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columnコラム

コロナで通勤手当廃止の動きが加速~年金や給与から差し引かれる社会保険料はどうなる?~

お知らせライフプランニング

2020.09.14

 

新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けて、

大企業を中心にリモートワークが定着してきました。

それに合わせて、通勤手当を廃止し、交通費の実費を支給する方式に切り替える会社も

出てきました。

会社と自宅の通勤経路で、途中下車で使えた定期券が使えなくなる、など、生活上の不便を

感じている人もいると思いますが、遠距離通勤(通勤定期代が高い人)ほど、実は年金、健康保険等で大きな影響を受ける可能性があります。

今回は、通勤手当の減少による社会保険への影響について解説します。

(なお、交通費の実費精算により、出勤日数によっては、定期代よりも高くなる人もいると思われますが、その場合、会社側から通勤定期を使うように指示が出ると思われますので、本稿では割愛します)

 

通勤定期代、所得税・住民税は非課税ですが、社会保険料は重負担

 

通勤手当は月額15万円まで所得税・住民税が非課税とされています。

東京駅発着の新幹線通勤では、

東海道新幹線では東京・静岡

東北新幹線では東京・新白河

上越新幹線では東京・上毛高原

北陸・長野新幹線では東京・上田

までは非課税で支給されます。

そのため、長距離通勤ほど、お得感があるように感じられるかもしれませんが、

勤務先と会社員が負担する厚生年金保険料、健康保険料(40歳以上65歳未満は介護保険料)は、通勤手当も計算根拠となっています。

(通勤手当雇用保険料でも計算根拠となっていますが、今回の原稿では割愛します)

 

 

遠距離通勤は手取増となるケースも。

 

厚生年金保険料、健康保険料は、標準報酬月額、標準賞与額を元に計算されます。

この中には、通勤手当(定期代、実費精算を含む)も含まれます。

標準報酬月額は、32等級に分けて計算されますので、毎月の定期券代が少額であれば、

定期券代の支給がなくなっても、標準報酬月額の等級も変わらず、保険料も変わらない可能性があります。

一方、定期券代が高額である場合、定期券代の支給がなくなり、標準報酬月額の等級が下がることによって、毎月の保険料負担も減る可能性があります。通勤定期が日常生活に使えない不便はありますが、会社が支給する通勤手当が減ると、社会保険料が減り、手取給与は増える可能性があります。

 

例:東京の会社(協会けんぽ加入)勤務

標準報酬月額=賃金50万円(うち通勤手当月額2万円)の40歳以上65歳未満の場合

 

従来の社会保険料(賃金、標準報酬月額50万円)

健康保険料29,150円 厚生年金保険料45,750円

通勤手当廃止後(賃金48万円 標準報酬月額47万円)

健康保険料27,401円 厚生年金保険料43,005円

 

差額 月額 4,494円の手取増、年換算53,928円の手取増

 

東京都の健康保険料、厚生年金保険料
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/shared/hokenryouritu/r2/ippan_3/r20913tokyo.pdf

 

 

通勤手当廃止によるプラス面 その1

保険適用となる治療を受け、1カ月間に支払う保険適用治療費が高額となる場合、

ある一定額を超える部分は治療費の負担が軽くなります。(30%負担→1%負担)。

例えば、70歳未満の場合、1カ月ごとの自己負担限度額は以下のとおり。

 

標準報酬月額83万円~     252,600円+(医療費-842,000円)×1%

標準報酬月額53万円~79万円  167,400円+(医療費-558,000円)×1%

標準報酬月額28万円~50万円  80,100円+(医療費-267,000円)×1%

標準報酬月額26万円以下    57,600円

低所得者(住民税非課税世帯)  35,400円

 

所得区分の境目周辺の報酬を得ている人(53万円→50万円、28万円→26万円)は

高額治療を受ける場合の負担が軽くなる可能性があります。
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3030/

その他、介護費用の負担も少なくなる可能性があります。

 

通勤手当廃止によるプラス面 その2

老後に働きながら年金を受け取る場合に減らされにくくなる

 

60歳以降、厚生年金適用事業所で働き給料をもらいながら、年金も同時に受け取っている場合、給料と年金(報酬比例部分)の合計額が一定額を超えると年金が減らされます。

たとえば、65歳以降、給料(標準報酬月額+直近1年間の標準賞与額÷12)と老齢厚生年金(報酬比例部分)の合計が47万円を超えると、47万円を超える部分の半分の年金がカットされます。

通勤手当がなくなると、総報酬月額相当額が小さくなるため、年金がカットされにくくなり、年金の手取額が増加します。

 

通勤手当廃止によるマイナス面 その1 年金が少なくなる

 

保険料の負担が減少した分に応じて、厚生年金から受け取ることができる年金(老齢厚生年金、障害厚生年金、遺族厚生年金)が少なくなります。

 

通勤手当廃止によるマイナス面 その2 健康保険の手当が少なくなる

病気やケガで働くことができず、勤務先から給与を受けられない場合、

所定の要件のもと、支給開始日から最長1年6カ月にわたり、

標準報酬日額相当額の3分の2の金額が健康保険から支給されます。

通勤手当が支給されなくなると、標準報酬日額相当額も少なくなるため、傷病手当金も少なくなります。なお、出産前後の休業期間に支給される出産手当金も少なくなります。

 

通勤手当の廃止により、年金や健康保険の手当が減る一方で、

給与の手取額が増える、給料をもらいながら働く場合の年金が減りにくくなる等のメリットもあります。

 

家を新たに借りよう、新たに買おうと考えている皆さんは、

通勤手当の生活への影響を理解して、住まい探しをするエリアを考えてはいかがでしょうか?

 

 

文・益山 真一(ますやま しんいち)
1971年生まれ。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。

CFP認定者、消費生活アドバイザー、マンション管理士、

ダイエット検定1級、食生活アドバイザー2級

國學院大學経済学部非常勤講師(2003年から2017年まで15年間國學院大學経済学部非常勤講師)

航空系商社、FP会社勤務を経て、2001年よりフリー活動を開始。

人生の3大資金である教育資金、住宅資金、老後資金を効率的に手当てし、

人生を楽しむお金を生み出すことをテーマとして、日々、相談や執筆、講演活動を展開。

FP資格取得・継続教育、高校・大学の講義のほか、

金融機関等の社員研修、投資家向けセミナー、参議院や内閣官房内閣人事局人事局主催の

キャリアデザイン研修講師まで幅広く務め、セミナー・研修・講義は2019年6月時点で通算2935回。

長女も12歳3カ月でFP3級、16歳時受験でFP2級に合格するなど、わかりやすい伝え方に定評。

活動理念は「心、カラダ、キャリア、時間、お金」の5つの健康のバランスを考えた最適提案。

相談業務は、30代および40代の家計の見直し、教育・住宅・老後等の3大資金準備に対して、

お客様のライフプランや価値観に基づき、メリット・デメリット・リスク・注意点を伝えながら、

1つでも多く「改善できるヒント」を提供するべく活動している。

 

どんなことでも、お気軽にご相談ください。

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