

資金収支、総返済額、資産価値のどれを重視するのか、

相続人がその住宅の購入をどうしたいのかなど、

多面的に考えて、比較検討して結論を出すことが大切です。

 

今後、公的年金が増えにくく、減りやすくなっていく中、

老後のキャッシュフローの改善は非常に重要なテーマであり、

リ・バース60は、有力な選択肢であり、検討する価値がある住宅ローンといえます。

住宅ローンの組み方・借換えや、老後資金の資金収支について、

お悩みのようでしたら、どうぞお気軽にご相談ください。

 

リ・バース60の概要

借入申込日現在 満60歳以上
毎回の返済額 利息のみ
死亡時 相続人による一括返済または住宅売却

リコース型とノンリコース型

融資限度額 8,000万円

所要金額の100%

担保評価額の50%または60%

のいずれか一番少ない金額

使い道 住宅の建設・購入、リフォーム、

サービス付き高齢者住宅の入居一時金

住宅ローンの借換え

年間返済額 年収400万円未満 年収の30%以下

年収400万円以上 年収の35%以下

金利 金融機関により異なる

 

 

文・益山 真一(ますやま しんいち)
1971年生まれ。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。

CFP認定者、消費生活アドバイザー、マンション管理士、

ダイエット検定1級、食生活アドバイザー2級

國學院大學経済学部非常勤講師(2003年から2017年まで15年間國學院大學経済学部非常勤講師)

航空系商社、FP会社勤務を経て、2001年よりフリー活動を開始。

人生の3大資金である教育資金、住宅資金、老後資金を効率的に手当てし、

人生を楽しむお金を生み出すことをテーマとして、日々、相談や執筆、講演活動を展開。

FP資格取得・継続教育、高校・大学の講義のほか、

金融機関等の社員研修、投資家向けセミナー、参議院や内閣官房内閣人事局人事局主催の

キャリアデザイン研修講師まで幅広く務め、セミナー・研修・講義は2019年6月時点で通算2935回。

長女も12歳3カ月でFP3級、16歳時受験でFP2級に合格するなど、わかりやすい伝え方に定評。

活動理念は「心、カラダ、キャリア、時間、お金」の5つの健康のバランスを考えた最適提案。

相談業務は、30代および40代の家計の見直し、教育・住宅・老後等の3大資金準備に対して、

お客様のライフプランや価値観に基づき、メリット・デメリット・リスク・注意点を伝えながら、

1つでも多く「改善できるヒント」を提供するべく活動している。

 

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